街のコト

だるいことを「しんどい」「えらい」と言うのは何県民?

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(Jタウンネットより)
体調が悪い状態のときの言葉は全国共通のようで地域差があるようだ。Jタウンネットが2014年5月13日から6月8日まで「体調が悪いとき、地元の言葉で何と言う?」というお題でアンケートを実施したところ、3633人から回答をお寄せいただいた。

全国で最も多かった言葉は「えらい」で37.8%だった。以下、「しんどい」が25.7%、「だるい」が11.9%と続き、これらを合計すると投票総数の75%に達する。三強鼎立と言ったところか。

「こわい」「きつい」「つらい」は10%以下。「せこい」「たいそい」「せつない」に至ってはいずれも1%に満たなかった。

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北の「こわい」、西の「しんどい」、広範囲の「えらい」

次に都道府県別の結果を見てみる。

大ざっぱにいうと、北海道から北関東まで「こわい」が伸びていて、首都圏はバラバラ。石川・富山は「その他」の支持が最も高く、甲信・東海と中国は「えらい」が強い。

関西と四国の西半分は「しんどい」が多数派で、九州は「きつい」が過半数――北東北と首都圏を除くと比較的きれいに線引きができた。

有名な民俗学者・柳田国男は「方言周圏論」を唱えた。文化の中心地で新たな語形が生まれては周辺へ伝播する。その過程は波紋に類似しており、古い語形ほど外に、新しい語形ほど内側に分布する――という考え方だ。

かつての日本の文化的中心地は京都。関西が「しんどい」で、その周辺に「えらい」が分布しているのは、柳田説を思い起こさせる。関西出身者からも、「『えらい』はおっさんの言葉」という証言があった。「しんどい」は比較的新興の言葉なのだろうか。

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票が割れた東日本の大都市圏

京都は「しんどい」と「えらい」で90%を占める。数が多かった割に票は分散していない。

京都府の最終結果
京都府の最終結果

票が分散した県の1つが宮城だ。北海道・東北・北関東で強い「こわい」は「しんどい」と同率1位で27%を占めたが、一方で「だるい」も23%あった。県都の仙台は代表的な支店経済で、他県から移り住んだ人が多いことが影響しているのではないか。

宮城県の最終結果
宮城県の最終結果

首都圏と新潟の場合、34%以上を獲得した選択肢はなく、投票率1位だった言葉もバラバラだ。埼玉が「だるい」と「しんどい」でともに22%、千葉が「しんどい」で34%、東京が「えらい」で34%、神奈川が「だるい」で32%だった。

埼玉県の最終結果
埼玉県の最終結果

独自傾向が強かった北陸

「その他」が最も多かったのが富山と石川で、とくに後者は分散傾向にある。ネットで調べたところ、ご当地では「あっくりする」「だやい」「だぇ~」「てきない」「ひどい」といった表現も使われているようだ。

石川県の最終結果
石川県の最終結果

徳島も票が割れたが、「えらい」「しんどい」、そして「せこい」が並列している。四国の中では関西文化の影響が強い土地柄と言われているが、今回のアンケートでもその傾向がうかがえる。

徳島県の最終結果
徳島県の最終結果

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