街のコト

「福井では知らないものはない」お菓子・羽二重餅を東京で入手! しかし実はルーツは…

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(Jタウンネットより)
2014年7月19日から22日までの4日間、食品スーパー「三徳」(東京・新宿区)で「北陸紀行」というご当地グルメフェアが催されていた。
新聞の折り込みチラシでそのニュースを知った筆者は、富山を代表する郷土料理「ます寿司」の弁当を購入。詳しい内容は「近所のスーパーの催事とか、大したモンないだろ…」→絶品ます寿司が売ってて反省に書いてある。

海産物を中心とする北陸の食の豊富さに驚きつつ、店内を歩いていたとき、お菓子のコーナーで見たことのない和菓子が目にとまった。

商品名は「福井名物 羽二重餅」(はぶたえもち)。北陸を一度も訪れたことのない筆者ははじめて聞く名前だ。

「本当に有名なのだろうか」。持っていたスマホで検索すると、公益社団法人福井県観光連盟のウェブサイトのお菓子部門の筆頭に挙げられている。別のサイトには一般人の声として「福井で知らない人はいない」と書いてあった。
昨日今日生まれたご当地フードとは違うみたいだ。これは一度食さねばなるまい――決心した筆者は、羽二重餅1箱を734円で購入した。

長崎の偉人 梅屋庄吉読書感想文コンクール(「長崎近代交流史と孫文・梅屋庄吉ミュージアム」のウェブサイトより)
松岡軒の羽二重餅(写真は編集部が撮影)

ごくシンプルなお菓子だけど繊細

筆者が購入した商品を製造しているのは、市内に店を構える「松岡軒」。1905年に販売を始めた老舗だ。

縦19センチ×横12.5センチ×厚さ1.8センチの箱をまじまじと見つめる。プレミアム感ある作りで、高級絹の代名詞である「羽二重」の名を冠したお菓子にふさわしい。
開封すると、プラスチックの容器に横5センチ×縦3センチ×厚さ4ミリの餅が20枚詰められている。容器のフタはイージー・ピル方式なので、手で簡単にはがせる。

羽二重餅の箱を開封
羽二重餅の箱を開封

フタをあけると……白くてきれいな和菓子が現れた。原材料はビートグラニュー糖、国内産餅粉、水あめ、馬鈴薯デンプン。和菓子とはいえごくシンプルだ。

添付の楊枝を使って2個取り出す
添付の楊枝を使って2個取り出す

添付の楊枝を使い、2個口にほうり込む。「あんこも何もないのはどうかな」と食べる前は思ったが、なめらかな歯ごたえとほどよく効いた甘みは、誰に出しても喜ばれる味だ。
繊細な甘さなので、食前に刺激のあるものを食べないほうがいい。舌がマヒしていると、この美味しさを感じるのは厳しいからだ。飲み物はお茶や水が合う。炭酸飲料は論外だ。

雅な風格が漂う
雅な風格が漂う

ところで、羽二重餅のルーツはちょっと調べただけでも様々な説がある。市内の錦梅堂は初代が江戸後期(19世紀半ば)に考案したとしている。一方で松岡軒のウェブサイトには2代目が考案・命名したと書かれている。別のサイトには明治〜大正期に同時多発的に誕生したとの説明がある。さらに「300年の歴史がある…」と宣伝している店もあった。それどころか、京都や愛知にも羽二重餅を売っている店がある。

同じ羽二重餅といっても個々の商品は微妙に異なるのかもしれないが……筆者は真実を知りたくなった。次の機会までに調査して、その結果をご報告したい。

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