(Jタウンネットより)
1928年に竣工した神奈川県庁本庁舎は、昭和初期に流行した帝冠様式を取り入れた建物で、国の有形文化財として登録されている。現役の庁舎としては大阪府庁本館に次いで全国で2番目に古く、「キングの塔」の愛称で市民に親しまれている。
重厚な庁舎とコスプレのコントラスト
月に1、2回のペースで一般公開されていて、ゴールデンウイーク期間中は4日間連続で見学できた。筆者ははじめて本庁舎の内部に入ったのだが、一般の見学者の横でコスプレ撮影会が開催されていた。

神奈川県庁本庁舎(写真はすべて編集部撮影)
撮影会の名称は「皆で創ろう!ココフリ at キングの塔」で、イベント企画者はココフリカンパニー(横浜市保土ヶ谷区)。
廊下を歩いていたとき、たまたますれ違った男性コスプレイヤーの後ろ姿をパチリ。「流星のロックマン」というゲームのキャラクターのようだ。

フリフリの衣装とカラフルなウィッグを被った女性コスプレイヤーとカメラマンの姿も大会議室で見かけた(下の写真には写っていない)。
結婚式にも使える大会議室
大会議室はいかにも和洋折衷な装飾で、かつてはここで県議会が開催されていたという。シャンデリアが点灯していなかったのが惜しい。

大会議室その1

大会議室その2
今年の3月22日には県職員カップル3組がここで結婚式を行った。庁舎活性化プロジェクトチームに所属する若手女性職員の発案で企画されたもので、この夏から一般の人も使えるようになる。
旧貴賓室は、シャンデリアや家具に宝相華の模様が施されていて、色あせてはいるものの落ち着いた色合いだ。

旧貴賓室
知事室は秘書課を通った先にあった。旧貴賓室と同じくらいのスペースがあっただろうか。黒岩祐治知事が手を振っているパネルが展示されている。「いのち」の書は知事本人が書いたもの。それ以外の備品は知事が交代しても原則そのまま使われるという。

知事室
夏にはビアガーデンの計画も?
このほかにも、アールデコ調と和風を組み合わせたデザインが随所に見られた。戦後の無機質なデザインとは違い、どことなく温かみが感じられる。1F入口のシャンデリアは、県木のイチョウがモチーフとして取り入れられている。

1F入口

1F入口のシャンデリア
連絡通路を通って新庁舎へ。12Fの食堂でご当地の食材を使ったランチを食べる。さらに屋上へ上ると――赤レンガ倉庫を見渡すことができた。
本庁舎になるか新庁舎になるかは不明だが、今夏に「港の見えるビアガーデン」として開放する企画も予定されている。

新庁舎屋上から見える赤レンガ倉庫

横浜港から見た本庁舎