家の売却でやってはいけないこと28選!高く売るためのコツや注意点を総まとめ

初めての不動産売却では、スケジュール管理や相場の調査、内覧対応や契約手続きなど、どこで失敗やトラブルが起きるのかわからず悩む方は多くいます。
この記事では、家の売却でやってはいけないことをステップごとに紹介し、失敗を防ぐポイントを解説します。不動産売却で失敗したくない方は、最後まで読んで参考にしてください。
記事の目次
家の売却でやってはいけないこと【売却準備中】

ここでは、売却の準備段階で避けるべき行動と、その対策を紹介します。
売却スケジュールや期日を設定しない
家の売却ではスケジュールや期日を設定しないと、売却活動が長引いたり、希望どおりの価格で売れなかったりするリスクが高まります。家の売却には平均3カ月~6カ月かかるため、「いつまでに売却したいか」を明確にし、逆算して準備を進めなければなりません。
余裕のあるスケジュールを立てて売却すれば、焦って値下げする事態を避けられるでしょう。
不動産売却の流れを把握しない
不動産売却の流れを把握しないまま進めると、必要な準備や手続きを見落とし、トラブルにつながる恐れがあります。それぞれのステップで必要な書類や手続きが異なるため、全体像を事前に把握しておけば、余裕を持って対応できます。
売却の全体像がわからない場合は、担当者に相談して全体の流れを教えてもらいましょう。
不動産売却の流れを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
複数社で相見積もりを取らない
家の売却では、複数社で相見積もりを取らなければ、適正な売却価格や信頼できる不動産会社が見極めにくくなります。不動産会社ごとに査定額やサービス内容が異なるため、複数の会社で比較することが大切です。
また、相見積もりを取る際は、査定額だけでなく担当者の対応や説明のわかりやすさも比較ポイントです。複数社の見積もりを取ることで、客観的な判断ができるようになり、好条件の売却につながるでしょう。
不動産仲介・買取どちらが適しているかを調べない
自分が不動産仲介・買取のどちらに適しているかを調べずに進めてしまった結果、売却が長引いてしまったり、希望した金額よりも低い価格で売却してしまうこともあります。仲介は相場どおりでの売却が期待できますが、売れるまで時間がかかる傾向にあります。
一方、買取は短期間で現金化できますが、価格は仲介よりも低くなることが一般的です。物件の状態や希望条件をもとに、どちらが適しているかを事前に調べて判断しましょう。
以下の記事では、仲介以外の売却方法を詳しく解説しています。気になる方はあわせてチェックしてください。
不動産会社選びを慎重にしない
不動産会社選びを慎重にしないと、希望どおりでの売却が難しくなります。家の売却は査定額だけで決めるのではなく、担当者の対応や説明の丁寧さ、会社の実績や評判も確認しましょう。
大手・中小企業のどちらにも強みがありますが、最終的には信頼できる担当者を選ぶことが売却を成功させるコツです。口コミを調べたり複数社を比較したりして、自分に合った不動産会社を選びましょう。
売却を依頼する不動産会社に迷っている方は、次の記事も参考にしてください。
売買契約に必要な書類を準備しない
売買契約に必要な書類を準備しないと、手続きがスムーズに進みません。売買契約では、主に次の書類が必要です。
- 本人確認書類
- 実印
- 登記識別情報通知または登記済権利証
- 印鑑証明書
- 固定資産税評価証明書
特に「登記識別情報通知(登記済権利証)」を紛失した場合、登記手続きに余計な時間がかかってしまいます。必要書類は、なるべく早く不動産会社に相談し、確実に準備しておくようにしましょう。
以下の記事では、不動産売却に必要な書類と取得方法を解説しています。
リフォームやリノベーションを自己判断でおこなう
家の売却では、リフォームやリノベーションを自己判断でおこなってはいけません。売却時にリフォームやリノベーションをすると高く売れると思いがちですが、リフォーム代が売却価格に反映されないケースが少なくありません。
購入希望者のなかには、古い家を自分好みにリフォームしたい人も多いため、無計画なリフォームは売却のチャンスを逃すことも考えられます。家が古く、どうしてもリフォームをおこないたい場合は、不動産会社に相談し必要な修繕だけに留めるのがおすすめです。プロの意見を上手に取り入れて、無駄な出費を防ぎましょう。
家の売却でやってはいけないこと【売却活動中】

次に、売却活動中にやってはいけないこととその対策を解説します。
市場の動向や相場をよく調べない
市場の動向や相場をよく調べないと、不動産会社の査定額が妥当かを判断できず、相場より安く売却してしまう恐れがあります。売却前に近隣や類似物件の成約価格を調べておけば、査定額の根拠が確認でき、値下げの提案にも冷静に対応できるでしょう。
相場の動向を確認するためには、不動産情報サイトアットホームの「価格相場」や「レインズ・マーケット・インフォメーション」などをチェックしてみてください。家の売却相場を調べる方法を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
適正な売り出し価格を設定しない
適正な売り出し価格を設定しないと、購入希望者が見つからず売却期間が長期化したり、安く売りすぎて損をしてしまうこともあります。高すぎる価格設定は購入検討者に敬遠され、安すぎると「何か問題があるのでは」と警戒されかねません。
売却時は、周辺の取引事例や不動産会社の査定を参考にしつつ、下限価格も設定しておくと安心です。売り出し価格に迷った場合は、複数社に相談し客観的に判断しましょう。
不動産会社に丸投げをして販売活動に関与しない
不動産会社に販売活動を丸投げすると、販売戦略や広告の内容が不十分なまま放置され、売却期間が長引き不利な条件で売ることになりかねません。販売をスタートさせたあとは、定期的に進捗を確認し、販売活動の内容や反響をチェックしましょう。
問い合わせが少ない場合は、販売価格や広告活動の見直しなどを提案して、積極的に売却活動に関与することで、よりよい条件での成約につながります。
転居のタイミングと売却スケジュールを調整しない
転居のタイミングと売却スケジュールを合わせなければ、家の引き渡し日に間に合わず契約違反になる恐れがあります。引き渡し日は買主様に鍵を渡す必要があるため、遅くとも前日までには引越しを済ましておくことを心がけてください。
売買契約が成立すれば、なるべく早く引越し日を決め、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
内覧の前に家の片付けをしない
内覧の前は、家の片付けをして購入希望者によい印象を与えましょう。内覧前に片付けをしなければ、印象が悪くなり購入意欲を下げてしまいます。
荷物を整理し、掃除を徹底することで、部屋を広く清潔に見せることができ、成約率が上がります。長年の汚れが蓄積して部屋の見栄えがよくない場合は、専門の会社によるハウスクリーニングの利用も検討しましょう。
誠実な内覧対応をしない
内覧時に誠実な対応をしない場合は、どれだけよい物件であっても魅力が十分に伝わらず、購入まで至らない恐れがあります。質問には丁寧に答え、購入希望者がリラックスして内覧できるよう配慮しましょう。
内覧の対応方法に不安がある方は、不動産会社と事前に内覧の流れや対応方法を打ち合わせておくと、スムーズな案内ができます。
値段・条件交渉に応じない
家の売却では、価格・条件交渉に応じないと、売却のチャンスを逃しやすくなります。あらかじめ妥協できる価格や条件を決めておき、柔軟な姿勢で交渉に臨みましょう。ただし、相場からかけ離れたような無理な値下げ交渉には応じてはいけません。
不動産会社と相談しながら納得できる範囲で交渉に対応して、納得のいく取引につなげましょう。
売買契約書の詳細な内容にまで目を通さない
買主が決まり、売買契約書が発行されると、詳細な内容まで目を通さなければなりません。売買契約書には、売主・買主で取り決めた内容が記載されています。
そのため、細かい内容にまで目を通さなければ、あとで思わぬトラブルが発生する恐れがあります。記載されている売買価格や引き渡し日、特約事項など、すべての内容を確認し、不明点は必ず担当者に質問しましょう。
不動産売買契約書を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
不具合・傷があることを伝えない
売却する家に不具合や傷がある場合は、必ず事前に買主に伝えてください。不具合や傷を隠して、あとからそれが発覚した場合、売却後に買主から損害賠償や契約解除を求められるリスクがあります。
雨漏りやシロアリ被害、近隣トラブルなど、気になる点がある場合は事前に不動産会社や買主に正直に伝え、契約書・重要事項説明書に明記しましょう。
家の売却でやってはいけないこと【売買契約後】

売買契約が成立したあとにも気をつけるべきポイントがあります。ここからは、契約後にやってはいけないことと対策を紹介します。
契約書の内容をきちんと確認しない
契約書の内容をきちんと確認しないと、あとで思わぬトラブルに巻き込まれる恐れがあります。物件の詳細や引き渡し日、契約解除の条件など、重要な項目を必ず確認しましょう。特に、契約解除や特約条項、契約不適合責任の内容はしっかり把握しておく必要があります。
不明点があれば必ず担当者に質問し、納得したうえで契約を締結しましょう。
家財を処分しない
家の売却では、家財を処分して引き渡すのが原則です。家財を処分しないまま引き渡すと、契約違反や買主とのトラブルにつながります。
不用品が多い場合はリサイクル会社を利用し、引き渡し日までに計画的に処分を進めましょう。買主と残置物の処分方法の合意がある場合、例えば「引き渡し時は◯◯と△△は残しておく」と書面で内容を残しておくと安心です。
引越し日を守らない
家の売却後は、引越し日を守らないと契約違反となり、違約金や損害賠償を請求されるリスクがあります。そのため、売買契約成立後は、引き渡し日までに必ず退去し、物件を明け渡さなければなりません。
住み替え先の準備や引越し会社の手配は余裕を持って進め、万が一間に合わない場合は「引渡し猶予特約」や仮住まいの活用も検討しましょう。引渡し猶予特約とは、売主が買主から代金を受領したあとも、一定期間物件の引き渡しを遅らせてもらうための特約です。
清掃を済ませない
清掃を済ませないまま家を引き渡せば、買主の印象が悪くなり、トラブルの原因になります。法的な義務はありませんが、最低限の掃除や整理をして、気持ちよく新しい生活を始めてもらえる状態に整えましょう。
特に水回りや床の汚れは目立ちやすいため、引き渡し前にしっかり確認してください。必要に応じてハウスクリーニングを利用すると安心です。
手付解除期日以降に契約をキャンセル・破棄する
手付解除期日以降の契約キャンセルや破棄は、なるべく避けなければなりません。手付解除期日以降に契約をキャンセル・破棄すると、違約金や損害賠償の支払いが必要になり、経済的な負担が大きくのしかかります。
売買契約後、手付解除期日までは「手付金の倍返し(買主から受け取った手付金の2倍を支払う)」で理由を問わず契約解除が可能です。しかし、期日を過ぎると一方的な解除は認められず「違約解除」となります。
違約解除の場合、契約書で定めた違約金や損害賠償を請求されることがあります。そのため、あらかじめ契約内容と解除期日を確認し、やむを得ず解除する場合は早めに不動産会社へ相談しましょう。
家の売却でやってはいけないこと【税金関連】

ここからは、税金関連で家の売却でやってはいけないポイントを紹介します。
売却にかかる費用・税金を計算しない
家の売却では、かかる費用や税金を把握しておきましょう。売却にかかる費用・税金を計算しないと、手取り額が想定より大幅に減る恐れがあります。家の売却では、主に以下の費用と税金がかかります。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 抵当権抹消費用
- 登記費用
- 測量費用
- 建物の解体費用
- 家財の処分費用
- ハウスクリーニング費用
- 譲渡所得税
ただし、ケースによってかかる費用は異なるため、事前に不動産会社と相談しながら資金計画を立てると安心です。以下の記事では、土地の売却にかかる税金を詳しく解説しています。気になる方は参考にしてください。
確定申告をしない
家を売却して利益が出た場合は、確定申告をおこなう必要があります。確定申告をしないと無申告加算税や延滞税などのペナルティが課されます。
余計な税負担を避けるためにも、売却で利益が出れば翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告を済ませましょう。確定申告は、住所を管轄している税務署やインターネットの電子申告・納税システム(e-Tax)で手続きできます。
一人で確定申告をするのが不安な方は、税理士に相談しながら申告を進めるとよいでしょう。不動産売却後の確定申告を詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてください。
税制特例を調べない
税制特例を調べないまま確定申告をおこなうと、税金の支払いで損をしてしまう恐れがあります。居住用の自宅を売却した際に受けられる主な税制特例は以下のとおりです。
- 居住用財産の3,000万円特別控除
- 居住用財産の軽減税率の特例
- 居住用財産の買換え特例
- 取得費加算特例(相続時)
また、売却により損失が生じた場合は、損益通算ができる特例もあります。このように、ケースによって適用される特例が異なるため、事前に税理士へ相談して適用条件や必要書類を確認しておきましょう。
家の売却でやってはいけないこと【相続関連】

次に、相続関連でやってはいけないことを紹介します。
相続登記をしない
相続した家を売却する際は、必ず相続登記をしなければなりません。相続登記をしないと不動産の名義変更ができず、売却自体が不可能になります。すぐに売却しない場合でも、2024年4月以降より相続登記が義務化されているため、3年以内に手続きしないと10万円以下の過料が科される可能性があります。
相続した家を売却する場合は、まず司法書士や弁護士の専門家に相談し相続登記を完了させましょう。以下の記事では、相続した不動産の売却する流れを詳しく紹介しています。
遺産分割協議書を作成しない
相続人が複数いる不動産の相続登記を完了するためには、遺産分割協議書が必要です。遺産分割協議書がなければ法務局で相続登記ができず、家を売却できません。
相続した家の売却を進めるためには、相続人同士で協議したうえで遺産分割協議書を作成し、相続登記の手続を開始しましょう。遺産分割協議書を作成する際は、行政書士や司法書士、弁護士に相談してみてください。
相続人全員の同意を得ない
相続した家を複数人で共有している場合、売却する際に相続人全員の同意が必要です。同意を得ないまま売却を進めると、契約が無効になり、損害賠償請求を受ける恐れがあります。もし認知症の相続人がいる場合は、例えば成年後見人を選任し、法的措置を講じなければなりません。
反対者が一人でもいると売却が進まないため、相続した家の売却を検討する際は、早い段階から相続人全員との話し合いを始めましょう。
家の売却でやってはいけないこと【住宅ローン関連】

ここでは、住宅ローンが残っている家を売却する際にやってはいけないことを紹介します。
ローン残債を把握しない
住宅ローンの残債を把握しないまま売却を進めると、ローンの残債が売却額を上回る「オーバーローン」の状態に陥り、資金計画の見直しが必要になる可能性があります。そのため、まずは住宅ローンがいくら残っているのかを把握しましょう。
残債額は返済予定表や残高証明書、金融機関のWebサイトで確認できます。家の売却を決めたら早めに残債額を調べ、売却価格と比較して資金計画を立てましょう。
金融機関に伝えず家の売却を進める
住宅ローンが残っている家の売却を進める場合は、必ず金融機関に相談する必要があります。金融機関へ伝えずに家の売却を進めると、抵当権の抹消手続きをおこなえず、引き渡しができません。
抵当権の抹消手続きには一定の期間が必要なため、引き渡し日が決まったら速やかに金融機関へ連絡しましょう。
担保抹消の手続きをしない
住宅ローンを完済したあとに担保抹消の手続きをしないと、買主への所有権移転ができず、引き渡しが完了しません。ローンを完済しても金融機関が自動的に担保を抹消してくれるわけではないため、自分で手続きを進める必要があります。
ローンを完済したあとは、金融機関から担保抹消に必要な書類を受け取り、司法書士に依頼して抵当権抹消登記をおこないます。売り出す物件の担保が抹消されていない場合は、不動産会社や金融機関に相談して手続きを進めましょう。
抵当権抹消を詳しく知りたい方は、次の記事を読んで参考にしてください。
ローンが残る場合の対応策を講じない
家を売却してもローンの残債が残る場合、対応策を講じないと買主へ引き渡すことができません。ローンが残る場合の対応策には以下の方法が挙げられます。
- 自己資金で不足分を返済する
- 住み替えの場合は「住み替えローン」を利用する
- 無担保ローンを利用する
- 任意売却を利用する
住み替えローンは新居のローンに今の残債を組み込む方法で、任意売却は金融機関の同意を得て残債を分割返済する方法です。売却してもローンが残る場合は、早めに不動産会社や金融機関へ相談し、解決策を模索しましょう。
以下の記事では、不動産売却時に住宅ローンを一括返済できない場合の対処方法を詳しく解説しています。
家の売却でやってはいけないことのまとめ
最後に、家の売却でやってはいけないことをまとめます。
家の売却活動前にやってはいけないことは?
家の売却活動前にやってはいけないこととして、売却スケジュールや期日を設定しない、複数社で相見積もりを取らない、リフォームやリノベーションを自己判断でおこなうなどの行動が挙げられます。
家の売却活動中にやってはいけないことは?
家の売却活動中に市場の動向や相場をよく調べない、誠実な内覧対応をしない、値段・条件交渉に応じない、などの行動があると、売却期間が長引いたり、納得のいく条件で売却できなかったりする恐れがあります。
家の売買契約・引き渡し後にやってはいけないことは?
家の売買契約後にやってはいけないこととして、契約書の内容をきちんと確認しない、家財を処分しない、手付解除期日以降に契約をキャンセルすることが挙げられます。また、引き渡し後に確定申告をしない、税制特例を調べないなどの行動も避けなければなりません。
家の売却でやってはいけないことは、売却の準備中や活動中、契約後や引き渡し後の各段階で異なります。売却の準備中は不動産売却の流れを把握しないことや、複数社で相見積もりを取らないことが失敗の原因となりやすい行動です。
売却活動中は相場の調査不足や不誠実な内覧対応が、売却を長引かす要因となってしまいます。売買契約後は契約書の確認を怠ったり、引越し日を守らなかったりするとトラブルが発生する恐れがあります。
各段階でポイントを押さえながら手続きを進めることが、納得のいく売却への近道となるでしょう。
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