(OVO オーヴォより)

グロービス経営大学院(東京)の入学生がことし700人を突破し、過去最高を記録した。東京都内で3月行われた東京校の入学式には、新入生の家族ら関係者含め約500人が出席、インタ―ネットで授業を受ける本年度開講の「オンラインMBA」入学生もウェブカメラを通じて式に参加した。
2006年に開学した時の入学生は78人だったが、ことしは702人。入学生を9年間で9倍に増やし、日本最大規模のビジネススクールの一つに成長した。
入学生急増の背景について、グロービス経営大学院経営研究科副研究科長・村尾佳子さんは「グローバル化の進展など経営環境の大きな変化」を挙げ、「社会や企業が実務で成果をあげるための論理思考力、時代の流れを読み取る能力などの実践的能力を求めている時代だ」と指摘する。
ここ数年の入学生は、20代の若者が目立って増えている、という。村尾さんは「20代は意識が高く、仕事ですでに活躍していても、さらに成長したいという願望が強い」と分析。また「今の女性登用の社会的な流れを受けて、やる気のあるパワフルな30代の女性も多く、大学院に通いながら子供を産み、育休中に子育てをしながら通うという人も珍しくなくなってきた」と話す。授業スタイルやキャンパスの雰囲気は、ひんぱんに開催されているオープンキャンパスで実感できる。
このようなMBA取得熱の高まりを受けて、今年新たに開講したのが「オンラインMBA」。自宅や出張先など場所を選ばず、インターネットで授業を受講でき、自らの生活スタイルに合わせて学習できる。グロービス経営大学院のキャンパスは現在、東京・大阪・名古屋・仙台・福岡の5カ所。キャンパスに通えない地方在住者の学習環境を整えることが大きな課題だった。
村尾さんは「オンラインMBAの導入で、従来なら金銭的にも時間的にも通学の負担が大きすぎてMBAをあきらめていた人の入学が、増えてきている」と話す。 学校教育における「地方格差」が問題視される中で、オンラインでの学習が社会人の学び直しにおける「地方格差」についても大きな役割を果たすことが期待される。
★オープンキャンパス
http://mba.globis.ac.jp/seminar/opencampus.html