(Jタウンネットより)
JR京浜東北線と武蔵野線が接続する南浦和駅(さいたま市浦和区)は、浦和の地名が付く駅の中で2番目に乗車人員の多い駅だ。
2015年5月27日、同駅改札口付近に馬の巨大オブジェが突如出現した。高さは2メートルほどあり、しかも精巧に作られている。
写真入りの目撃ツイートは、リツイート数が1万7000を超え、世間の注目を集めた。
南浦和駅の改札に唐突に馬が出現したので、不思議でたまらず駅員さんに聞いてみたら、新しい待ち合わせ場所にしてもらえれば…って事みたいです。いけふくろうみたいに名前がつくといいね。 pic.twitter.com/bYRe7itp5a
– むーん (moon5) 2015, 5月 27
チェス馬は川越の観光スポットにあった
制作したのは川越市在住の発泡スチロールアーティスト・ヤジマミキオさん。オブジェは「チェス馬」という愛称で、元々は同市内の「菓子屋横丁」に展示されていたものだった。
JR南浦和駅に”謎の馬”が出現、利用客戸惑う 広報「駅のイメージアップが狙い」 – ねとらぼ http://t.co/z2MgjqP3Ht
あぁ川越の菓子屋横丁ににいっぱいあったわ。いきなり出てこられるとちょっと怖い。 pic.twitter.com/XInHiYCluf
– 仁子 (hitoyanosuke) 2015, 5月 29
ヤジマさんの「kimioのブログ」によると、チェス馬は強風で何度か倒れ、傷だらけだったため修復作業を受けた。
南浦和に移設する理由についてヤジマさんは、4月9日付けのブログで次のように書いている。
「この子は『南浦和駅』に行く予定です。実は、去年、駅長さんからお願いされていたんです。『浦和競馬場』がそこにあるから、なんです」
地方競馬の浦和競馬場は、南浦和駅から約1.4キロ北東に位置し、東口には無料送迎バスの乗降場もある。
筆者が今年1月下旬に現地を訪れたときは、列車が駅に到着するたび、大勢の中高年男性がこの場所を目指していた。

浦和競馬場行バス乗降場(編集部撮影)
さらにいうと、南浦和は南関東にある各競馬場にアクセスしやすい位置にある。
中央競馬の「東京競馬場」(東京都府中市)や「中山競馬場」(千葉県船橋市)は武蔵野線1本で行ける。地方競馬の船橋・大井・川崎の各競馬場へ行くのにも便利。馬のオブジェは似合っている。

南関東にある各競馬場の位置(編集部作成)
南浦和は開運スポットでもある!?
競馬から話は脱線するが、南浦和は幸運を掴むのにもってこいの場所かもしれない。
今年の1月24・25日、南浦和商店会が主催するイベント「開運さんぽ」が行われた。周辺の開運スポットを2時間かけて巡るというもので、同商店会のフェイスブックページに書かれている御利益がすさまじい。
「昨年に引き続き 上から読んでも下から読んでも『わらうみなみうらわ』開運の南浦和では、本場吉野山から高僧を招いた『開運さんぽ』を行います」
「実は、南浦和商店会会長さんも山伏なんです。ホラ貝部隊も本格参戦。本物の山伏様から、参拝記念の授与が有ります。一年の幸福を祈りませんか?」
「昨年の御利益は、参加者のうち40代男性3名が、縁結びがかない結婚。宝くじは8本当選。LOTOは10週的中と、効果には自信があります」


南浦和開運さんぽの様子(編集部撮影)

幟りの文字が「開運ち○ぽ」に見えるのは目の錯覚です。
南浦和は埼玉県有数の塾の激戦地でもある。例えば、河合塾現役館は先述の送迎バス乗降場前にあった。
ここに通う学生たちも近所の仏閣に願掛けをしたりするのだろうか。

郊外ののどかな住宅地に見える南浦和。しかし、よく観察すると「ギャンブルで一稼ぎしたい」「いい学校に入りたい」という気に満ちている。それに応える開運スポットもある。