ペイントとシンプル家具で作り上げた愛着が生まれるDIY賃貸
念願の大きな作業テーブルも難なく収まった。いつも窓際のこの席で仕事をしている。
2012.12.25

ペイントとシンプル家具で作り上げた愛着が生まれるDIY賃貸

自分で作り上げたからこそ愛着もひとしお。「改装自由、原状回復不要」という新・賃貸スタイル。

TRIP
08

「賃貸なのに改装OK」という、ユニークな物件に暮らすのは、映像作家のUさん(24歳)。
現在、専門学校で非常勤講師を務めながら、企業のプロモーション映像などを作成している。
以前は、横浜の実家に暮らしていたが、通勤や仕事の打ち合わせに便利な都内に住みたいと思い、インターネットで物件を探し始めた。
「事務所を兼ねたかったので、安くて広い物件を探していました。初めて内見したのがここ。43m²と広く、専用庭に緑もあり、何より『改装OK』という条件にひかれました。部屋を改装するなんて大変そうだなとも思いましたが、もともとモノづくりは好きでしたし、その場で書類にサインしました」

生活感を出さないよう、寝室スペースはソファを置き、リビングも兼ねている。
生活感を出さないよう、寝室スペースはソファを置き、リビングも兼ねている。
物件データ 所在地:東京都世田谷区用賀
面積:43.99m²   築年月:1981年1月
緑あふれる広い庭への抜けが心地良い。左側は収納。もともと戸がなかったのでカーテンを設置。
緑あふれる広い庭への抜けが心地良い。左側は収納。もともと戸がなかったのでカーテンを設置。

改装は、その内容を事前にオーナーに相談して承諾が得られれば、原状回復義務なしという条件だった。
Uさんは物件をひと目見た段階で、壁と天井は白く塗ろうと決心。
6畳2間ほどある居室の壁と天井は、友人に手伝ってもらい、丸1日で塗り上げたという。
キッチンと浴室、洗面室、トイレは、1人で2日間かけてペイントした。
壁と天井を白く塗っただけで、部屋が見違えるように明るく、清潔感あふれる空間になった。
リビング兼寝室の床はインターネットの通販でプリント床材を購入し、自分で敷き込んだ。
「使ったペンキは相当な量ですね。身体に悪いものは使いたくなかったので、かなり吟味して良いものを選びました。それでもDIYにはあまりお金はかかっていません。ペンキ代が約3万円、床材は1万円程度。あとはカーテンレールを付け替えたぐらいでした」

キッチンは床をきれいに拭き上げ、自分で組み立てた食器棚を設置。カーテンの奥が浴室。
天井も白く塗ったことで、日中は照明がいらないほど明るくなった。
天井も白く塗ったことで、日中は照明がいらないほど明るくなった。

家具は壁の色に合わせて白で統一。
今後は友人とこの家で一緒に仕事をする予定とのことで、仕事スペースとなるダイニングには、大きな机を置いたという。かくして仲介した不動産会社も驚くスタイリッシュな部屋が完成した。
「思い通りの部屋づくりができて、かなり気に入っています。そのせいなのか、以前は夜型の生活だったのが朝型に変わりましたね」
住まいに愛着を持ち、暮らしを楽しめる「DIYが可能な賃貸」。賃貸住宅の新スタイルだ。

text_ Takako Yoshida photograph_ Akira Nakamura

取材協力/R-STORE www.r-store.jp/

取材協力

HOMETRIP Styles of living

照明は既存のものを取り外してシンプルな電球に。これだけで雰囲気ががらりとおしゃれに。 無垢材プリントのフローリングシートはラクにカットでき、敷き込みも簡単だったという。 脱衣所は壁と天井を白く塗り、床にはフローリングシートを。タオルハンガーも付け替えた。
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