「横浜駅が自己増殖して日本列島を覆い尽くす」…ネット公開されたSF小説の奇想天外

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(Jタウンネットより)

角川の小説投稿サイト「カクヨム」上に投稿されたSF小説が話題を集めている。その名は「横浜駅SF」。タイトル通りに横浜駅を舞台にしたSFで、インパクト抜群のネーミングと、それに負けないクオリティで人気を呼んだ。

横浜駅が無限増殖する世界

横浜駅が自己増殖能力を手に入れた未来のお話(画像はイメージ。keyakiさん撮影。flickrより)

横浜駅

「横浜駅が自己増殖して日本列島を覆い尽くす未来小説。」

という、一見冗談のような概要だが、内容は「駅」という身近な施設を題材にした見事なSF小説だ。横浜駅の外で生まれ育った主人公が、ひょんなことから横浜駅内に入り、制限時間内で内部を冒険する……というストーリー。作者の「イスカリオテの湯葉」さんが2015年1月にツイッターに投稿した一連のツイートを再構築し小説化。以前はtumblr上で連載されていた。

横浜駅は「完成しない」のではなく「絶え間ない生成と分解を続ける定常状態こそが横浜駅の完成形であり、つまり横浜駅はひとつの生命体である」と何度言ったら
– イスカリオテの湯葉 (@yubais) 2015年1月4日

現実の横浜駅は、1928年に現在の位置に移転して以来、常時工事が行われている。その様子から、スペインのサグラダ・ファミリアに例えられることもある。

そんな「常に変わり続ける」横浜駅をSF的に解釈することで、ユニークな世界観が生まれている。同時に、「JR」、「18きっぷ」、「SUICA」、「自動改札」といった身近な言葉がキーワードとして使われているため、本格的でありつつもSF初心者にも想像しやすく、読みやすい文章になっている。

現実の横浜駅は2029年に工事がひと段落予定だが…?

横浜駅開業当時は、乗り入れ路線はJR東海道本線と東急東横線のみだった。しかし、その後は次々に路線が追加され、現在、横浜駅を利用する鉄道会社は6社にまで増えている。周辺施設の改築も繰り返されているが、2009年に発表した「エキサイトよこはま22」によると、計画通りに進んだ場合、2029年には横浜駅周辺はひと段落を迎えることになる。

とはいえ、2020年に東京オリンピックを迎えることで、その計画に修正が加わる可能性もある。なにせ計画発表時、東京オリンピック開催は決まっていなかったからである。そうなるとまたもや、終わらない横浜駅の工事が伸びるのではないだろうか。いずれ本作のように、自己増殖の力を手に入れる日が来るかもしれない。

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