空き家が売れない理由は?必要な対処方法と放置するリスクを徹底解説
本記事では、空き家が売れない理由を紹介し、売るために必要な対処方法を解説します。記事を読むことで、売れない空き家を手放す方法がわかるようになるでしょう。
記事の目次
空き家が売れない理由

空き家が売れない理由はさまざまです。思うように売却できない場合は、売れない理由を明確にするところから始めましょう。空き家が売れない理由を8つ紹介します。
建物の老朽化が進んでいる
空き家の築年数が古く老朽化が進んでいる場合、買い手にとって魅力的な物件として認識されない可能性が高いです。築年数が古い住宅は、屋根や外壁、水回りなどに不具合が生じていることが多く、購入後に修繕が必要になると考えられます。売り出し価格が安くても、修繕に多額の費用がかかるケースもあるでしょう。
最終的に必要な総費用が高くなりやすいため、売りにくい物件になります。また、老朽化が進んだ空き家は、見た目の印象が悪くなりやすく敬遠されやすいため、問い合わせにつながりません。内覧希望者が少なくなるため、売却が難しくなります。
立地条件がよくない
立地条件がよくない空き家は需要が少なく、売却活動をおこなっても買い手が集まりにくい傾向にあります。駅やバス停から遠く、周辺に買い物施設や医療機関が少ないなど、日常生活の利便性が低い立地は敬遠されやすいでしょう。
将来的な開発予定がなく人口減少が進む地域では、住宅の需要が少なくなります。需要の減少が予測されるため、将来的な売りやすさを考えると立地の問題は不安要素になるでしょう。立地が根本的な問題であれば、価格を下げても購入を検討されない可能性があります。
管理状態が悪い
空き家の管理が行き届いていなければ、建物の劣化を早める原因になります。また、管理状態が悪いと判断された場合は、見えない部分に問題があると疑われる可能性があります。そのため、購入後のリスクが高い物件と認識されるでしょう。
他にも、外壁が汚れていたり室内にほこりやにおいが残っていたりする状態は、内覧の際に大きく評価を落とすことになります。管理されていない空き家は売却活動が長引きやすく、売却活動中も建物の劣化が進む悪循環に陥りやすいでしょう。
価格設定が相場と合っていない
周辺相場より高い価格が設定されている空き家は、最初から検討対象に入らないことがあります。割高で需要のない空き家は、問い合わせにつながらず、内覧に進む前の段階で選ばれない可能性が高いでしょう。結果的に値下げを重ねることになり、売却活動が長期化します。
また、売却の成功を優先するために、相場よりも安く売り出す戦略が考えられます。しかし、相場よりも価格が極端に安すぎる場合、致命的な問題がある可能性を疑われて、問い合わせが来ないことも。適正な価格設定をできていなければ、安心して検討してもらえず、売却が進まなくなる原因になるでしょう。
リフォームが前提で負担が大きい
空き家の状態によっては、購入にはリフォームが前提になる場合があります。リフォームを前提とする物件は、購入後にリフォーム費用がかかることが確定しているため、負担が大きくなるリスクから敬遠されやすくなります。売り出し価格が高くても、総費用を考えれば、リフォームが不要の良好な中古物件が選ばれやすいでしょう。
しかし、リフォームを前提に古家を購入する需要は存在するため、古い空き家であっても条件が整っていれば、売れる可能性はあります。リフォームが前提の空き家に需要はありますが、限定的であるため売れにくいことに変わりはありません。
隣地との境界が確定していない
隣地との境界が確定していない空き家は、将来的にトラブルが起きる可能性があります。買い手にとっては、購入後に隣地の所有者との揉め事が発生するリスクを避けたいと考えるでしょう。そのため、境界が確定していない空き家は、魅力的な条件があっても見送られやすくなります。
空き家に限らず家を売却するなら、境界線を確定させることが基本です。土地家屋調査士に確定測量を依頼して、境界を確定させるようにしましょう。
法的な制限で再建築不可となっている
再建築不可の空き家は、法的な制限によって建て替えができないため、買い手の選択肢が大きく限られます。空き家を解体して、建物を新しくしたいと考えている人にとって、再建築できない土地は致命的になります。
建物を購入してから、老朽化が進んだ際に建て替えができないことも問題です。購入後の自由度が低い物件と判断され、検討対象から外されやすくなるでしょう。
売却活動の方針に問題がある
売却活動の方針に問題がある場合、物件の魅力が購入希望者に十分に伝わっていないことがあります。例えば、情報の発信が不十分である場合、魅力的な物件であっても問い合わせにつながりません。売却活動の方針は、不動産会社の選び方が大きく影響します。
空き家の売却経験が少ない不動産会社に依頼している場合、適切な販売戦略が取られていないことも。結果的に物件情報が埋もれやすくなり、売却が長期化しやすくなります。
空き家が売れない時の対処方法

空き家が売れない理由を踏まえたうえで、空き家が売れない時に取れる対処方法を以下にまとめました。それぞれ詳しく解説します。
売り出し価格を見直す
空き家に限らず物件が売れない場合、最初に見直す内容は売り出し価格です。問い合わせや内覧の希望がほとんどない場合、売り出し価格が相場に沿っていない可能性があります。周辺の成約事例や現在売り出されている物件と比較して、かけ離れた価格に設定しないようにしましょう。
相場を調べる方法は、国土交通省が公開する過去の不動産の成約事例を調べられる「不動産情報ライブラリ」の利用が挙げられます。現在売り出されている物件の相場は、大手不動産ポータルサイトで検索して、実際に売り出されている近い条件の物件を調べましょう。
古家付き土地として売却する
建物の老朽化が進んでいる空き家でも、土地に魅力がある場合があります。古家付き土地として売却すれば、建物の価値が低くても、土地に魅力があれば検討する買い手は存在します。買い手が自分の計画で解体時期や方法を決められるため、条件が合えば前向きに検討されやすいでしょう。古家として売り出すのではなく、土地として売り出せば買い手が見つかる可能性があります。
隣地の所有者に売却する
空き家が再建築不可の場合や、相手が敷地を広げたいと考えている場合は、隣地の所有者に売却する選択肢もあります。隣地を購入すれば敷地を広げられ、再建築不可の制限がかからない形のよい土地にできる可能性もあるでしょう。一般市場では評価されにくい物件でも、隣地の所有者にとっては価値が認められる場合があります。
ただし、個人で買い手を見つけられた場合でも、不動産会社を通して売却するようにしましょう。売買契約の締結や売買後のトラブルを想定すると、不動産会社を通したほうが安心して売却を進められるからです。
別の不動産会社に依頼する
売却活動の内容に問題があって空き家が売れない場合は、同じ不動産会社に任せていても状況は改善しないかもしれません。不動産会社にはそれぞれ得意分野があるため、空き家や古家の売却に実績のある不動産会社に依頼すると、適切な販売活動をおこなえる可能性が高くなります。
同じ空き家でも売り出し方を変えることで、問い合わせが増えるケースもあります。現在の不動産会社に不満がある場合は、依頼先を見直しましょう。
空き家バンクに登録する
空き家が売れない場合、空き家バンクに登録して売却する選択肢もあります。空き家バンクは、自治体が運営しており、一般的な不動産会社では訴求しにくい層に情報を届けられることがメリットです。地方移住を検討している人をメインに、買い手を見つけられる可能性があるでしょう。空き家バンクに登録してもすぐに買い手が見つかるとは限りませんが、売却の可能性を広げる手段の一つになります。
不動産買取を利用する
空き家が売れない場合、不動産買取を利用する方法があります。不動産会社が直接買い取るため、一般の買い手を探す必要がなく、売却までの期間を大幅に短縮できます。老朽化や立地条件に問題があり需要がない場合や、再建築不可の物件であっても、買取であれば対応してもらえる可能性があるでしょう。
売却代金は、仲介で売却する場合と比較して下がりやすくなりますが、早期に現金化できます。空き家を高く売るのではなく、手放すことを優先して売却する場合は検討したい方法です。
空き家を売却する時の注意点

空き家を売却する時の注意点は、以下のとおりです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
リフォームや解体は慎重に判断する
空き家を売却できる可能性を高める方法として、リフォームや解体をして土地を売却する手段が挙げられることがあります。しかし、リフォームや解体をおこなうことで、自分でリフォームしたい層や、古家を活用してリノベーションをおこないたい買い手の選択肢を狭めてしまうことも。また、工事にかかった費用が、売却価格にそのまま反映されるとは限りません。
そのため、リフォーム・解体は不動産会社と相談したうえで慎重に判断する必要があります。支出に見合う効果があるかどうかを見極めることが重要です。自己判断で決めることなく、プロの意見を取り入れることで、適切な方法で売却できるようになるでしょう。
売却までの期間に余裕を持つ
需要が少ない空き家を仲介で売却する場合は、時間がかかりやすいです。そのため、時間に余裕を持って売却活動を進めることが重要になります。売却までの期間に余裕がなければ、買い手から値下げ幅の大きい交渉を受けた際も、早期に売却を成立させるために応じる必要があるでしょう。
少しでも高い価格で売却したい場合は、時間に余裕がないほど不利になりやすくなります。売却までの期間に余裕を持つことで、納得のいく売却活動をおこないやすくなります。
建物の状態を正確に伝える
古い空き家を売却する際は、建物の状態を正確に伝えることが重要です。不動産会社に売却を依頼する際には、雨漏りやシロアリ被害、設備の不具合などの瑕疵を正確に伝えるようにしましょう。
万が一、隠したまま買主の手に引き渡されて発覚すると、契約不適合責任が問われます。修繕費を請求される場合や、契約を解除されるリスクも。空き家を売りやすくするために、不具合を隠して売却活動を進めないようにしましょう。
物件の権利関係を確認する
空き家を売却する際は、物件の権利関係を事前に確認する必要があります。名義が複数人で全員の許可を得られていない場合や、相続登記が済んでいない場合は売却を進めたくても手続きが止まってしまうことも。
買い手が見つかってから問題が発覚すると、契約が白紙になるかもしれません。権利関係は売却の前提条件となるため、早い段階で整理しておくようにしましょう。
売れない空き家を放置するリスク

空き家が売れない状況が続くことで、適切に管理せずに放置してしまうケースもあります。自身が利用する予定がない空き家の放置には、さまざまなリスクがともなうため、早めに対処方法を考える必要があるでしょう。本章では、売れない空き家を放置するリスクを紹介します。
老朽化がさらに進んで資産価値が下がる
売れない空き家を放置すると、時間の経過とともに老朽化が進み、資産価値が下がります。人が住んでいない住宅は換気や通水がおこなわれないため、湿気がこもりやすく、木材の腐食やカビの発生が進みやすくなるからです。小さな劣化でも、長期間放置すれば修繕が難しくなるでしょう。結果として建物としての評価がなくなり、資産価値の低下を招く要因になります。
固定資産税の負担が続く
売れない空き家を所有している限り、固定資産税・都市計画税の支払いは毎年続きます。実際に住んでいない空き家であっても、所有を続ける限り、税金の支払い義務はなくなりません。売れないことを理由に放置を続けると、税負担は積み重なります。税金の負担を考えても、空き家は早めに売却を検討したいところです。
相続に関する空き家の特例を利用できなくなる
相続した空き家を放置していると、相続に関する空き家の特例を利用できなくなるおそれがあります。こちらの特例は、一定の条件を満たしたうえで期限内に売却すれば、譲渡所得から最大3,000万円までを控除できる制度です。
正確な名称は「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」と呼ばれます。売却の判断を先延ばしにしていると、適用期限である相続開始日から3年が経過した年の12月31日を過ぎてしまうかもしれません。特例はいつまでも利用できるわけではないため、売却を決断した場合は早めに対応するようにしましょう。
防犯のリスクが高まる
長期間にわたって人の出入りがない住宅は、外から見ても管理されていないことがわかります。不審者の出入りなどのトラブルが発生しやすくなり、防犯上のリスクが高まるでしょう。
空き家が原因で犯罪や事故が発生した場合、責任を追及されることも考えられます。売却などの対応を先延ばしにして放置を続けると、想定していない被害に見舞われるかもしれません。
特定空き家に指定される可能性がある
売れない空き家を長期間放置すると、管理不十分と判断され、特定空き家に指定される可能性があります。特定空き家に指定されると、自治体から指導や勧告を受け、改善を求められます。
さらに住宅用地の特例が解除されるため、固定資産税の負担が大幅に増えるでしょう。売却をする場合も特定空き家に指定された事実を説明する必要があるため、買い手を集めることが困難になります。
売れない空き家の解体で利用できる補助金の特徴

売れない空き家は放置するリスクが大きいため、状況によっては解体を迫られる可能性があります。場合によっては、不動産会社と相談の結果、空き家を解体して土地として売却する戦略が取られることもあるでしょう。売れない空き家を解体する場合に利用できる自治体の補助金の特徴を紹介します。
自治体ごとに内容が大きく異なる
空き家の解体で利用できる補助金は、自治体ごとに内容が大きく異なります。対象となる建物の条件や申請できる人の要件も、地域によってさまざまです。補助金制度は、自治体の予算に基づいて運用されているため、申請時期や募集枠にも違いがあります。
年度ごとに募集がおこなわれ、早期に予算上限に達すると受付が終了するケースも少なくありません。そのため、補助金の有無と内容は、建物が属する自治体が提示する情報を確認しましょう。
危険性のある建物が補助の対象になりやすい
空き家解体の補助金では、建物そのものの価値よりも、周辺環境への危険性が重視される傾向にあります。老朽化が進み、倒壊の恐れがある建物は補助の対象になりやすいです。自治体にとっては、住民の安全確保が重要な目的であるため、危険性が高いと判断される空き家ほど優先的に支援されます。
工事前に補助金を受け取れないことが多い
空き家の解体で利用できる補助金は、申請をすればすぐに受け取れるものではありません。多くの制度では、工事完了後に自治体に報告をおこない、その内容が認められてから補助金が支給されます。解体工事の依頼時点では、補助金分も含めた金額をいったん全額支払う必要があります。
まとめ
空き家が売れない場合は、物件に原因があるのか、売り方に原因があるのかを切り分けて考えることが重要です。売り方の問題であれば、売り出し価格や売却方法を見直すことで売却できる可能性を高められます。
物件に問題がある場合でも売却方法には選択肢があるため、適切な方法を選ぶことで売却できるでしょう。売れない空き家の放置にはリスクがともなうため、少しでも早く行動を起こすことが重要になります。
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執筆者
長谷川 賢努
AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士
大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ




