暮らしのコト

中高生の自転車事故 発生頻度が高いのはどこの県?

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(OVO オーヴォより)

【自転車事故の都道府県別件数(中学生・高校生)】

昨年6月の道路交通法改正で14歳以上の危険運転常習者にも罰則が導入されたが、自転車事故がなくなる様子はない。イメージ的に自転車事故が多いのはシニア層と思われがちだが、実際には、中学生と高校生が多いようだ。そこで、自転車の安全利用促進委員会は、中高生の自転車事故実態について、公益財団法人交通事故総合分析センターの協力で調査を行った。

年齢層別1000人当たりの事故頻度を調べると、最も高いのが16〜18歳(高校生の年代)の5.6%、続いて13〜15歳(中学生の年代)の4.1%、7〜12歳(小学生高学年の年代)の2.4%という結果に。一方、警視庁交通総務課統計によると、55〜64歳は1.2%、65〜74歳は1.4%となっており、中高生の事故頻度はシニア層の4〜5倍に達することがわかった。

また、事故原因のうち約7割は法令違反。道交法の改正で、「信号無視」、「路側帯通行時の歩行者通行妨害」、「歩行者用道路徐行違反」、「通行区分違反」など14項目の違反者に対し、安全運転を行わせるため講習の受講が義務づけられたが、これらの年代は免許取得などでの交通ルール知識を理解する機会が少ないため、学校等で行われている講習の充実等が必要かもしれない。

そこで、高校生100人と見守る立場である主婦500人を対象に、中高生にルールやマナーが浸透しているか聞いたところ、「とてもそう思う」「そう思う」と答えたのは2割にも満ない結果に。主婦では87.0%、高校生では83.0%が「ルール、マナーが浸透していない」と回答していた。

中高生の事故状況を調べてみると、高校生の1万人あたりの事故率は、何と全体の3.3倍! 中高生の自転車事故率は大都市圏よりも地方都市で多い傾向が読みとれた。都道府県別でみると、中学生のワースト3は群馬、佐賀、香川の順、高校生のワースト3は群馬、静岡、宮崎の順だった。

中学・高校ともにワースト1位は群馬県(!)。自家用乗用車数(千人当たり)が673.8台と全国第1位、道路実延長(5.47km)が全国9位と自動車交通が盛んなことが関係していそうだ。また、人口10万人あたりの交通事故件数は、全国1位の佐賀県を筆頭に、香川県、静岡県、宮崎県と続いており、自動車事故が多い地域は自転車事故も多いと推測できる。ところが、大都市圏も同様に交通事故件数が多いのに、自転車の事故率が低いことから、通学時の自転車利用の多さも事故率に関係する要素であることがうかがえる。交通事故の多い県のなかでも、温暖な静岡県、降雨が少ない香川県など、自転車通勤・通学に適した地域で自転車事故が多いことがそれを裏付けているのではないだろうか。

安全運転を心掛ける必要があるのはもちろんだが、事故は危険運転だけで起きるものではない。ブレーキが効かないといった整備不良でも重大事故が起こるリスクがある。中高生だけの問題として捉えるのではなく、いざという時のための「自転車保険の加入」などを含め、自転車の利用について、いま一度見直してみたいものだ。

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MATOME