「工場萌え」の第一人者・大山顕さんが語る「鹿島臨海工業地帯」の魅力

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(Jタウンネットより)

日本有数の工場スポット、鹿島臨海工業地帯(茨城県鹿嶋市・神栖市)。日中でも圧巻のたたずまいだが、夜になると、よりその色気を増す。茨城県のインターネットテレビ・いばキラTVが公開中の「絶景茨城」では、そんな工業地帯の風景を高画質で伝えている。

全国から工場ファンが集う鹿島。その魅力を「工場萌え」(2007年)などの著書があるフォトグラファー・ライターの大山顕さんに語ってもらった。

工場クルーズの定期船は「茨城県の宝」

ぼくがはじめて鹿島に工場を見に行ったのは、いまから15年前。まだ「工場萌え」が出版されておらず、工業風景を愛でる人などほかにいなかった。それがいまやこうして茨城の「絶景」として映像が作られる時代だ。ほんとうに良い時代になった。

昼はもちろん、夜景も楽しみ(いばキラTVより)
昼はもちろん、夜景も楽しみ(いばキラTVより)

これまで日本中のコンビナートをめぐってきたが、いちばん愛着のある工業地域はどこかと訊かれたら「鹿島」と答えるだろう。毎年春に「鹿島コンビナート ツアー」を開催している。バスを借り切って、全国から集まった工場好きたちで一日かけて鹿島港周辺をじっくりとめぐる催しだ。参加する同好の士たちはすぐに仲良くなり、その後もつきあいを続けている人たちも多い。仲間もいなくて一人きりで訪ねたあの時から、こうして何十人もの仲間で楽しく工場を愛でる今日に至るまで。思い出がたくさんあるコンビナート、それが鹿島だ。

表情が刻々と変わる工場たち(いばキラTVより)
表情が刻々と変わる工場たち(いばキラTVより)

なんといってもさまざまな角度から工場を観賞出来るのがすばらしい。工場を見るためにつくられた展望塔があるのは四日市と鹿島だけだ。ここから見えるのは、Yの字に掘り込まれた鹿島港を中央に左に製鉄所のダイナミックな褐色世界、右に白とシルバーの製油所ワールドが広がる、まさに「絶景」。何時間でもいられる展望塔だ。

高さ52メートルを誇る展望塔(右、いばキラTVより)
高さ52メートルを誇る展望塔(右、いばキラTVより)

そして水面からの眺めも堪能出来るのがすごい。工場が建ち並ぶ岸壁をなめるようにクルーズする定期船は、茨城県の宝だ。上からの引いたビューと、船上から見上げるように愛でる角度では見え方が全く違う。両方じっくり楽しめるのは鹿島ならでは。ほかにも要所要所に工場が見える公園があって、ほんと鹿島工業地域はテーマパークだ! と思う。

対岸から見る煙突たち(いばキラTVより)
対岸から見る煙突たち(いばキラTVより)

工場観賞とは、かっこいい構造物があるかどうかではなく(そもそもすべての構造物はかっこいいのだし)、それを見る場所があるかどうかなのだ。鹿島はその点日本一だと思う。絶景は見ることができてはじめて絶景になる。まだ行ったことがない人はいますぐ鹿島へ!

絶景、ここにあり(いばキラTVより)
絶景、ここにあり(いばキラTVより)

日本経済を支える「絶景」

――大山さんが「テーマパーク」だと表現する、鹿島の工業地域。鹿島港をぐるりと囲んで、鉄鋼や石油化学、飼料のコンビナートが広がる。動画はもちろんだが、ぜひ現地へ足を運んでみたい。日本経済を支える「絶景」が、ここにある。

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