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住宅ローンは本当になんとかなる?後悔しない組み方を紹介

住宅ローンの返済はなんとかなるのでしょうか
住宅ローンの借り入れを検討している人のなかには「返済が不安だけどなんとかなるのだろうか?」と不安に思っている人もいるのではないでしょうか。
本記事では住宅ローンの返済に関する不安要素や返済ができなくなった場合の対処法を解説します。 住宅ローンで後悔しないためのポイントも紹介するため、これから物件の購入で住宅ローンを考えている人はぜひ参考にしてください。

住宅ローン借り入れ後の不安要素

住宅ローンの返済ができなくなることを懸念する人は少なくありません
住宅ローンの返済ができなくなることを懸念する人は少なくありません

住宅ローンは一般的に20~35年と長期間にわたって返済を続けるものであるため、本当に返済できるのか不安を抱える人も多いのではないでしょうか。
まずは住宅ローン借り入れ後に抱える不安要素をみていきましょう。

返済ができなくなるのではないか

住宅ローンの返済が途中で難しくなるのではないかを考える人も多いかもしれません。
金利が上がる、働けなくなり収入が減少する、急な出費が発生するなど、さまざまな理由で住宅ローンの返済ができなくなる可能性があります。
住宅ローンの返済ができなくなると、最悪の場合購入した住宅を手放すことになるため、あらかじめ入念な返済計画を立てる必要があるでしょう。

負担が大きく家計が圧迫されるのではないか

住宅ローンの返済自体は可能でも、毎月の支出に対する住宅ローンの負担割合が大きく、家計が圧迫されることを懸念する人もいるでしょう。
収入の大半が固定費と住宅ローンの返済で消えてしまい、旅行や趣味などにお金を使う余裕がなくなってしまう可能性があります。
住宅ローンの返済のために節約が必要となり、有意義な生活が送れず苦しい思いをする人もいるかもしれません。

今後のライフイベントにかかる出費に対応できるのか

住宅ローンの返済に追われて貯金する余裕がない場合、将来必要になるお金を用意できない不安もあるでしょう。
住宅ローンの返済の負担が大きすぎると、今後子どもにかかる教育資金や老後に備えた資金の準備ができなくなる可能性があります。
住宅ローンを借りる時は現在の収入・支出だけでなくライフイベントを考慮して返済計画を立てることが大切です。

住宅ローンを返済できなくなった人の割合

住宅ローンの返済ができなくなった人は全体の約3%いるため後悔しない返済計画が大切です
住宅ローンの返済ができなくなった人は全体の約3%いるため後悔しない返済計画が大切です

住宅金融支援機構が公表しているデータによると、住宅ローンの返済が滞っているリスク管理債権に分類されている割合は令和元年度時点で全体の3.20%です。(出典:住宅金融支援機構 令和2年度ディスクロージャー誌 リスク管理債権(P.110))つまり、住宅金融支援機構でフラット35を借り入れした人のうち約33人に1人がローンの返済ができなくなっています。
会社の経営不振によるリストラや病気・ケガなど、住宅ローンの返済ができなくなるリスクは少なからず誰にでもあるものです。あらゆるケースを考慮したうえで住宅ローンの借入額や返済額を決めましょう。

本当になんとかなる?住宅ローンを返済できなくなったら

住宅ローンが返済できなくなった人はブラックリスト入りや強制退去させられる可能性があります
住宅ローンが返済できなくなった人はブラックリスト入りや強制退去させられる可能性があります

「住宅ローンの返済は意外と大丈夫」「心配しすぎなくてもいい」といった声もあり、本当に住宅ローンの返済はなんとかなるのか気になる人も多いでしょう。
万が一住宅ローンが返済できなくなった場合の例をいくつか紹介します。

信用情報に傷がつく

住宅ローンの返済を滞納して1~2カ月経過すると金融機関から返済の督促状や催告状が届きます。
その後も滞納が続いた場合は個人信用情報機関に金融事故情報が登録され、いわゆるブラックリストに入ることになるでしょう。
ブラックリストに登録されると5年間は他のローンやクレジットカードの契約ができなくなってしまい、長期間にわたって生活に影響が出るリスクがあります。

住宅が競売にかけられる

住宅ローンの返済が3カ月以上滞ると「期限の利益」が喪失し、住宅ローンの返済を一括でおこなうよう請求されます。
その後も延滞が続き6カ月経過すると競売が申し立てられ、裁判所から住宅の競売開始決定通知が届きます。
競売とは住宅が差し押さえられて強制売却されることであり、債務者は立ち退きを強制されます。

強制退去を命じられる

競売により住宅が落札されると、債務者は落札者から強制退去を命じられます。
この時点で債務者はもう住宅の所有者ではないため、立ち退きに応じなければなりません。
もし退去せず居住し続けた場合は落札者の法的措置により、強制執行として追い出されることになるでしょう。

住宅ローンの返済が苦しくなった場合の対処法

住宅ローンの返済が苦しくなった場合は支出の見直しや借り換えなどの選択肢があります
住宅ローンの返済が苦しくなった場合は支出の見直しや借り換えなどの選択肢があります

住宅ローンを借り入れしたあと、返済が厳しくなった場合はどうすればいいのでしょうか。
ここからは住宅ローンの返済が苦しくなった場合の対処法を紹介します。

固定費を見直す

まだ滞納はしていないものの住宅ローンが支払えなくなりそうな場合は、まず固定費を見直しましょう。水道・光熱費や通信費、保険料など毎月かかる固定費を減らすことができれば、削減できた分を住宅ローンの返済に充てられるでしょう。
またタバコや酒などの嗜好品やコンビニで使うお金など、自分の努力で減らせる出費がないか見直すことも大切です。

副業や転職で収入を増やす

住宅ローンの返済が難しくなりそうな時は、支出を見直すだけでなく収入を増やせないか考えましょう。
今より年収が高い仕事へ転職する、あるいはすきま時間を活用して副業をするなど、少しでも手取りを増やせるよう行動することが大切です。
近年はスマホやパソコンだけでできる在宅の副業も増えているので、終業後の時間や休日を使って収入を得ることも可能です。

借り入れした金融機関に相談する

さまざま理由により住宅ローンの返済が難しくなりそうであれば、借り入れした金融機関に早めに相談しましょう。
実際に返済が遅れてしまう前に相談すれば、今後の返済計画を見直してもらえます。金融機関に相談する時は「収入が大幅に減った」「共働きが難しい」など説得力のある理由が必要になります。
返済期間を延長して毎月の負担を減らす、元金の支払いを据置きして一時的に利息分のみ支払うなど、事情に合わせて調整を認めてもらえるでしょう。

住宅ローンを借り換える

住宅ローンの返済が苦しい時は住宅ローンの借り換えを検討するのもおすすめです。今よりも金利の低い住宅ローンに借り換えができれば、毎月の返済額を抑えて家計の負担を減らせる可能性があります。
ただし住宅ローンの借り換えをおこなう場合は再度審査が必要であり、手続きやローン契約に手数料がかかります。
このようなコスト面も含めて住宅ローンの借り換えをするべきか検討してみましょう。

団体信用生命保険の内容を確認する

病気が原因で働けず住宅ローンの返済が難しくなった場合は、加入している団体信用生命保険の内容を確認しましょう。
債務者の疾病によっては保障の対象となり、保険金が下りる可能性があります。疾病の種類やオプション・特約によってはその後の返済が免除になることもあるので、自分の加入している保険の契約内容をあらためて確認することが大切です。

団体信用生命保険については、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

物件の売却を検討する

住宅ローンの支払いが困難になった時は、物件を売却した資金でローンを返済する選択肢もあります。
返済を滞納する前であれば不動産会社に物件の売却価格を査定してもらうことが可能です。
すでに返済を滞納している場合は通常の売却はできないので、借り入れしている金融機関に相談したうえで任意売却となります。任意売却であれば競売よりも高額で売却できる可能性があるので、住宅ローンの返済がどうしても困難な場合は早めに検討しましょう。



住宅ローンが残ったままの物件を売却する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

住宅ローンの返済で後悔しないためのポイント

住宅ローンは将来のライフイベントやリスクを考慮して無理のない範囲で返済計画を立てることが大切です
住宅ローンは将来のライフイベントやリスクを考慮して無理のない範囲で返済計画を立てることが大切です

住宅ローンの返済ができなくなると、最悪の場合購入した住宅を手放すことになってしまうかもしれません。
住宅ローンの返済で苦しまないようにするには、ポイントを押さえて借入額や返済額を決める必要があります。
ここからは住宅ローンの返済で後悔しないための注意点を紹介します。

身の丈に合った住宅ローン借入額を設定する

住宅ローンの返済で後悔しないためには、自分が返済できる範囲の金額を把握したうえで身の丈に合った借入額を設定することが大切です。
金融機関の審査が通る金額と実際に自分が返済可能な借入額は必ずしもイコールとはいえません。審査が通ったとしても、将来的な収入状況やライフイベントによっては、返済が難しくなる可能性があります。「返済はなんとかなるだろう」と安易な気持ちで身の丈に合わない金額を借り入れしてしまうと、後々返済に苦しむことになるかもしれません。
毎月の返済額や返済負担率を計算したうえで、無理のない金額を借りるようにしましょう。

住宅ローンの借入額を決めるポイントについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

物件購入以外にかかる費用を把握する

物件の購入以外にかかる費用について理解していないと、住宅ローンで後悔してしまう可能性があります。
物件を購入したあとは、ローン返済以外にも負担すべき費用が発生します。
固定資産税、火災保険料・地震保険料、修繕積立金、管理費など物件の維持に必要な費用の負担が必要です。
物件購入以外にかかる費用を考えず住宅ローンを借り入れしてしまうと、毎月の負担が大きく返済に苦しむことになってしまうでしょう。

将来発生しうるリスクを推測する

住宅ローンで後悔しないためには、借り入れ前に将来発生するかもしれないリスクを推測しておくことも大切です。
現在と同じ環境や収入状況が続く前提で住宅ローンを組むと、将来的に思わぬトラブルにより返済が苦しくなるかもしれません。離婚や病気・ケガ、失業など住宅ローンの返済に影響するリスクを可能な限り考えておきましょう。そのうえで離婚時の返済について事前に決めておく、医療保険に加入するなど、万が一の事態に備えておくことをおすすめします。

今後のライフイベントを具体的に考える

住宅ローンは長期的に返済するものであり、今後発生するライフイベントにかかる費用も考慮して借入額を決める必要があります。
住宅ローンの返済に追われると、思うように貯蓄ができず、ライフイベントに必要なお金を用意できない可能性があります。子どもの教育資金や老後の生活費などに必要な貯金額を計算したうえで、住宅ローンを借り入れすることが大切です。

完済時の年齢や収入状況を想像する

住宅ローンを借り入れする時は、完済時の年齢や収入状況を具体的にイメージしておきましょう。
完済時の状況を深く考えず返済期間を決めてしまうと、将来的に苦労するかもしれません。
例えば、33歳で35年の住宅ローンを組んだ場合、返済が完了するのは68歳であり、定年退職後も返済をする必要があるでしょう。
住宅ローンを借り入れする時は、返済中に収入が大幅に減少する可能性を考慮して、返済期間や返済額を決めることが大切です。

まとめ

本記事では住宅ローンの返済に関する不安要素や、もし住宅ローンが返済できなくなった場合の対処法を紹介しました。
住宅ローンは長期で返済を続ける必要があるため「なんとかなるだろう」と安易に借り入れをしてしまうと、将来後悔することになるかもしれません。
住宅ローンの返済で後悔しないためには、今後のライフイベントや万が一のリスクを考慮したうえで、無理なく返済できる金額を借り入れることが大切です。

民辻伸也

執筆者

民辻伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成を行うため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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