1905年の『婦人画報』創刊号  丸ごと1冊完全復刻!

この「記事」が気に入ったらみんなにシェアしよう!

みんなにシェアしよう!

(OVO オーヴォより)

こういう“資料”は、ふだんは国会図書館で見るしかないものだ。“ニュース”を扱う新聞と異なり、雑誌は市民生活の諸々を反映しているから、何十年も前の雑誌は“史料”の宝庫だ。それが1905年ものとなれば尚更だ。

月刊誌『婦人画報』(ハースト婦人画報社・東京)が、創刊110周年を迎えるのを機に、7月号は「110周年記念号」として、1905年発刊の創刊号完全復刻版が特別付録になる。創刊号に記された初代編集長・国木田独歩の発行の辞は、『婦人画報』が当時の理想の女性像を発信するために発刊された雑誌であることを物語る。当時は門外不出だった華族女学校(現・学習院女子中・高等科)の運動会の様子を、巻頭グラビアのトップで紹介。遠足で潮干狩に出かける女学生や、ヨーロッパから移入された体操をする女学生の写真が掲載されている。女性が学ぶことに対し「有害無益」という声がまだまだ根強く、体を鍛えるために女性が運動することなどほとんど考えられない時代だ。「離婚は女の恥」とされた当時、「徒(いたずら)に恐縮せぬ様」と励ましの原稿が寄稿されるなど、女性の自立や、女性が世界へ目を向けることを促すメッセージが数多く見られる。現代の我々が享受している自由が、彼女たちのさまざまな闘いの上にあることを、感じることができる一冊だ。

また7月号本誌では「1905年の日本婦人」と題した、創刊号の読み解き特集を実施。創刊当時の『婦人画報』が、どのような女性像を理想とし、その理想像がどのようにグラビアに描かれているかを、当時の社会背景などを織り交ぜながら解説している。

この「記事」が気に入ったら
みんなにシェアしよう!

MATOME