整然と並べられた膨大な書籍。読書を楽しむために建てられた家

「若い頃から本が好きで、ジャンルを問わずさまざまな本を買い集めていました。気付けば家中が本だらけ。正確に数えたことはないけど2万冊くらいはあるんじゃないかな」とOさん。会社を定年退職したころからこの地に家を建て、本とともに暮らしたいと考えていたという。

物件データ 所在地/東京都武蔵野市
延床面積/100.41㎡
築年月/2020年8月
設計/佐久間徹設計事務所
sakumastudio.com

「平屋みたいに生活のしやすい家に住みたかったのはもちろんですが、一番の希望は長年にわたって収集した大量の蔵書を見やすく取り出しやすくすること。そのための大きな書棚をつくってもらうようお願いしたんです。また小さくてもいいから、野菜を育てられる畑も欲しかったですね」(Oさん)

庭に向かってせり出している平屋部分にリビングダイニングと書庫が収まる。左は多様な植物が植えられたアプローチ。庭との境にはグリ石を埋め駐車もできるよう設計された

設計を託されたのは佐久間徹設計事務所の佐久間徹さん。Oさんのそんな希望を受けて導き出されたのは、道路から少し離れた位置に平屋の「箱」を配置し、少しずらして2階建ての「箱」をつなげたプラン。道路側には塀を付けず植栽を植え、その内側に小さな畑を設けた。道路側からは緑の向こうに小ぶりな家がたたずんでいるように見える。玄関を入った右手は大量の蔵書が収められたリビングダイニング。庭に面した大きな開口からは植栽の緑が楽しめる。家の中央に置かれたキッチンを囲むように寝室と洗面浴室が配された回遊型の間取りで、日常の暮らしはここで完結する。

図書館のような大きな本棚を擁するリビング。壁面を利用した書棚に加え、自立型の書棚が2本、書斎デスクの上も余さず利用。自立型書棚の上部には間接照明も仕込まれている
2本の書棚に囲まれた通路。まるで図書館の開架書庫にいるような気分になる。自分のためだけの空間なので通路は狭め。奥に設けられた窓のおかげで、ここまで自然光が届く
玄関ホールから寝室を見る。寝室の奥にも小さな庭があり、日陰に強い植物が植えられている

2階は和室と洋室、納戸。しかし、納戸はもちろん洋室も今では書庫と化している。「書庫コーナーはリビングの半分近くのスペースを割き、北側に配置しました。ここには三方の壁を利用した書棚と独立型の書棚を2本、造り付けの書斎コーナーを設けています。収納量は7250冊程度と想定し、いろいろなサイズの本を収納できるよう棚の高さや奥行きを計算。もちろん荷重も考慮していますが、1階なのでピアノを置く程度の補強で大丈夫でした」(佐久間さん)

2階の和室。仕切り壁をニッチ状に凹ませ、床板を置くことで簡易的な床の間にしている。樹木の皮を編み込んで仕上げられた網代天井が和の空間を一層引き立てる
2階の和室から廊下を見る。廊下との仕切りになる垂れ壁を抜いているので、実際以上に広さを感じられる。左手上にあるエアコンは横格子戸で目隠し

「中学3年までこの町に住んでいた私にとってここは故郷のようなもの。この家で本を読んだり、畑の世話をするのは本当にうれしいですね。春になったらハツカダイコンや絹サヤ、インゲンなどを植える予定です」(Oさん)
好きな本に囲まれ、緑に癒やされる暮らし。この家にはOさんの至福の時間が流れている。

東側は道路に面した庭。道路との境には中高木の植栽を植えているので、室内から目に入るのは緑だけ。東南向きの窓からは明るく穏やかな光が差し込んでくる
取材協力

夢に描いた理想の住空間を 「オーダーメイド賃貸」で実現

部屋の中央に据えられたマントルピース、ゆらめくシャンデリア、クラシカルな壁紙…。この部屋が賃貸で、しかも入居者がオーダーメイドでつくり上げたと聞いたら、多くの人はにわかには信じられないだろう。この部屋をオーダーしたのは30代のワーキングウーマン、Sさんだ。「このマンションに入居した友人の部屋を訪ねて、壁紙のかわいらしさに感激しました。豊富な色や柄の中から好きな壁紙を選べる『カスタムメイド賃貸』だと聞き、私も素敵な壁紙を選んでみたい、とすぐに空室待ちにエントリーしたんです」  
4カ月後、空室が出たと連絡をもらったSさんは、その内容に仰天する。壁紙どころか、スケルトン状態の部屋を一からオーダーメイドしてみませんか、というものだったからだ。

物件データ 所在地/東京都豊島区東池袋
面積/24.91m²
築年/1988年1月
リノベーション設計/株式会社夏水組 www.natsumikumi.com
問い合わせ/株式会社メゾン青樹 ra.maison-aoki.jp
シャンデリアが迎える玄関。フォトフレームはデザイナーが手づくりしてくれたものだ
クローゼットは荷物が全て収まるサイズにつくってもらった。長い廊下もお気に入りだ
クローゼットのつまみなど、細部に至るまで、すべて自分好みのものがセレクトできる

間取りから水回りの設備、内装材に至るまでを住み手がオーダーするという、革新的な賃貸のスタイルを実現したのは、東京都豊島区に建つ築25年のマンション「ロイヤルアネックス」。オーナーの青木純さんは言う。
「壁紙を選べるサービスを始めて、入居者さんが住みたい空間に住む喜びを感じてくれていると実感しました。ならば部屋をフルリフォームするタイミングが訪れたときに、住み手が本当に求める空間を、住み手と一緒につくろう、と考えたのです。そうやって作った空間は、入居者が変わっても大切に住み継がれていくだろうという確信がありました。そこでデザイン会社『夏水組』とタッグを組み、このプロジェクトを立ち上げたのです」

一目惚れしたウィリアム・モリスの壁紙。この壁紙をもとに全体のトーンが決まったという
一目惚れしたウィリアム・モリスの壁紙。この壁紙をもとに全体のトーンが決まったという
「オトナかわいいフレンチテイスト」をテーマに、ドアや棚の塗装の色も自分でチョイスした
「オトナかわいいフレンチテイスト」をテーマに、ドアや棚の塗装の色も自分でチョイスした

身の丈に合った家賃で、しかもデザイン料や材料費、工事費は今後の家賃回収でまかなうため、入居者の初期負担はゼロ。夢のような幸運に恵まれたSさんだが、当然ながら家づくりの経験は皆無。初めは何をどう選んだらよいのか分からず、不安ばかりだった。
「休日のたびにインテリアショップをはしごしたり、打合せに友人に同席してもらい、アドバイスを受けたりするうちに、漠然としたイメージが固まり、どんどん楽しくなっていきました。引き渡しの日、完成した部屋に足を踏み入れたときは、感激のあまり悲鳴が出ましたね(笑)」
これまでの固定観念を超えた新しい賃貸の形は、これからのスタンダードモデルになっていくはずだ。

居室と分けて配置したクローズドキッチンは、3口コンロとL字型カウンターで使いやすく
居室と分けて配置したクローズドキッチンは、3口コンロとL字型カウンターで使いやすく
ホテルをイメージして仕上げや設備を選んだサニタリー。右側にユニットバスが収まる
ホテルをイメージして仕上げや設備を選んだサニタリー。右側にユニットバスが収まる

text_ Takako Yoshida photograph_ Akira Nakamura

取材協力

ペイントとシンプル家具で作り上げた愛着が生まれるDIY賃貸

「賃貸なのに改装OK」という、ユニークな物件に暮らすのは、映像作家のUさん(24歳)。
現在、専門学校で非常勤講師を務めながら、企業のプロモーション映像などを作成している。
以前は、横浜の実家に暮らしていたが、通勤や仕事の打ち合わせに便利な都内に住みたいと思い、インターネットで物件を探し始めた。
「事務所を兼ねたかったので、安くて広い物件を探していました。初めて内見したのがここ。43m²と広く、専用庭に緑もあり、何より『改装OK』という条件にひかれました。部屋を改装するなんて大変そうだなとも思いましたが、もともとモノづくりは好きでしたし、その場で書類にサインしました」

生活感を出さないよう、寝室スペースはソファを置き、リビングも兼ねている。
生活感を出さないよう、寝室スペースはソファを置き、リビングも兼ねている。
物件データ 所在地:東京都世田谷区用賀
面積:43.99m²   築年月:1981年1月
緑あふれる広い庭への抜けが心地良い。左側は収納。もともと戸がなかったのでカーテンを設置。
緑あふれる広い庭への抜けが心地良い。左側は収納。もともと戸がなかったのでカーテンを設置。

改装は、その内容を事前にオーナーに相談して承諾が得られれば、原状回復義務なしという条件だった。
Uさんは物件をひと目見た段階で、壁と天井は白く塗ろうと決心。
6畳2間ほどある居室の壁と天井は、友人に手伝ってもらい、丸1日で塗り上げたという。
キッチンと浴室、洗面室、トイレは、1人で2日間かけてペイントした。
壁と天井を白く塗っただけで、部屋が見違えるように明るく、清潔感あふれる空間になった。
リビング兼寝室の床はインターネットの通販でプリント床材を購入し、自分で敷き込んだ。
「使ったペンキは相当な量ですね。身体に悪いものは使いたくなかったので、かなり吟味して良いものを選びました。それでもDIYにはあまりお金はかかっていません。ペンキ代が約3万円、床材は1万円程度。あとはカーテンレールを付け替えたぐらいでした」

キッチンは床をきれいに拭き上げ、自分で組み立てた食器棚を設置。カーテンの奥が浴室。
天井も白く塗ったことで、日中は照明がいらないほど明るくなった。
天井も白く塗ったことで、日中は照明がいらないほど明るくなった。

家具は壁の色に合わせて白で統一。
今後は友人とこの家で一緒に仕事をする予定とのことで、仕事スペースとなるダイニングには、大きな机を置いたという。かくして仲介した不動産会社も驚くスタイリッシュな部屋が完成した。
「思い通りの部屋づくりができて、かなり気に入っています。そのせいなのか、以前は夜型の生活だったのが朝型に変わりましたね」
住まいに愛着を持ち、暮らしを楽しめる「DIYが可能な賃貸」。賃貸住宅の新スタイルだ。

text_ Takako Yoshida photograph_ Akira Nakamura

取材協力/R-STORE www.r-store.jp/

取材協力

縁側と路地がつなげる、ほど良い距離感の中で暮らす

敷地を囲う木塀、狭い路地、型板ガラスがはめ込まれた木枠の窓、庭に張り出した縁側…。まるで映画『ALWAYS 三丁目の夕日』から抜け出して来たような、懐かしい光景が広がる「大森ロッヂ」は、昭和30年代から40年代にかけて建てられた木造長屋を、当時の面影そのままにリノベーションした賃貸住宅だ。
「学生時代に京都にいたこともあり、いつかは古い家に住みたいと思っていました」
そう話す小原幸恵さん(37歳)が、入居したのは3年前。
入居者募集を知ったときはまだ工事中だったというが、「どんな部屋になるか分からなかったけれど、ノスタルジックな外観の写真を見て、入居を即決しました。出来上がった部屋に一歩足を踏み入れたときは、木枠のガラス戸や木製の扉などが昔の佇まいのままきれいに残っていて、感動しましたね」

物件データ 所在地:東京都大田区大森西 
住戸数:6棟 計12戸 専有面積:23.74m²
設計:株式会社ブルースタジオ bluestudio.jp
「大森ロッヂ」 www.omori-lodge.net
天井を撤去して、建築当時から残る梁(はり)を露出。平屋だが、天井の高さがあるため開放的。
天井を撤去して、建築当時から残る梁(はり)を露出。平屋だが、天井の高さがあるため開放的。

『ヒト・モノ・マのゆるやかなつながり』をコンセプトに再生された大森ロッヂでは、縁側や細い路地を介して、住人同士の気配がほのかに感じられるようなつくりになっている。小原さんは、その距離感がとても心地良いという。
「夜、仕事から家に帰ってきて、誰かの家の明かりがついているとほっとする。同じ家に住んでいるわけではないけれど、『帰ってきたよ、ただいま』という気持ちになる。家に人がいる気配が分かるから、『これからうちで一緒にごはんを食べない?』といったご近所さんへのお誘いもしやすいし、ご近所とのつながりがあることは、東日本大震災のときも本当に心強かったですね」

シンプルなつくりのキッチン。型板ガラスがはめ込まれた木枠の窓が郷愁を誘う。
シンプルなつくりのキッチン。型板ガラスがはめ込まれた木枠の窓が郷愁を誘う。
玄関からキッチン方向を見る。手前右側のアンティークの長持ちには、布ものを収納している。
玄関からキッチン方向を見る。手前右側のアンティークの長持ちには、布ものを収納している。
在宅時は縁側のガラス戸を開けていることが多い。ここでご近所さんとおしゃべりすることも。
在宅時は縁側のガラス戸を開けていることが多い。ここでご近所さんとおしゃべりすることも。
路地に設けられたあずまやは、住人の憩いの場所。住人や関係者による祭りも度々催されている。
路地に設けられたあずまやは、住人の憩いの場所。住人や関係者による祭りも度々催されている。

それまでは、家は『帰って寝るだけ』の空間だったが、この家に暮らし始めて、『くつろいだり気持ちを切り替えたりできる場所』になったという。日本の古家具や、縁側に植物などが置かれた小原さんの部屋からは、日々の暮らしを丁寧に楽しんでいる雰囲気が伝わってくる。
リノベーションの魅力に触れたことがきっかけとなり、リノベーション関連の会社に転職したという小原さん。住まいを通じて出会った、より自分らしい仕事と暮らしを満喫している。

text_ Takako Yoshida photograph_ Akira Nakamura

取材協力/atelier E03(株式会社アトリエ イーゼロサン)

取材協力

住まい選びの新たな選択肢。自分らしさを反映できる新築分譲マンション

古くからの老舗やしゃれた飲食店が立ち並び、通りを一本入れば落ち着いた邸宅街が広がる『大人の街』、麻布。そんな憧れのエリアに建つデザイナーズマンション『デュフレベース南麻布』を購入したのは、会社員のIさん(31歳)だ。お仕事の関係から、多くの新築分譲マンションを見てきたというIさんだが、自分自身はマンション購入を考えたことはなかったという。
「モデルルームもたくさん見ましたが、やはり自分だけの空間を自由に作り込んでみたかった。実家が一戸建てだったこともあって、買うなら注文住宅を選んで、家づくりがしてみたいと漠然と考えていました」

テレビの背面の壁にエコカラットタイルを貼ったリビング。カーテンレールの上には間接照明を仕込んだ。
テレビの背面の壁にエコカラットタイルを貼ったリビング。カーテンレールの上には間接照明を仕込んだ。
メゾネット下階の寝室。正面奥はシアタールーム。ドアや引き戸の面材も好みで選んだ。
メゾネット下階の寝室。正面奥はシアタールーム。ドアや引き戸の面材も好みで選んだ。
物件データ 所在地:東京都港区南麻布 
I邸専有面積:62.01m²
総戸数:18戸
設計・監理:佐藤宏尚建築デザイン事務所
企画・販売:株式会社サジェスト http://www.suggest.co.jp

そんなIさんの住宅購入意欲を刺激したのが、現在の住まい。抜群の立地にありながら価格が手頃なことや、全戸がメゾネットで一戸建て感覚で住めること、さらに、独自の「カスタムオーダーシステム」により、内装・設備・間取りを自分仕様にカスタマイズできるという、自由度の高さに引かれた。
「外観といい、用意された内装デザインのバリエーションといい、麻布らしい『大人っぽさ』にあふれていたのも良かった。床や壁の仕上げはもちろん、照明、キッチン設備も、豊富な選択肢の中から自由に選んで組み合わせることができたので、この街に見合う住まいになるようにこだわりました」
石のようなテクスチャーを持つ「エコカラットタイル」でリビングの壁面を仕上げたり、カーテンレールの上や階段の手すりに間接照明を仕込むなど、ディテールを追求。さらに、無類の映画好きであるIさんは、メゾネット下階の1室をシアタールームに。浴室も標準仕様のプランから位置を変更し、ドライエリア側に設けてガラス越しに外を感じられるようにした。

自慢のシアタールーム。棚は造り付けで、スクリーンはリモコンで上下できる。
自慢のシアタールーム。棚は造り付けで、スクリーンはリモコンで上下できる。
開放感を求めて、プランを変更した浴室。ドライエリアに面した窓越しに外を眺めて入浴。
開放感を求めて、プランを変更した浴室。ドライエリアに面した窓越しに外を眺めて入浴。
洗面室は暗めの色に統一してホテルライクな雰囲気に。洗濯機も色を合わせて買い替えた。
洗面室は暗めの色に統一してホテルライクな雰囲気に。洗濯機も色を合わせて買い替えた。

「家を買う、というのは大きな決断ですが、自分の憧れを形にすることができたら後悔はないと思う。僕の場合はシアタールームと開放的な浴室でしたが、ここがあるからこそ自分の城だ、と思えますね」
自分らしい空間を求める今どきの住まい手に応えた、新しいスタイルの新築分譲マンションといえる。


text_ Takako Yoshida photograph_ Akira Nakamura

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取材協力

愛車とのミニマムライフを楽しむ
ガレージ付き賃貸住宅

東京都内最長を誇る商店街「パルム」をはじめ、いくつもの商店街が賑わう武蔵小山。
町工場も多く、下町の風情を漂わせる親しみやすい街だ。
そんな武蔵小山の駅から徒歩4分の場所に建つ、メカニカルな外観の集合住宅。
細長い路地に面して並ぶ、倉庫のようなスチール製のドアの一つを開けると、目に飛び込んで来たのは真っ赤なイタリアンバイク。この部屋に暮らすSさん(26歳)の愛車「ドゥカティ・749R」だ。
「最初は400ccのドゥカティ・モンスターに乗っていたのですが、よりドゥカティらしい大型車に乗りたくなって。 大型免許の取得前に今の愛車に出会って即購入し、3カ月後に晴れて大型免許を取得しました。 以前の家では屋根のない屋外駐車場に停めていたんですが、風が強い日にカバーが吹き飛び、 車体が倒れて大破損してしまったんです」
Sさんは慌ててガレージ付き物件を探し、出会ったのが現在暮らす『ガレージスペック武蔵小山』だった。

路地のようなアプローチに面して倉庫のような扉が並ぶ。照明や部屋番号も工場を意識。
路地のようなアプローチに面して倉庫のような扉が並ぶ。照明や部屋番号も工場を意識。
ロフトから3階を見下ろす。壁のセパ穴にフックを付け、カバンの収納に活用している。
ロフトから3階を見下ろす。壁のセパ穴にフックを付け、カバンの収納に活用している。
物件データ 所在地:東京都品川区小山 
床面積:22.85m²~35.27m²
設計:イカダ・デザイン・アトリエ idea1997.net+清水建築設計店
shimizu-a-workshop.com

「ガレージスペック武蔵小山」への
お問合せ/環境ビジネスTEL03-3445-0342

「同じ屋根の下で愛車とともに暮らす安心感は格別。気が付くとちょこちょこ磨いていたり、こまめに手入れができるし、毎日帰宅するたびに、思わず眺めてしまいますね(笑)」
1階にマルチに使えるガレージを備え、上階が生活空間という間取りのガレージスペック武蔵小山。
Sさんの部屋はトリプレットタイプで、最上階にはロフトも付いている。
専有面積は28m²とコンパクトだが、「この部屋に引っ越すにあたり、ベッドやテーブル、ソファ、 本などを思い切って手放しました。 必要最低限のものと空間での暮らしはかなり快適です。 面積的には以前の家より狭くなりましたが、天井が高くて開放感があるので苦になりません。 トリプレットというのも使い勝手がいいですね。2階は丸ごと洋服を置くスペースにしていますが、 空間の使い分けがきちんとできるので気に入っています」

最上階はダイニングキッチン。はしごの上はロフトで、その下にバスとトイレがある。
最上階はダイニングキッチン。はしごの上はロフトで、その下にバスとトイレがある。
1階ガレージにもシェルフを標準装備。可動式で、設置位置や棚の幅の調整も可能だ。
1階ガレージにもシェルフを標準装備。可動式で、設置位置や棚の幅の調整も可能だ。

今後は、打ちっ放しコンクリートの壁面にあるセパ穴を利用してテレビを壁掛けにしたり、 棚を取り付けたりと、少しずつカスタマイズしていきたいと話すSさん。
要るものと要らないものの足し引きを楽しみながら、ライフスタイルを見極めていく。
愛車とのミニマムな暮らしを叶えるコンセプチュアルな住まいは、住む人を「暮らしの達人」にしてくれるようだ。

text_ Takako Yoshida photograph_ Akira Nakamura
取材協力