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不動産査定から成約までの「価格」の違いとは

不動産査定から成約までの「価格」の違いとは
一般的に不動産の売却は、「査定価格」「売出価格」「成約価格」という三つの価格を経て行われます。この三つは全く異なる数字になることも珍しくありません。査定価格だけで資金計画を練らないよう、それぞれの価格の意味を理解しておきましょう。

「査定価格」「売出価格」「成約価格」の違い

【査定価格】
不動産を売りたいとき、誰もが「一体いくらで売れるのか」を知りたいと思うはずです。最初にその目安となるのが「査定価格」です。査定価格は、仲介を担当する不動産会社が、一定のデータや現地調査から見積もりをした価格です。査定には「簡易査定」と「詳細査定」という二種類の方法があります。簡易査定は、対象不動産の外面的な情報や数値から機械的にはじき出す価格です。一方、詳細査定は不動産会社の担当者が実際に物件現地を見て調査し、その細かな結果を反映した価格となります。不動産情報サイトなどにある「一括査定サービス」は、簡易査定に分類されます。

査定価格は、あくまでも「予想値」「参考値」程度のもので、実際の売却価格とは異なる可能性が高いです。しかし、数時間から二日程度で大まかな売却額を知ることができるというメリットがあります。

【売出価格】
「売出価格」は、査定価格を経て、実際に不動産の販売を始めるときの価格です。簡易査定や詳細査定の結果を参考にしながら、売主と売却を仲介する不動産会社が打ち合わせを行った上で決定します。売主の希望や資金的な事情、地域相場やそのときの供給状況などを加味して決定されます。

【成約価格】
「成約価格」は、売主と買主が最終的に合意した実取引価格です。売買契約書に記載される価格とも言えます。〈売出価格=成約価格〉になるのが理想ですが、売出価格よりも低い数字になることもあります。

「不動産売出価格」の設定について

「不動産売出価格」の設定について

査定価格は、前述の一括査定サービスを利用すれば、複数の不動産会社から簡単に取得できます。また、電話やメールで不動産会社に依頼することもできます。

一方、「売出価格」は、まず売主の「いくらで売りたいか」が基になります。ただ、高すぎれば売れませんし、安すぎれば損をしてしまいますから、「適正価格」を探っていくことになります。例えば買い換えの場合はその購入資金になるわけですから、そちらの資金計画を立てた上で、査定価格と不動産会社の意見を参考に決めていきます。

このように、何が「適正」なのかは売却する理由や状況によって違ってきます。実際には自分の売却目的を踏まえて、売出価格を設定することになります。

「不動産適正価格」とは何か

では、「適正価格」を外してしまうと具体的にどうなるのでしょうか。まず買主にとっての「適正」を外す、つまり、買主が考える物件の価値よりも高い価格設定をすると、買主が付かず、徐々に値下げせざるを得なくなります。結果的に売れるまでに時間がかかり、その分の費用も余計に掛かることになります。時間とお金の双方を無駄にしてしまうわけです。買い換えの場合は、資金の段取りが組めずに、予定していた物件が買えなくなるといった事態も起きるかもしれません。

一方で、「売出価格」は売主が納得した金額を設定する必要があります。不動産会社に一任してしまうと、後々「もっと高く売れたのでは?」などといった疑念が湧いてしまうかもしれません。そうならないためには、まず査定価格の段階から算定の根拠を確認しましょう。自分が想定した価格とかい離があるならば、その理由を理解しておくべきです。その結果、それが適正価格なのだと納得できればよいのではないでしょうか。

このように「売りたい価格」と「売れる価格」をうまく折衷して、「適正な売出価格」での販売を目指すことになります。そして、買い手が付いたときに、売出価格と成約価格の差が少ないほど、売却は成功したと言えます。

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