街のコト

不動産神話がひと段落、海外不動産に熱いまなざし/シンガポール(シンガポール)

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(ライター:野瀬 正一)

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シンガポールの目抜き通り、オーチャード・ロードには高層ビルが建ち並ぶ

シンガポールは国の政策により現在、持ち家率90%以上!住宅が大事な資産であるという文化が根付いています。タクシーでドライバーと交わす会話にも、隣人との世間話にも、「家の価格が○倍になった」という話が頻繁に出てきます。日本では見知らぬ人と住宅価格を教え合うことはまずありませんが、こちらでは当たり前の光景です。

シンガポールの居住用不動産は大きく分けて「公団住宅(HDB)」と、「民間のコンドミニアム」に分かれます。公団住宅は政府の補助と規制に守られた「生活の基盤となる住居」の位置づけで、お金に余裕のある人や外国人はコンドミニアムを購入します。

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富裕層や外国人が購入するコンドミニアム

価格はここ7~8年は右肩上がりで、現在100㎡・2LDKで1億2,000万〜2億円といったところ。とはいえ、住宅価格が高すぎると実態経済に悪影響を与えるため昨年から規制が入り、その上昇にストップがかかってきました。物価高に悩む私たちからすると、もっと下がってほしいくらいですが…。

そんな状況のため、現在投資家の熱いまなざしは海外の不動産に向けられています。週末になると新聞にはロンドン、アメリカ、オーストラリア、フィリピンといった世界中の不動産広告がびっしりと掲載されます。
中でも魅力的な投資先として注目する人が増えているのが日本の不動産です。アベノミクスと東京オリンピックの誘致によりイメージが好転。私のところにもたくさんの投資家が日本の不動産について話を聞きに来るようになりました。さすがはお金を大事にしている華僑の国、シンガポール。儲け話に対する「飽くなき探究心」には、いつも頭が下がります…。

 

野瀬 正一(のせ・まさかず)
シンガポール在住、永住権保持者。WCC SOLUTION社代表。日本企業の進出および移住のサポートを手がける一方、店舗経営や不動産の紹介などの事業を展開。シンガポール情報サイト「シンゲート」http://singate.biz/を公開中。

 

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