街のコト

あなたは「なす」と呼ぶ?それとも「なすび」? 境界線は××県に存在した

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(Jタウンネットより)

「パート先で、『なすび出来ました!』と言うと、店長がキョトン……」。関東では「なす」と呼ぶらしいと初めて知ったという、編集部に寄せられた兵庫県出身の女性の体験談だ。

関西の「なすび」は、関東では「なす」なのか。本来「なすび」と呼ばれていた野菜が、後に「なす」と略されたという説もあるという。全国的にはいったいどうなのだろう、どんな地域差があるのだろうか?

そこでJタウン研究所は約2か月にわたって、「『なす』『なすび』、どっちで呼んでる?」をテーマに、都道府県別のアンケート調査を行った(総投票数953票、2015年11月9日〜16年1月19日)。はたして、その結果は――。

「なす」は東に、「なすび」は西に…

全投票をあわせた数値は、「なす」が563票(59.1%)だ。「なすび」は390票(40.9%)。下の円グラフをご参照いただきたい。

「なす」「なすび」分布図
「なす」「なすび」分布図

都道府県別に見てみよう。各県ごとの最多得票を色分けすると、上のような日本地図になった。「なす」と呼ぶ地域のグリーンは、東日本に広がっている。

青森県(100%)、岩手県(100%)、宮城県(75%)、秋田県(100%)、山形県(100%)、福島県(75%)など、東北各県では、「なす」率が高い。北海道はわずかに「なすび」派が優勢だった。

茨城県(88.9%)、栃木県(83.3%)、群馬県(72.7%)、埼玉県(81.3%)、千葉県(90.5%)など、関東各県の「なす」率の高さも高い。全国から人が集まる東京都は63.9%で、全国平均に近い。神奈川県は78%だった。

なすの花と実(Miyaさん撮影, Wikimedia Commonsより)
なすの花と実(Miyaさん撮影, Wikimedia Commonsより)

一方、「なすび」と呼ぶ地域のクリーム色は、関西以西の西日本に広がっている。大阪府(59.4%)、兵庫県(69.2%)、奈良県(57.1%)など、近畿地方は「なすび」派が高い優勢だ。例外は京都府で、「なす」「なすび」が拮抗している。

「なすび」派は中国、四国、九州にも広がってはいるが、一部「なす」派も混在している。岡山県、山口県、香川県、福岡県、大分県などでも、僅差ではあるが「なす」派が優勢だった。

大和丸なす(Uo3rtさん撮影, Wikimedia Commonsより)
大和丸なす(Uo3rtさん撮影, Wikimedia Commonsより)

さて、興味深いのは境界線だ。いったいどうなっているだろう。

「なす」派100%の新潟県の隣県、富山県は「なすび」派75%である。新潟の南に接する長野県が「なす」派87.5%だが、その隣県である岐阜県は63.6%が「なすび」派。愛知県は「なす」派70%に対して、隣県の三重県は「なすび」派が53.3%とわずかに優勢である。

つまり北から南に、新潟県、長野県、愛知県という「なす」派ラインと、富山県、岐阜県、三重県という「なすび」派ラインが、接しているように見える。この辺りが境界線ではないか、どうだろう? なんだか昔、学校で習ったフォッサマグナに近いような……。

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