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ツーゾーンファイア、ミシシッピテスト…? 一歩先行くバーベキューのコツ

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9月10日のアンケート記事「火おこしができる男はバーベキューでモテる!」では、「バーベキューの火をおこす」が女性の心をグッとつかむ、という結果が出ました。危険な作業をこなす男性は、やはり頼りがいがあるのですね!

しかし、バーベキューで一生懸命肉を焼くあまり火とにらめっこ続き、そのせいで仲間と会話が弾まない……。かといって肉から目を離すと、焼き加減に失敗してしまうことも……。バーベキューでそんなジレンマに悩んだことのある人は、けっこういるのではないでしょうか?

そこで、仲間とも楽しく会話を弾ませつつ、肉を美味しく焼ける、そんな欲張りな方法を日本バーベキュー協会の下城民夫さんに聞きました! 下城さんいわく、バーベキューは「肉が2割、人が8割」。いい食材があっても、雰囲気作りに徹しなければ、せっかくの楽しい場が台無しになってしまうと言います。

■焼きの忙しさを解消する「ツーゾーンファイア」

下城さん「焼くことに追われず、また失敗しないためのコツは、グリルに炭を置く場所と置かない場所を作ることです。グリルの半分くらいに炭を置き、もう半分には炭を置かない。炭を置いた場所を焼くのに使って、置いていない場所を保温に使うのです」

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食材が焼けたら炭を置いてない方に移し、みんなの食べるペースを見てまた焼き始める、というやり方です。これなら、焼くことに追われてしまうことがありません。バーベキューの本場アメリカでは、「ツーゾーンファイア」といわれるテクニックだそうです。

下城さん1品めは、焼かないで食べられるものを用意しておくのもポイント。ちょうど居酒屋のお通しのようなものですね。みんなにそれを食べてもらっている間に焼き始めるわけです」

確かにこの方法なら、最初の食材が焼き上がるまでジーッと待つ、あのなんとももどかしい時間も解消できますね。続いては、食材の焼き加減のポイントです。

■「ミシシッピテスト」と焼き加減のポイント

下城さん「まず最初に、火加減の上手な調整方法をお教えましょう。その名も『ミシシッピテスト』です。火を起こしたら、網から20cmくらい離れた場所に手のひらをかざします。すると当然、熱さを感じますね。そこで『1ミシシッピ、2ミシシッピ……』とカウントするんです。熱さに我慢できなくなったら、手を網から離してください。だいたい、2ミシシッピから3ミシシッピくらいカウントできたら適温です」

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なんともアナログな方法ですが、人肌での温度調節は意外と正確だそうです。では本題の焼き加減について。

下城さん「先ほどお話しした『ツーゾーンファイア』がとても役に立ちます。炭の真上を強火のゾーン、炭を置いてあるエリアと置いていないエリアの境界線を中火のゾーンとするんです。じっくり火を通したい食材は、中火のゾーンに置きましょう」

代表的な食材の焼き加減のポイントは、以下の通り。

  • 牛肉…最初は強火ゾーンに置き、両表面をガッチリ焼き固める。そのあと、中火ゾーンに移し、お好みの焼き加減になるまで焼く。焼き時間が短いほどレアに仕上がる。
  • 鶏肉・豚肉…中心までしっかり火を通すために、中火でゆっくり焼く。強火で焼いてしまうと、表面だけが焦げて、中身に火が通りきらない可能性がある。
  • 野菜…中火ゾーンで焼く。野菜は乾燥させないようにするのがおいしく味わうポイント。ピーマンなどはオリーブオイルを塗ってから焼くといい。

バーベキューで焼く牛肉は、赤身の分厚いものが適しています。あまり霜降りの上等なお肉だと、せっかくのおいしい脂がグリルの網から炭に落ちてもったいないですし、炎があがって焦げやすくなります。

また、大きめに切ってステーキにしてみるのもおいしく味わうポイントです。ステーキにするときは、柔らかく焼き上げるために下ごしらえの段階で肉たたきなどを使ってしっかりと肉をたたき、繊維を断ちます。そして焼く時に両面をしっかり焼き固めることで、肉汁が肉の中に閉じ込められ、食べた時に口の中でジワっと広がるようになります。

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下城さん「あと、ぜひ試してもらいたいのが、私が名付けた『世界一おいしいしいたけ』。まず焼く前に石突き(※)を取り、笠の裏側に塩をふっておきます。そして笠の表側を網に当てて焼き、さらに塩を振ります。塩が溶けて水分が出てきたらできあがり。ポイントは、しいたけを絶対にひっくり返さないこと。とにかくジューシーに仕上がるんですよ!」

※キノコの根元の硬い部分。

それはぜひチャレンジしてみたい! 手のかけ方1つで、極上のグルメに大変身するんですね。

下城さん「バーベキューはパーティーですからね。みんなが楽しく、ラクをしながら食べるために何ができるかを考えれば、まだまだ工夫できるポイントがあると思います。例えば、食べたあとに後片付けが待っていると思うと、少しテンションが下がってしまいませんか? そこで少しでも面倒を解消すべく、あらかじめゴミが出ないようにする工夫を家でしておくことも大切なんです」

おもてなしの心で雰囲気作りを極めて、スマートなバーベキューを実践しましょう!

■取材協力
日本バーベキュー協会
http:///www.jbbqa.org/

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