街のコト

埼玉の大型モールは子育て世代に優しい!?

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(Jタウンネットより)

育児に追われる親にとって家計のやりくりは一大事だ。衣食住にかかる費用は確実に増えるし、仕事との両立も楽ではない。
子供料金が存在するように、パパ・ママ向けの割引料金を設けてくれたら――。そんな考えが脳裏をよぎる人もいるだろう。

「むさしの村〜♪」の入園料が20%割引!

若い子育て世代の多い埼玉県は、「パパ・ママ応援ショップ」という制度を実施している。
中学3年生までの子供または妊娠中の人がいる家庭に「優待カード」を配布している。これを協賛店舗で提示すると様々なサービスが受けられるというわけだ。

パパ・ママ応援ショップ優待カード(埼玉県提供)
パパ・ママ応援ショップ優待カード(埼玉県提供)

例えば、テレビ埼玉やNack5のCMでおなじみの「むさしの村」は、入園料が20%オフになる。またファミコンショップ桃太郎は、ゲームソフトなどの買い取り価格を20%アップしてくれる(店舗によって異なる)。そして埼玉りそな銀行は、住宅ローンの金利を最大年1.75%引き下げてくれる。

類似の制度は他県にもあるが、埼玉は最大規模

埼玉県の少子政策課によると、本制度がスタートしたのは2007年5月のこと。庁内に設けられた子育て施策に関する検討会議の提言を受けて事業化した。

「パパ・ママ応援ショップ」協賛店舗数の推移(埼玉県提供)
「パパ・ママ応援ショップ」協賛店舗数の推移

類似の制度は東京と沖縄を除く45道府県にもあるが、使える店舗数で埼玉は全国最大規模。検索サイトまたは無料ガイドブック(朝日新聞販売所で無料配布)で協賛店を調べられる。

開始時の協賛店舗数は1882だったが、この8年間で10倍以上の1万9734に増えている。業態は飲食店から衣料品店、金融機関と実に幅広い。使用率も高く、カード所有者の約6割が月1回以上のペースで使っている。
サービスの内容は店によって様々だ。ポイントを2倍にしたり、粗品をプレゼントしたり。3〜10%商品を割り引く衣料品店や、ドリンクや大盛り代を無料にする飲食店もある。

税金は一切使っていない

これらのサービスで発生する費用はすべて協賛店が負担する。つまり県からの補助金等は一切ない。
それでも「お客様から感謝される」「店舗のイメージアップになる」「子育て家庭の来客が増えた」などの効果があることから、協賛店舗は増え続けている。

埼玉県庁では群馬・新潟・栃木・茨城・福島とも提携しており、県民から連携県のカード交付の申請があった際は、各県のカードを送付しているそうだ。

久喜市の大型モールは優待カードの使える店が多い

県内のショッピングモールの多くが優待カードに協賛している。
その1つが埼玉県久喜市の「モラージュ菖蒲」だ。敷地面積14万3000平方メートル、店舗9万平方メートルのスケールは、イオンレイクタウン(同越谷市)に次ぐ。

モラージュ菖蒲外観(運営事務所提供)
モラージュ菖蒲外観(運営事務所提供)

館内のテナントに応援ショップ参加の呼びかけや取りまとめを行っているのは運営事務所だ。全240店舗のうち46が協賛しており、中でもスポーツ用品店の「ヒマラヤ」と子供靴専門店の「ゲンキキッズ」の割引サービスが好評(一部商品を除く)。

ヒマラヤ モラージュ菖蒲店
ヒマラヤ モラージュ菖蒲店
ゲンキキッズ菖蒲店
ゲンキキッズ菖蒲店

運営事務所担当者によると、平日来店促進や買上げ促進につながるメリットが店側にもあるという。

積極的に地域に貢献

館内の子育て応援サービスはほかにもある。
託児所「ラビキッズワールド」は、当日発行のレシート(2000円以上・合算可)を提示すると、子供を40分無料で預かるサービスを行っている。美容室や映画鑑賞、ネイルサロン、マッサージの利用をサポートするというわけだ。

ラビキッズワールド(運営事務所提供)
ラビキッズワールド(運営事務所提供)

施設面では館内レストスペース、ソファの充実、案内サイン見直しなどに取り組んでいる。

運営担当者は、リニューアルによってより楽しい施設ができたと胸を張る。

「館内環境の整備や魅力ある店舗の出店を促進することで、これまで以上に周辺地域・子育て世代の皆様に楽しい『お買い物の場』を提供できるようになったと考えております」

6月末には「トイザらス」も出店することが決まっている。

モラージュ菖蒲のリニューアルプロモーションページ
モラージュ菖蒲のリニューアルプロモーションページ

都心立地ではない分、地域との共生を意識し、それが賑わいにつながっている――そんな印象も受ける。
1階の滝のコートは地元ダンススクールの発表会や、福祉施設に通う障がい者たちが作った製品の展示即売会などが開かれる。地元住民に開かれた空間があるのは魅力だ。

1人でも行きたくなる場所

筆者は今年3月中旬にモラージュ菖蒲を訪れた。最寄り駅からバスで行ったのだが、乗客の8、9割は若い女性。「映画を観て、ショッピングして〜♪」と飛び交う声も弾んでいる。

発車して15分ほど経っただろうか。のどかな田園地帯に巨大な建物が現れた。これがモラージュ菖蒲か、想像以上に大きいな……と眺めていると、モール前の駐車場が満車寸前なのに気づいた。

館内は家族連れであふれかえっていた。男性1人で楽しめる場所があるか一抹の不安があったが、とんだ取り越し苦労だった。
ラジコンサーキット場を備えたホビーショップをはじめ、島村楽器、ヴィレッジヴァンガード、アニメイト、家電のノジマ、ヒマラヤ、九州発の家具インテリア「ツーワンスタイル」などが入っている。

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筆者は未婚。独身でも十分楽しめる施設だったが、キャラクターカートに子供を乗せて館内を歩くパパとママは本当に幸せそう。「いつか家族を連れてモラージュ菖蒲に来たい」と強く思った。

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