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古い家を売るにはどうすればいい?放置する場合のリスクと売却の手順を解説

利用する予定がない古い家は適切な方法で売る必要があります
古い家を保有している方や、相続して保有することになった方のなかには、売却方法が気になる方もいることでしょう。使わない古い家は保有を続けるだけでもリスクがあるため、放置せずに手放す手続きを進めたいところです。

本記事では、古い家を売るにはどうすればいいのか、考えられる売却方法を紹介します。売却の手順から譲渡益が出た場合の税金の計算・申告方法もあわせて解説します。記事を読むことで、古い家を放置するリスクがわかり、適切な売却方法を考えられるようになるでしょう。

記事の目次

「古い家」の定義

古い家の定義を解説します
古い家の定義を解説します

日本では古い家に関して、法律で定められた厳密な定義はありません。そのため、古い家かを判断する指標としては、築年数と耐震基準が挙げられます。以下で紹介する基準を参考に、ご自身の保有する住宅が一般的に古い家に該当するかを判断するところから始めましょう。

築年数の目安

古い家は築年数から客観的に判断できるでしょう。築年数が浅いほど新しく、長くなるほど古いと判断されます。築年数を目安に家が古いかを判断するには、法定耐用年数を参考にできます。

法定耐用年数とは、住宅の資産価値が会計上において消失するまでの期間。法定耐用年数は建物の構造によって異なります。

家の構造 耐用年数
木造 22年
木骨モルタル 20年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 47年
れんが・石造・ブロック造 38年

法定耐用年数を考えれば、築20年を超えるかが古い家と判断するうえで目安になります。よって、本記事では、築年数が20年を超える家を古い家と定義します。

上記の年数は建物の寿命ではありません。税務上で定められた法定耐用年数と実際に使用できる期間は異なります。築年数が法定耐用年数を超えていることを理由に、必ずしも建物の劣化が大きく進んでいるとはいえません。しかし、金融機関が住宅価値の判断に法定耐用年数を利用することも。よって、古い家であるかを判断するために、法定耐用年数は基準として有効といえるでしょう。

耐震基準

築年数のほかには、耐震基準から家の古さを判断できます。耐震基準には大きく分けて旧耐震基準と新耐震基準があります。新しく建設される住宅には新耐震基準が適用されますが、古い家のなかには旧耐震基準が適用されていることも。

新耐震基準は1981年6月1日に改正された建築基準法に基づく耐震基準です。震度6強~7の地震で倒壊・崩壊しないことを最低条件に設計されており、耐震性を確保するための壁量や柱、梁の配置、構造計算が厳格化されました。

よって、1981年以前に建築された住宅は旧耐震基準が適用されるため、耐震基準から古い家と判断できるでしょう。旧耐震基準の古い家は現行の耐震水準を満たさないことから、価値を低く判断される可能性が高くなります。売却の際には耐震診断と改修をおこない、現行の耐震基準を満たすように補強することも検討したいところです。

古い家を売るにはどうすればいい?

古い家を売る方法を紹介します
古い家を売る方法を紹介します

古い家を売る方法を6つ紹介します。

  • 古民家としてそのまま売る
  • 一部をリフォームして売る
  • 瑕疵担保保険を適用してから売る
  • 古家付きの土地として売る
  • 空き家バンクに登録する
  • 解体して土地だけ売る

それぞれ詳しく見ていきましょう。

古民家としてそのまま売る

古い家は古民家としてそのまま売れる場合があります。自然豊かな場所で暮らしたいと考えており、昔ながらの家が好きな人もいるでしょう。築年数が40年を超える場合であっても、物件に価値を感じて購入したいと考える買い手が現れる可能性があります。

古い家に対して大がかりなリフォーム・工事をしなければ、費用や手間もかかりません。物件としての魅力をそのまま打ち出して、買い手が現れることが理想です。

一部をリフォームして売る

リフォーム前に不動産会社へ相談し、地域のニーズと売却価格の上げ幅を試算して、一部をリフォームして売る方法も選択肢の一つ。キッチンやユニットバスを改修すれば、築年数が経過した物件でも印象を大きく変えられることがあります。

リフォームをおこなっても買い手が見つからない可能性が高い場合や、売却価格の上昇が見込めない場合は、ほかの方法を選択したほうが無難です。売却のためのリフォームを成功させるなら、かける予算と見込める利益のバランスが重要になります。

瑕疵担保保険を適用してから売る

古い家は構造や設備に不具合が隠れている心配があります。補修費用の一部を補填する保険である既存住宅売買瑕疵担保保険に加入して売却すれば、買い手に安心感を与えられるでしょう。瑕疵担保保険は、保険料と事前検査の費用はかかりますが、古い家の買い手が見つけやすくなる保険です。

また、既存住宅売買瑕疵担保保険に加入すると、買い手が住宅ローンを組んで物件を購入する場合に住宅ローン控除の適用を受けられる場合があります。住宅ローン控除の適用が受けられることを理由に、買い手が集まりやすくなることが期待できるでしょう。ただし、瑕疵担保保険の適用基準を満たすための修繕が必要になり、さらなる費用がかかることがあります。

古家付きの土地として売る

家の状態が悪く、需要もないことから売れない場合は、古家付きの土地として売る方法があります。家ではなく土地をメインにして売れば、土地が欲しい買い手が見つかる可能性があるからです。古家付きで売る場合は、売主が解体費用を負担する必要もありません。

さらに、建物が建っている土地には、固定資産税の住宅用地特例が適用されるため、更地に比べて税負担を抑えられます。節税面では、家を残したまま売却するほうが有利になるケースが多いでしょう。

空き家バンクに登録する

空き家バンクは、自治体が運営する空き家に特化した不動産情報サイトです。一般的な不動産会社では断られてしまう古い家でも、売りに出せる場合があります。自治体は買い手に対して、移住支援金やリフォーム補助金など、さまざまな支援策を打ち出すため、普通に買い手を見つけるよりも売却できる可能性が高くなるでしょう。

ただし、希望者が現れるまでに時間がかかる可能性もあります。売却可能であるか心配になるほど、家の劣化が進んでいる場合は、空き家バンクに相談して登録を検討しましょう。

解体して土地だけ売る

建物の老朽化が進み、再利用が難しい場合は、解体して更地にしてから売却しましょう。土地だけで売るほうが、買い手が見つかる可能性が高いからです。解体費用がかかりますが、古い家を手放すなら確実な方法です。上記のすべての方法を検討したうえで、どうしても古い家を解体する以外に手段がない場合は、土地のみを売却するようにしましょう。

古い家を売らずに放置する場合のリスク

古い家を売らずに放置する場合のリスクを紹介します
古い家を売らずに放置する場合のリスクを紹介します

古い家を空き家にして放置するリスクは複数あるため、利用予定がない場合は費用がかかるとしても売却を進めたほうがいいでしょう。使用していない古い家を売らずに放置する場合のリスクは、以下のとおりです。それぞれ詳しく解説します。

固定資産税の負担が大きく増加する

土地には住宅用地の特例が適用されており、居住用の建物が建っている土地に対しては固定資産税が軽減されます。しかし、空き家の状態で管理せずに放置を続けると、自治体などから特定空家等に指定され、住宅用地の特例から除外されることも。

特例から除外される理由は、空き家を長期間放置すると、建物の老朽化が急速に進むため、放置を続けることは生活環境の安全を守るうえで不適切と判断されるからです。固定資産税の負担が大きく増加するため、古い家を売らずに放置するほうが、長期的にコストがかかるでしょう。

資産価値が下落する

建物は時間が経過するほど、劣化が進行しやすくなります。古い家を修繕することなく放置し続ければ、修理不能な状態になり、売却する場合は解体が前提になるでしょう。

売るタイミングを逃してしまうと、家の売却益を得られた場合や、解体以外の選択肢があっても時間とともに失ってしまうかもしれません。できる限り早く売却を検討すれば、資産価値を下落させることなく、売却できる可能性が高まります。

建物の倒壊や老朽化の危険性がある

空き家を長期間放置すると建物が老朽化して、倒壊の危険性が高まることがあります。定期的な点検や補修をおこなわない空き家は、柱・梁の腐朽や基礎のひび割れが急速に進むことも。台風や地震が発生すれば、屋根瓦や外壁が落下して周辺に被害をおよぼすかもしれません。

倒壊事故の発生は、所有者が損害賠償責任を負うだけでなく、刑事責任を問われるケースもあるため注意が必要です。

周辺住民の生活環境を悪化させる恐れがある

管理されない空き家は雑草が繁茂し、害虫・害獣の温床になります。近隣へ侵入するなどの二次被害が発生すれば、苦情対応や駆除費用の負担を求められることも。周辺住民とのトラブルに発展する可能性もあるため、使用しない古い家の保有は続けるべきではありません。

第三者の侵入により犯罪に巻き込まれる可能性がある

誰も住んでいない家は施錠や警備が不十分になり、空き巣や放火の標的になりやすいです。所有者が知らない間に第三者が侵入し、重大な犯罪に使用される可能性も十分に考えられます。犯罪の片棒を担ぐことにならないように、古い家を適切に管理できないのであれば、売却を検討しましょう。

古い家を売る手順

古い家を売る手順を紹介します
古い家を売る手順を紹介します

古い家は以下の手順で売却がおこなわれます。

  • STEP 1価格査定をおこなう
  • STEP 2媒介契約を締結する
  • STEP 3売却活動をおこなう
  • STEP 4売買契約を締結する
  • STEP 5引渡しをする

それぞれ詳しく見ていきましょう。

STEP 1. 価格査定をおこなう

古い家を売る時は、まず物件の価値を知ることから始めます。古い家は状態差が大きいため、不動産会社の訪問査定で、劣化箇所や修繕履歴を担当者が直接チェックすることで、正確な評価額を算出できます。複数の不動産会社を利用して、納得のできる査定額を提示する不動産会社を探しましょう。

STEP 2. 媒介契約を締結する

査定内容に納得できたら、売却を任せる不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約の契約形態は以下の3つです。

契約形態 複数社へ
の依頼
自己発見
取引
活動報告
義務
一般媒介契約 任意
専任媒介契約 × 2週間に1回
以上
専属専任媒介
契約
× × 1週間に1回
以上

契約形態によって、それぞれ特徴が異なります。一般的に媒介契約で選ばれている方法は専任媒介契約です。不動産会社は1社のみしか契約できませんが、積極的な販売活動をおこなってもらえるメリットがあります。

また、専属専任媒介契約とは異なり、売主が自ら買主を見つければ自己発見取引が可能です。内覧の調整が楽になりやすく、手間がかかりにくいことも魅力と考えられます。ご自身にあう方法で媒介契約を結ぶようにしましょう。

STEP 3. 売却活動をおこなう

媒介契約後は販売価格を設定して売却活動をスタートしますが、主要ポータルサイトへの掲載、チラシ配布などの販促はすべて不動産会社がおこないます。古い家は買い手が見つかりにくいことから、売却活動に時間を要しやすいです。物件の所有者は、室内の片づけや簡易清掃など、購入希望者が見つかった場合の内覧準備を進めるようにしましょう。

STEP 4. 売買契約を締結する

購入希望者が現れたら、売買契約を締結します。売買契約時にはさまざまな書類が必要になります。具体的に必要になる書類の例を以下にまとめました。

  • 本人確認書類
  • 住民票
  • 印鑑証明書
  • 登記済権利証(権利証)・登記識別情報通知書
  • 固定資産評価証明書
  • 固定資産税・都市計画税納税通知書
  • 確定測量図(確定実測図)
  • 筆界確認書・越境覚書

準備に時間がかかる書類もあるため、売却活動を開始したら早めに用意することをおすすめします。

STEP 5. 引渡しをする

売買契約を結んでから1~2カ月後に物件の引渡しをおこないます。売却代金を受け取って引き渡して、正式に所有権を移転させる流れです。所有権移転登記と、抵当権抹消登記などの登記手続きをおこなう必要があるため、司法書士に依頼するなどして対応できるようにしましょう。

古い家を売る時の税金の計算・確定申告

古い家を売る時の税金の計算方法・確定申告を紹介します
古い家を売る時の税金の計算方法・確定申告を紹介します

古い家の売却で発生した利益には、税金が発生します。譲渡所得税・住民税の納付が必要になるため、計算して確定申告で納めるようにしましょう。古い家を売却する場合の税金に関する内容を紹介します。

売却益が出なかった場合

古い家を売却しても高値がつかない場合も多く、売却価格が取得費(購入時の物件価格)と譲渡費用(仲介手数料・リフォーム費用など)を下回り、譲渡所得が発生せず、譲渡損失になる可能性があります。

譲渡所得は次の計算式で計算されます。

売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)

しかし、マイナスあるいはゼロになった場合は、売却益はなく、課税対象が存在しません。譲渡損失では税金の計算も不要になり、確定申告も任意です。

譲渡損失が発生した場合も、一部の節税制度を利用する場合は確定申告をしたほうがいい場合もあります。損益通算や繰越控除の対象にもなるため、税負担を軽減するために活用できる場合は活用しましょう。

譲渡所得が出た場合

譲渡所得がプラスになった場合は、物件の所有期間に応じた税率を適用して税金を計算する必要があります。物件の所有期間が5年以内であれば短期譲渡所得、5年を超える場合は長期譲渡所得が適用される仕組みです。以下にそれぞれの税率をまとめました。

  長期譲渡所得 短期譲渡所得
所得税率 15% 30%
住民税率 5% 9%
復興特別所得税率 0.315% 0.63%
合計 20.315% 39.63%

古い家は築年数20年以上の物件と定義しているため、中古物件を途中で取得した場合を除いて、基本的には長期譲渡所得に該当するでしょう。古い家を相続して売却する場合も、被相続人の所有期間が基準になります。

譲渡所得が500万円の場合、譲渡所得税・住民税は次の計算式で求められます。
500万円 × 20.315% = 101万5750円

確定申告で譲渡所得税を支払う

譲渡所得が発生し、税額を計算したら、確定申告書を作成して税務署に提出し、所定の期日までに譲渡所得税を納付する必要があります。譲渡所得税は申告期間と納付期間が決まっており、売却した年の翌年2月16日から3月15日です。

売却した物件の所在地を管轄する税務署に持参、または郵送するか、e-Tax(電子申告)を利用して申告できます。また、住民税は確定申告をおこなった年の6月以降に請求される仕組みです。

古い家を売る時に意識したいポイント

古い家を売る時に意識したいポイントを紹介します
古い家を売る時に意識したいポイントを紹介します

古い家を売る時に意識したいポイントを以下にまとめました。それぞれ詳しく見ていきましょう。

ホームインスペクションを利用する

ホームインスペクションとは、建築士や住宅診断士などの専門家が、既存住宅の構造耐力上主要な部分や雨水の浸入防止部分を調査し、その結果を報告書としてまとめる制度です。古い家は築年数が長いほど、劣化リスクが高くなります。売主が事前にホームインスペクションを受けることで、隠れた欠陥や修繕箇所の把握が可能。

ホームインスペクション実施済みの物件であれば、売却後のトラブルを回避しやすく、古い家でも買主が安心して購入しやすくなります。買い手が見つかるまでの時間の短縮にもつながるため、構造に不安がある家を売却するなら利用するとよいでしょう。

ハウスクリーニングの実施も検討する

古い家は経年による汚れや埃、カビなどが目立ちやすいため、専門会社によるハウスクリーニングの実施が効果的です。内覧時の印象を大きく左右するため、売却前に取り除ける汚れは取り除くようにしましょう。

ハウスクリーニングには費用がかかりますが、買い手の印象を考えるなら、売却前に実施しておくことをおすすめします。また、キッチンやバスルームなどの水回りの部分の汚れは内覧時に特に目立つため、水回り部分のみを集中してクリーニングすれば予算を抑えて効率的な掃除ができます。

複数の不動産会社に相談する

古い家は同じ築年数であっても建物の状態や立地条件によって査定価格に大きな差が生じることが多いです。一社のみに査定を依頼すると、相場を見誤る可能性も。また、古い家には複数の売却方法がありますが、最終的にどれを選ぶかを含めて相談できる不動産会社を選ぶことが重要です。

不動産会社にもそれぞれ特徴があり、築年数の古い物件の売却実績が豊富な不動産会社も存在します。ほかの不動産会社では解体しなければ売れないと言われても、特化した不動産会社では売却できる可能性も。古い家の売却で信頼できる不動産会社を選ぶには、複数の不動産会社に相談して比較検討する必要があるでしょう。

解体して売る場合は補助金を利用する

古い家の状態が著しく悪化しており、再利用が難しい場合、解体して更地にしてから土地だけを売却する選択肢以外を選べないかもしれません。解体費用は木造住宅で1坪あたり約3万~4万4,000円が相場です。30坪の古い木造住宅なら、解体費用は90万円~132万円が相場になります。

解体費用の負担を少しでも抑えるなら、自治体が実施する空き家解体補助金を活用しましょう。老朽化が著しい住宅を対象に、解体費用の一部を助成してくれます。古い家が所在する自治体の公式サイトを調べて、利用できる補助金制度がないかを確認しましょう。

各種税制優遇制度を利用する

古い家を売却する場合は、補助金制度のほかに各種節税制度の利用も検討しましょう。古い家の売却で使用できると考えられる節税制度は以下のとおりです。

  • マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例
  • マイホームの3,000万円特別控除
  • 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除

それぞれの節税制度を簡単に解説します。

マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例

マイホーム(居住用)を譲渡して損失が生じ、新たにマイホームを購入する時、一定の要件を満たせば譲渡損失を給与所得など他の所得と損益通算できます。損益通算しても控除しきれなかった損失は、譲渡の年の翌年以後3年以内に繰り越して控除できる制度です。

ただし、古い家と新しく取得する家が居住用であることが条件であり、別荘や賃貸物件は対象外。古い家の売却で譲渡損失が発生した場合も確定申告をしたほうがいい理由は、特例により損益通算と繰越控除ができる可能性があるからです。

マイホームの3,000万円特別控除

同じく居住用の古い家を譲渡して譲渡所得が生じた場合、譲渡所得から最高3,000万円を差し引くことができる特例です。マイホームの3,000万円特別控除を適用すれば、3,000万円以下の譲渡所得に対して譲渡所得税はかかりません。3,000万円を超える場合も超えた部分にのみ課税されます。

ただし、特別控除を差し引いた結果、譲渡所得税がゼロになる場合も、マイホームの3,000万円特別控除を受けるには確定申告が必要です。

低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除

都市計画区域内にある一定の低未利用土地等を譲渡する場合、長期譲渡所得から100万円を控除できます。低未利用土地等とは、その利用の程度が周辺の同一用途と比べて著しく劣っている土地のことです。

譲渡価格の合計が500万円以下、都市計画区域内でかつ用途地域が定められている区域では800万円以下であることが条件です。特例を適用すると、長期譲渡所得から100万円を差し引いて課税所得を計算でき、税制優遇を受けられます。

ケースによっては、古い家の売却で節税制度を使用できる場合があるため、利用できる制度を確認しましょう。税務申告を適切におこないたい場合は、税理士などの専門家への相談をおすすめします。

まとめ

古い家を売却せずに放置すると、固定資産税などのコストの増加から、刑事責任を問われる事態に陥るなど、さまざまな問題が発生する可能性があります。利用していない空き家になっている状態の古い家を保有している場合は、売却を検討しましょう。

古い家は複数の方法で売却可能です。どうしても売却できない場合の最終手段として、古い家を解体して土地のみを売却する方法もあるため、複数の不動産会社と相談しながら適切な方法を選択するようにしましょう。

長谷川 賢努

執筆者

長谷川 賢努

AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士

大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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