街のコト

どっちが人気? よさこいと阿波踊り、関東における勢力図を調べてみた

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(Jタウンネットより)

徳島から飛び出して、今や夏祭りの代名詞的存在となっている「阿波踊り」。片や、急激に勢力を増し全国を席巻する勢いの「よさこい」。夏祭り界の覇者はいったいどっちだ――?

盆踊り「空白地帯」の東京

日本の夏の風物詩といえば盆踊りだが、過疎化が進む農村地帯では執り行うのが難しくなっている。
一方、人口が急激に増加した都会は、新旧住民が一緒に参加できるよう、旧来の踊りとは一線を画すスタイルを導入しているところが多い。東海地方で流行っている「ダンシング・ヒーロー」はその典型例といえる(参照:岐阜・愛知県民は、荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」で盆踊りにフィーバーする)。

さて、江戸=東京は幕府の取り締まりが厳しかったこともあって、古い盆踊りは中央区の佃島を除きほとんど残っていない。ヤクルトスワローズの応援歌で知られる東京音頭があるじゃないかという人もいるだろうが、あれは昭和初期に制作されたヒット曲だ。

そんな歴史背景もあってか、東京で催される盆踊りは、他の地方で生まれたものを積極的に取り入れている。しかも死者を供養するという本来の意義は薄れ、皆で楽しめる町おこしイベントとして定着している。

東京で流行っているのは阿波踊り

筆頭は徳島発祥の阿波踊りだろう。最も有名なのは杉並区の「高円寺阿波おどり」で来場者数は100万人以上とされる。

高円寺阿波おどり(ajariさん撮影、Flickrより)

Parade Of Awa Dance [高円寺阿波踊り]_10

高知を発祥とする「よさこい」の台頭も著しい。例えば、2015年で16回目となる「東京よさこい」は、毎年10月に全国から100チーム以上が参加する。
よさこいは振り付けや衣装の自由度が高く、北海道に伝わった踊りはYOSAKOIに進化するなど多様化が著しい。

東京よさこい2014(ai3310Xさん撮影、Flickrより)

Tokyo YOSAKOI 2014

以上の2つのうち、関東で流行っているのはどちらなのか。主な開催地をまとめたのが以下の図だ。
東京と埼玉は阿波踊りが優勢。一方、北関東と千葉、神奈川は「よさこい」の方が多く開催されている。

town20150728awaodori_yosakoi01.jpg

現在のところ両者の勢力は拮抗しているが、よさこいがわずかにリードか。春や秋のイベントでも見かけるし、幼稚園や学校の授業に取り入れているところもある。裾野が広がっている印象だ。
もっとも、Wikipediaなどに載っているよさこいイベントの中には、2014年の開催が確認できないものもあった。それらは今回の集計から外した。

一方の阿波踊りは、いったん終了した後、踊り手の粘り強い運動で復活しているケースがみられる。東村山市の久米川阿波踊りや埼玉県の新座阿波踊りがそれだ。地力の強さは相当なものといえよう。

関東地方で生まれ育った人間にとって四国はややなじみの薄い場所だが、踊りを通して1本につながっている。

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