
住まいに関する考え方のひとつとして、しばしばテーマにあがる「風水」。家具・インテリアの位置や色から、住まい自体の方角や間取りなど、こだわりや重視度は人それぞれですよね。
今回at home VOXでは、アットホーム加盟不動産店の皆さんに、住まいにおける「風水」について、実践ポイントやお客さまのエピソード、住まい探しのアドバイスなど、いろいろ聞いてみました! まずは、住まいのプロはどれくらい「風水」について詳しいのでしょうか?
Q.あなたは「風水・方位」について、詳しいですか?

「けっこう詳しく知っている」が5.9%、「多少知っている」が44.2%で、合わせて50.1%と、ちょうど半分の方が、風水の知識を持っていると答えました。住まいと風水の関係の深さがわかりますね。ただ風水のご相談に対応するのはかなり大変なようです。
風水は一人一人違うため、対応が非常に難しい。
方位などを気にされる方はなかなか決まらない。
間違ってしまうと大変なのでお客様で調べていただくようにしています。
先生がいるようですので、相談するのが一番だと思います。
風水は流派(?)や諸説があって、重視するポイントもさまざまといいます。お客さまからはどんな相談が多いのでしょうか。
水回りと玄関の位置を気にされる方は多いと思います。
風水についてあまりこだわりのないお客さまでも鬼門だけは気にする方が多い。
部屋の位置ではなく、よく言われるのが、現在住んでいる所からの方位ですね。
引越し先の方位・時期などへのこだわりは、熊本特有であるのではないでしょうか。荒神様を大事にしている方々がたくさんいらっしゃるとききました。
中国の方で特にお気になさる方がいらっしゃいます。
水回りと玄関の位置や方位、鬼門に関する相談はとても多いようです。さらに、こちらも多かったのが引越しをする方角や時期について。方角が悪い場合は、一度別のところに引っ越してから、希望の住まいへ引っ越す方もいるのだとか。また、地域や国によってそれぞれの文化もあるようです。
では、さらに詳しく風水に関するエピソードを見ていきましょう。実に多彩な回答が集まりました。
Q.風水や方位について、おすすめの工夫やアドバイス、お客様がこだわったエピソードなどがあれば教えてください。
「黄色が財をなす」と言った理由でリフォーム時外壁を黄色に。しかし、貸家なので借りた人が財をなすのでは?と思った。
ご自宅を建てられるお客様で、完成後にどの方角から引っ越すといいかでこだわられて、結局家族とは別個に奥様だけお部屋を借りて、好きな方角から新築のご自宅にご入居されました。
床下に炭を並べて運気の流れを変えるという手法をされたお客様がいました。
とあるお客様で、現在の住居から見て北側の60度以内(11時から1時の方角)で距離は500m以内。引越し時期は3週間後から4週間後以内、というオーダーがありました。
やはりこだわる方はすごいこだわり! でもあまりこだわりすぎると……
方位や時期を気にされ、6年がかりでお部屋がきまりました。
間取りにこだわりすぎて選べるお部屋がなくなった。
海の近くで働いていた時に、お客様から「ここよりも東南の方角に住みたい」と依頼がありましたが、東南方向は「海」!さすがに海の上の物件を紹介する事はできませんでした。
普通の条件でもこだわりすぎると決まりませんよね。方位や時期まで考え出すと、さらに選択肢がなくなってしまい、難しいようです…。
風水にこだわるあまり、他の条件がまったくオススメできないお部屋だった。
占い師の間違った方位を信じて南を全部塞いだ家を新築した人がいました。「冬は冷蔵庫」のような居間や寝室……体を壊しました。
ご夫婦のお客様が気学をなさっていたのですが、どうしても早く一戸建てが欲しいとの事で、分かってはいたのですが、悪い時期に購入してしまいました。そして、月盤の凶殺方位と年盤の凶殺方位を同時に侵す時期に引っ越しをしてしまい、1年後に離婚となりました。
信じても信じなくてもバッドエンドのエピソードたち……。もちろんハッピーエンドのエピソードもあります!
風水は、理に適ったことだと思います。風通しは、特に健康上において重要視してよいものだと思います。風の流れとその中で生活をする家族の気の流れにこだわって探していて、最高のお部屋を見つけたと喜んでおられた方もいます。
方位が最高に悪いと断られたお客さまに対して、当社でいつも利用している神主さんに見てもらったら、去年は確かに悪いですが今年はまったく悪くないということになり、契約になった。
不運で方位を気にしてお探しのお客様。希望に合う物件合う物件、全て駄目となり、もちろん妥協案もなく、希望とは違う地域や物件にしなくてはならない状況に。何度相談しても相談料が掛かるだけで、最後はやはりご自身の気持ちの整理となりました。私なりにお祓いをお薦めして行い、現在も不運な出来事なくお住まいいただいております。
お客様が風水にこだわっており、方角が限定されたため部屋探しに苦戦しました。ただし、その時は最終的に方角が合わなくても、部屋に置く家具の色や小物の色で問題が解決しご成約していただきました。
お客様が鬼門を気にされる方で、鬼門の方向に水廻り設備がある物件を気に入られたときに、鬼門の方向に南天を植えておられた。
無事に住まいが見つかって良かったです!完璧には合っていなくても、色や家具、植栽などで解決する方法もあるようです。そんなアドバイスも見てみましょう。
知り合いの陰陽師さんに聞いたことがあるが、日本の住宅事情では、風水や方位をすべて満たすのはまず困難。風通しが良い部屋を選ぶ、水回りを清潔に保つ、掃除をよくするなど、当たり前のことを当たり前にする事がいちばんの風水だと、お客さんには伝えている。
風水で、どうしても当てはまらない不動産であっても、必ず回避できる方法があります。それを上手に利用することが大切です。すべてをクリアするのは難しいですからね。
お客様によっては方位盤を取り出し、現地で徹底的に調べる方や先生に相談なさる方もいました。そんな時は、風水の方は部屋の色を変更するようにアドバイスを行い、家相(方位)を気になさる方は、鬼門をお教えして南天などの植物を植えられるなどのアドバイスを行っています。
賃貸の場合は、水回りや玄関の位置を当然の事ながら変更できません。ある程度の妥協点をもって、気に入ったお部屋で置く物の配置や色などを工夫するのがいいと思います。
風水を大事にされる方は風水の中でも優先順位とまではいきませんが、絶対条件を作っていただきお部屋探しされてはいかがでしょうか。お引越しを転機に、良い運気が皆様へ訪れますように。
住まい探しはやっぱり優先順位や妥協点が必要です。それは風水も同じこと。住まいや暮らしに本当に求めるものは何かを考えて、より良い住まいを探していきましょう!
イラスト:タテノカズヒロ
<アンケート調査概要>
対象/全国のアットホーム加盟・利用不動産店約52,000店のうち 455店
調査方法/インターネットリサーチ
調査時期/2015年10月
※アンケート内容の転載にあたりましては、「at home VOX 調べ」もしくは「アットホームボックス調べ」という表記をお使いください。