2本のエスカレーターで実験  世界共通の心理?

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(OVO オーヴォより)

無言の文化、沈黙の闘い、なのがエスカレーター。例えば地下鉄の駅。今は危険だからと議論になっているが、それでもまだ歩く人のために片側を空けるところが多い。東京では右側を空けるが、パリやワシントンでは左側。車の追い越し車線と一緒かと思いきや、関西やロンドンでも左を空ける。この文化考察はなかなか面白い。

だが、もっと面白い考察がある。スカンジナビア航空が、ストックホルムのアーランダ空港にある2本並んだ上りのエスカレーターで実験をした。片方は速く、片方は遅く動く。みんなはどっちに乗るのか。別に急いでいるわけではなくても、人間、なぜか速く目的地に着きたいというのは世界共通の心理らしい。たとえその目的地が、ほんの数メートル上であってもだ。

左側の速いエスカレーターに乗った旅行客は、右側の遅い方に乗った他の客を隣で追い越していく。あれ?という表情で左側を見やる客たち。乗り口で気が付いて左側に行く客、乗ってしまってから気が付いて、いったん降りてから乗り換える客、左に負けまいと右側でエスカレーターを歩く客。人の行動を見ているとコミカルだが、自分がその場にいたら間違いなく同じことをするだろうと思われる。

エスカレーターの脇には“We always look for the fastest route”(私たちはいつも最速のルートを追求しています)の文字。快適に早く目的地につくという、スカンジナビア航空の“心意気”が“オチ”だ。

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