実家じまいが寂しいと感じる理由は?やわらげる方法と後悔しないための注意点
本記事では、実家じまいで寂しさを感じる理由とその気持ちをやわらげる方法、さらに後悔しないために押さえたい注意点を解説します。記事を読むことで、納得したうえで実家じまいを進めるために必要なことがわかるようになるでしょう。
記事の目次
実家じまいが寂しいと感じる理由

実家には家族との思い出や人生の歴史が積み重なっており、手放す行為は一つの区切りを迎えることになります。そのため、寂しいと感じることは自然であり、一言では表せないさまざまな感情が重なりやすいでしょう。実家じまいが寂しいと感じる理由は以下のとおりです。
思い出の場所を失う喪失感
実家は家族との思い出が詰まった特別な場所です。子どもの頃の記憶や日常の出来事を含めて記憶に残っているため、手放すことで思い出まで失われるように感じることがあります。
物理的に家がなくなるため、実家を心の拠り所にしていた場合は、喪失感を抱くケースも少なくありません。また、部屋の配置や匂い、風景などの細かな要素が記憶と結びついているため、実家じまいを進める過程で感情が強く揺さぶられることがあります。
自分のルーツが消える感覚
生まれ育った家や長年家族が暮らしてきた家は、人生の歴史が詰まった場所です。そのため、実家じまいをおこなうことで、過去とのつながりが途切れてしまうように感じ、「自分のルーツが消えてしまうのではないか」と不安になる人も少なくありません。実家には個人の歴史が残っているため、手放すことで自分の原点を失う感覚につながることがあります。実家を離れた方にとっては、いつでも帰れる場所がなくなることも抵抗感を覚える要因となります。
近隣の人や地域との関係の消失
実家は子どもの頃から近隣の人や、地域とのつながりを築いてきた場所でもあります。近所付き合いや地域の行事などを通じて形成された人間関係は、実家じまいをおこなうことで関係性が途切れることも。近くに顔見知りの人がいる環境や、地元に属している感覚が失われることで、人とのつながりを失う寂しさを感じる場合があります。
親の老いと向き合う不安
実家じまいは、親の老いと向き合うきっかけにもなります。実家がなくなることで、親の年齢や健康状態を現実として強く意識するようになるでしょう。実家を手放す過程で、介護や相続などの問題を考える必要が出てくる場合もあるため、寂しさなどのネガティブな感情を強める要因になりやすいです。
罪悪感や後悔が残る
実家じまいをおこなう場合は「本当に手放してよかったのか」といった迷いが生じやすく、選択したことが後悔につながることがあります。特に、親が大切にしてきた家を自分の判断で手放す場合は、罪悪感を覚える人も多いです。実家じまいは判断に感情が密接に関わるため、決断に対して負担を感じやすいでしょう。
実家じまいの寂しさをやわらげる方法

実家じまいを寂しいと思うのは自然な感情です。そのため、寂しさを感じることを前提にやわらげる方法を考える必要があります。強い負担を感じている場合は、いきなり実家じまいを進めるのではなく、感情と向き合いながら折り合いをつける時間が必要です。実家じまいの寂しさをやわらげる方法を以下にまとめました。
家族で話し合う時間を作る
実家じまいを進めるには、家族で話し合う時間を確保することが重要です。家族同士で思い出を振り返りながら気持ちを共有すれば、寂しさを一人で抱え込まずに済みます。実家に対する思いや考え方は人によって異なりますが、同じ時間を共有した家族と話せば納得して実家じまいを進めやすくなるでしょう。
写真や動画で思い出を形にして残す
実家じまいの寂しさをやわらげるには、思い出を形にして残すことが重要です。写真や動画で残すことで、実家じまいをしても記録は残り続けます。部屋の様子や外観を記録すれば、あとから振り返ることができるため、気持ちの整理につながるでしょう。
現在の住まいに一部のモノを持ち帰る
実家にあるすべてのモノを持ち帰ることは難しいですが、一部のモノであれば現在の住まいに持ち帰れます。実家で暮らすなかで日常的に触れてきた思い出の品を持ち帰ることで、実家がなくなっても、つながりを身近に感じやすくなります。自分にとって意味のあるモノを選んで持ち帰ることを検討しましょう。
ほかの人の話を聞いてみる
実家じまいに寂しさを感じている場合は、ほかの人の体験談や考え方に触れることも効果的です。同じように実家じまいを経験した人の話を聞くことで、自分だけが特別に悩んでいるわけではないと理解できるため、気持ちが軽くなることがあります。実際にどのように判断したのか、どのように気持ちを整理したのかなどの具体的な事例を知れば、寂しさをやわらげやすくなるでしょう。
専門家に相談する
実家じまいは感情的に負担がかかるうえに、専門的な判断が求められることがあります。不安や迷いが大きい場合は、専門家に相談しましょう。専門家に相談すれば、実家じまいの見通しが明確になります。実家じまいでは、不動産会社や司法書士、税理士などの専門家に相談する機会があります。寂しいという感情に左右されやすい場面でも、現実的な選択肢を提示してもらえるでしょう。
寂しさを理由に実家じまいをおこなわないリスク

実家じまいの寂しさから、判断を先延ばしにするケースは少なくありません。しかし、感情を理由に対応を見送ると、時間の経過とともに問題が大きくなることも。寂しさを理由に実家じまいをおこなわない場合にどのようなリスクがあるのか、現実的な視点から整理します。
維持費・税金の問題
実家を残す場合は、継続的に維持費や税金が発生します。固定資産税や都市計画税などの税金が発生するため、長期間にわたって家計への負担になります。感情を理由に手放せずにいる間にもコストは積み重なるため、早い段階で現実的な負担を把握することが重要です。
空き家の管理負担
実家を空き家のまま維持する場合は、定期的な管理が欠かせません。基本的な管理を怠ると、カビや腐食が進みやすくなり、建物の劣化が早まる原因になります。また、雑草の繁茂を放置すると、景観の悪化につながり、近隣トラブルを招くことも。遠方に住んでいる場合は、管理するための移動の手間や時間的な負担も大きくなります。
資産としての価値の減少
実家を空き家のまま長期間放置すると、資産としての価値が徐々に下がる可能性があります。建物は使用されていない期間が長いほど劣化が進みやすく、修繕が必要な箇所が増えることで、売却時の評価にも影響を与えるからです。
築年数が進んだ物件は、条件が悪化するほど売却で不利になるでしょう。最終的に手放すことを選択する場合は、先延ばしにするほど低い金額で売却することになるかもしれません。
実家じまいを検討するべきタイミング

実家じまいは適切なタイミングで検討することが重要です。実家じまいを検討する主なタイミングを以下にまとめました。それぞれ詳しく見ていきましょう。
親が高齢である
親が高齢になれば、体力の低下や健康状態の変化によって、家の管理を続けることが難しくなるケースがあります。介護や施設への入居などの選択が視野に入れば、実家の扱いを考える機会も増えるでしょう。早い段階で家族と話し合いを進めることで、余裕をもって検討できます。
実家が空き家になった
実家が空き家になったタイミングは、実家じまいを検討する重要な分岐点になります。人が住まなくなれば、建物は急速に劣化しやすくなるため、適切な管理をおこなわなければ状態が悪化することも。空き家の状態が続くほど維持費や管理負担が積み重なり、売却や活用の選択肢が狭まる可能性があります。そのため、放置せずに今後の活用や処分を早めに決断する必要があるでしょう。
建物の老朽化が進んでいる
実家の老朽化が進んでいる場合は、実家じまいを検討するきっかけになります。築年数が経過するほど建物を維持するために必要な修繕やリフォームにかかる費用が増えます。大規模な修繕が必要になる前に、今後も維持するのか、手放すのかを判断する必要があるでしょう。また、老朽化が進むほど建物としての価値は下がりやすく、売却時の条件にも影響が出る可能性も。状態がよいうちに対応を検討すれば、選択肢の幅を確保しやすくなります。
実家じまいの基本的な流れ

実家じまいの基本的な流れは以下のとおりです。
- STEP 1物品の整理と不用品の処分
- STEP 2実家の今後の方針を決める
- STEP 3各種契約に関する手続きを進める
それぞれ詳しく見ていきましょう。
物品の整理と不用品の処分
実家じまいを進める際は、まず家のなかにある物品の整理から始めます。長年生活してきた家には多くのモノが残されているため、持ち帰るモノと不要なモノを仕分ける作業が必要です。ただし、精神的な負担が重くなりやすいため、負担が大きい場合は一度に仕分けず、毎日少しずつ時間をかけて判断したほうがよいでしょう。仕分けた不用品は自治体の回収や専門業者を利用し、適切な方法で処分します。
実家の今後の方針を決める
実家じまいで今後の家や土地を活用する場合は、売却・賃貸などの選択肢が考えられます。売却を選ぶ場合は、維持費や管理負担を早期に解消できます。しかし、一度手放せば実家を利用できなくなるため、家族間で十分に話し合い、納得したうえで進める必要があるでしょう。
賃貸として活用する場合は、実家を残しながら収益化を図れる点が魅力です。ただし、入居者の募集や管理などの継続的な手間が発生するため、運用体制を整えることが求められます。将来の負担を踏まえたうえで、今後の方針を決めるようにしましょう。
各種契約に関する手続きを進める
実家の今後の方針が決まったら、売却や賃貸に向けた各種契約の手続きを進めます。具体的には、売買契約や賃貸管理契約が該当します。内容を十分に確認せずに進めると、あとからトラブルになる可能性があるため、契約条件や責任範囲を事前に理解したうえで契約しましょう。
実家じまいで後悔しないための注意点

実家じまいで後悔しないための注意点は以下のとおりです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
家族全員の合意を得る
実家じまいを始める際は、家族全員の合意を得ることが必要です。実家に対する思いや考え方は人それぞれ異なるため、十分な話し合いをおこなわないまま進めると、あとからトラブルにつながる可能性も。特に子どもが主体となって実家じまいを進める場合は、親の意見を尊重することが重要です。事前に意見を共有し、全員が納得できる形で方針を決めることで、実家じまいをスムーズに進めやすくなるでしょう。
スケジュールに余裕をもって進める
実家じまいは、想像以上に時間がかかります。複数の工程を段階的に進める必要があるため、短期間で終わらせようとすると、判断や手続きにミスが生じることも。感情面でも整理に時間が必要になることが多く、急いで進めることで後悔しやすくなる点にも注意が必要です。そのため、余裕をもったスケジュールを立てることで、判断に納得したうえで実家じまいに臨みやすくなります。
発生する費用を整理する
実家じまいでは、事前に発生する費用を整理する必要があります。かかる費用の例は以下のとおりです。
- 不用品の処分費用
- 清掃費・修繕費・リフォーム費用
- 売却時に不動産会社に支払う仲介手数料
- 更地にして土地を売却する場合の解体費用
- 司法書士・税理士などの専門家への報酬
- 引越し費用
実家の活用方法によってもかかる費用は異なるため、支出の見通しを立てる必要があります。あらかじめ必要な費用を把握すれば、負担になる想定外の出費を防ぎやすくなるでしょう。
実家じまいに関するよくある質問
実家じまいに関するよくある質問を以下にまとめました。
実家じまいは親が元気なうちに進めたほうがよい?
親が元気なうちに実家じまいを検討できる場合は有効な選択肢になります。本人の意思を直接確認できるため、判断に納得しやすく、将来的なトラブルも防ぎやすくなるでしょう。ただし、無理に進める必要はなく、家族全体で話し合いながら段階的に検討することが重要です。
実家じまいで家族の意見がまとまらない場合はどうすればいい?
家族の意見がまとまらない場合は、まずそれぞれの考えや不安を整理し、冷静に共有することが重要です。感情的な対立になりやすいため、目的や優先順位を明確にしたうえで話し合いを進める必要があります。また、第三者である不動産会社や専門家に相談すれば、客観的な視点から選択肢を整理できるため、合意しやすくなるでしょう。
実家じまいは売却と賃貸のどちらを選ぶべき?
実家の活用方法で売却と賃貸のどちらが適しているかは、物件の状態や立地、今後の利用予定によって異なります。売却は維持費や管理負担を解消できる一方で、資産として残せない点がデメリットです。賃貸は収益化できる可能性がありますが、管理や修繕の負担は継続します。それぞれの特徴を比較し、将来の負担や目的に合った選択をすることが重要です。
まとめ
実家じまいは、思い出や家族とのつながりが深いからこそ、寂しさを感じやすい出来事です。大切なことは、寂しさと向き合いながらも、維持費や管理負担などの現実的な問題を踏まえて、冷静に判断することです。
実家じまいには適切なタイミングがあり、状況に応じて早めに検討すれば、選択肢を広く持つことができます。自分や家族にとって納得できる形を選ぶことが、後悔しない実家じまいにつながるでしょう。
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執筆者
民辻 伸也
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
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