ワンルームマンションが売却できないと言われる理由は?対処方法と注意点を解説
本記事では、ワンルームマンションが売却できないと言われる理由を紹介したうえで、売却できない時の対処方法を解説します。記事を読むことで、ワンルームマンションの売却で失敗を避けるために必要な知識を把握できるでしょう。
記事の目次
ワンルームマンションが売却できないと言われる理由

ワンルームマンションが売却できないと言われる理由は以下のとおりです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
需要が限られている
ワンルームマンションが売却できないと言われる大きな理由の一つは、購入層が限られている点です。主に単身者や投資家が購入対象となるため、検討する人の数が少ない傾向にあります。居住用として検討される場合、将来的に家族が増える可能性がある住み替えが前提になりやすいです。
賃貸需要は高くても、購入して長く住む物件としては選ばれにくい傾向があります。需要が限定されやすいため、売却が成立するまでに時間がかかるケースが多くなります。
間取りの変更が難しい
ワンルームマンションは、構造上の制約から間取りの変更が難しい傾向があります。専有面積が限られているうえに、柱や水回りの位置が固定されていることが多いためです。広い間取りのマンションと比較して、購入したあとに「広さが欲しい」「部屋を分けたい」などの需要に対応できない点がデメリットになります。単身者であっても、将来的な間取り変更が難しい点を理由に敬遠される場合があります。
供給過多で差別化が困難
ワンルームマンションは、エリアによっては供給数が過多になることがあり、競合物件が多い傾向があります。都市部や大学周辺、オフィス街では、同じような間取り・広さ・設備のワンルームマンションが数多く存在します。
物件の条件に大きな違いがないため、他のワンルームマンションとの差別化が困難になるでしょう。競合物件より条件がおとる場合、購入候補から外されやすくなります。価格競争に巻き込まれやすいため、価格を下げなければ売却が困難になる場合もあります。
ファミリー層からは避けられる
ワンルームマンションは、基本的に単身者向けに設計されているため、ファミリー層からは避けられることが多いです。居住目的での需要が広がりにくいため、売却が困難になります。居住目的でワンルームマンションを購入する層は少数派になるため、基本的には投資家層が中心になりやすいでしょう。
売却できないワンルームマンションの特徴

ワンルームマンションが売却できない時に当てはまりやすい特徴を以下にまとめました。それぞれ詳しく見ていきましょう。
価格設定が相場とかけ離れている
ワンルームマンションが売却できない場合、価格設定が相場とかけ離れているケースがあります。周辺で成約している価格を把握せずに売り出すと、競合物件と比べて割高になります。
ワンルームマンションはエリアによっては供給過多であるため、割高な価格で売り出せば、問い合わせ自体が入らないことも。適正価格を把握したうえで、戦略的に売り出さなければ、売却の成立は難しいでしょう。
立地条件が悪い
ワンルームマンションを希望する人は、立地条件を重視する場合が多いです。周辺に大学やオフィスが少ないエリアは単身者の需要が安定しません。投資家層からは空室リスクが高いと判断される可能性があります。
ワンルームマンションは人気の高いエリアにあることが大きな魅力になります。反対に人口減少が進んでいる地域や再開発の予定がないエリアにある場合は、大きなマイナス材料になるでしょう。
築年数が古い
築年数が古いワンルームマンションは、建物や設備の劣化が進んでいる可能性があります。将来の修繕費や維持費を不安があると判断されて購入が見送られることも。マンションは大規模修繕の時期が近づくと修繕積立金などの負担が増える傾向にあります。
また、築年数が古い物件は、金融機関の融資条件が厳しくなることも。ローンの借入期間が短くなったり、融資そのものが通りにくくなったりすると、購入できる人がさらに限られて売れにくい要因になるでしょう。
利回りが低い
ワンルームマンションは投資目的で購入されることが多いため、利回りの高さが重要な判断基準になります。利回りが低い物件は、投資効率が悪いと判断され、売却が難しくなるでしょう。同じエリアにより高い利回りの物件が出ていれば、比較された結果、選ばれにくくなります。
複数の物件の利回りを数字のみで比較した場合、わずかな差でも判断に大きな影響を与えます。利回りが低いワンルームマンションは競争力を失いやすいでしょう。
空室である
投資用のワンルームマンションは空室の状態にあると、売却は難しくなりやすい傾向があります。入居中の物件であれば、具体的な収益がわかるため、投資家層から検討されやすいです。一方で、空室の場合は入居者が決まるまで収益が得られません。
空室期間が長い場合は、ワンルームマンションの収益性が疑われることも。収益の安定性を重視する投資家にとって、空室の状態にあることは敬遠される可能性があります。
サブリース契約がある
サブリース契約とは、不動産管理会社が物件を一括で借り上げ、オーナーに一定の賃料を支払う契約です。安定的に収益が見込みやすい仕組みですが、サブリース契約があることで売却が難しくなることも。サブリース契約では、契約期間中に自由に賃料を変更できないケースや、解約に制限や違約金が生じるケースもあります。
サブリース契約を引き継ぐ場合、運用の自由度が低い点が懸念され、購入候補から外される可能性があるでしょう。契約内容によっては売却時にハードルになる点に注意が必要です。
ワンルームマンションの売却に関するデータ

ワンルームマンションは売れないと言われることがありますが、本当に売れないのか、売れた場合ではいくらになるか気になるところですよね。売却に関するデータを提示したうえで、ワンルームマンションの実情を以下にまとめました。
間取り別の売却価格の相場
2024年度に首都圏で売却が成立した中古マンションの平均売却価格を以下にまとめました。
| 間取り | 売却価格 |
|---|---|
| ワンルーム | 2,058万円 |
| 1DK・1LDK | 4,182万円 |
| 2DK・2LDK | 5,773万円 |
| 3DK・3LDK | 5,003万円 |
| 4DK・4LDK | 4,761万円 |
| 5DK・5LDK以上 | 3,591万円 |
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構(REINS)『年報マーケットウォッチ2024年・年度』
ワンルームマンションの平均売却価格は2,058万円であり、ほかの間取りと比較すれば売却価格は低い傾向にあります。しかし、2019年度のワンルームマンションの売却価格は1,410万円であり、売却価格の平均は600万円以上も上昇しています。
首都圏では投資需要が高く、人気エリアのワンルームマンションは過去より高値で売れやすい状況です。ワンルームマンションは条件によって売れにくい場合もありますが、首都圏では例年より高値で売却しやすい状況にあります。
間取り別の成約件数
次に、2024年度の中古マンションの成約件数を以下にまとめました。
| 間取り | 成約件数 |
|---|---|
| ワンルーム | 1,579件 |
| 1DK・1LDK | 6,989件 |
| 2DK・2LDK | 11,008件 |
| 3DK・3LDK | 17,796件 |
| 4DK・4LDK | 2,311件 |
| 5DK・5LDK以上 | 53件 |
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構(REINS)『年報マーケットウォッチ2024年・年度』
ワンルームマンションの成約件数は1,579件であり、全体の成約件数のわずか4%にあたります。2DK・2LDKと3DK・3LDKの成約件数が多く、ワンルームマンションの成約事例は限られている状況です。
5年前の2019年度と比較しても成約件数は1,627件であるため、全体の需要に変化はありません。ワンルームマンションはファミリー層から敬遠されることが多いため、需要が限定されていることがデータからわかります。
ワンルームマンションを売却できない時の対処方法

ワンルームマンションを売却できない時の対処方法は以下のとおりです。それぞれ詳しく解説します。
売却価格を見直す
ワンルームマンションが売却できない場合、売却価格を見直すところから始めましょう。問い合わせが入らない場合や少ない場合は、売り出し価格が相場と比較して割高である可能性があります。ワンルームマンションは投資家が主な買主であるため、投資効率が悪い割高な物件は選ばれにくいです。
価格を下げる際は、周辺の成約事例や現在の販売中物件と比較して設定することが重要です。他の物件との差別化が難しいワンルームマンションは、売却価格をはじめとする重要な条件が一つ変わるだけでも、問い合わせが増える可能性があります。
媒介契約を結ぶ不動産会社を変更する
ワンルームマンションは、他の間取りのマンションとは需要が異なる物件です。3DK・3LDKなどの十分な広さを持つマンションであれば、ファミリー層からの需要があり、居住用物件として販売しやすくなります。一方で、ワンルームマンションは居住用としての需要が限られるため、投資向けの物件として見られることが多いです。
そのため、中古マンションの売却に実績のある不動産会社であっても、投資向けの物件を取り扱ったことがない場合は、想定されるターゲットにアピールできていないことも。媒介契約を結ぶ不動産会社はワンルームマンションの売却に実績を持ち、投資向けの物件の売却にも対応できる会社を選びたいところです。不動産会社の売却活動に不安がある場合は、媒介契約を結ぶ不動産会社の変更も検討しましょう。
売却のタイミングを考える
ワンルームマンションが売却できない場合、市場環境やタイミングが影響している可能性もあります。不動産市場は景気や金利動向に左右されるため、時期によって売れやすさが変わることも。
例えば、金利が上昇している局面では、投資家の借入コストが高くなり、購入を控える傾向があります。一方で、金利が安定している時期や不動産価格が上昇傾向にある局面では、投資意欲が高まりやすいでしょう。売却のタイミングを考えることで、売れなかったワンルームマンションでも売買契約が成立する可能性があります。
オーナーチェンジ物件として売却する
ワンルームマンションは入居者を確保したうえで、オーナーチェンジ物件として売却する方法があります。オーナーチェンジ物件とは、賃貸中の状態のまま所有者が変わる形態です。購入後すぐに家賃収入が発生する点が大きなメリットであり、空室リスクを避けたい投資家にとっては魅力的な物件になります。
入居期間が長く、家賃の滞納がない優良な入居者がいる場合は、収益の安定性も期待できます。売却のターゲットとなる投資家にとってメリットの大きい形態で売却するほうが、契約は成立しやすくなるでしょう。
不動産買取を利用する
ワンルームマンションの売却が長期化している場合は、不動産会社の買取を利用する選択肢もあります。不動産買取は、不動産会社の仲介で売却先を探すのではなく、不動産会社が直接物件を買い取る方法です。
売却に時間がかかりやすいワンルームマンションも短期間で現金化できます。売却のスピードを重視したい場合は有効な選択肢です。一方で、買取価格は仲介での売却価格より低くなります。売却活動を続けても成約にいたらない場合は、不動産買取の利用も検討しましょう。
ワンルームマンションの売却に関する注意点

ワンルームマンションの売却に関する注意点を以下にまとめました。それぞれ詳しく見ていきましょう。
ターゲット層は投資家が中心になりやすい
ワンルームマンションの売却では、ターゲット層が投資家中心になりやすい点に注意が必要です。居住用としてはファミリー層では検討の対象にならないことが多く、ターゲットとなる単身者層でも賃貸利用をする人がほとんどであるため、実際に購入する人は少数派になります。
購入層が投資家に偏りやすい点を理解し、その視点に合わせた売却戦略を立てることが重要です。投資家向けの物件の売却に対応できる不動産会社に相談して、適切な売却戦略を考えるようにしましょう。
売却期間に余裕をもつ
ワンルームマンションの売却では時間がかかりやすいことから、あらかじめ余裕をもったスケジュールを組むことが重要です。よい条件の物件であっても、ターゲット層が限られているため、買主を見つけるのに時間がかかることも。売却期間に余裕がない場合は、価格を下げてでも契約の成立を優先するため、交渉面で不利になる可能性があります。
ワンルームマンションを高値で売却したい場合は、売却期間に余裕をもって売却活動を続けることで理想的な条件で売却しやすくなります。ワンルームマンションの売却では数カ月から半年程度の期間を見込んだうえで臨むようにしましょう。
売却時の税金の扱いを理解する
ワンルームマンションの売却で利益が出た場合は、譲渡所得として所得税や住民税が課税されます。税率は所有期間によって異なり、5年以下であれば短期譲渡所得として扱われ、5年を超える場合は長期譲渡所得として扱われる仕組みです。短期譲渡所得では税率が39.63%、長期譲渡所得では税率が20.315%であり、税率が大きく異なります。
また、ワンルームマンションを投資用物件として運用していた場合、3,000万円特別控除は原則として適用されません。3,000万円特別控除は居住用の不動産を売却した場合に適用できるため、投資用のワンルームマンションは居住用のマンションと比較して税負担が重くなりやすいです。税金の扱いを理解したうえで、ワンルームマンションを売却するようにしましょう。
ワンルームマンションの売却に関するよくある質問
ワンルームマンションの売却に関するよくある質問をまとめました。
ワンルームマンションは入居者がいても売却できる?
ワンルームマンションは入居者がいる状態でもオーナーチェンジ物件として売却できます。入居者はそのまま住み続けられ、所有者のみが変わる売却形態です。投資家にとっては、購入後すぐに家賃収入が得られる点がメリットになります。そのため、投資家からの需要が多いワンルームマンションでは、空室であるよりも入居中のほうが売却しやすいケースも多いでしょう。
ワンルームマンションの売却は仲介と買取のどちらがいい?
どちらがよいかは、売却の目的によって異なります。仲介は買主を探すのに時間がかかりますが、相場に近い価格で売却できるため、売却価格を高めやすい方法です。一方で、買取は不動産会社が直接購入するため、短期間で現金化できますが、売却価格は仲介より低くなりやすいでしょう。時間に余裕があり、少しでも高く売りたい場合は仲介が向いていますが、早期売却を優先したい場合は買取が適しています。
ワンルームマンションの売却で損をしても確定申告は必要?
ワンルームマンションの売却で損失が出ても、原則として確定申告をおこなうことが望ましいです。居住用のワンルームマンションであれば譲渡損失が出た時は、一定の条件を満たせば他の所得と損益通算できる場合があります。一方で、投資用の場合は、損益通算の対象が他の不動産所得となるため限定的です。確定申告に不安がある場合は、必要に応じて税理士に相談するとよいでしょう。
まとめ
ワンルームマンションが売却できないと言われる背景には、物件特有の事情があり、需要が限られていることがあります。特に売却のターゲット層は投資家が中心になりやすく、居住用物件としての需要は少ないことが現状です。
しかし、売れない理由を正しく把握すれば対策は可能です。どうしても早く現金化したい場合は、不動産買取を活用する選択肢もあります。ワンルームマンションは条件次第で十分に売却可能な資産であるため、戦略を立てて進めるようにしましょう。
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執筆者
民辻 伸也
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
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