マンションの売却で儲かった人の特徴は?損をしないための注意点を解説
しかし、大きな利益を出した人のなかには、必ずしも特別な戦略を取っていたわけではなく、基本を押さえていたことで結果的に利益を得た人も多いです。
本記事では、マンションの売却で利益を出した人の特徴と損をしないための注意点を解説します。記事を読むことで、これからのマンションの売却で利益を得るために必要な知識を身に付けられるでしょう。
記事の目次
マンションの売却で儲かった人の特徴

マンションの売却で利益を出した人には、多くの共通する行動があります。誰でも取り入れやすい行動を地道に実践したことが、利益を上げた事実につながったと考えられるでしょう。マンションの売却で利益を上げた人の7つの特徴をそれぞれ詳しく解説します。
マンションの需要が高い時期に売却していた
マンションを売って大きな利益を得た人は、売れるタイミングを意識して売却を進めています。不動産の需要は季節によって変わります。2月〜3月は転勤や進学の準備で探す人が増えるため、高く売れやすい時期です。一方で、1月や8月は探す人が少ないことから、需要の低い時期です。需要が高まる時期を見極めて売却活動をすることが重要でしょう。
さらに、マンションの近くに駅ができる、商業施設が建つなどの変化は、今後の利便性が上がると考えて需要も伸びる傾向にあります。周辺環境の変化に合わせてマンションを売り出せば、買い手が集まりやすく、希望額で売却が成立しやすくなるでしょう。
事前にマンションの売却相場を調べていた
マンションの売却で大きな利益を上げた人の多くは、売り出す前に周辺の相場を自分で調べています。売却するマンションと同じエリア・築年数・広さの物件の売却価格を把握すると、相場とかけ離れた価格設定を避けられます。相場を知ることで、適切な売り出し価格を決めやすくなるでしょう。
売却予定のマンションの相場を知らずに売却活動を進めると、悪質な不動産会社に相場とかけ離れた売り出し価格を提案されても気付くことが難しくなります。相場より高すぎる価格は売れ残る原因になり、最終的には大幅に値下げをする必要が出てくるかもしれません。売り出し価格では利益が出せる価格であっても、大幅な値下げをした結果、利益を出せる価格で売却できずに損をしてしまう可能性もあります。適切に利益を生み出すためにも、売却するマンションの相場を把握しておきましょう。
余裕をもって売却活動に臨んでいた
マンションの売却で利益を出した人は、時間に余裕をもって進めています。マンションの購入は買い手にとって大きな買い物になるため、何件も比較しながら慎重に判断する場合が多いです。
需要の高い物件であっても、買い手を見つけるには一定の時間がかかります。時間に余裕をもって売却活動を進められるほど、買い手を集められる期間が長くなるため、よりよい条件で売却しやすくなるでしょう。売却が決まるまでに少なくとも3カ月以上の時間を想定することをおすすめします。
購入前から立地を意識していた
マンション売却で利益を上げた人の多くは、マンションを買う段階から立地を意識して選んでいます。駅に近く買い物がしやすい利便性の高いエリア、再開発が進み需要が高まるエリアは、将来も需要が落ちにくいため、売却する時に有利になるでしょう。
設備が古くなっても、立地のよさは大きな価値として残るため、買い手が集まりやすく価格が下がりにくい傾向があります。実際に国土交通省の「令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状」では、駅からの距離など交通利便性を重視してマンションを購入する人は7割以上いることがわかりました。
内覧に対して十分な準備をおこなっていた
マンションの売却で利益を出した人は、内覧の印象が成約と売却価格に影響することを理解し、事前準備に時間をかけています。買い手にとって内覧は、写真ではわからない生活の様子や使いやすさを確認できる重要な場です。内覧の際に好印象を与えられるかどうかが、売却結果を左右する一つのポイントとなります。
内覧が決まったら、部屋の清掃を進めましょう。内覧の際に注目されやすく、目立ちやすい水回りの汚れは特に念入りに掃除することをおすすめします。
売却後にかかる税金のことも考えていた
マンションの売却では利益を高めるだけでなく、売却益が出た時にかかる税金のことも考える必要があります。売却で利益が出ると、譲渡所得税や住民税が発生するため、売却価格が高くても税金で手取りが減ってしまうことも。
税金対策を考えたうえで売却すれば、マンションの売却による手取り額を最大化できるでしょう。
複数の不動産会社を比較して選んでいた
マンションの売却で結果を出すためには、売却活動を依頼する不動産会社を比較して選ぶことが重要です。不動産会社によって査定額や販売戦略、担当者の経験値は大きく異なります。複数社に査定を依頼し、査定額の理由や販売戦略を詳しく聞きながら、自分に合った不動産会社を選びましょう。査定額だけでなく、レスポンスの早さや説明のわかりやすさなど、担当者との相性も重要なポイントです。
売却活動を進めるパートナーになる不動産会社選びは、売却活動の成否に大きく影響するでしょう。
マンションの売却で儲けるための基本戦略

マンションの売却で利益を上げるためのより実践的な知識となる基本戦略を以下の項目で詳しく紹介します。
築10年以内に売却する
マンションの売却で利益を出しやすいと言われているタイミングが、築10年以内です。マンションは築年数が進むほど資産価値が下がり、築10年を過ぎるタイミングから価格の下落が大きくなる傾向にあります。
公益財団法人 東日本不動産流通機構の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2024)」から、首都圏における中古マンションの築年数ごとの成約状況を下表にまとめました。
| 築年数 | 成約価格 | 下落率(※) |
|---|---|---|
| 築0年〜5年 | 7,808万円 | 0% |
| 築6年〜10年 | 7,156万円 | 8.3% |
| 築11年〜15年 | 6,619万円 | 15.2% |
| 築16年〜20年 | 5,972万円 | 23.5% |
| 築21年〜25年 | 5,320万円 | 31.8% |
| 築26年〜30年 | 3,835万円 | 50.8% |
| 築31年〜35年 | 2,455万円 | 68.5% |
※下落率は築0〜5年の成約価格を100%とした場合のものです。
築6年〜10年のマンションの下落率は10%未満ですが、築11年〜15年になると下落率は15.2%になり、その後は築年数を重ねるごとに下落率が大きく上昇します。築0年〜5年の新築に近い段階から成約価格が大きく下落していない築6年〜10年のうちに売却すれば、損をしにくいと考えられるでしょう。
また、築10年は大規模な修繕工事が検討される時期でもあり、管理費・修繕積立金の値上げが懸念されるため、以降も保有を続ける場合はコストが高くなりやすいです。マンションの保有コストを値上げする前の時期に売却できることも、築10年以内の売却のメリットです。
10万円単位で小刻みに値下げをする
マンションの売却では、10万円単位の小刻みな値下げが有効です。マンションの売買では値下げ交渉が基本であるため、交渉を前提に価格を設定します。例えば、3,980万円でマンションを売りに出す場合、買主は端数である80万円を安くして3,900万円で売るように交渉を切り出しやすくなります。
10万円単位の端数があれば、100万円単位の値下げ交渉を避けやすいでしょう。また、端数を8や9にする理由は、心理的に安く感じられる効果があり、多くの不動産会社が提案する価格設定の方法です。
さらに、3,980万円に価格を設定すると、不動産ポータルサイトの検索では3,000万円台に表示されますが、4,000万円台のマンションを探している人の目にも留まりやすくなります。潜在的な顧客の母数を増やす効果を期待できるため、買い手が見つかりやすくなるでしょう。
3段階で売却ラインを設定する
マンションの売却価格は3つの基準を想定して設定します。
- 希望の売却価格
- もっとも売れやすい現実的な価格
- 限界まで下げられる最低ライン
例えば、不動産会社の査定額が4,800万円の場合、希望の売却価格を4,980万円、値下げの余地があるもっとも売れやすい現実的な価格を4,600万円~4,900万円、限界まで下げられる最低ラインを4,500万円とします。希望の売却価格は不動産会社の査定額よりも高めの設定が基本であり、値下げ交渉を前提に設定します。このケースでは、値下げ交渉の結果、基本的には4,800万円~4,900万円で売ることが想定するラインになるでしょう。
しかし、マンションに大きな欠陥が見つかった場合や、売却活動を続けても買い手が見つからないなどの不測の事態が発生した場合は、4,600万円~4,700万円のラインまでの値下げが考えられます。ただし、最低ラインである4,500万円以下の値下げには応じないようにしましょう。
3段階の売却ラインを設定すれば、相場に沿った査定額に近い価格で売却しやすくなり、制限なく値下げに応じて損をするリスクを防げます。
マンションの売却で儲けるための注意点

マンションの売却で利益を上げるための3つの注意点を以下にまとめました。それぞれ詳しく見ていきましょう。
競合の物件と同時期に売り出さない
マンションの売却で利益を残すためには、同じマンション内や近隣の競合物件と同じタイミングで売り出さないことが重要です。似た条件の物件が同時に売り出されると、買い手に比較されやすくなります。買い手は少しでも安い物件を購入しようとするため、価格競争に発展しやすくなり、高値での売却が難しくなるでしょう。
近隣で売り出されている物件数をチェックし、競合が多い場合は売却のタイミングをずらします。同時期の競合を避けることで、買い手からマンションが評価されやすくなり、利益を上げることにつながるでしょう。
所有してから5年以内には売却しない
マンション売却の基本戦略は築10年以内の売却ですが、所有してすぐに売ることも適切ではありません。所有期間が5年以内の場合は売却を避けるようにしましょう。マンションを購入してから5年以内に売却すると短期譲渡所得に区分され、利益にかかる譲渡所得税・住民税で39.63%の税率が課されます。
一方で、所有期間が5年を超えると長期譲渡所得に区分されて、税率が20.315%に下がります。税率が下がるほど手元に残る金額は増えるため、築10年以内のマンションの売却では所有期間を意識して売却したいところです。
また、短期間で売却する場合は、所有期間の判定日にも気を付けましょう。所有期間は、不動産を取得した日から売却した年の1月1日までの期間で判定されます。例えば2020年にマンションを取得した場合、2026年以降に売却しなければ、長期譲渡所得に区分されません。2020年3月にマンションを取得して、2025年11月にマンションを売却すると、実質的な所有期間は5年を超えますが税法上は所有期間が5年を下回り、短期譲渡所得に区分されます。
最初から売るつもりで買う
マンションの売却で確実に利益を上げたいと考えるなら、購入時から将来的に売却することを想定しておきましょう。購入する物件を探す段階から、立地や、将来の再開発計画を考慮して、資産価値が上昇する可能性のあるマンションを選ぶ必要があります。
最初から売れる物件を意識してマンションを購入するほうが、将来的に高値で売れやすくなります。これは投資目的だけでなく、自身が住むためのマンションを購入する時にも組み込める戦略です。高値で売却できるマンションに住むことで、将来的にさらに広いマンションへの住み替えや一戸建ての購入する際の資金にできるでしょう。
マンションの売却で儲かった時に利用できる税金対策

マンションの売却で利益が出た時に利用できる税金対策を、以下にまとめました。
居住用財産の3,000万円特別控除
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除は、自分や家族が住んでいたマンションを売却した時に譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。例えば、マンションを売って譲渡所得が2,500万円だった場合、この特例を使えば課税対象額が0円になり、譲渡所得税・住民税がかかりません。
マンションから離れた場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却しなければ適用されません。また、この特例は自動的に適用されるものではないため、特例の適用により課税対象金額が0円になった場合も確定申告が必要です。
特定居住用財産の買い換え特例
特定居住用財産の買い換え特例は、住んでいたマンションを売って、別の居住用財産に買い換える場合に使える制度です。マンションの売却の利益に対する課税を、新居の売却まで繰り延べられます。売却しても、その年に税金を支払わずに済み、利益をすべて次の住まいの購入に回すことが可能です。
売却したマンションと新しく購入する物件が居住用であることが条件です。ただし、この制度は課税の繰り延べであり、免税ではありません。将来、新居を売却した時に、旧居と新居の譲渡益が合算されたうえで課税されます。
相続財産の取得費加算の特例
相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例は、相続や遺贈で取得したマンションを売却した場合に利用できる特例です。相続税がかかるマンションを売る場合、譲渡所得の計算で相続税を支払った分の一部を取得費に上乗せできます。
譲渡所得を圧縮できるため、課税対象金額が小さくなり、譲渡所得税・住民税の負担の軽減が可能。相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内に売却していることが条件です。
今後のマンションの売却で儲けるために注目したいポイント

最後に、今後のマンションの売却で利益を上げるために注目したいポイントを、それぞれ詳しく紹介します。
新型コロナウイルスの影響による変化
今後のマンションの売却で利益を出すには、2020年に感染が拡大した新型コロナウイルス以降に生まれた住まいのニーズの変化を理解しておくことが重要です。コロナ禍でテレワーク需要の増加・コロナ渦以降の定着により、自宅で快適に働ける環境を求めて、広い間取りのマンションを求める人が増えました。
そのため、ワークスペースを確保しやすい間取りや、防音性の高いマンションが評価される傾向にあります。さらに、リモートワークの普及により、必ずしも都心に住む必要がなくなり、郊外の利便性が高いエリアへの関心も強まっています。
よって、都心以外でも利便性が高く、暮らしやすいエリアのマンションの資産価値が高まっている傾向にあります。将来の需要の変化を意識して、売却するマンションを選ぶことが利益につながりやすいと考えられます。
コンパクトシティの形成による新たな需要の開拓
地方都市や郊外を中心に進むコンパクトシティの形成は、マンション売却のチャンスを広げる要素として注目されています。コンパクトシティとは、生活に必要な機能を駅周辺などに集約し、移動時間を減らしながら暮らしやすさを高める都市づくりのことです。
高齢化が進むなかで、徒歩圏内に医療や買い物施設、公共サービスが集まるエリアは、利便性の高さから需要が落ちにくいため、今後も人気が続くと考えられます。都市再整備や再開発が進むエリアは、資産価値の上昇が期待されるため、コンパクトシティに着目したマンション選びも有効な売却戦略の一つになりやすいでしょう。
物価高・人手不足で建築費の高騰
今後のマンション売却では、物価高や人手不足による建築費の上昇が大きな影響を与えます。建築資材の値上がりや職人不足によって、新築マンションの販売価格は上昇傾向にあるからです。新築マンションと中古マンションの価格差が広がると、買い手が中古市場に流れやすくなります。
中古マンションの相場が下がりにくい状態になるため、築年数が浅い物件や人気エリアのマンションは売却価格が上がる可能性があります。建築費の高騰は長期的な傾向と考えられているため、今後の市場でも間接的に中古マンションの価値を押し上げる要因になるでしょう。
金利上昇によるローンの返済負担の増加
マンションに対するプラス材料がある一方で、2024年に日本銀行がマイナス金利政策を解除した影響による懸念もあります。金利が上昇すると、住宅ローンの返済負担が増えるため、マンションの購入をためらう人が増える傾向にあるからです。
売却を検討しているマンションの住宅ローンを変動金利で返済している場合は、今後も金利の上昇が予測されます。金利動向に着目しながら売却計画を立てることも重要になるでしょう。
人口減少によるエリア別人気の二極化
日本全体で人口が減少しているなか、マンション市場でもエリアによる人気が二極化しています。人口が増加している都市部や、再開発が進む地域では、需要が安定しており価格も下がりにくい傾向があります。
一方で、人口減少が深刻な地域や利便性が低いエリアでは、買い手が見つかりにくいだけでなく、価格も下落しやすいでしょう。エリアによる価格差は今後も大きくなりやすいため、周辺エリアの人口データや再開発の状況を確認してマンションを選ぶことが重要です。
まとめ
マンションの売却で利益を上げるためには、特別なテクニックを身に付けるよりも、基本を着実に押さえることが大切です。需要が高まる時期を見極め、相場を確認し、売却活動に十分な時間を確保するなど、成功した人に共通する行動はどれも再現しやすいものばかりです。
正しい知識と事前の準備があれば、誰でも利益を出せる可能性があります。今後の市場の変化も視野に入れつつ、自分にとって最適な売却戦略を立てていきましょう。
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執筆者
長谷川 賢努
AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士
大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
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