外国人と一つ屋根の下で半共同生活。シェアハウスで日常的に国際交流を体験
留学先で感じたのびやかな価値観に引かれ、外国人との親睦を目的につくられたシェアハウスへ入居。普通の暮らしでは味わえない新鮮な日々
92
中学、高校とクラブチームに所属し、スポーツに打ち込んできた荒木さん。 シアトルに短期留学をした際、「生活も競技も型にはまったところがなく、誰もが自分を楽しんでいる」と感じ、いつかまた海外に行きたいと考えていた。
福岡市の専門学校に進学し、一人暮らしをしていたあるとき、友人との会話から国際交流型シェアハウスがあると知る。市内で見つけた「Discovery HakataSouth」は、外国人は費用が優遇される設定で7割の入居者がイタリアやフランスといった欧米からの外国人。日本で留学気分を味わえる願ってもない環境だ。「社会人になれば簡単には渡航できない。今しかできないことをしよう!」と半年前に越してきた。
遠くに山々や離着陸する飛行機が見られる、気持ちのいい屋上。洗濯物を干すほか、外国人は日光浴での利用が多い。「一人暮らしではなかなか得られない場所です」(荒木さん) |
「期待で胸がいっぱいでしたが、本当にみんなと仲良くなれるかな?という不安も。でも、初日から気さくに話し掛けてもらえて、すぐにその思いは吹き飛びました」(荒木さん) リノベーションした4階建てのビルは、1階が丸ごと共用スペース。広いリビングには複数のソファやテーブル席が用意され、シアタールームも完備。くつろぎの場が至る所にあり、交流が促される。渡日した外国人にとっては日本でコミュニティーを得られる良さがあり、住人同士の関係は良好。背景には、運営サイドの計らいもあるという。 「定期的に業者の清掃を入れ、掃除の負担がかからないよう配慮。入居者にハウスマネージャーを担ってもらい、意見を逐一吸い上げています」(運営会社・金城さん)
水回りは全て共用。業者の清掃が定期的に入るため、きれいな状態が維持されている。インテリアは、外国人が親しみを持てるデザインに |
アルバイトに勉強にと忙しい荒木さんだが、積極的に住人たちとの時間をつくっている。休日はカフェや観光地に共に出掛け、触合いを満喫。英語でのコミュニケーション力を身に付けられるのが魅力だが、言葉を超えた友情を築けたことも大きいという。 「好きな人たちと一緒にいると安らぐし、早く帰りたいなといつも思います。普通に一人暮らしをしていたら到底、考えられない体験です」と笑顔を見せる荒木さん。かけがえのない今このときを楽しんでいる。