外国人と一つ屋根の下で半共同生活。シェアハウスで日常的に国際交流を体験
約66㎡のリビングは本棚やテーブルサッカーなどが置かれ、カフェバーのような雰囲気。「帰ってきて仲間がいるとほっとする」と荒木さん
2019.12.20

外国人と一つ屋根の下で半共同生活。シェアハウスで日常的に国際交流を体験

留学先で感じたのびやかな価値観に引かれ、外国人との親睦を目的につくられたシェアハウスへ入居。普通の暮らしでは味わえない新鮮な日々

TRIP
92

中学、高校とクラブチームに所属し、スポーツに打ち込んできた荒木さん。 シアトルに短期留学をした際、「生活も競技も型にはまったところがなく、誰もが自分を楽しんでいる」と感じ、いつかまた海外に行きたいと考えていた。
 

物件データ 所在地/福岡市博多区
面積/677.29㎡
リノベーション竣工年月/2011年10月
設計・施工/OBSCURE(服部英城)
デザイン監修/㈱福岡リノベース www.f-renobase.com
取材協力/「Discovery Hakata South」
企画・運営/九州レップ㈱ krep.co.jp

福岡市の専門学校に進学し、一人暮らしをしていたあるとき、友人との会話から国際交流型シェアハウスがあると知る。市内で見つけた「Discovery HakataSouth」は、外国人は費用が優遇される設定で7割の入居者がイタリアやフランスといった欧米からの外国人。日本で留学気分を味わえる願ってもない環境だ。「社会人になれば簡単には渡航できない。今しかできないことをしよう!」と半年前に越してきた。

個室、ドミトリー、共用スペースから成る大型シェアハウス。無料のシェアサイクルも。保証人や敷金が不要なため、短期間の入居者も多い
遠くに山々や離着陸する飛行機が見られる、気持ちのいい屋上。洗濯物を干すほか、外国人は日光浴での利用が多い。「一人暮らしではなかなか得られない場所です」(荒木さん)
シアタールームはいつでも自由に利用可能。「たまにルームメイトと一緒に映画を観ます」(荒木さん)。スクリーンにはパソコン画面も映し出せる
キッチンではシェアメイトとワイワイ料理をして食卓を囲むことも多い。庭で時折バーベキューを楽しんでいる

「期待で胸がいっぱいでしたが、本当にみんなと仲良くなれるかな?という不安も。でも、初日から気さくに話し掛けてもらえて、すぐにその思いは吹き飛びました」(荒木さん)
 リノベーションした4階建てのビルは、1階が丸ごと共用スペース。広いリビングには複数のソファやテーブル席が用意され、シアタールームも完備。くつろぎの場が至る所にあり、交流が促される。渡日した外国人にとっては日本でコミュニティーを得られる良さがあり、住人同士の関係は良好。背景には、運営サイドの計らいもあるという。
「定期的に業者の清掃を入れ、掃除の負担がかからないよう配慮。入居者にハウスマネージャーを担ってもらい、意見を逐一吸い上げています」(運営会社・金城さん)

エントランスにはウェルカムの気持ちを込めて、地元・福岡市のアーティストによる世界地図を展示。カウンターやソファなどが配され、憩いのムードが漂う
水回りは全て共用。業者の清掃が定期的に入るため、きれいな状態が維持されている。インテリアは、外国人が親しみを持てるデザインに
ダイニングのコーナーに収納ボックスを用意。レトルト食品や香辛料といった細々とした嗜好品を個別に管理できるようにしている

アルバイトに勉強にと忙しい荒木さんだが、積極的に住人たちとの時間をつくっている。休日はカフェや観光地に共に出掛け、触合いを満喫。英語でのコミュニケーション力を身に付けられるのが魅力だが、言葉を超えた友情を築けたことも大きいという。
 「好きな人たちと一緒にいると安らぐし、早く帰りたいなといつも思います。普通に一人暮らしをしていたら到底、考えられない体験です」と笑顔を見せる荒木さん。かけがえのない今このときを楽しんでいる。

各個室は10㎡で30室全てに家具や冷蔵庫、Wi-Fi設備が付く。元社員寮で壁もドアも頑丈。プライバシーが確保され安心して過ごせる
text_ Makiko Hoshino photograph_ Hideki Ookura
取材協力

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