ご主人の仕事の都合で豊中市に移り住んだNさん一家。当初は空港や新幹線停車駅へのアクセスの良さからこの街を選んだというが、住み始めてみると緑豊かな公園の多さや申し分のない教育環境を実感。すっかり気に入り、2人目のお子さんを授かったタイミングでマンションを購入することにした。 学生時代に建築を学んでいたご主人は、個性的な中古物件をリノベーションしたいと考えていた。出会ったのは、著名な建築家が設計した築 26 年の集合住宅。外観や共有スペースに趣があり、間取りも一風変わったつくりで、「これは面白い家になる!」と、イメージが広がったという。
Nさんご夫妻が求めたのは、ほどよくプライバシーを保ちながら、どこにいても家族のつながりを感じられるワンルーム風の住まいだ。 「子どもを部屋にこもらせることなく、いつまでも楽しく過ごせる家族でありたいと思いました」と奥さま。壁や扉は極力なくし、玄関から廊下、LDK、ライブラリーと、家全体を回遊できるように。ダイニングとライブラリー、子ども部屋は直線で結び、子ども部屋には大きな開口部を設けた。各部屋の間には袖壁やパーテーションを設け、床の高さや材質を変えて、ゆるやかにゾーニングした。
家族4人が使いやすいように玄関を広めにとり、大容量のオープン棚を造作。木製ドアは特注品。大きなガラス窓から明るさと開放感を得ている |
「家族それぞれが自由に過ごす時間も必要だと思いますが、まだ幼い子どもたちが何をしているのかは気になるもの。ダイニングから遊ぶ様子が見えるので、目をかけながら、ゆっくりお茶を 飲めて助かっています」 (奥さま)ご主人がライブラリーの机に向かいながら、リビングにいる奥さまと会話をすることも。
子ども部屋の面積を確保するため、寝室は最小限に。出入口の手前に余白をとり、こもり感を出した。ミントグリーンの壁色は長女のセレクト |
「互いを近くに感じますが、それが妨げにならず、別のことに集中できるのがいいですね」(ご主人) お子さんたちは床の段差に座って本を読んだり、窓辺におもちゃを並べたり、毎日遊びに夢中。その姿を見るとうれしくなると、ご夫妻は話す。のびやかな空間で今日も家族の笑い声が響いている。