事故物件の売却はどう進める?告知義務・価格相場・後悔しない売り方を徹底解説
事故物件は一般的な不動産と比べて売却のハードルが高く、進め方を間違えると想定以上に価格が下がったり、トラブルに発展したりするリスクもあります。一方で、正しい知識を持ち、適切な方法を選べば、事故物件であっても納得のいく条件で売却できるでしょう。
本記事では、事故物件の定義や告知義務の考え方、売却価格の目安、売却方法ごとの特徴、できるだけ有利に売るためのポイントまでわかりやすく解説します。
初めて事故物件を売却する方でも、判断に迷わず進められる内容になっているため、ぜひ最後までご覧ください。
記事の目次
そもそも事故物件とは?

「事故物件」と聞くと、多くの人は殺人や自殺など、人の死が起きた住宅を思い浮かべるでしょう。実際、不動産の現場でもそのようなイメージで語られることが少なくありません。ただし、事故物件という言葉は法律用語ではなく、実務上は瑕疵(かし)のある物件の一種として扱われています。
不動産取引で問題となるのは、買主や借主が、その事実を知っていたら契約しなかった可能性があるかどうかです。そのため、人の死に限らず、取引判断に影響を及ぼす欠陥がある物件は、広い意味で事故物件に含まれるでしょう。
不動産の瑕疵は、内容によって大きく3つに分類されます。それぞれ性質が異なり、告知義務の考え方やトラブルの発生リスクも変わるため、正確に理解しておくことが重要です。
以下では、3つの瑕疵に関して詳しく見ていきましょう。
心理的瑕疵
心理的瑕疵とは、建物や土地そのものに物理的な欠陥がなくても、住む人が精神的な抵抗感を覚える要因がある状態を指します。不動産取引で特にトラブルが発生するリスクがあるのは、心理的瑕疵です。
代表的な例は、物件内で殺人や自殺、事故死が発生したケースです。また、自然死であっても、長期間発見されず特殊清掃が必要になった場合などは、心理的に受け入れられないと感じる方が多く、心理的瑕疵に該当する可能性があります。
さらに、建物内部だけでなく、周辺環境が原因で心理的な不安を感じる場合も。例えば、墓地や火葬場が近接している、反社会的勢力の関係者が居住しているなどの事情は、環境的瑕疵と呼ばれ、心理的瑕疵の一種として扱われることがあります。
なお、国土交通省が2021年に示したガイドラインでは、人が亡くなっても必ずしも事故物件とは限らないことが明確にされています。死因や状況によっては、告知不要と判断されるケースもあるため、個別判断が必要です。
参考:「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました
物理的瑕疵
物理的瑕疵とは、土地や建物に客観的に確認できる欠陥や不具合が存在する状態を指します。心理的瑕疵と異なり、目に見える、あるいは調査によって明らかになる点が特徴です。
土地に関する物理的瑕疵としては、地中に埋まった廃棄物、土壌汚染、地盤の問題などが挙げられます。上記は、売主自身も把握していないまま取引されているケースが少なくありません。
建物の場合は、雨漏りや給排水管の不具合、構造部分の劣化、シロアリ被害などが代表例です。また、過去に火災が発生し、見た目では分かりにくいダメージが残っている場合も、物理的瑕疵に含まれます。
物理的瑕疵は、修繕費用や安全性に直結するため、買主・借主にとって極めて重要な判断材料です。告知を怠ると契約後に大きなトラブルへ発展しやすいため、注意しましょう。
法的瑕疵
法的瑕疵とは、建築基準法や都市計画法、消防法など、建築や利用に関する法令を満たしていない状態を指します。主に建物に関する問題であり、取引後に判明すると深刻な影響を及ぼすことがあります。
例えば、建築基準法で定められている容積率や建ぺい率を超えて建てられた建物は、法的瑕疵のある物件です。また、接道義務を満たしていない土地も、再建築が制限される可能性があるでしょう。
注意したいのが既存不適格物件です。これは、建築当時は合法だったものの、そのあとの法改正によって現行法に適合しなくなった建物を指します。この場合、違法建築ではないものの同じ規模での建て替えができないため、十分に注意しましょう。
法的瑕疵は、ローン審査や将来の資産価値にも影響するため、取引前に確認すべき重要事項の一つです。
事故物件には告知義務がある

事故物件を売却・賃貸する際には、売主や貸主、そして仲介する不動産会社に告知義務が課されます。告知義務とは、取引相手が契約するかどうかを判断するうえで、重要と考えられる情報を事前に伝えることです。
事故物件の場合、過去や現在に存在する瑕疵の内容を、買主・借主に正確に説明しなければなりません。特に不動産会社は、宅地建物取引業法に基づき、取引の判断に影響を与える事実を説明する責任があります。
人の死に関わる事案は、心理的瑕疵として購入意欲を大きく左右する要素です。これを意図的に伏せて取引をおこなった場合、告知義務違反だけでなく、重要事項説明義務違反にも該当する可能性があります。
告知を怠った結果、契約解除や損害賠償を求められるケースもめずらしくありません。事故物件を扱う際は、どこまで伝えるべきかを明確にして、慎重に対応することが重要です。
売却前に事故物件に該当しないか確認する
不動産を売却する際、「過去に人が亡くなっているけれど、これは事故物件になるのだろうか」と不安に感じる方は少なくありません。実際、建物内で人の死があったからといって、すべてが事故物件として扱われるわけではありません。
また、「どのような死が告知事項にあたるのか」「いつまで告知しなければならないのか」などの点は、売主にとって分かりにくい部分でもあります。判断を誤ると、あとからトラブルに発展する可能性もあるため、正確な理解が欠かせません。
告知義務の新しい判断基準
2021年10月、国土交通省は「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表しました。このガイドラインは、居住用不動産で人の死が発生した場合、どのようなケースで告知が必要となるのかを整理したものです。
「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」には法的な強制力はありません。しかし、不動産会社が告知義務を判断する際の重要な基準として扱われています。実際、行政処分の可否や実務判断の場面では、このガイドラインが参考にされるケースが多いです。
ガイドラインでは、死因や状況ごとに原則として告知が必要なケース、告知が不要と考えられるケースが例示されています。そのため、従来あいまいだった判断基準が一定程度明確化されました。
参考:「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました|国土交通省
事故物件として告知が必要になるケース
人の死に関する事案のうち、取引の相手方である買主・借主の判断に重大な影響を与えると考えられるものは、原則として告知が必要とされています。
具体的には、他殺や自殺が発生した場合は、告知対象になると考えることが一般的です。また、事故死であっても、日常生活のなかで通常想定される不慮の事故とはいえないケースや、原因がはっきりしない死亡に関しても告知が必要とされます。
さらに注意したいのは、自然死や不慮の事故であっても、特殊清掃がおこなわれた場合や、大規模なリフォームを余儀なくされたケースです。このような場合は、心理的瑕疵が生じる可能性が高く、告知義務が発生するでしょう。
なお、告知の対象は物件の室内に限られません。マンションなどの集合住宅では、共用部分で起きた事件・事故も該当する場合があります。
加えて、事件性が強いものや周囲に広く知られている事案、社会的な影響が大きいケースでも告知が求められる点には注意が必要です。
告知義務に該当しない可能性があるケース
一方で、すべての人の死が告知事項に該当するわけではありません。例えば、事件性のない病死や老衰などの自然死は、原則として告知不要となります。
また、賃貸物件に限っては、該当する事案でもおおむね3年以上経過していれば、告知しなくてもよいと判断される場合もあるでしょう。不慮の事故による死亡に関しても、状況によっては告知義務が生じないことがあります。
ただし、事件性が高い、近隣に広く知られている、社会的影響が大きいなどの事情がある場合は、告知義務が発生する可能性も。また、買主から直接問い合わせがあった場合には、告知義務がないケースであっても事実を伝えなければなりません。
引き渡し後に、近隣住民から情報が伝わりトラブルになるケースも少なくありません。そのため、法的に必須でない場合でも、基本的には事前に説明しておくほうが、結果的にリスクを抑えられるでしょう。
告知すべき内容とその範囲
告知義務がある場合、何をどこまで伝えるべきかに関しても、ガイドラインで考え方が示されています。基本的には事案が発生した時期ですが、特殊清掃などがおこなわれた場合は、その発覚時期を伝えます。さらに、発生場所・死因、そして特殊清掃や大規模修繕がおこなわれた事実を伝えなければなりません。
一方で、亡くなった方やその遺族の名誉やプライバシーにも十分配慮する必要があります。氏名や年齢、家族構成、住所、詳細な死の状況や発見時の様子などまで説明する必要はありません。
あくまで重要なのは、取引の判断に影響する事実を適切に伝えることです。必要以上に踏み込んだ説明をする義務はなく、事実関係を簡潔かつ正確に伝える姿勢が求められます。
いつまで告知義務は続くのか
売買を目的とした不動産取引では、人の死に関する告知義務に明確な期限は設けられていません。つまり、事故や事件が発生してから何年経過していても、告知が必要と判断されるケースがあります。
賃貸物件の場合は、おおむね3年が経過すれば告知不要とされるケースもありますが、売買取引ではこの考え方は当てはまりません。取引が何度繰り返されていても、過去の告知事項が消えるわけではない点に注意が必要です。
実際の判例では、数十年前に起きた事件に関して告知しなかったことが、告知義務違反と判断されたケースもあります。このことからも、時間が経てば問題にならないと安易に考えることは危険です。
売却を検討していて、少しでも該当する可能性がある場合は、自己判断せずに不動産会社に相談するようにしましょう。
事故物件の売却価格相場

事故物件は、心理的な抵抗を感じる買主が一定数いるため、一般的には通常の相場よりも低い価格で売却される傾向があります。市場に出しても敬遠されやすく、価格調整が必要になるケースも少なくありません。
ただし、事故物件に対する受け止め方は人によって大きく異なります。同じ出来事であっても「この程度なら気にならない」と考える方もいれば、「小さな事故でも避けたい」と感じる方もいるでしょう。
また、事件や事故からどれくらいの時間が経過しているかによって、印象が変わることも少なくありません。
そのため、事故物件を売却する際は、最初から大幅に値下げするのではなく、市場の反応を見ながら売り出し価格を柔軟に見直していくことが重要です。特に、自殺や他殺など内容によって価格への影響は大きく異なるため、自己判断で相場を決めることは危険です。
売却を検討する段階で、まずは事故物件の取り扱い実績がある不動産会社に相談することをおすすめします。
事故物件を売却する主な方法は3つ

事故物件の売却方法には、大きく分けて「仲介」「買取」「不動産オークション」の3つがあります。それぞれ特徴や向いているケースが異なるため、自身の状況に合った方法を選ぶことが大切です。
仲介で売却する
仲介とは、不動産会社に依頼して買主を探してもらう一般的な売却方法です。事故物件であっても、条件次第では仲介での売却は可能です。基本的な流れ自体は通常の不動産売却と変わりません。
売却の流れは、以下のようになります。
- STEP 1不動産会社に査定を依頼
- STEP 2不動産会社と媒介契約を締結
- STEP 3販売活動の開始
- STEP 4買主と売買契約を締結
- STEP 5決済・引き渡し
ただし、事故物件の場合は市場価格よりも安くなることが多く、不動産会社によっては取り扱い自体を断られるケースも。また、告知義務への対応や買主探しの難しさなど、通常の物件よりハードルが高くなりやすいです。
そのため、仲介で売却する場合は事故物件の取り扱い経験が豊富な不動産会社を選ぶことが重要です。経験の浅い会社では、トラブルの原因になるため注意しましょう。
不動産会社に直接買い取ってもらう
もう一つの方法が、不動産会社に直接物件を買い取ってもらう買取です。仲介では不動産会社はあくまで仲介役ですが、買取の場合は不動産会社が買主となります。
買取には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- 買取のメリット
- ・短期間で売却できる
- ・契約不適合責任が免責されることが多い
- 買取のデメリット
- ・売却価格が低くなりやすい
- ・査定価格が適正か判断しにくい
通常の仲介売却では、成約までに3〜6カ月程度かかることが一般的です。一方、買取であれば、不動産会社との条件が合意すればスムーズに進み、早ければ1週間〜1カ月ほどで売却が完了します。早期に現金化したい方におすすめになります。
また、買取は不動産会社への売却となるため、契約不適合責任が免責されるケースが多い点も特徴です。ただし、すべての契約で自動的に免責されるわけではないため、契約内容は事前に必ず確認しましょう。
一方で、買取のデメリットは売却価格です。不動産会社は、買い取った物件を再販して利益を出す必要があるため、査定価格は市場相場の7割前後になることが一般的です。事故物件の場合は、さらに低くなる可能性もあるでしょう。
また、事故物件は相場判断が難しいため、提示された査定額が妥当かどうかわからず不安になる方も多いでしょう。なかには、相場とかけ離れた安値で買い取ろうとする業者も存在します。後悔しないためにも、複数の不動産会社から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
不動産買取オークションで売却する
事故物件の売却方法は仲介や買取だけではありません。近年では、インターネットを活用した不動産買取オークションの売却手法も注目されています。一般的な不動産市場とは異なる仕組みのため、特徴や注意点を正しく理解したうえで検討することが重要です。
不動産買取オークションの仕組みとメリット・注意点
不動産買取オークションとは、インターネット上の専用サイトを通して、不動産をオークション形式で売却する方法です。物件情報を公開し、購入を希望する個人や業者が入札をおこない、もっとも高い金額を提示した入札者が落札者となります。一般の不動産取引と異なり、価格が市場ではなく入札によって決まる点が大きな特徴です。
この方法のメリットは、条件が合えば売主が希望する価格に近い金額で、比較的短期間に売却できる可能性があること。特に、立地や条件に魅力を感じる購入希望者が複数集まれば、想定以上の価格で落札されるケースもゼロではありません。
一方で、必ずしも高値で売れるとは限らない点には注意が必要です。入札が集まらなかった場合や競争が起きなかった場合には、予想よりも低い価格での売却を余儀なくされる可能性もあります。
また、仲介をおこなう不動産会社がいないため、落札者との契約手続きや条件調整、引き渡し後の問い合わせやクレーム対応などを、売主自身がおこなわなければなりません。
不動産買取オークションは、スピードや価格の可能性を重視したい方にとっては一つの選択肢になりますが、手間やリスクを踏まえたうえで慎重に検討することが大切です。
事故物件を売却するコツ

事故物件の売却は通常の不動産取引とは異なり、心理的なハードルや判断の難しさがともないます。ただ安くすれば売れるわけではなく、準備や進め方によって成約スピードや売却価格に大きな差が出ます。
ここでは、事故物件をできるだけスムーズに、かつ後悔なく売却するために押さえておきたいポイントを具体的に見ていきましょう。
値引きを前提に検討する
事故物件を売却するうえで、価格調整は避けて通れない要素です。一定の値引きをおこなうことで、物件に対する心理的な抵抗感が和らぎ、購入を検討する層が広がる可能性があります。
特に事故物件の場合、価格が安いなら検討したい買主は一定数存在します。
値引き幅の目安としては、自然死であれば相場の10%〜20%程度、自殺の場合は20%〜30%、他殺など事件性が強いケースでは40%〜50%程度とされることが一般的です。例えば、通常であれば3,000万円で売却できる物件が自殺に該当する場合、2,100万円〜2,400万円前後から検討するケースが多く見られるでしょう。
ただし、心理的瑕疵の感じ方には個人差があり、地域性や物件の条件によっても適正な価格は変わります。あくまで上記は参考値と考え、実際の価格設定は事故物件の取り扱いに慣れた不動産会社と相談しながら決めることが重要です。
修繕・清掃を徹底する
事故や事件の内容にもよりますが、売却前の修繕や清掃は必須と考えておいたほうがよいでしょう。床や壁に汚れが残っていたり、室内に違和感が残っていたりすると、内見の段階で購入意欲を大きく下げてしまいます。
特に注意したいことは、見た目だけでなく臭いや空気感です。事故物件は心理的な要因だけでなく、衛生面への不安から敬遠されることも少なくありません。丁寧な清掃をおこなえば、マイナスイメージを和らげる効果は十分に期待できます。
通常のハウスクリーニングで対応できない場合は、特殊清掃が必要になります。特殊清掃とは、体液や強い臭気など、一般的な清掃では除去できない汚れを専門的に処理する作業のことです。室内の状態によっては、部分的または全面的なリフォームを検討するのも一つの方法になるでしょう。
供養・お祓いをおこなう
供養やお祓いを済ませておくことは、売却の際に意外と大きな意味を持ちます。買主や借主にとっては安心材料になり、心理的な抵抗感が和らぐケースも少なくありません。
また、供養やお祓いをおこなっていること自体が、売主の誠実さや配慮として受け取られ、信頼感の向上につながることも。事故物件では、こうした目に見えない配慮が購入判断を後押しする場面もあります。
依頼先は、近隣の神社やお寺が一般的で、費用は数万円程度が目安です。ただし、死因や建物の規模、地域によって金額は異なるため、事前に確認しましょう。
不動産会社が対応可能か事前確認する
事故物件は、すべての不動産会社が取り扱えるわけではありません。会社によっては、事故物件を扱わない方針だったり、条件付きでのみ対応していたりするケースもあります。
そのため、査定を依頼する前に「事故物件の取り扱いが可能か」「過去に実績があるか」を確認しましょう。経験のない会社に依頼すると、販売戦略が立てられず、結果的に売却が長期化するリスクがあります。
専任媒介・専属専任媒介で依頼するのが基本
仲介で売却する場合、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類がありますが、事故物件の売却では専任媒介契約または専属専任媒介契約がおすすめです。
1社に売却活動を任せることで、担当者が責任を持って販売戦略を立てやすくなり、広告や買主への説明も一貫性を持っておこなえます。特に売りにくい事故物件では、情報管理と対応力が重要になるため、集中して動いてもらえる体制は大きなメリットとなるでしょう。
状況によっては時間を置く判断も必要
事件や事故の直後は、どうしても印象が強く残り、売却が難航しやすいです。一定期間を空けることで、出来事が風化し、買主の心理的抵抗が弱まる可能性も。
また、売主自身も精神的に疲弊している状態では、冷静な判断ができないことがあります。無理に急がず、落ち着いてから売却を進めましょう。
ただし、どれくらい期間を空けるべきかどうかは事案の内容によって異なるため、不動産会社と相談しながら判断しましょう。
更地にして売却・活用する
建物としての売却が難しい場合、更地にして土地として売却する方法もあります。建物のイメージがなくなることで、心理的瑕疵の印象が薄れ、売却しやすくなるケースも。特に立地条件がよいエリアでは、更地のほうが需要は高まるかもしれません。
ただし、更地にしても告知義務は原則として残る点には注意が必要です。また、解体費用や固定資産税の増加、再建築不可物件の場合は建て直しができなくなるリスクも。
一時的に駐車場など別用途で活用し、収益を得ながら時間を置く方法もあります。いずれにしても不動産会社と十分に相談したうえで判断することが重要です。
事故物件をできるだけ高く売却する方法は?

事故物件の売却では、「早く手放したいのか」「少し時間がかかっても価格を重視したいのか」によって、取るべき戦略が大きく変わります。特に「できるだけ高く売りたい」と考える場合は、売却方法の選択や価格設定の考え方が重要になります。
ここでは、事故物件でも価格をできる限り落とさずに売却するための考え方と実践ポイントを見ていきましょう。
仲介売却を選ぶ
事故物件を売却する方法のなかで、価格を最優先したい場合に適しているのが仲介による売却です。不動産買取会社に直接買い取ってもらう方法は、短期間で現金化できる反面、再販を前提とした価格になるため、どうしても相場より安くなるでしょう。
一方、仲介であれば、購入希望者を広く募ることができるため、条件次第ではより高値での売却を目指すことが可能です。
事故物件であっても、「価格次第では購入したい」と考える層は一定数存在します。そのため、最初から大きく値下げするのではなく、反応を見ながら段階的に価格調整をおこなう方法が有効です。
一度下げた価格をあとから引き上げるのは現実的に難しいため、初期の価格設定は特に慎重におこなうようにしましょう。
経験豊富な不動産会社に依頼する
事故物件は、通常の不動産と比べて売却の難易度が高く、買主への説明や告知対応、価格調整の判断など、専門的な対応が求められます。そのため、どの不動産会社に任せるかは、売却価格に直結しません。
物件の状況や事故の内容を正確に把握し、市場でどの程度の価格帯なら反応が見込めるのかを見極められる不動産会社であれば、無理のない範囲で高値を狙う戦略を立てられるでしょう。
一方で、事故物件の取り扱い経験が少ない会社では、過度に安い価格を提案されたり、売却が長期化したりするリスクもあります。
事故物件でも、どうすれば一番条件よく売れるのかの視点で提案してくれるかどうかを見極めることが重要です。不安点を丁寧に説明してくれる不動産会社を選び、売却の成立を目指しましょう。
まとめ
事故物件の売却は、一般的な不動産取引と比べて注意すべき点が多く、特に告知義務の判断や価格設定の考え方が結果を大きく左右します。人の死が関係する物件であっても、必ずしも売却できないわけではありません。物件の状況や事故の内容、売却方法の選び方によっては、十分に買い手を見つけることが可能です。
事故物件の売却は、不安や迷いがつきものですが、正しい情報をもとにひとつずつ判断していけば、後悔のない結果につながります。まずは信頼できる不動産会社に相談し、自身の物件がどのような条件で売却できるのかを把握することから始めてみましょう。
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執筆者
民辻 伸也
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ



