世界各国を行き来しながら、ハードに働いてきた西田さん。「帰る家が欲しい」と、北区のとあるエリアにマンションを購入したのは 10 年前のこと。 日当たりが良い上に、2LDK+Sの十分な間取り。カウンターキッチンもあり、ひと目で気に入った。しかし、長く暮らす中で床や壁の汚れが目立ち始め、リフォームを考えるように。折しも、数年前にゆとりを持てる働き方に変え、趣味で始めたプリザーブドフラワーを兼業とするまでになっ ていた。自分らしく暮らしを変化させ、理想の空間への思いを募らせていた時期と重なり、インテリアから部屋の使い勝手までを見直すことにした。
そうしてかなえたのは、植物やアンティークが似合う、ナチュラルな住まい。白い壁や建具に、柔らかなブラウンの床がベース。色柄のきれいな壁紙を張ってアクセントウォールをつくり、華やかさを演出した。 「壁を取って広い空間にすることも できましたが、家でレッスンを開きたかったので、オンオフを付けたくて。間取りは変えないことにしました」(西田さん)
趣味で始めたプリザーブドフラワーは、販売・レッスンするまでに。ますます 意欲を高めている |
最も胸を高鳴らせたのはアトリエづくりだ。自然光の注ぐ南側に配し、ここだけは壁を真っ白に。主役の花が引き立つように環境を整えた。造作した黒枠の室内窓は開放感を生み、雰囲気を盛り立てている。 以前はリビングで作品づくりを手狭に行っていたが、今ではゆったりとアトリエで制作。寝室の扉は半透明のガラス戸に変えて、視線を遮りながら採光できるように。用途別に部屋を区別したことで、気持ちも切り替えやすくなった。
コストダウンの技も利かせている。施工会社に依頼して、手持ちの家具をブラウンや白にペイント。一部の建具には白のシートを張り、黒のノブやつまみに変えて、新調せずとも部屋に馴染むようにした。 「思い描いた空間になると、ここに似合う作品をつくりたいと感じるようになり、創作意欲が湧いてきます。家具や小物を少しずつ変えるより、リフォームが断然おすすめ。好きなものに触れていると元気になるし、家に帰ること、家で過ごす時間が楽しみになりました」(西田さん)
トイレには明るい色柄の壁紙を。作品を飾り、華やかさを感じられる場所に。タオル掛けやペーパーホルダーは黒のアイアン製に付け替えた |