不動産売却はどこがいい?会社選びのポイントや大手と中小の違いを解説

一般財団法人不動産適正取引推進機構によると、2022年度末で宅建業のライセンスを持っている不動産会社は129,604社(個人含む)もあるそうです。
そのなかで、もっとも適した不動産会社を選ぶのは簡単ではありません。当記事では、会社選びのポイントや、大手と中小企業の違いについてを解説します。
記事の目次
不動産を売却する時、どんな会社を選べばいい?

まずは何を基準にして不動産会社を選べばよいのか、項目別に具体的に見ていきましょう。
売却実績が豊富
ひとつめは売却実績です。実際にどれぐらいの件数の不動産を売却しているのか、特に自分が売ろうとしている物件に似た条件の不動産をどれくらい売却しているのか、その販売実績が豊富か否かを見ることが大事です。
例えば土地を売りたい場合、マンションの売却実績が多い会社よりも土地売却に特化した不動産会社を選ぶのが適しているでしょう。
地域に精通している
不動産は立地や周辺環境がとても大事です。売却しようとしている物件のエリアに精通している不動産会社を選ぶことで、よりよい査定、内見客への丁寧な説明などが可能となります。
対応がいい・早い
不動産会社の担当者の対応が丁寧で、疑問点についてきちんと説明をしてくれることが大切です。その場でわからないことがあっても、すぐに確認をしてくれるような対応の早さも重要です。売却活動中の物件案内状況や件数、内見者の反応などの報告を定期的に入れてくれる担当者であれば、なおよいでしょう。
建物の状況を見たときに、修繕すべきポイント・リフォームしたほうがよいか、ハウスクリーニングをしたほうがよいかなど、適切な知識に沿ったアドバイスをもらえることもポイントです。
査定額に根拠がある
物件価格の査定額や売却開始額は、売主にとって重要なポイントです。きちんと相場や建物の状態を踏まえた査定額か、見極める力が大切です。
不動産会社や営業担当者によっては、あえて相場よりはるかに高い査定金額を出し、他社より高い査定額を提示することがあります(これを「高預かり」といいます)。売主は不動産の相場をよく知らない方も多く、複数の不動産会社に査定してもらった場合、もっとも高い査定額を出した会社と専任媒介契約を締結したくなるでしょう。
しかし、高額な査定額で専任媒介契約を結ぶことだけが目的の会社もあります。最初は査定額で売り出すものの相場とかけ離れているためなかなか売れず、徐々に売買価格を下げて売却する手法をとられる恐れがあります。
インターネット広告に力を入れている
インターネット広告に力を入れている会社を選ぶこともポイントの一つです。
また、不動産情報サイト アットホームをはじめとした不動産情報サイトも、購入希望者が情報を得るためによく見ています。そのような広告やサイトへの掲載に力を入れている不動産会社は、情報発信力があると考えられるでしょう。
例えば、似た物件や同じエリアの物件との差別化を図るため、設備の情報やお客様の印象に残るような室内の写真を多く掲載しています。また、販売にも積極的だと考えられます。そのためスピーディーな売却活動や成約が期待できるでしょう。
不動産会社選びの時にチェックすべきポイント

多くの不動産会社から依頼する会社を選ぶ際、押さえておきたいチェックポイントがあります。ここでは、主なものを3つ記載しました。
免許番号の更新回数は多いか
ひとつめは免許番号の更新回数の多さです。不動産会社は、不動産業をおこなう際、宅建業許可が必要です。
宅建会社には免許番号がふられており、「国土交通大臣免許(10)第○○号」や、「○県知事(3)第○号」のような表記でホームページに記載されています。この、括弧で囲まれた数字が、免許の更新回数を表しています。
宅建業の免許は5年ごとに更新(1996年より前は3年ごと)されるため、その数字が多いほど営業年数が長いことを示す指標です。もちろん更新回数が少なくても、お客様の信頼の厚い不動産会社・担当者はたくさんいるため、参考の一つとしてお考えください。
行政処分を受けていないか
宅建会社は、お客様に対して虚偽の説明をして損害を与えた場合、免許権者より行政処分を受けることがあります。行政処分の内容は国や自治体のホームページで確認できるため、依頼しようとしている会社が行政処分を受けていないかチェックすることが可能です。
「囲い込み」をしていないか
「囲い込み」とは、売主から預かった物件に関して、自社のみで契約するいわゆる「両手仲介」を狙う手法です。
具体的には、他の不動産会社から内見や申し込みが入っても、「(まだ申し込みが入っていないのに)もう契約準備中です」と虚偽の説明をし、自社で買主を探そうとするような行為を指します。
囲い込みをする会社は、両手仲介で自社の利益を大きくすることが目的です。そのため、他社が紹介するもっとも高値のお客様ではなく、少し割引してでも自社での取引に持ち込もうとするケースが多くなります。
囲い込みをしている会社を見分けるには、知り合いの不動産会社に依頼して、他社が紹介できる物件を仲介会社経由でも紹介してもらえるかを確認する方法があります。
不動産会社は大手と中小どちらがいい?

不動産会社は大手企業に依頼するか、地元の中小企業に依頼するのかどちらがよいのでしょうか。双方ともにメリット・デメリットがあるため、順に紹介していきます。
大手不動産会社の特徴
大手不動産会社にはどのような特徴があるのか、順に解説していきます。
信頼・ネームバリューがある
長きにわたって営業してきた経験による信頼と、各種広告などに顔を出しているネームバリューによる安心感があります。
宣伝力が高い
大手不動産会社の多くは、高い宣伝力があります。広告を打つ資金が豊富。テレビCMや広範囲での折り込み広告などを打てる経済的余裕があります。また、全国に多くの営業店舗を構えており、地域による情報量の格差が少ないでしょう。
サービスが充実している
契約書類の作成や土地診断、補修保証、ハウスクリーニングなどのサービスが充実しています。小さなお子様連れのご家族でも来店ができるように、店舗内にキッズコーナーが備え付けてられている会社もあります。
仲介手数料が高い傾向がある
大手不動産会社は原則として、宅建業法で定められた仲介手数料の上限を請求し、値引きなどはおこなわない傾向にあります。
地場および中小の不動産会社の特徴
地場および中小の不動産会社にはどのような特徴があるのか、順に解説していきます。
地域に精通している
地場の不動産会社はそのエリアに特化して営業しており、街の歴史からどういった土地の利用がされ、どのような需要があるかなど地域のことをよく知っています。
見込み客を抱えている場合がある
地場の不動産会社は地元の住民とのコネクションを持ちやすく、見込み客を抱えている場合があります。また、中小の不動産会社は、相続・投資など一分野に特化していることがよくあります。独自の見込み客を抱えている場合は、買主を紹介してもらいやすくなります。
営業担当者ごとに対応が異なる場合がある
地場や中小の不動産会社は、マニュアルなどがなく営業担当者によって仕事の進め方や対応が異なることがあります。
会社の大小を問わず、会社や担当者によって経験や知識が豊富か否かはさまざまです。コミュニケーションや資料などを通して、自分にとってよい会社かをきちんと見分けることがもっとも大切です。
不動産売却依頼時に知っておきたい基礎知識

不動産を売却する際、売主としても知っておいたほうがよい知識があります。
売却方法には「買取」と「仲介」がある
不動産を売却するときにイメージされやすいのが「仲介」ですが、不動産を買い取ってもらう方法もあります。
買取のメリット・デメリット
買取のメリット:不動産会社が直接買主になるので、売却までのスピード感があります。仲介手数料も発生しません。契約不適合責任が免除となり、不動産の品質や機能に問題があっても責任を追及されることがありません。
買取のデメリット:買取価格が仲介に比べて安くなる傾向にあります。また、立地や条件によっては買い取ってくれる不動産会社が見つからない可能性があります。
仲介のメリット・デメリット
仲介のメリット:買取よりも高値で売却できる可能性が高くなります。内見者の意見から、リフォームやクリーニングなどのニーズを拾い、売却しやすくなるヒントを得られることもあります。
仲介のデメリット:売却までに時間がかかる傾向にあります。また、戸建てを売却する場合、契約不適合責任を免責とすると売却が難しくなることがあります。また、仲介手数料がかかるため売却費用が増えます。
不動産会社との契約方法は3種類ある
媒介契約の種類 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
---|---|---|---|
複数社との契約 | 可 | 不可 | 不可 |
買主を自分で見つけること | 可 | 可 | 不可 |
売却活動の報告頻度 | 報告の義務なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
指定流通機構(レインズ)への登録 | 義務なし | 7日以内(※)に登録 | 5日以内(※)に登録 |
契約期間 | 法律上の定めなし | 3カ月 | 3カ月 |
※当日および不動産会社の休業日は含めない
不動産会社との契約方法は3種類あります。
「一般媒介契約」は、同時に複数の不動産会社に売却の仲介を依頼できる契約です。
売主自身が見つけた買主と不動産会社を介さずに契約もでき、売主の裁量が大きく、自由度の高さが特徴となります。
「専任媒介契約」は、不動産会社1社にしか仲介を依頼できません。一般媒介契約同様に自分でお客様を見つけることは可能です。
メリットは、不動産会社との窓口が一つになるので、複数の会社とやり取りをする必要がありません。内見用のカギの受け渡しや内見日の調整などの手間が軽減でき、価格変更したい場合も1社に連絡すれば済みます。
また、売却活動の報告義務・レインズへの登録義務があるため、状況を把握しやすいのがメリットです。不動産会社は自社のみで物件を扱えるため、手数料を受領できる見込みが立つことから、一般媒介契約に比べて熱心に売却活動をおこなう(広告費の増加)傾向にあります。
「専属専任契約」は、売主が買主を自分で見つけられません。その代わりに、不動産会社の報告頻度や登録義務までの期間が短くなるため、一つの不動産会社への依存度が高くなります。
仲介手数料は成功報酬である
仲介手数料は成功報酬です。不動産の売買が成立しない限りは支払う必要がありません。媒介の種類が一般でも専任でも同じ報酬額となります。
なお、仲介手数料は仲介業務の対価として支払うお金です。居住用・事業用などを問わず消費税が課税されます。
依頼先に迷ったら「一括査定」を利用しよう

どの不動産会社に依頼すればよいか悩んだときは、「一括査定」が利用できます。
一括査定とは
売却したい不動産の査定額を、複数の不動産会社から一気に取得できるのが一括査定です。不動産情報サイト アットホームにも一括査定サービスがあります。
一括査定のメリット
一括査定のメリットを解説します。
複数の不動産会社にまとめて査定依頼ができる
一度の情報入力で複数の不動産会社にまとめて査定依頼ができ、手間がかかりません。
複数の査定結果から相場がわかる
複数の査定結果が出るため、不動産のおおよその相場がわかります。査定額が低すぎる会社・高すぎる会社もわかるため、前述した「高預かり」なのか否かも判断しやすくなります。
遠方の不動産会社にも依頼できる
地場の不動産会社だけでなく、遠方の特色ある不動産会社にも依頼ができるので、さまざまな視点の査定をえられます。
まとめ
不動産を売却するときは、大手・中小・地場などのいろいろな視点から査定をしてもらうことが重要ですが、いろいろな不動産会社に声をかけるのはなかなか大変です。忙しくてなかなか時間がとれないという方はぜひ、不動産情報サイト アットホームの一括査定サービスを活用してみてくださいね。