家のコト

潜入! プロフェッショナルの部屋

デザイナーYellow Yellowの黄色を極めるライフスタイル

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あらゆる分野で活躍している人の仕事場を覗こう!という連載企画「潜入! プロフェッショナルの部屋」。第八回はデザイナーのYellow Yellowさん。その名に違わず、「黄色いデザイン」専門のデザイナー・アーティストとして活躍する方です。ということは、お部屋もきっと黄色づくしなのでは……とワクワクしながら、仕事場である事務所に、at home VOXがお邪魔しました。

■黄色専門デザイナーの事務所とは?

Yellowさんが東京の事務所として使っているのは、彼の友人が撮影スタジオとして貸出も行っているというスペースだそう。

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撮影場所1

撮影場所1

 

撮影場所2

撮影場所2

 

撮影場所2(近接)

撮影場所2(近接)

 

撮影場所3

撮影場所3

全体的にシックなトーンでまとめられたものすごくお洒落な空間じゃないですか! 黄色は一体どこに? とお部屋を見渡すと……ありました。

ずらりとそろった黄色コレクションですが、これらはほんの一部。多くは、今年3月に個展を行った京都の事務所で保管しているそうです。

ずらりとそろった黄色コレクションですが、これらはほんの一部。多くは、今年3月に個展を行った京都の事務所で保管しているそうです。

デスクの上を埋め尽くす黄色グッズの数々は、食べ物から洋服までさまざま。写真中央左のシューズにいたっては、なんと「砲丸投げ専門シューズ」というマニアックなもの。

Yellowさん「ここにあるのは自分で集めたものや、プレゼントやお土産でもらったものがあります。黄色いものなら、使用済みの包装紙のように普通捨てるものでも取っておくし、仕事柄黄色いお土産をいただくことも多いので、黄色コレクションはかなりの量になっています」

どうして黄色いグッズを集めたり、黄色を専門にデザインのお仕事をするようになったのでしょうか?

Yellowさん「元々は大手代理店から、Ritz-Carlton TOKYO、JFW-TOKYO COLLECTION、内閣総理大臣関連などの大きなプロジェクトを受けることが多かったのですが、『自分じゃなくてもできる仕事なのでは?』など、仕事に疑問を感じたり悩んだりするようになって。そんな時に、黄色いものを買ったり、集めたりするとホッとする感じがあったんですね。それで『黄色いデザインを専門にしよう!』と思い立ちました。それからはほぼ黄色いデザインのみ請け負って、一生黄色だけでデザインを続けていく覚悟でいます」

Yellowさんのいう「黄色いデザイン」というのは一体どういうものなのでしょう? 実際にYellowさんが手がけたアートワークの一部を見せてもらいました。

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黄色い! 確かに黄色いですが、作品ごとに違った個性と、洗練されて美しい印象を受けます。

Yellowさん「黄色しか使わないとデザインの幅が狭くなるんじゃないか、とよく言われますが、実際は新しく見えてくることも多かったですね。例えば、お客さんに『黄色じゃない色がいい』と言われたあと、黄色を使ったまま改良したデザイン案が通ったときには、同じ色でも全く違う印象を与えることができることが分かりました。黄色の中でデザインをやりきるのは、常に崖っぷちを歩いているようですが、そのおかげで、黄色以前とは全く違う脳の使い方ができるようになったので、デザインの純度が上がって、クライアントからは『神がかった発想ですね』と言われたりします」

黄色の持つイメージのひとつに「金運」がありますが、そのあたりは意識されているのでしょうか?

Yellowさん「それはあまり意識していないですね。むしろお金はライバルだと思っています。『3億積まれたら他の色でデザインするでしょ?』なんてことを言う人もいますし、お金には人の理想をつぶしてしまう力があるので……。自分が言うことをきくボスは『黄色』だけ、つまり全ての判断のベースが黄色になっているので、そのスタイルを貫きたいですね」

Yellowさんにとって、ライバルは他の色やアーティスト・デザイナーではなくて「お金」なのですね。しかし、Twitterではなにやら謎の金額を呟いているようですが?

Yellowさん「Twitterのアカウントで呟いているのは買ったものの金額ですね。人の目を意識したら、お金の使うにも気が引き締まるんじゃないかと思って。あと、『ただ買ったものの金額だけを呟く』っていう行為が『黄色』っぽいかなぁと。でも、facebookアカウントのフォロワーが1000人近くいるのに対して、Twitterは11人しかいないんですよね。だからTwitterをフォローしてくれている人のことは密かに特別視しています(笑)

行為にも「黄色い」という基準があるのですね…! Yellowさんにとっての、黄色が持つ意味の奥深さの一端を感じられた気がします。

コレクションを比べてみると、パッと目をひく明るいものから、落ち着きや温かみを感じさせるものまでさまざまな黄色があるのが分かります。

コレクションを比べてみると、パッと目をひく明るいものから、落ち着きや温かみを感じさせるものまでさまざまな黄色があるのが分かります。

■アーティスト、Yellow Yellow

Yellowさんの活躍はデザイナーという枠に収まらず、現代アーティストとしても注目を集めています。

アーティスト活動のきっかけとなった原宿での個展の様子

アーティスト活動のきっかけとなった原宿での個展の様子

Yellowさんが黄色いものを集めているのを知っている人から、コレクションを展示してみないかと依頼されたのがきっかけに個展を開催。真っ先に強い反応を示して誌面に取り上げたのが、パリのアート雑誌だったそうです。それを皮切りに、海外では主に現代アーティストとしてその名を知られるようになりました。

ソウルの美術大学での個展の一部。馴染み深い黄色もちらほら

ソウルの美術大学での個展の一部。馴染み深い黄色もちらほら

Yellowさん「自分としてはアートをやるつもりはなかったんです。黄色いデザインをするための資料を集めていたら、おもしろいからそのコレクションを展示してほしいと頼まれて個展につながりました。展示方法もアイデアを練ったというよりは『とにかく黄色がよく見えるように』というシンプルなコンセプトでした。でも設営が終わり、改めて展示風景を見た時、『この人、やばいかも……』と混乱してしまいましたね。純粋にできあがったものに驚いたという感じです」

たしかに、さまざまな黄色がならぶ空間は新しい驚きと感動を呼び起こしてくれます! しかし、Yellowさんがアーティストとして注目される理由はそれだけではありません。

Yellowさん「知り合いのアート批評家の方によると、美術史を振り返っても1つの色に限定して作品作りをしているアーティストというのは、ほとんどいないそうなんです。特定の色にこだわった例として、ピカソの『青の時代』が知られていますが、一生青色で作品作りをしていたわけではありません。あともう1つ珍しいのが、デザインという請け仕事でも黄色を貫いている点だと言われました」

個人の作品作りだけでなく、仕事でも1つの色でのデザインを貫いている例というのは世界中のどこにもなく、ニューヨークなどではそのスタイル自体がコンセプチュアルアート※的であると評価を受けているそうです。

※コンセプチュアルアート…絵画や彫刻のように制作自体に重きを置くのではなく、アイデアやコンセプトに要を置いた現代アートのスタイルのひとつ。

しかし、Yellowさんの黄色へのこだわりはまだまだとどまるところを知りません。

Yellowさん「自分としてはまだまだ黄色を極められていないので、これからも黄色いデザインを続けていきたいですね。そしうやって、ひとつの物事に対して純度を上げていくことに美しさを感じているので」

最後にYellowさんのこれからのビジョンを聞いてみました。

Yellowさん「いろいろありますが生活面でいうと、ひとつは黄色に関するところに活動拠点を持ちたいということですね。日本だと黄金町や、長崎の黄島。海外だとやっぱりカナダのイエローナイフですね。住んでいるところの地名にもちゃんと黄色が入っていると美しいじゃないですか」

なんと住む場所の地名にまで黄色へのこだわりが! 人生を賭けて黄色を極めるその存在自体がアートと呼ばれる日も近いのではないのでしょうか?

  • Yellow Yellow
    黄色を強い武器、または、純粋な完成表現としてクライアントに提案するブランディング・デザインスタジオを主宰。2013年4月より、現代アーティストとしての活動を開始。国内外のギャラリーでの展示、インスタレーションを発表する他、黄色関係のイベント企画やディレクションなども行う。7月31日〜8月22日の期間で渋谷のイエロー・バー、Li-Poとのコラボ企画で「黄色祭」を開催中。
    http://www.YellowLovesMe.com/
    Twitter:@YelowYelowYelow
    facebook:Yelow Yelow

※記事中の情報は取材当時のものです。

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