暮らしのコト

コミュニケーションはセンスではなく技術! ビジネスや恋愛に必要な伝達力を説く「伝わっているか?」

この「記事」が気に入ったらみんなにシェアしよう!

みんなにシェアしよう!

(OVO オーヴォより)

宣伝会議が6月に刊行した小西利行著「伝わっているか?」が、9月末時点ですでに第3刷3万部となっている。大手書店でも話題本として取り上げられ、その注目度がうかがえる。

「伝わっているか?」は、“伝える”ではなく“伝わる”コミュニケーションを学べる実用本。「好きだ」と一方的に自分のエゴを押し通すのが“伝える”。逆に「好きだ」ということを相手に届けて、相手の気持ちを動かすのが「伝わる」。筆者はそのように「伝わる」ための言葉の理論を20の「伝わるメソッド」と定義し、4章10話のショートストーリー形式に織り込んでいる。「過疎の村に観光客を集めたい」「夫と仲直りをしたい」など、コミュニケーション不全により、さまざまな悩みを抱えた人々が言葉を話すコミュニケーションに長けたイルカのもとを訪れ、イルカがそれらの悩みをビシッと解決していくというもの。身近に起こりうる具体的な事例を多く載せているので、すぐに応用できる。難しくお堅い解説本ではなく、ストーリーを楽しみながら学べる本書の構成そのものが「伝わるメソッド」の実践といえる。

CIやコンセプト開発、ITクリエーションなど幅広い領域で活動し、20年におよぶキャリアのなかで開発した小西氏の理論は、「コミュニケーションはセンスではなく技術である。デザインは学問になっているのに、なぜコピーライティングは学問になっていないのだろう。コピーライティング学をつくりたい」という持論から生まれたもの。本書はその第一歩だという。「考え方や意識を変えるだけで、驚くほどコミュニケーションはスムーズになることを体験いただき、読んでくれた人の人生が少しでも前向きになってくれたら」と語った。

小西氏の本書の内容について聞いた。

−−本書で「コミュニケーションは技術だ」とおっしゃられていますが、そう考えはじめたきっかけはいつからですか?

小西 もともと都市開発やマーケティングがやりたくて広告会社に就職しました。ところが、配属されたのはクリエイティブの部署。それもコピーライターでした。ビジネスキャリアのスタート時点では言葉についての意識はほぼありませんでした。ただ、昔から落語が好きで上方から江戸までいろいろ聞きまして、言葉やコミュニケーションへの興味はありました。ある程度キャリアを積んでくると、言葉のつながりで企業と消費者の橋渡しをしたり、事業が決まっていったりすることにのめり込んでいきました。その辺からコミュニケーションには技術を要すると思いはじめました。

−−コミュニケーションや伝え方がここ数年注目されています。この現象をどのように捉えていますか?

小西 人間関係やビジネスを有利にする、弁の立つ人がどの分野にもいますが、そういう人たちには特殊なセンスが生来備わっていると思われていました。コミュニケーションに関するノウハウ本が多く出版されたことで、センスではなく技術で補えることが認知され、「努力すれば自分にもできるかも」と汎用的になってきました。その背景にはtwitterやfacebookなどのソーシャルメディアが生活の必需品になり、1対1000、1対10000人とコミュニケーションで繋がる単位が大きくなると、言葉に対する意識が高まるのは自然の流れでしょう。ソーシャルメディアが流行した当初は、「2000人フォロワーがいます」「1000人とつながっています」と、ことさら人間関係やつながりの多さを誇らしげに自慢する人が多かったのですが、今はコミュニケーションをする相手の数よりも、家族や友人、恋人、上司、同僚…誰とどう深くつながっているかが大切。深くつながる、わかり合うために言葉の選び方、言葉の技術が求められていると思います。

−−これから本を読まれる方に向けてメッセージをお願いします。

小西 仕事場や家族、友人、人間関係にはいろいろな悩みがあります。単純に「メールがうまく書けない」という問題を抱えている人もいます。そんなコミュニケーションの悩みや問題は、少し考え方を変えるだけで、意外と簡単に解決できることもあるんです。まずはそれを知ってほしいですね。日本では「黙して語らず」が美徳であるかのような文化があって、喋らない人たちがすごく多い。この本はそんな人たちに向けて書いたアンチテーゼでもあるんです。
一番身近な人たちを喜ばせたいのであれば、プレゼントや花をサプライズで贈るなど相手が喜ぶことを考えますよね。コミュニケーションもそれと同じで、相手が喜ぶことを考えて話すと驚くほど自分の気持ちが相手に伝わると思います。本を読んで実践していただきたいですね。

小西利行著「伝わっているか?」(宣伝会議)は、1,400円(税別)で発売中。

《関連リンク》

伝わっているか オフィシャルサイト
http://www.sendenkaigi.com/iruka/

この「記事」が気に入ったら
みんなにシェアしよう!

MATOME