【リスト付】不動産売却に必要な書類は?取得方法とタイミングを解説

そこで本記事では、不動産を売却する際に必要な書類について詳しく解説します。家の売却を検討していて、事前に書類を準備するタイミングや取得方法について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
記事の目次
不動産売却をするなら、必要書類を前もって準備しよう

不動産を売却するとなると、さまざまなタイミングで複数の書類を準備する必要があります。簡単に取得できるものから取得に時間がかかるものもあるため、売却が決まってから書類を準備しようとすると、想像以上に大変なものです。不動産売買取引が完了するまでに1カ月以上など時間がかかるようであれば問題ありませんが、なかには物件価格を一括決済する場合や、契約から引き渡しまでの期間が1週間程度など、短いケースも考えられます。書類の準備でバタバタしないように、売却を検討しはじめた段階から少しずつ計画的に書類を揃えていくように心がけましょう。
【ステップ別】不動産売却に必要な書類

ここからは、不動産を売却する際にどのような書類が必要となるのか解説していきます。不動産売却といっても、ステップごとに必要な書類が異なります。
書類が必要となるステップ別に、不動産売却の流れをまとめました。まずは基本の流れを把握し、それぞれで必要となる書類を確認しましょう。
- STEP 1不動産会社に査定依頼をする
- STEP 2不動産会社と媒介契約を結ぶ
- STEP 3不動産の販売活動をする
- STEP 4売買契約を結ぶ
- STEP 5不動産の引き渡しをする
詳細は下記ページで詳しく解説していますので、併せて確認しましょう。
不動産査定依頼に必要な書類
不動産の売却を決めたら、まずは不動産会社に査定を依頼することになります。売却する際の市場価格はいくらくらいなのか、相場と併せて把握しておきましょう。不動産会社に査定を依頼する際に必要な書類は以下のとおりです。
必要書類 | 備考 |
---|---|
登記簿謄本 (登記事項証明書) |
・対象不動産の情報、権利関係等が記載されている書類
・法務局や郵送、インターネットで取得可能
|
間取り図・測量図 |
・間取り図:建物の内部構造を示す図面
・測量図:土地の境界や面積を示す図面
・法務局やインターネットで取得可能、間取り図は購入時のパンフレット等に掲載されているケースが多い
|
登記簿謄本(登記事項証明書)
登記簿謄本(登記事項証明書)は、不動産の面積や構造、所有者の住所・氏名、抵当権等の設定の有無が記載されている書類です。登記簿謄本の情報から正確な査定をするため、査定依頼をする際に必要になります。
【取得方法】
登記簿謄本(登記事項証明書)は法務局やインターネットでのオンライン申請、郵送によって取得することが可能です。法務局は平日8時30分から17時15分の開庁時間内に行く必要があるため、仕事の都合などで法務局へ行くのが難しい場合はオンライン申請を活用しましょう。オンラインなら場所を選ばず申請できるほか、取り扱い時間も平日21時までと長く、窓口請求より手数料が安く済むのでおすすめです。
間取り図・測量図
間取り図は部屋の広さや設備の配置などが確認できる平面図のことで、買主を募集する際に作成する販売図面の参考資料となります。測量図は土地の形状や面積、境界線の位置などが記載された図面で、売買面積を明確にして取引をおこなうために必要です。どちらも不動産情報として必要な内容なので、査定時に準備しなければなりません。
【取得方法】
間取り図は、売主が物件購入時に取得しているのが一般的です。測量図は法務局やインターネットで取得可能ですが、新たに測量を実施する場合や測量図の原本を売主が保管している場合は準備しておきましょう。
不動産会社との媒介契約に必要な書類
査定をおこない、販売活動を依頼する不動産会社が決まったら、売主と不動産会社との間で媒介契約を結びます。媒介契約時に必要な書類は主に以下のとおりです。
必要書類 | 備考 |
---|---|
本人確認書類 (運転免許証など) |
・運転免許証やパスポート、健康保険証など売主が本人と特定できる身分証明書 |
ローン残高証明書・ ローン返済予定表 |
・住宅ローンの残高を証明する書類
・金融機関から毎年発送される、インターネットの手続きで再発行も可能
|
【一戸建て】 建築確認済証および検査済証 |
・建物の安全性や適法性を示す書類
・市区町村役場にて取得可能
|
【土地】 地積測量図・ 境界確認書 |
・土地の正確な面積や形状、境界を示す図面
・法務局、インターネット、土地家屋調査士等から取得可能
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【マンション】 利用規約 |
・マンションの共用部分の使用方法、管理に関する規則が記載されている書類
・売主が購入時に取得済み、紛失時は管理組合に請求可能
|
その他の推奨書類 |
・建築設計図書、工事記録書
・耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書
・地盤調査報告書
・住宅性能評価書、既存住宅性能評価書
・購入時の契約書、重要事項説明書、パンフレット・チラシ広告 など
|
本人確認書類(運転免許証など)
本人確認書類は、運転免許証やパスポート、健康保険証など本人が特定できる身分証明書のことをいいます。売主の本人確認をおこなうために必要です。
ローン残高証明書・ローン返済予定表
住宅ローンの残高証明書は対象不動産にかかっているローンの残高を証明する書類、ローン返済予定表はローンの返済予定日や返済額、利息など今後の返済計画が表になって記載されている書類です。いずれかの書類によって、どの程度の残債があるか、売却によって住宅ローンが完済されるかを確認します。
【取得方法】
住宅ローンの残高証明書は、融資を受けている金融機関が毎年発行されます。ローン返済予定表はローン契約時に発行されますが、いずれも紛失した場合は再発行の依頼も可能です。
【一戸建て】建築確認済証および検査済証
建築確認済証は建物を建築する前に、設計した建築物が建築基準法などの法令に適合していることを証明する書類です。検査済証は、建物完成後に受ける完了検査をクリアした証明書のことをいいます。売却する不動産の合法性を確認する必要があるため、販売活動を開始する前に不動産会社が把握しておかなければなりません。
【取得方法】
建築確認や完了検査後に売主に交付されます。ただし、再発行されないため、紛失した場合はこれらの代わりとなる「建築計画概要書」や「建築確認台帳記載事項証明書」を市区町村の窓口で発行してもらいましょう。
【土地】地積測量図・境界確認書
地積測量図は土地の正確な面積・形状・境界の位置を示す図面で、境界確認書は隣接地の所有者と土地の境界を確認・合意していることを示す図面です。これらの図面は境界紛争を未然に防ぐために重要であり、土地の売買取引をおこなう際や、その土地に建物を建てる際に求められます。売買対象となる不動産の正確な情報を把握して販売する必要があるため、媒介契約時から準備しなければなりません。
【取得方法】
土地取得時に図面を交付されています。土地測量図は法務局やインターネットでも取得可能ですが、境界確認書は測量を行った測量士や家屋調査士に依頼すると発行してもらえます。
【マンション】利用規約
マンションの場合、マンションの共用部分の使用方法や管理に関する規則が記載されている書類です。具体的には、ペット飼育の可否や駐車場の有無などが記されています。買主にとって、マンションの規約内容は購入するうえで重要なポイントです。売買契約よりも前に提供する必要があるため、媒介契約時に準備しておきましょう。
【取得方法】
マンション取得時に冊子で配布されています。紛失した場合は、管理組合に問い合わせて取得することも可能です。
その他の推奨書類
必須ではないですが、その他準備が推奨される書類をまとめました。
・建築設計図書・工事記録書
マンションの構造や設備に関する詳細、建築工事を記録した書類
【取得方法】
物件購入時に取得済み。紛失した場合は建築会社に問い合わせて取得可能
・耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書
耐震性に問題がないか、アスベスト被害が無いかを確認するための書類
【取得方法】
専門の建築士や調査業者に依頼して取得可能
・地盤調査報告書
地盤の安定性や地震発生時のリスクを評価する書類
【取得方法】
建築会社に依頼して取得可能
・住宅性能評価書・既存住宅性能評価書
建物の性能を総合的に評価する書類
【取得方法】
建築会社に依頼して取得可能
・購入時の売買契約書・重要事項説明書・パンフレットやチラシ広告
物件の詳細情報が記載されている書類
【取得方法】
物件購入時に取得済み
上記のような書類を揃えられれば、物件情報を詳細に把握しやすくなります。売却する条件として有利に働く可能性もあるため、できるだけ揃えるようにしましょう。
不動産の販売活動に必要な書類
不動産の販売活動をおこなう際、適切な書類を準備しておくと売却をスムーズに進められます。必要な書類は以下のとおりです。
必要書類 | 備考 |
---|---|
マンションの使用細則・ 維持費に関する書類 |
・使用規則:共用部分の利用について定められたルール
・維持費の書類:管理費、修繕積立金、管理組合費などが記載された書類
・管理会社に依頼して取得可能
|
固定資産税 納税通知書 |
・不動産の所有者に課税される固定資産税を記載された書類
・毎年売主に送付される
|
マンションの使用細則・維持費に関する書類
マンションの使用規則は、共用部分の利用方法など、マンション内で定められたルールが記載されています。また、管理費や修繕積立金などマンションを維持するうえでかかる費用が記載された書類もあり、これらは買主が購入するための重要な判断材料となります。
【取得方法】
マンションの管理会社が保有しており、媒介契約を結んでいる不動産会社が問い合わせて取得します。
固定資産税納税通知書
固定資産税納税通知書は、毎年1月1日時点で不動産の所有者に対して課税される税金の納税通知書です。固定資産税がいくらかかるのかを把握するために必要なほか、税金が適切に支払われているかを証明することも可能です。
【取得方法】
毎年4月頃、不動産所有者である売主に送付されます。紛失した場合は、市区町村にて「固定資産税評価証明書」を発行してもらえます。
売買契約・引き渡しに必要な書類
買主が見つかり、売買契約を締結する際や物件引渡しの際にも書類の準備が必要です。以下の表を参考にしてください。
必要書類 | 備考 |
---|---|
本人確認書類 (運転免許証など) |
・運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど |
実印 | ・契約書などの重要書類に押印するために必要 |
印鑑証明書 |
・実印が登録されていることを証明する書類
・市区町村役場の窓口、マイナンバーカードがあればコンビニ等で取得可能
|
登記済権利証 (登記識別情報通知) |
・対象不動産の所有者であることを証明する書類
・物件購入時に発行される
|
抵当権抹消書類 |
・抵当権を抹消するための書類
・金融機関の窓口にて取得
|
固定資産税評価証明書 |
・不動産の評価額を証明する書類
・市区町村役場の窓口にて取得可能
|
住民票 |
・登記手続きの申請等に必要
・市区町村役場の窓口、マイナンバーカードがあればコンビニ等で取得可能
|
銀行口座の通帳 | ・金銭取引をおこなう際に必要 |
ローン残高証明書 |
・住宅ローンの残高を証明する書類
・金融機関から毎年発送される
|
本人確認書類(運転免許証など)
契約時や引渡し時にも本人確認が必要です。本人確認書類は運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどの顔つき身分証を準備しましょう。
実印
実印は契約書類や登記申請書類などの重要書類に押印するため準備が必要です。
印鑑証明書
実印が役所に登録された印鑑であることを証明した書類で、実印の押印が必要な書類とセットで提出が求められます。なお、印鑑証明書の有効期限は取得から3カ月となっているので、提出より3カ月以上前に取得しないよう注意しましょう。
【取得方法】
市区町村役場の窓口で取得可能なほか、マイナンバーカードがあればコンビニでも取得可能です。
登記済権利証(登記識別情報通知)
登記済権利証(登記識別情報通知)は売却対象となる不動産の所有者が売主であることを証明する書類で、引き渡しの際に必要になります。
【取得方法】
物件購入時(所有者となったとき)に発行されます。紛失した場合は法務局による「事前通知」を利用するか、司法書士等に手続きを依頼しましょう。
抵当権抹消書類
売却によって住宅ローンが完済されるとき、所有権移転前に抵当権の抹消が必要になります。書類とは、抵当権解除証書や抵当権抹消登記書類のことです。
【取得方法】
ローンを借り入れた金融機関の窓口にて受け取りますが、一般的に物件引き渡しと同日に受け取ることが多く、司法書士が代理で受け取ります。
固定資産税評価証明書
固定資産税評価証明書は、固定資産税額や不動産の評価額を証明する書類です。評価額の確認に加え、固定資産税の売主と買主の負担金額を精算する際に必要になります。
【取得方法】
市区町村役場の窓口にて取得可能です。
住民票
住民票は、本人の住所や世帯構成などの個人情報が記載された書類です。身分確認のほか、所有権移転登記の申請に必要になります。契約時と引き渡し時でそれぞれ求められるケースもあります。
【取得方法】
住民票を登録している市区町村役場の窓口で発行できるほか、マイナンバーカードがあればコンビニでも取得可能です。
銀行口座の通帳
銀行口座の通帳は、売買代金の振込先を確認するために準備が必要です。
ローン残高証明書
先述のとおり、住宅ローンの残高証明書は対象不動産にかかっているローンの残高を証明する書類のことです。引き渡し時の残債額を確認するために必要になります。
【取得方法】
住宅ローンの残高証明書は、融資を受けている金融機関が毎年発行されます。紛失した場合は、金融機関に再発行の依頼をしましょう。
【チェックリスト】不動産売却に必要な書類


上でご紹介した不動産売却の際に必要な書類を、チェックリストにまとめました。多くの書類を揃えることになるため、不足書類などが出やすくなります。書類漏れがないよう、取得時には以下のチェックリストをご活用ください。
不動産売却は買主への情報提供が大事

不動産を売却する際は、対象不動産に関する詳細な情報を買主に提供しなくてはいけません。よりよい条件で成約するには、早い段階で情報開示をしておくことが重要です。「買主にとって不要な情報だ」と判断して情報開示を遅らせてしまうと、後になってトラブルに発展したり、値引き交渉など売却条件が悪化してしまったりする可能性があります。売却を決めたら、できるだけ詳細な情報を不動産会社に説明し、相談しながら情報提供していくようにしましょう。
不動産を売却するなら、まずは売却査定をしよう
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まとめ
不動産売却の際に必要となる書類について、よく質問される事項を回答と共に以下でまとめました。
不動産を売却する際に必要な書類は?
不動産を売却する際に必要な書類は、境界確認書や建築確認済証・検査済証、マンションの利用規約・使用細則、住宅ローンの残高証明書、固定資産税評価証明書、登記済権利証などです。まずは査定依頼に備えて、登記簿謄本や間取り図・測量図を準備するとよいでしょう。
不動産売却の基本的な流れは?
不動産売却の流れは、主に以下5つのステップに分けられます。(1)不動産会社に査定を依頼する(2)不動産会社と媒介契約を結ぶ(3)不動産の販売活動をする(4)売買契約を結ぶ(5)不動産の引き渡しをする。
不動産売却を思い立ったら何をすればよい?
不動産の売却を決めたら、まずは書類を準備することから始めましょう。すぐに取得できる書類から、取得するのに時間がかかるものまでさまざまです。売却を始める際に揃っていたほうが、売却価格・条件にいい影響を与える書類もあります。そのため、必須の書類だけでなく、推奨書類まで確認・準備するのがおすすめです。
不動産の売却にはさまざまな書類が必要になります。必要なタイミングで不足書類があると契約が延期になるなど、売却の進行に影響する可能性があります。そのため、スムーズに進めるためには事前準備が大切です。どの書類がどのタイミングで必要になるのか、不動産会社に確認しながら進めるようにしましょう。
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