家を査定に出す時の注意点は?査定前に必要な準備もあわせて解説
本記事では、家を査定に出す時の注意点や、査定を成功させるための事前準備について解説します。記事を読むことで、家の査定を受ける前に必要な知識を把握できるでしょう。
記事の目次
家を査定する代表的な方法

家の査定には大きく分けて2つの方法があります。具体的な査定の注意点を解説する前に、それぞれの査定方法の特徴を見ていきましょう。
机上査定(簡易査定)
机上査定(簡易査定)とは、不動産会社が現地を訪問せずに、物件情報や周辺相場をもとに簡易的に査定額を算出する方法です。所在地や土地と建物の面積、築年数、間取りなどの基本情報を入力すれば、短時間で査定結果がわかります。
机上査定は、家の売却を迷っている段階でも気軽に利用しやすい査定方法です。ただし、実際に物件を確認していないため、正確な査定額を知ることは難しいでしょう。売却の判断材料となる相場を把握する目的で利用しやすく、訪問査定の前段階として活用したい査定方法です。家の売却を本格的に検討していない段階でも、物件の価値を知るために気軽に利用できます。
訪問査定
訪問査定とは、不動産会社の担当者が実際に現地を訪れ、家や土地の状態を確認したうえで査定額を算出する方法です。机上査定では査定に反映できない、直接確認した物件の状態が評価されるため、より実態に近い査定額が提示されます。
そのため、机上査定を受けたあとに訪問査定を受けると、査定額が変化する可能性があるでしょう。訪問査定は、売却を前向きに検討している段階で受けたい査定方法です。
家を査定に出す時の注意点

家を査定に出す時に知っておきたい重要な注意点は4つあります。それぞれ詳しく解説します。
査定は複数社に依頼する
家を査定に出す時は、必ず複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。不動産会社ごとに査定の考え方や評価基準は異なるため、査定額に差が出ることがあります。不動産会社によっては、相場とはかけ離れた査定額が提示されることもあり、査定額には数百万円以上の差が出ることも珍しくありません。
複数の査定結果を比較すると、相場に沿った査定額であるかどうかを判断しやすくなります。最低でも3社以上の不動産会社に査定を依頼するようにしましょう。また、不動産一括査定は、物件情報を一度入力すれば、複数の不動産会社に無料で査定を依頼できます。複数の不動産会社に査定を依頼するうえで活用したいサービスです。
瑕疵(かし)がある場合は正直に伝える
家を査定に出す時、雨漏りや設備の不具合などの瑕疵がある場合は、正直に伝えることが重要です。瑕疵(かし)を隠したまま査定を受けると、正確な評価ができず、売却活動を開始したあとにトラブルに発展することも。具体的には、買主から修理費用の請求や、契約解除を求められる可能性があるでしょう。
査定は現実的な売却価格を把握する目的でおこなうため、建物の状態を正確に共有する必要があります。瑕疵を伝えずに査定を受けた場合、査定額は高くなるかもしれません。しかし、実際の売却価格は査定額を下回りやすくなり、売却活動が長引く原因にもなります。長期的な視点では、瑕疵を隠して高く査定してもらうことに意味はなく、その後の売却活動でリスクを抱えることになるでしょう。
売却の希望条件を整理する
家を査定に出す前に、売却の希望条件を整理しておくことが重要です。代表的な希望条件には査定結果を踏まえた希望の売却価格が挙げられます。不動産会社は買主からの値引き交渉も考慮して、希望する売却価格以上で売れるように、売り出し価格の設定を提案してくれるでしょう。
また希望条件には、売却期限や引き渡しのタイミングなども含まれます。特に住み替えを予定している場合は、家の売却時期と購入時期の調整が重要になるでしょう。希望条件を整理していなければ、適切な売却方針の決定が困難になります。他にも連絡方法などの細かい要望があれば、遠慮せずに伝えることで、満足のいく売却活動をおこなえる可能性が高まります。
査定前にリフォームはおこなわない
家を査定に出す前に、少しでも高く評価してもらうためにリフォームを検討する人もいます。しかし、査定前に自己判断でリフォームをおこなうことはおすすめできません。リフォーム費用が査定額にそのまま反映されるとは限らず、結果として費用を回収できない可能性があるからです。
リフォームをおこなって売却価格を高めたい場合は、不動産会社から適切なアドバイスを受けたうえで判断しましょう。仮にリフォームで査定額が上がっても、査定額で売却できるとは限りません。売却活動を開始する前の査定の段階で、リフォームをおこなうメリットはないでしょう。
家の査定を受ける前に必要な準備

家の査定を受ける前にやっておきたい必要な準備を以下にまとめました。それぞれ詳しく紹介します。
住宅ローンの残高を確認する
家の査定を受ける前に、住宅ローンの残高を確認しておきましょう。売却価格が住宅ローンの残高を下回る場合、自己資金を用意しなければなりません。住宅ローンが残ったまま家を売却する場合、売却代金でローンを完済できるかどうかが問題になります。
事前に住宅ローンの残高を把握してから査定結果を受け取れば、売却後に手元に残る資金の目安がわかるでしょう。住宅ローンの返済に自己資金を用意する必要がある場合は、あらかじめ返済方法を考える必要があります。
家の売却に必要な書類を揃える
家の査定を受ける前には、売却に必要となる書類をあらかじめ揃えておくと、売却活動がスムーズに進みやすくなります。家の売却に必要になる代表的な書類は、以下のとおりです。
| 書類名 | 内容 |
|---|---|
| 売買契約書 | 家や土地を購入した際の 契約内容が記載された書類 |
| 建築確認通知書 | 建物が建築基準法に 適合していることを示す書類 |
| 間取り図 | 建物の部屋配置や広さがわかる図面 |
|
登記済権利証 (登記識別情報通知) |
不動産の所有者であることを証明する書類 |
| 固定資産税 納税通知書 |
土地や建物にかかる固定資産税の 金額が記載された書類 |
査定の際にも上記の書類が求められることがありますが、査定の段階では必須ではありません。しかし、不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を開始する際には必要になる書類です。不動産会社が正確な査定額を算出する助けにもなるため、査定の前から集めておくとよいでしょう。
過去の修繕内容をまとめる
過去の修繕内容は、家の査定額に影響する重要な情報の一つです。屋根や外壁、水回りなどの修繕履歴は、建物の状態を評価するうえで重要な要素となります。修繕内容をまとめる際は、修繕した箇所や時期、工事の内容を簡単に整理しておきましょう。
過去の修繕履歴が明確であれば、建物が適切に管理されてきたことを示す材料になります。建物の状態を正しく理解してもらえるため、適切な評価を受けやすくなるでしょう。
土地の境界線を確認する
家を売却する際は、土地の境界線の確認が欠かせません。土地の境界線があいまいな状態で売却を進めると、隣地とのトラブルにつながるおそれがあります。売却活動の最中で発覚して対応に困らないように、査定前の段階で境界が明確であるかどうかを把握しましょう。
土地の境界線は、公図や地積測量図などの法務局が発行する書類で確認できます。境界が明確でない場合は、不動産会社に相談すれば、境界を確定するために必要な対応に関するアドバイスを受けられます。不動産会社に相談するためにも、現状を確認してから査定に臨むようにしましょう。
売却相場を調べる
売却相場を調べることは、査定結果を正しく理解し、売却戦略を立てるための重要な準備です。周辺の相場を知らないまま査定結果を受け取ると、結果が適切であるかを判断できず、不動産会社の提案をそのまま受け入れてしまうかもしれません。事前に相場を把握しておけば、査定結果の妥当性を見極めやすくなります。
売却相場を調べる方法としては、類似する物件を対象に近隣で売り出された時の価格や、過去の成約事例を確認する方法があります。立地や築年数、間取りが近い物件を参考にすれば、相場を判断しやすくなるでしょう。
具体的な調査方法には、国土交通省が公開する「不動産情報ライブラリ」の利用が挙げられます。同じ立地で同様の条件を持つ物件の過去の成約事例を検索できるため、相場の把握に役立つでしょう。
家の周辺環境を把握する
家を売却する際は、建物だけでなく、周辺環境も評価の対象になります。査定前に周辺環境の情報を整理すると、売却活動をおこなううえで重要なアピールができるようになるでしょう。駅から近いなどの交通の利便性、商業施設・学校などの生活施設の充実度は、購入希望者に訴求できるポイントになります。
査定時に質問される場合もあるため、周辺環境の魅力を整理して説明できるようにすると、査定額が高く評価されるかもしれません。また、周辺環境はデータだけでは判断できない、実際に住んだことでわかる情報もあるため、不動産会社に居住中に発見した魅力を伝えることは重要です。
家を査定する基本的な手順

家を売却したいと考えた時、査定の基本的な手順は以下のとおりです。
- STEP 1机上査定を複数社に依頼する
- STEP 2結果を比較して訪問査定を依頼する会社を選ぶ
- STEP 3訪問査定を受ける
- STEP 4査定書が届く
それぞれ詳しく見ていきましょう。
STEP 1. 机上査定を複数社に依頼する
家を査定する場合は、机上査定からおこなうことをおすすめします。机上査定は訪問査定と比較して、数多くの会社に査定を依頼でき、短期間で結果がわかることが魅力です。不動産一括査定を利用すれば、物件情報を一度入力するだけで、複数社に査定を依頼できるでしょう。インターネットを利用して机上査定を複数社に依頼し、多くの査定結果を集めることが、査定を効率的に進めるポイントになります。
不動産情報サイト アットホームの「不動産一括査定依頼サービス」では、物件情報とご自身の情報を入力するだけで、複数の会社に同時に査定を依頼できます。
STEP 2. 結果を比較して訪問査定を依頼する会社を選ぶ
複数社から机上査定の結果を受け取ったあとは、その内容を比較し、訪問査定を依頼する不動産会社を選びます。周辺相場や他の査定結果と比較して、査定額が極端にかけ離れている不動産会社は必ず除外するようにしましょう。結果を比較したうえで、信頼できる不動産会社を数社程度に絞り込んでから、訪問査定を受けるようにします。
STEP 3. 訪問査定を受ける
訪問査定では、机上査定を受けた不動産会社の担当者が自宅を訪れ、建物の状態や周辺環境を確認します。訪問査定を受ける際には、各担当者の説明を聞いたうえで、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。家の価値を知るだけでなく、安心して売却活動を任せられるかどうかを見極める場として活用しましょう。
STEP 4. 査定書が届く
訪問査定が完了すると、数日後に不動産会社から査定書が届きます。査定書では、査定額だけでなく、査定の根拠に関する内容を確認するようにしましょう。家や土地の評価ポイント、周辺相場との比較などが記載されているため、不明点がある場合は不動産会社に質問をします。訪問査定の査定書をもとに最終的な判断をおこない、売却活動を任せたい不動産会社と媒介契約を結ぶことになります。
家の査定結果に関する注意点

最後に、査定結果が届いた時の注意点を以下にまとめました。それぞれ詳しく解説します。
机上査定と訪問査定の違いを理解する
机上査定は、所在地や築年数、面積などの基本情報と周辺相場をもとに算出される簡易的な査定です。実際に家を見て算出しないため、最終的な売却価格とは差が生まれる可能性があります。一方で、訪問査定は実際の物件の状態を確認したうえで算出されるため、より実際の売却価格に近い査定額を提示されやすくなります。
机上査定の結果は売却を検討する際に参考にする目安であり、訪問査定の結果が売り出し価格を決めるうえでの重要な判断材料です。2つの査定結果の性質を理解したうえで、売却の判断に利用しましょう。
査定額と実際の売却価格は異なる場合がある
訪問査定の結果であっても、査定額と実際の売却価格は必ずしも一致しません。査定額は、不動産会社が市場データや物件条件などの根拠をもとに算出した金額です。査定結果は、査定額で確実に物件が売れることを保証するものではありません。
実際の売却価格は、売り出し時期の市場動向や需要などによって変動します。また、不動産の売買では価格交渉が発生しやすいため、最終的な売却価格の予測は困難です。そのため、売主は査定結果を参考にして、「できればこの価格で売却したい」「値下げする場合でもこの価格は譲れない」などの希望条件を設定して、売却活動を進めていくことになります。
相場よりも高すぎる査定額に気を付ける
不動産会社の査定結果を見る際には、相場よりも高すぎる査定額に注意が必要です。高い査定額は魅力的に感じるかもしれません。しかし、実際の市場価格とかけ離れている場合は、購入希望者が集まりません。結果的に売却期間が長引く可能性も。
不動産会社は媒介契約を結ぶために、相場とかけ離れた査定額を出す場合があります。しかし、売却が困難なため、最終的には値下げを繰り返すことになります。査定額は高額であることよりも、妥当性が重要です。そのため、複数社の査定を比較し、根拠のある提案をする不動産会社を選ぶ必要があるでしょう。
手元に残る金額は少なくなる
査定額と実際の売却価格は異なりますが、そのうえで手元に残る金額はさらに少なくなります。これは、売却価格がそのまま手取りになるわけではなく、さまざまな諸費用が差し引かれるためです。具体的には以下の費用が差し引かれることになるでしょう。
| 費用の種類 | 内容 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 不動産会社に売却を仲介してもらう 場合に支払う報酬 |
| 印紙税 | 売買契約書を作成する際に必要となる税金 |
| 登記費用 | 所有権移転や抵当権抹消などの 登記手続きにかかる費用 |
| 譲渡所得税 ・住民税 |
家を売却して利益が出た場合にかかる税金 |
家の売却時には不動産会社に支払う仲介手数料をはじめとする費用、税金が発生します。また、住宅ローンが残っている場合は、売却代金からローンを返済する必要があるでしょう。必要な諸費用を売却代金から差し引いた金額が、実際に手元に残る金額になります。そのため、査定額と比較すると手元に残る金額はさらに少なくなると考えられます。
査定の説明で担当者の信頼性を見極める
査定の説明は、不動産会社や担当者の信頼性を見極める重要な機会になります。査定額の算出根拠を丁寧に説明してくれる担当者は、市場を理解したうえで現実的な提案をしている可能性が高いです。査定結果の説明を受けた時に、不安や疑問が解消されるかどうかを意識してみましょう。
複数社の査定を通じて売却活動を安心して任せられる不動産会社を見つけられれば、家の売却を成功させられる確率が高まります。
まとめ
家の査定は、その後の売却活動の方向性を決める重要な工程です。査定の進め方が間違っている場合や、十分な準備ができていない場合は、思うように家を売却できないかもしれません。そのため、売却を現実的に検討している段階にあるなら、査定に対しても準備を怠らないようにしましょう。
一方で、机上査定は現在の家の価値を知りたい場合も気軽に利用しやすいです。目的によって気を付けることや、必要な準備も異なるため、自身の目的を明確にしてから査定に臨むことが重要です。
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執筆者
長谷川 賢努
AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士
大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
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