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一棟マンションの売却はいつがいい?タイミングと高く売るポイントを徹底解説

一棟マンションの売却は一つの判断の違いで結果が変わる可能性があります
一棟マンションの売却では、「今売るべきなのか」「いつ売れば高く売れるのか」など、判断に迷うことも少なくありません。売却価格が大きくなりやすい一棟マンションは、タイミングによって手元に残る金額に大きな差が出ることも。そのため、適切なタイミングを理解し、余裕をもって計画的に売却を進める必要があります。

本記事では、一棟マンションを売却するのに適したタイミングや、高く売るために押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。記事を読むことで、一棟マンションの売却に必要な知識を全体的に把握できるでしょう。

記事の目次

一棟マンションの売却に適したタイミング

一棟マンションの売却に適したタイミングを解説します
一棟マンションの売却に適したタイミングを解説します

一棟マンションの売却は、マンションの建物全体を一つの物件として売却することを指します。土地と建物をまとめて売却するため、売却額が大きくなりやすいです。そのため、タイミングの違いによって最終的な手残り額は大きく変わります。一棟マンションの売却に適したタイミングを以下にまとめました。

不動産価格が上昇している時

不動産価格が上昇している局面は、一棟マンションの売却に適したタイミングの一つです。市場全体の価格が上がっている時は、購入を検討する投資家も増えやすく、需要が高まることで売却価格が伸びやすくなります。

低金利が続いている時期や景気が安定しているタイミングでは、不動産投資への資金流入が増えやすく、収益物件の評価も高まりやすいでしょう。市場が活発な時期は、多少条件が劣る物件であっても買い手がつきやすく、売却までの期間も短くなる可能性があります。ただし、市場のピークを見極めることは難しいため、一定の利益が見込める段階で売却を検討することが現実的です。

周辺環境が変化する前

一棟マンションの価値は建物そのものだけでなく、立地や周辺施設、地域の将来性によって大きく左右されます。そのため、環境がよい状態のうちに売却すれば、より高い評価を受けやすくなるでしょう。

周辺地域で再開発計画や商業施設の開業などプラス要因が見込まれる場合は、期待が高まりやすく買い手を見つけやすいため、高値での売却が期待できます。一方で、人口減少や交通利便性の低下など、将来的にマイナスとなる要素が予想される場合は、先に売却すれば価格の下落リスクを抑えられるでしょう。周辺環境から価値が変化するタイミングを見極めることが重要です。

所有期間が5年を超えた時

マンションを売却した際に発生する譲渡所得税は、所有期間によって税率が変わります。所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」となり、39.63%の税率が課されます。一方で、所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」となり、20.315%に税率が下がる仕組みです。

一棟マンションは売却額が大きくなりやすいため、税率の差により手残り額が大きく変化します。一棟マンションは5年を超えるタイミングまで保有すれば、税負担を抑えられます。急いで売却する必要がない場合は、所有期間を意識しましょう。

築年数が20年以内である

一棟マンションに限らず、不動産は築年数が浅いほど高く売れやすい傾向があります。中古マンションの価格推移は、新築時をピークとして、築年数の経過とともに価格は下落するのが一般的です。ただし、築11年から築20年にかけては、価格の下落が一時的に緩やかになる傾向があります。

この時期は、建物の状態が比較的よいままでありながら、新築よりも価格が抑えられているため、投資家からの需要が高まりやすい時期です。売却価格も大きく下がりにくいため、取引が成立しやすいと考えられます。

一方で、築20年を超えると、建物の老朽化や修繕リスクの増加が意識されやすくなり、価格は再び下落しやすくなります。高値での売却を目指すのであれば、需要が見込める築20年以内のタイミングを一つの目安として検討することが重要です。

減価償却を終えた時

減価償却とは、建物の取得費用を法定耐用年数に応じて毎年経費として計上する仕組みであり、節税効果を得られます。減価償却が終了すると、計上できていた経費がなくなるため、同じ家賃収入でも課税所得が増え、税負担が重くなる可能性があります。そのため、一棟マンションは減価償却を終えた時が売却を検討するタイミングになるでしょう。

法定耐用年数はマンションの構造によって異なります。以下に違いをまとめました。

構造・建材 法定耐用年数
鉄筋鉄骨コンクリート造 47年
れんが造・石造・ブロック造 38年
金属造(4mm超) 34年
金属造(3mm超4mm以下) 27年
金属造(3mm以下) 19年
木造 22年

ただし、多くのマンションが鉄筋鉄骨コンクリート造(RC・SRC造)であるため、減価償却の終了を待たずに売られる傾向にあります。築年数の古いマンションを中心に減価償却を終える時は、一つの売却タイミングになるでしょう。

また、給排水設備・ガス設備の法定耐用年数は一律して15年であるため、特定設備の減価償却に合わせて売却タイミングを決めることも選択肢の一つです。

大規模修繕が必要になる前

一棟マンションは築年数の経過とともに、外壁や屋上防水、配管設備などの大規模な修繕工事が必要になります。大規模修繕にかかる費用は建物の規模や状態によって大きく異なりますが、数百万円から数千万円単位の費用がかかることも。

修繕後に売却する場合は、支出した費用を売却価格で十分に回収できるとは限りません。一般的にマンションの大規模修繕は10年〜15年程度の周期で実施されることが多いです。次回の修繕時期が近づいている場合は、意識したうえで売却のタイミングを決めましょう。

一棟マンションを売却する流れ

一棟マンションを売却する流れを解説します
一棟マンションを売却する流れを解説します

一棟マンションを売却する流れを以下にまとめました。それぞれ詳しく見ていきましょう。

事前準備をおこなう

一棟マンションを売却する際は、査定を依頼する前に事前準備をおこなうことが重要です。最初に必要書類を準備します。登記簿謄本や固定資産税納税通知書など売却に必要な書類を用意しましょう。一棟マンションは収益性が重視されるため、家賃収入や入居率、運用状況を示す資料が求められることが多いです。

次に、相場を調べることも欠かせません。同じエリアや類似条件の物件がどの程度の価格で取引されているかを確認し、現実的に売却できる価格を把握しましょう。相場を調べることで、査定を依頼した際に査定価格が妥当であるかどうかを判断しやすくなります。

査定を依頼する

事前準備が整ったら、不動産会社に査定を依頼します。査定方法には、過去の取引事例や資料をもとに概算価格を算出する「机上査定」と、実際に物件を確認して詳細に評価する「訪問査定」の2種類があります。

机上査定は短時間で結果を把握できる一方で、訪問査定は建物の状態や管理状況、収益性なども加味されるため、より現実的な価格が算出されることが特徴です。また、査定額は不動産会社によって差が出ることも。事前に把握した相場と比べて極端に高い金額を提示された場合は、根拠を確認したうえで慎重に見極めることが重要です。

媒介契約を結ぶ

査定結果を比較・検討したうえで、依頼する不動産会社を決めたら、媒介契約を結びます。媒介契約とは、不動産会社に売却活動を正式に依頼するための契約です。媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。それぞれの内容は以下のとおりです。

契約形態 複数社への依頼 自己発見
取引
活動報告
義務
一般媒介契約 任意
専任媒介契約 × 2週間に
1回以上
専属専任
媒介契約
× × 1週間に
1回以上

一般媒介契約は複数の不動産会社に同時に依頼できるため、幅広く買主を探せる可能性がありますが、不動産会社内の対応の優先度が下がるケースもあります。専属専任媒介と専任媒介は、依頼できる不動産会社が1社に限定される代わりに、販売活動の報告義務があり、積極的に売却活動をおこなってもらえることが特徴です。

専任媒介契約と専属専任媒介契約の違いは、不動産会社を介さず売主自身で買い手を探す自己発見取引の有無と活動報告義務の頻度です。契約内容を理解したうえで、自分に合った媒介契約を選びましょう。

売却活動を開始する

媒介契約を結んだ後は、不動産会社による売却活動が本格的に始まります。不動産会社は、インターネットへの物件情報掲載をはじめ、既存顧客への紹介や広告チラシの作成・配布などをおこない、購入希望者を募ります。

一棟マンションは購入層が限られるため、売却に時間がかかりやすいです。一般的に不動産の売却には3カ月~6カ月程度の期間を要することが多いですが、一棟マンションの場合は6カ月以上かかるケースもあります。

売買契約を結ぶ

購入希望者との条件交渉がまとまったら、売買契約を結びます。売買契約では、売却価格や引き渡し時期、契約解除の条件などを確認し、双方が合意した内容を書面に残します。トラブルを防ぐためにも、内容を十分に確認することが重要です。

また、売買契約の締結時には、一般的に買主から手付金が支払われます。手付金は売買価格の一部として扱われるもので、契約の成立を証明する役割があります。金額はケースによって異なりますが、売買価格の5%〜10%程度が目安になることが多いです。

決済・引き渡しをおこなう

一棟マンションの売買契約を締結した後は、決済と引き渡しをおこないます。この工程では、残代金の支払いと同時に所有権の移転手続きがおこなわれ、取引が正式に完了します。金融機関や司法書士が立ち会い、手続きを円滑に進められるように調整する仕組みです。

決済では、買主から手付金を差し引いた残代金が支払われるとともに、固定資産税や管理費などの精算もおこなわれます。売主側が、鍵や関係書類を引き渡すことで物件の引き渡しが完了します。

確定申告をする

一棟マンションの売却が完了したあとは、確定申告をおこなう必要があります。不動産を売却して利益が出た場合、その利益は譲渡所得として課税対象となるため、翌年の確定申告で申告・納税をおこないます。

確定申告期間は、原則として売却した年の翌年2月16日~3月15日までです。条件によっては特例や控除が適用できる場合もあるため、事前に確認することが重要です。内容が複雑な場合は、税理士などの専門家に相談しながら手続きを進めるとよいでしょう。

一棟マンションの売却にかかる費用と税金

一棟マンションの売却にかかる費用と税金を紹介します
一棟マンションの売却にかかる費用と税金を紹介します

一棟マンションを売却する際は、売却価格だけでなく、どの程度の費用や税金がかかるのかを事前に把握することが重要です。想定していなかった支出が発生すると、最終的な手取り額が大きく変わることも。特に一棟マンションは取引金額が大きいため、発生する費用や税金も高額になりやすいです。一棟マンションの売却にかかる費用と税金は以下のとおりです。

仲介手数料

仲介手数料は、不動産会社に売却を依頼した際に発生する費用です。売買契約が成立した場合のみ支払う成功報酬であり、売却価格に応じて上限額が法律で定められています。一棟マンションの場合は、基本的に「売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税」で仲介手数料の上限が決められます。一棟マンションは取引金額が高くなりやすいため、仲介手数料も大きくなる傾向にあるでしょう。

印紙税

印紙税は、不動産の売買契約書を作成する際に課される税金です。契約書に記載された売買金額に応じて税額が決まる仕組みで、契約書に収入印紙を貼付して納付します。税額は以下のとおりです。

契約金額 本則税率 軽減税率
10万円超~50万円以下 400円 200円
50万円超~100万円以下 1,000円 500円
100万円超~500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超~1,000万円以下 1万円 5,000円
1,000万円超~5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円超~1億円以下 6万円 3万円
1億円超~5億円以下 10万円 6万円
5億円超~10億円以下 20万円 16万円
10億円超~50億円以下 40万円 32万円
50億円超 60万円 48万円

出典:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

税額は段階的に設定されており、売買価格が高くなるほど印紙税も増加します。一棟マンションは取引金額が大きくなりやすいため、印紙税の負担も比較的大きくなる点に注意が必要です。ただし、軽減税率が適用されている期間であれば、通常よりも税額が抑えられる場合があります。

登記費用

登記費用は、売却時に必要となる各種登記手続きにかかる費用です。抵当権の抹消登記や、住所変更登記などが該当します。登記手続きは専門的な知識が求められるため、一般的には司法書士へ依頼して進めます。

主な費用は登録免許税と司法書士への報酬です。登録免許税は法律で定められた税金であり、登記の内容ごとに一定額が課されます。司法書士報酬は依頼先や手続きの内容によって異なりますが、数万円から十数万円程度が目安となることが多いです。

譲渡所得税・住民税

譲渡所得税と住民税は、一棟マンションの売却によって利益が出た場合に課される税金です。売却によって得た利益は譲渡所得として扱われ、他の所得とは分けて課税される分離課税が適用されます。譲渡所得は、売却価格から取得費と売却にかかった諸費用を差し引いて算出します。税率は所有期間によって異なり、所有期間に応じて短期譲渡所得、または長期譲渡所得の税率が課される仕組みです。

その他の費用

仲介手数料や税金以外にも、一棟マンションの売却ではさまざまな費用が発生する可能性があります。例えば、金融機関のローンを利用している場合は、繰り上げ返済手数料や解約手数料がかかることも。また、古い一棟マンションは建物状況調査や簡易的な修繕、クリーニング費用が発生するケースもあります。状況によって発生する費用は異なるため、できる限り正確に把握しましょう。

一棟マンションを高く売却するポイント

一棟マンションを高く売却するポイントを解説します
一棟マンションを高く売却するポイントを解説します

一棟マンションを少しでも高い価格で売却するためには、幅広い視点で売却活動を進めることが重要です。一棟マンションを高く売却するポイントを以下にまとめました。

自分で情報を収集する

一棟マンションを高く売却するためには、不動産会社に任せきりにするのではなく、自分でも積極的に情報を収集することが重要です。相場や市場動向を把握すれば、提示された査定額や販売戦略の妥当性を判断しやすくなります。

事前に情報を集めることで、売却活動を主導的に進めることができるため、不利な条件での契約を避けやすくなるでしょう。納得のいく形で売却するためには、自ら情報を集めて判断材料を増やすことが重要になります。

建物の外観や管理の状態を改善する

買主に好印象を与えるには、建物の外観や管理状態を整えることが効果的です。一棟マンションは見た目の印象だけでなく、日頃から適切に管理されているかどうかも評価に影響します。例えば、エントランスや廊下、階段、ゴミ置き場などの共用部が汚れていると、管理が行き届いていない印象を与えることも。

清掃が行き届き、掲示物や照明、植栽などが整っていれば、入居者にとっても住みやすい物件として評価されやすくなります。清掃や簡単な補修など、少ない費用で印象を改善できる部分から見直すとよいでしょう。

入居率を高めて満室に近い状態にする

一棟マンションの売却では、入居率の高さが評価に直結します。空室が多い状態よりも、満室に近い状態のほうが安定した収益が見込める物件として評価されやすくなります。空室が目立つ場合は、売却前に改善を図ることも有効です。

例えば、賃料設定の見直しや募集条件の緩和をおこなうことで、入居が決まりやすくなることがあります。また、管理会社と連携して募集活動を強化することも重要です。安定した収益が見込める状態に整えれば、買主にとって魅力的な物件として判断されやすくなるでしょう。

必要に応じて設備を導入する

一棟マンションの競争力を高めるためには、状況に応じて設備の見直しや導入を検討することも有効です。入居者ニーズに合った設備が整っていると、将来的な収益の安定性も評価されやすくなります。例えば、宅配ボックス、オートロックなどは、近年の入居者ニーズが高い設備として挙げられます。適切な設備を導入すれば、物件の魅力を高めやすくなるでしょう。ただし、需要が合わない設備は、費用に見合う効果が得られない可能性があります。導入コストと期待できる効果を比較しながら、必要な設備に絞って検討しましょう。

媒介契約は専任媒介契約を選ぶ

不動産会社と締結する媒介契約の種類は売却結果に影響するため、内容を理解したうえで選ぶことが重要です。一棟マンションでは、専任媒介契約を選ぶことで戦略的に売却活動を進めやすくなります。専任媒介契約は、依頼先を1社に絞る代わりに、不動産会社に販売状況の報告義務が課され、優先的に営業活動がおこなわれること魅力です。

また、専属専任媒介契約とは異なり、自己発見取引が認められているため、親族や知人に購入希望者がいる場合も対応できます。複数社に任せる一般媒介契約も選択肢の一つですが、積極的に売却活動を進めたい場合は専任媒介契約を選択しましょう。

一棟マンションの売却実績がある不動産会社に依頼する

一棟マンションの売却では、実績のある不動産会社に依頼することが結果に直結します。一棟マンションの売却に強い会社を選ぶことで、効果的な売却活動が期待できます。実績のある会社であれば、購入検討者に対して物件の強みを的確に伝える力を持っており、売買契約をスムーズに進めやすくなるでしょう。

経験が少ない会社に依頼すると、訴求不足により、売却まで時間がかかる可能性も。過去の取引事例や得意分野を確認しながら、一棟マンションの売却に適した不動産会社を選ぶことが重要です。

一棟マンション売却時の注意点

一棟マンション売却時の注意点を解説します
一棟マンション売却時の注意点を解説します

一棟マンションを売却する時の注意点は以下のとおりです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

査定価格と売却価格の違いを理解する

不動産会社が算出する査定価格と、実際に売買契約が成立する売却価格は必ずしも一致しません。査定価格は、不動産会社が過去の取引事例や収益性などをもとに算出した売却できる可能性が高い目安の価格です。実際に査定価格で売れることを保証するものではありません。

そのため、相場とかけ離れた極端に高い査定価格が提示されても、その価格で売却できるとは限らないでしょう。査定価格は相場に沿った価格で、根拠が明確であることが求められます。査定価格に疑問を持った場合は、根拠を尋ねたうえで疑問を解消するようにしましょう。

区分マンション・戸建てと比較して売却が難しい

一棟マンションは、区分マンションや戸建てと比べて売却の難易度が高くなる傾向があります。購入を検討するターゲットが居住目的ではなく、収益性を重視して投資する不動産投資家に限られるためです。また、一棟マンションの取引金額が高額になりやすい点も影響します。資金力のある買主に限定されるうえ、金融機関の融資条件にも左右されるため、ハードルが高くなりやすいでしょう。

売却の理由を明確にする

一棟マンションの売却を進めるうえでは、売却の理由を整理することが必要です。一棟マンションの購入を検討するのは主に不動産投資家であるため、購入希望者は物件を手放す理由も含めて総合的に判断します。そのため、理由の伝え方によっては、物件の印象に影響が出る可能性があるでしょう。

例えば、不動産投資の収益が伸び悩んでいることだけを伝えると、買い手にネガティブな印象を与えかねません。事実と異なる説明は避けるべきですが、売却理由は客観的に整理して伝えることが重要です。必要に応じて、改善余地や今後の運用可能性もあわせて説明しましょう。

資産整理やポートフォリオの見直しであれば、購入希望者からマイナスにとらえられることは少なくなるでしょう。買い手が納得しやすい形で売却の理由を説明できれば、物件に対して悪印象を与えることなく、前向きに検討してもらいやすくなります。

複数の不動産会社に査定を依頼する

一棟マンションを売却する際は、1社だけでなく複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。不動産会社ごとに評価基準や得意分野が異なるため、提示される査定額や販売戦略に差が出ることがあります。また、複数の結果を比較すれば、査定価格の妥当性を判断しやすくなるでしょう。

媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶ際は、査定額だけでなく、根拠や販売方針にも注目することが重要です。複数社に依頼すれば、不動産会社の対応や提案内容も比較できるため、信頼できる会社を選びやすくなります。

スケジュールに余裕をもって売却活動に臨む

一棟マンションの売却は、スケジュールに余裕をもって進めることが重要です。一棟マンションは購入層が限定されるため、成約までに時間がかかる傾向があります。売却活動を急ぐ場合は、買い手を見つけるために値下げをする必要があるため、相場よりも低い価格で手放すことも。

また、買主側も慎重に判断するため、交渉や融資審査に時間を要するケースが多い点にも注意したいところです。そのため、希望時期を踏まえたうえで、あらかじめ余裕のあるスケジュールを組む必要があるでしょう。

売却が困難な場合は買取を検討する

一棟マンションの売却活動を続けてもなかなか買主が見つからない場合は、不動産会社による買取を検討することも選択肢の一つです。買取は不動産会社が直接物件を購入する仕組みであり、一般の買主を探す仲介とは異なり、短期間で売却が完了しやすい特徴があります。

早期に現金化したい場合や、空室が多く収益性に問題がある物件をスムーズに手放せる可能性があります。一方で、買取価格は市場での売却価格より低くなる傾向があります。特に一棟マンションは取引金額が大きいため、仲介で売却した場合との差額も大きくなりやすいでしょう。高値での売却を目指すなら、まずは仲介による売却を検討するのが基本です。状況によっては、買取による現金化も検討しましょう。

一棟マンション売却に関するよくある質問

一棟マンション売却に関するよくある質問を以下にまとめました。

一棟マンションは築年数が古くても売れる?

築年数が古い一棟マンションでも売却できる場合があります。安定した家賃収入が見込める物件であれば、築年数が経過していても一定の需要があるでしょう。立地や利回りがよく、入居率の高い物件は投資物件として魅力的です。ただし、老朽化が進んでいる場合は価格が下がりやすいでしょう。

一棟マンションは入居者がいる状態で売却しても問題ない?

一棟マンションは入居者がいる状態でも問題なく売却できます。オーナーチェンジと呼ばれる売却方法であり、売却後も賃貸借契約はそのまま引き継がれる仕組みです。不動産投資家は収益性に期待して購入を検討するため、満室に近い状態であれば、収益が安定している物件として評価されやすいでしょう。

一棟マンションはローンが残っていても売却できる?

一棟マンションはローンが残っている場合でも売却は可能です。売却時には、売却代金を使って残債を一括返済し、抵当権を抹消する流れになります。ただし、売却価格がローン残高を下回るオーバーローンの状態にある場合は、不足分を自己資金で補う必要があるでしょう。

まとめ

一棟マンションの売却は、タイミングや準備、進め方によって結果が大きく変わる可能性があります。市場環境や築年数、収益性などを総合的に判断し、自身の状況に合ったタイミングを見極めることが重要です。

一棟マンションは売却価格が高額になりやすいため、焦らずに情報を整理しながら進めることが欠かせません。事前準備と適切な判断を重ねることで、納得のいく形で売却を実現しやすくなるでしょう。

民辻 伸也

執筆者

民辻 伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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