年収200万でも住宅ローンは借りられる?フラット35なら可能性は高い!

記事の目次
年収200万円で住宅ローンをいくら借りられる?

年収200万円でも、住宅ローンを借りることはできます。ただし、借入可能額は年収や勤続年数、借入状況、年齢などによって決まるため、少なくなるでしょう。
年収倍率から計算する
借入可能額を求める時に使う指標の一つとして、「年収倍率」があります。
年収倍率とは、物件の価格が年収の何倍にあたるのかを表すものです。一般的に年収の5〜6倍が、住宅ローンの審査に通る目安とされています。年収200万円の場合、1,000万〜1,200万円の物件が購入できるということです。
返済負担率から計算する
また、「返済負担率」も住宅ローンの審査の指標の一つとして利用されます。
返済負担率とは、収入に対する住宅ローンの返済額の割合を示したものです。目安として20%が無理のない返済負担率とされています。年収200万円の場合、年間40万円、月々にすると約3万3,000円が無理のない返済額となります。
しかし、これらはあくまで目安のため、それぞれの家計に基づき、無理のない返済ができるように返済計画を立てましょう。
年収200万円の方が住宅ローンを借りるメリット・デメリット

年収200万円でも住宅ローンを借りることは可能ですが、借入可能額や無理のない返済額を考えると、借りられる金額は少額になる可能性があります。そこで、年収200万円の方が住宅ローンを組むメリットとデメリットをまとめてみました。
メリット | デメリット |
---|---|
・家が資産となる ・老後に家賃の心配がいらない ・理想の住まいが手に入る |
・大きな支出があると返済が滞る可能性がある ・生活が不安定になる可能性がある ・身動きが取りづらい |
メリット
まずはメリットからみていきましょう。
家が資産となる
住宅ローンを組んでマイホームを購入すると、家が資産となる点はメリットでしょう。いざという時には、家を貸したり売却したりしてお金を得るという選択肢も生まれます。また、自動車ローンや教育ローンなどを組みたい場合、家を担保にすることができ、審査に通りやすくなるといわれています。
将来、家族に資産として家を残したいと思っている方にも、メリットといえるでしょう。
老後において家賃の心配がいらない
住宅を購入すると、老後において家賃の心配がいらない点もメリットです。厚生労働省の「令和4年簡易生命表の概況」によると、日本の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳となっており、定年を65歳とすると、15年以上も期間があることになります。
賃貸の場合、収入が減った定年後も家賃を払い続けるのは大きな負担となる可能性もあります。一方、住宅を購入した場合、ローンの返済が終わっていれば、住宅費を大幅に減らせるため、家賃の心配なく過ごせます。しかし、住宅に関連する費用がゼロになるわけではありません。固定資産税や修繕費などがかかり、家計から負担する必要があることを理解しておきましょう。
理想の住まいが手に入る
住宅を購入すると、自分の好みやライフスタイルに合った、理想の住まいを手に入れることができます。注文住宅を購入する場合や、中古住宅を購入しリフォームすれば、子育て中であれば広々としたリビング、本好きであれば書斎など、自分のライフスタイルに合わせてカスタマイズすることも可能です。自由度が高く、理想の住まいが手に入る点は住宅を購入するメリットといえるでしょう。
デメリット
年収200万円で住宅ローンを組むデメリットは3つ挙げられます。
大きな支出があると返済が滞る可能性がある
年収200万円の方が住宅ローンを組む場合、大きな支出があると返済が滞ってしまう恐れがあります。例えば、病気やケガで入院してしまった時、子どもが大きくなり教育費がかさんだ時など。住宅ローンの返済は、毎月一定の金額を支払う必要があるため、家計の収支がぎりぎりの場合、大きな支出があると払えなくなってしまいます。
また、変動金利の住宅ローンを選んだ場合、金利が上昇すると、返済額も増えるため、返済が滞るリスクが高まります。
大きな支出や収入の変化、金利の上昇にも耐えられる返済計画を立てるようにしましょう。
生活が不安定になる可能性がある
年収200万円の方が住宅ローンを組む場合、生活が不安定になる可能性があります。住宅ローンの返済は月々一定額を支払わなければならないため、収入に対する割合が大きいと、他の支出を削る必要が出てきます。
例えば、食費や交際費など、生活の基本や楽しみとなる部分を削る必要が出てくるかもしれません。もし食費を削ろうと無理な食生活になってしまった場合、免疫力が下がって病気になりやすくなるなど、他の弊害も出てきます。交際費を削ると、生活の満足度が下がってしまうかもしれません。他の支出も見越したうえで、借入額を決める必要があるでしょう。
身動きが取りづらい
住宅ローンを組んで住宅を購入すると、身動きが取りづらくなります。例えば、転勤や離婚など、想定していなかったことが起きた場合、住宅ローンの返済があるとすぐに転居しにくく、売却したくても簡単にはできません。賃貸と違い、すぐに移動できない点はデメリットといえるでしょう。
年収200万円で住宅ローンを借りる時のポイント

年収200万円で住宅ローンを借りる時、いくつかのポイントを押さえると借りやすくなります。
頭金を多めに用意する
住宅購入時に頭金を多めに用意すると、住宅ローンを借りやすくなります。なぜなら、頭金を入れることで、借入額が減らせるからです。また返済能力があると判断されるため、審査に通りやすくなる可能性もあります。さらに、借入額が減ると、返済の負担も軽くなるため、購入後の生活も安定するでしょう。
ただし、手元にある程度資金を残すようにしましょう。先述したように、年収200万円の場合、収支に変化が起こると生活が不安定になる恐れがあります。万一の場合でも対応できるよう、手元に半年分程度の生活費があると安心でしょう。
ペアローンや収入合算で組む
年収200万円の場合、「ペアローン」や「収入合算」で住宅ローンを組むことも検討するとよいでしょう。
ペアローンとは、1つの物件に対し、夫婦や親子それぞれが住宅ローンを組む方法です。一方、収入合算とは、2人の収入を合わせて住宅ローンを組みます。単純に収入が増えるため、1人の時よりも住宅ローンの審査に通りやすくなります。また、借入できる金額が増えるため、より理想に近い住宅を手に入れられる可能性も。
なお、審査の際には配偶者や親の収入や返済能力を確認されることになります。
また、夫婦の場合は、出産や育児などで収入が途絶える可能性があることに注意が必要です。将来のライフイベントを想定したうえで住宅ローンを組むようにしましょう。
他の借り入れがある場合は完済する
住宅ローンを組む際に、他の借り入れがある場合は完済するようにしましょう。住宅ローンの審査では、年収だけではなく、借り入れの状況も確認されます。もし、借り入れがあった場合、返済が滞る可能性がある、返済能力が低いと判断されてしまい、審査に通りづらくなります。また、借り入れがあると月々の支払いが増えるため、家計も苦しくなる可能性が高くなります。
他の借り入れを完済すると、返済能力があると判断されやすくなり、審査に通りやすくなるでしょう。また、住宅を購入したあとの家計も楽になります。
金利の低い住宅ローンを選ぶ
金利の低い住宅ローンを選ぶと、返済負担率を下げることができるため、ローンを借りやすくなります。住宅ローンの返済額は、金利と借入期間によって決まります。金利が返済額にどう影響与えるのか、具体的にシミュレーションしてみましょう。
<条件>
借入金額:1,000万円
返済期間:35年
返済方式:元利均等方式
金利 | 0.3% | 1.4% |
---|---|---|
毎月の 返済額 |
2万 5,084円 |
3万 130円 |
利息 | 53万 5,226円 |
265万 4,834円 |
総返済額 | 1,053万 5,226円 |
1,265万 4,834円 |
金利が低いほうが、月々の返済額が約5,000円安いことがわかります。さらに、利息は約5分の1、総返済額は200万少ないです。
なお、変動金利のほうが固定金利と比べて金利が低い傾向にあります。ただし、「変動」と名前にあるように、変動金利は将来金利が上がる可能性もあるため、それを踏まえたうえで検討しましょう。
年収基準が低い金融機関を選ぶ
年収基準が低い金融機関を選ぶと、住宅ローンを組める可能性があります。実際にイオン銀行の住宅ローンでは、年収100万円以上が条件となっています。年収が200万円あれば住宅ローンを組める可能性がある金融機関を下表にまとめました。
イオン銀行 | 給与所得者および会社経営者:前年度収入100万円以上 個人事業主:前年度所得が100万円以上 |
---|---|
auじぶん銀行 | 前年度の年収が200万円以上 自営業者:申告所得が200万円以上 |
PayPay銀行 | 前年度の年収が200万円以上 |
りそな銀行 | 前年の税込年収が100万円以上 |
金融機関によって審査基準が異なるため、年収よりも勤続年数や雇用形態を重視している場合もあります。事前審査は複数の金融機関で受けることが可能です。年収がネックになっている場合は、基準が低い金融機関に申し込んでみましょう。
年収200万円の場合はフラット35なら借りられる可能性が高い

年収200万円でも住宅金融支援機構の「フラット35」なら借りられる可能性が高くなります。その理由を詳しく解説していきます。
申込要件に年収基準がない
フラット35の申込要件には、年収基準がありません。そのため、年収200万円でも借りられる可能性があります。フラット35の申込要件は次のとおりです。
- 申込時の年齢が満70歳未満の方
- 日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者の方
フラット35の申込要件は、他の金融機関と比べて要件も少なく、クリアしやすいものになっています。ただし、年収400万円未満の場合、他の借り入れ状況も含めた返済負担率が30%未満である必要があります。しかし、先述したように返済負担率が高ければ返済が苦しくなるため、基準を満たせるように組めば、無理のない返済計画が立てられるでしょう。
雇用形態の定めがない
フラット35の申込要件には雇用形態の定めがありません。そのため、正社員だけでなく、アルバイトやパート、契約社員など、さまざまな雇用形態の方でも借りられる可能性があります。ただし、住宅ローンの返済は長期間に渡るものなので、安定した収入を得られることが、無理のない返済につながります。
フラット35を利用する際に気をつけるべきポイント

フラット35は申込要件が少なく、年収200万円の方でも借りられる可能性が高くなっています。しかし、利用する際に気をつけなければならないポイントが3つあります。
適用される物件が限られる
フラット35を借りる際には、住宅金融支援機構が定めた技術基準を満たしている物件である必要があります。また、建築基準法に基づいた検査済証が交付されていなければなりません。さらに、物件が基準を満たしているかチェックする検査の手数料は自己負担となることを理解しておきましょう。なお、手数料は検査を実施する機関によって異なります。
金利が高い
フラット35は全期間固定金利のため、金利が高い傾向にあります。返済期間によって金利が変わり、具体的には下表のように示されています。(フラット35金利情報 2023年11月現在)
返済期間 | 15〜20年 | 21〜35年 |
---|---|---|
金利の範囲 | 年1.480%〜3.050% | 年1.96%〜3.53% |
最頻金利 | 年1.480% | 年1.96% |
金利が高いと返済額は増え、結果として返済総額も増えます。家計状況を踏まえた返済シミュレーションをおこない、利用するか判断するようにしましょう。
借り入れすぎないようにする
フラット35に限ったことではありませんが、住宅ローンを借りる際には無理のない範囲で借りるようにしましょう。借入額が大きすぎると、返済が苦しくなったり、生活に余裕がなくなったりする可能性があります。
借入期間や金利は変更することができますが、借入額は一度決定してしまうと、変更することができません。他の借入状況やライフイベントを想定したうえで、借入額を決めましょう。
まとめ
年収200万円の方でも、住宅ローンを組むことは可能です。しかし、生活が不安定になったり、身動きが取りづらくなったりというデメリットもあります。メリット・デメリットを踏まえたうえで、住宅ローンを組んで家を購入するかを判断しましょう。また、フラット35なら住宅ローンを借りられる可能性も高くなります。気をつけるべきポイントを押さえながら、無理のない返済計画を立てるようにしましょう。
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執筆者
民辻伸也
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
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