このページの一番上へ

年収450万円はいくらまで住宅ローンを借りられる?借入上限額とおすすめの返済プランを解説

年収450万円の場合に住宅ローンがいくらまで借りられるのかを解説します
大きな買いものである住宅は、いくらまでなら買えるのか悩むところでしょう。この記事では、年収450万円の方はいくらまで住宅ローンを借りることができるのかを解説します。借入額を決めるポイントと、無理なく返済できる金額も記載します。この記事を読めば、年収450万円の場合の借入可能額を把握することができるため、ぜひご一読ください。

年収450万円の住宅ローン上限額とは

年収450万円の方はいくらまで住宅ローンを借りることができるのか

年収450万円の方の住宅ローン上限額が気になる人も多いでしょう。購入予定の物件の種類や、借り入れ場所によって上限額が変わるため、詳しく解説します。

新築物件と中古物件で上限額が異なる

住宅ローンの上限額は、新築か中古の購入によって変わるため、購入予定の物件にあわせて確認しましょう。金融機関は年収倍率を基準に審査をおこないます。希望する融資額が年収×5.7~7.7倍の金額であれば、審査に通る可能性があります。

年収倍率は金融機関によって異なります。例えば、住宅金融支援機構「フラット35」の年収倍率は、新築が6.9~7.7倍、中古が5.7~5.9倍です。年収450万円の方が住宅金融支援機構「フラット35」で借入をする場合は、新築物件の購入なら3,100~3,500万円、中古物件の購入なら2,500~2,700万円ほど借りることができます。

新築もしくは中古の物件の購入を決めたら、金融機関別に年収倍率を確認しましょう。年収倍率がわかれば、希望金額を借りることができるのかがわかります。

金融機関によっては約4,000万円の借入も可能

金融機関によっては4,000万円近くの借入も可能なため、融資希望金額にあわせて借入先を決めましょう。2023年11月時点の借入金利水準を元に、融資可能額の例を見てみましょう。

融資内容 借入限度額
・年収450万円
・返済期間35年
・金利1.960%
・返済方法は元利均等
3,986万円
・年収450万円
・返済期間35年
・金利2.100%
・返済方法は元利均等
3,901万円

参考:住宅金融支援機構「フラット35」

金利水準が1.960%以下であれば、さらに上限額を上げることもできるでしょう。住宅金融支援機構「フラット35」はさまざまな金融機関から提供されているため、それぞれの金利を確認しましょう。金利によっては4,000万円ほどの融資を受けることもできます。

借入額別の返済シミュレーション

借入額別の返済シミュレーションを紹介します

融資を受ける際は、借り入れ後の返済プランを考慮して金額を決めなければなりません。高額のお金を借りると月々の返済が苦しくなるため、いくらであれば無理なく返済できるかを考えましょう。

借入額別の返済シミュレーションを紹介します。

4,000万円を借りた場合

4,000万円を借りた場合のシミュレーション結果をまとめました。

返済期間 総支払額 月々の返済額
20年 4,743万6,240円 19万7,651円
25年 4,941万4,500円 16万4,715円
30年 5,144万2,920円 14万2,897円
35年 5,352万1,020円 12万7,431円

参考:三井住友銀行
※試算条件:元利均等返済・固定金利特約型5年1.750%(2023年11月時点の金利)

返済期間が短いほど月々の返済額が高くなるものの、総支払額は抑えることができます。20年と35年の総支払額には600万円ほどの差があるため、金利負担が大きくなると考えておきましょう。4,000万円の借入は支払い負担が大きいことから、月収が高く、短期間で完済できる見込みがある方におすすめです。

3,500万円を借りた場合

3,500万円を借りた場合のシミュレーション結果をまとめました。

返済期間 総支払額 月々の返済額
20年 4,150万6,800円 17万2,945円
25年 4,323万7,800円 14万4,126円
30年 4,501万2,600円 12万5,035円
35年 4,683万840円 11万1,502円

参考:三井住友銀行
※試算条件:元利均等返済・固定金利特約型5年1.750%(2023年11月時点の金利)

3,500万円を借りる場合も、月々の支払い負担は大きいです。特に20年で返済する場合は毎月17万円の支払いが発生するため、家計を見直しつつ、完済を目指さなければなりません。月々の返済負担を軽くしたいなら、頭金の用意がおすすめです。最初にまとまった金額を払っておけば、あとあとの負担を軽くすることができるでしょう。

3,000万円を借りた場合

3,000万円を借りた場合のシミュレーション結果をまとめました。

返済期間 総支払額 月々の返済額
20年 3,557万7,120円 14万8,238円
25年 3,706万800円 12万3,536円
30年 3,858万2,280円 10万7,173円
35年 4,014万660円 9万5,573円

参考:三井住友銀行
※試算条件:元利均等返済・固定金利特約型5年1.750%(2023年11月時点の金利)

3,000万円を35年で返す場合は、月々の返済額が10万円を下回ります。毎月の負担を抑えることができるものの、総支払額が4,000万円を超える点に注意が必要です。返済期間が長くなるほど利息の支払いも多くなるため、総支払額も大きくなります。経済的に余裕のある月は繰り上げ返済をして、返済期間を縮めることがおすすめです。

年収450万円で無理なく返済できる借入額

年収450万円の方が無理なく返済ができる借入額を紹介します

年収450万円の方は約4,000万円までの融資を受けられます。多く借りれば希望する住宅を購入することができるものの、のちのち返済が滞れば、生活が苦しくなるかもしれません。最悪の場合、マイホームを手放す必要も出てくるため、無理なく返済できる金額を借りて、完済を目指しましょう。

年収450万円の方が無理なく返済することができる借入額を解説します。

余裕をもって返済したいなら2,000万円がおすすめ

余裕をもって返済したいなら、2,000万円の借入がおすすめです。毎月無理なく返済するには、返済額を月収の20%以内に抑えるのが推奨されています。月収20万円の方なら4万円以内、月収30万円の方なら6万円です。

年収450万円の方は住民税や所得税などが差し引かれ、手取りとしては350万円ほどです。350万円を12カ月で割ると大体30万円になるため、毎月の返済額を6万円以内に納めるとよいでしょう。

2,000万円を借りた場合の返済シミュレーションをまとめました。

返済期間 総支払額 月々の返済額
20年 2,096万8,800円 8万7,370円
25年 2,121万4,800円 7万716円
30年 2,146万2,480円 5万9,618円
35年 2,171万2,320円 5万1,696円

参考:三井住友銀行
※試算条件:元利均等返済・変動金利型0.475%(2023年11月時点の金利)

30~35年の返済期間を設定すれば、毎月の返済額を6万円以内に抑えられます。しかし、30年以下の期間を設定すると支払額が増えてしまうため、月々の負担を軽減するなら返済期間を長くすることがおすすめです。

また、ボーナス払いや繰り上げ返済も活用しましょう。両方活用すれば月々の返済額をさらに減らせます。月々の金額はそのままで、返済期間を短縮することも可能なため、家計の状況にあわせて変更しましょう。

頭金なしで住宅ローンを組むことも可能

年収450万円で2,000万円の融資を受ける場合、頭金なしで申し込むことも可能です。住宅ローンは高額の借り入れになるため、頭金を用意する方も多いでしょう。頭金を用意しておけば、借り入れ当初にローン残高を減らせます。

しかし、家計の状況によっては、頭金の用意も難しくなります。毎月の返済額が6万円を超える融資を希望する場合は、返済が苦しくなる恐れがあるため注意が必要です。6万円以下の返済額で抑えることができる可能性が高い2,000万円の融資であれば、頭金なしでも問題なく完済を目指せるでしょう。

年収450万円の方に2,000万円の融資額がおすすめなのは、頭金を用意する必要がない・賞与や繰り上げ返済に頼らずとも完済が目指せるからです。2,000万円以上の物件を購入したい方は、頭金を用意する、または賞与や繰り上げ返済を積極的におこなうことが大切です。

住宅ローン利用時の2つの注意点

住宅ローンを利用する際には2つの注意点があります

住宅ローンを利用する際に注意しておきたいポイントは以下のとおりです。それぞれの注意点を詳しく解説します。

変動金利の影響

低金利が魅力の変動金利を選び、数年後に金利が上昇して支払いが困難になるケースもあります。変動金利は状況に応じて金利が変わり、高い時期はこれまでよりも多くの利息を元金と一緒に支払わなければなりません。

低金利の時に申し込んでも、数年後に上昇する可能性もあるため、よく考えてから申し込むことがおすすめです。申し込み時の金利から2%上昇した場合に支払えるかを目安にしましょう。支払えない場合は、変動金利ではなく、固定金利を選ぶのも選択肢の一つです。

子どもの学費の影響

子どもの学費を考慮せずに返済プランを組んでしまい、あとあと家計がひっ迫するケースも珍しくありません。子どもは年齢を重ねて将来を考えていくため、小さいうちに住宅ローンを組む場合は、学費のことを考えにくいでしょう。

しかし、学費のことを考えずにローンを組むと、子どもの進路の選択肢を狭めてしまう恐れがあります。奨学金の利用も可能ですが、長期の返済は子どもの負担になることから、できるだけ避けたほうがよいでしょう。

子どもの学費は高校だけでなく、大学卒業までを視野に入れましょう。ローンの返済とは別に、子ども用の貯蓄も進めておけば、学費が必要な時期に困らずに済みます。

住宅ローンの借入額を決める時の2つのポイント

住宅ローンの借入額を決める際には2つのポイントがあります

自身の収入にあった金額を借りたいけれど、どうやって決めればよいかわからないとお悩みの方も多いでしょう。年収450万円の方は約4,000万円まで借りることができるため、借入額を決めるポイントを参考に、融資額を決定することがおすすめです。

住宅ローンの借入額を決める時に見ておきたい2つのポイントを紹介します。

月々の返済額

融資額を決める際にもっとも重視したいのが、月々の返済額です。借入額が高いほど購入物件の選択肢が広がるため、理想のマイホームを手に入れることができるでしょう。この場合、あまりにも高い物件を購入すると、返済が滞り家計が苦しくなる恐れがあります。

返済額を決める時は、いくらまで借りることができるかではなく、無理なく返済できる金額はどれくらいかを考えましょう。先述したとおり、年収450万円の方が無理なく返済できる金額は月々6万円ほどです。

しかし、6万円以内にこだわる必要はありません。家計の収入・支出の状況によっては6万円以上の返済額でも無理なく返せるため、まずは家計の見直しをしてみましょう。

返済期間

住宅ローンは返済期間を自由に選べるため、無理なく返済することができる期間を考えましょう。人によって返済期間が異なるため、家計にあった期間はどれくらいかを検討しなければなりません。

返済期間を長くすれば月々の返済額を抑えることができるものの、利息の支払い負担が大きくなるデメリットがあります。また、長期的に返済を続けなければならない点から、子どもの学費や老後のための貯蓄もしにくくなるでしょう。

返済期間を短くすれば早々に完済することができるため、将来のために必要な貯蓄を早い段階から始められます。しかし、借入額に応じて月々の返済額が高くなることから、経済苦に陥るリスクもあると考えておきましょう。

前述したように、借入額を決める際は、無理なく支払える月々の返済額を決定することが大切です。月々の返済額に余裕がある返済期間を選べば、生活水準を落とすことなく完済できます。

返済額と一緒に考えておきたいのが完済時の年齢です。例えば、40歳でローンを組んだ場合、35年だと75歳で完済できます。定年を過ぎた年齢だと、月々の返済は年金で対応しなければなりません。返済額によっては生活が困窮するため、20~25年でローンを組むことがおすすめです。

40歳以降に住宅ローンに申し込む方は、借入額を抑えるだけでなく、頭金を用意しましょう。さらに、ボーナス払いをおこなうことで、よりいっそう返済期間を短縮できます。

まとめ

年収450万円の方は、約4,000万円の住宅ローンを組めます。しかし、物件への希望にあわせて借入額を決めるとよいでしょう。

借入額を決める際は、月々の返済額と完済時の年齢をチェックすることがおすすめです。毎月無理なく返済でき、定年前に完済することが望ましいです。定年後も返済が続くと年金での返済となり、生活が苦しくなる恐れがあるため注意が必要です。

家計に見合った借入可能額を算出し、無理なく完済を目指せる住宅ローンを組みましょう。

民辻伸也

執筆者

民辻伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
関連する記事を見る
不動産お役立ち記事・ツールTOPへ戻る