街のコト

今ひとつ地味…な相模原駅前は、世界のSAGAMIHARA Cityになれる

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(Jタウンネットより)

流しそうめん世界大会 〜リニア麺で世界一に挑戦!〜」が、2014年8月31日に神奈川県相模原市で開催される。市制60周年記念事業として行われるイベントで、主催は地元の青年会議所。会場は市立北総合体育館(外階段広場)になる。
国内外から6種類の麺が登場して流しそうめんのスピードなどを競う。「リニアのスピードを体感!最速50キロ「超」流しそうめん(世界記録に挑戦!)」という謎なエキシビジョンプログラムもある。

流しそうめん。写真はイメージです(d’n’cさん撮影、Flickrより)

Nagashi-Somen (流しそうめん)

バカバカしさの中に楽しさがありそうな催しだが、それにしてもなぜリニア麺なのか。

謎イベントの裏には相模原の野望が!?

2027年に東京・名古屋間で開業予定のリニア新幹線。神奈川に設置される駅はJR横浜線・相模線・京王相模原線の橋本駅(相模原市緑区)に決まった。
橋本は人口約58万人の八王子市や人口約42万人の町田市にも近い絶好のロケーションで、神奈川の北の玄関口となる可能性を秘めている。県は年間約3200億円の経済波及効果を見込んでいる。

リニアモーターカー(zenjiroさん撮影、Flickrより)

リニアモーターカー

さらに市内には宇宙関連産業にかかわる企業やJAXA(宇宙航空研究開発機構)の相模原キャンパスがある。相模原市を中心とした9市2町を国は「さがみロボット産業特区」に指定した。次世代の有望産業がここで育成されることになれば、世界中から注目されるSAGAMIHARAになることも夢ではない。

暗い話題の多い日本にあって相模原は前向きな材料が揃う。リニア麺は将来への期待を膨らませる地元住民の喜びの現れ――と書くのはオーバーだろうか。

米軍用地一部返還で小田急多摩線延伸なるか?

人口約72万人の相模原は、都心に直結する路線が市の中心部を通っておらず、市の顔となる商業地がない都市ともいわれる。市役所の最寄り駅は横浜線相模原駅だが、2013年度の1日平均乗車人員が2万8776人。これはJR中央線の東小金井駅や西八王子駅よりも少ない。

駅周辺が発展しないのには理由がある。「相模総合補給廠」(アメリカ軍の物資補給施設)が駅の北側を占有しているからだ。東京ドーム46個分(214.4ヘクタール)という広大なスケールで、ノドに突き刺さった棘のような存在といっていい。

全面解決にはほど遠いが、基地用地の一部(17ヘクタール)が1、2年の間に返還されることが決まっている。
市は延伸コースにあたる東京都町田市とも協力して、唐木田駅止まりの小田急多摩線を延伸させて、相模原駅でJR横浜線と連結させる計画を明らかにしている。開発用地は返還予定地を充てる。

もっとも小田急は唐木田をもって全面開業としており、延伸に乗り気ではないとも伝えられる。
自然環境保護の観点でも問題が残る。延伸ルートは貴重な里山地域にかかり、都の保有林もある。鶴見川の水源もこの辺だ。

多摩線延伸は相模原の悲願だが、大自然保護との両立と多額の建設費をどうやってまかなうか……課題も多く残されている。

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MATOME