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マンション売却時の必要書類は?入手方法と揃えるためのポイントを解説

マンションの売却時に必要な書類についてわかりやすく解説します
マンションの売却では、媒介契約から引き渡し、確定申告まで多くの書類が求められます。書類の準備が滞ると、引き渡しが遅れる場合や正しく税金を納められないことも。すぐに用意できない書類もあるため、計画的な準備が欠かせません。

本記事では、マンションの売却時に必要な書類をまとめ、入手方法や揃えるためのポイントを解説します。記事を読むことで、マンションの売却時に必要な書類を効率よく集める方法がわかるようになるでしょう。

マンション売却時の必要書類

マンション売却時の必要書類をまとめます
マンション売却時の必要書類をまとめます

マンションを売却する際には、契約・引き渡しから確定申告をおこなうまでに必要な書類が数多くあります。効率よく準備を進めるためには、必要書類を整理するところから始めましょう。

マンションの売却を進めるにあたって、基本的に必須となる書類と必要に応じて求められる書類の2種類があります。優先順位を付けるために、必須になりやすい書類は表中で〇と示しています。

マンション売却の契約・引き渡しに必要な書類

マンション売却の契約・引き渡しに必要な書類を紹介します
マンション売却の契約・引き渡しに必要な書類を紹介します

マンションの売却における契約時・引き渡し時に必要となる16種類の書類の概要と入手方法をそれぞれ詳しく紹介します。

本人確認書類

本人確認書類は、一般的には運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなど、顔写真付きの身分証明書が用いられます。不動産会社との契約からマンションの引き渡しまで、複数の場面で提示を求められる書類です。

健康保険証のような顔写真のない身分証明書でも本人確認ができる場合もありますが、2種類以上の書類を求められることがあるので、顔写真付きの身分証明書が好ましいでしょう。共有名義の場合は、共有者全員の本人確認書類が必要です。無用なトラブルを避けるために、共有者には事前に本人確認で提示する身分証明書を確認しておきましょう。

本人確認書類は、媒介契約時や売買契約、引き渡しの際に使います。特に引き渡し時の所有権移転登記を依頼する際に、司法書士にも提示します。

登記済証・登記識別情報

登記済証・登記識別情報は、マンションの所有者であることを示す書類であり、所有権移転登記の際に確認されます。2005年以前の登記では紙の登記済証、2005年以降は12桁の英数字で構成された登記識別情報が交付されています。登記済証・登記識別情報は原則として再発行されないため、購入時の登記関連書類を確認しましょう。

紛失してしまった場合は、司法書士が本人確認情報を作成すれば登記手続きを進められます。紛失に気付いた段階で、早めに登記手続きを依頼する司法書士に相談するようにしましょう。

固定資産税・都市計画税納税通知書

固定資産税・都市計画税納税通知書は、マンションの固定資産税・都市計画税の納税額を通知する書類です。売却時には買主に固定資産税の負担の説明と、引き渡し時の清算に活用されます。

固定資産税と都市計画税は1月1日時点の所有者に課されるため、一般的には売買時に引き渡し日を基準に売主と買主で日割り清算をして平等に負担します。通知書は毎年自治体から郵送されるため、直近分を保管していれば用意の必要はありません。

紛失してしまった場合は、市区町村役場で固定資産税評価証明書を取得します。発行手数料は各市区町村役場で異なりますが、300円~400円で入手可能です。

実印・印鑑登録証明書

実印と印鑑登録証明書は、売買契約書の押印や所有権移転登記の手続きで必要な書類です。印鑑登録証明書は市区町村役場で発行され、有効期限は3カ月以内です。そのため、契約日が決まる前に用意しても有効期限が切れてしまう可能性があるため、必要なタイミングにあわせて用意するようにしましょう。

初めて印鑑登録をする場合は、市区町村役場の窓口で手続きをおこないます。すでに登録している場合は、自治体が対応している場合のみコンビニ交付サービスでも発行可能です。印鑑登録証明書の発行には、一般的に1通ごとに数百円程度かかります。

住民票・戸籍附表

住民票は現在の住所や氏名、生年月日などを証明する書類で、所有権移転登記に必要です。戸籍附票は住所の履歴を記録したものであり、過去の住所変更の経緯を証明する際に用いられます。売却前に引越しを済ませており、旧居との住所が異なる場合は戸籍附票も確保しておきましょう。

住民票は現住所の市区町村役場、戸籍附表は本籍地の市区町村役場で発行できます。どちらも1通数百円程度で発行可能であり、自治体によってはコンビニ交付でも取得できます。

住宅ローンの返済予定表・残高証明書

住宅ローンの返済予定表・残高証明書は、売却するマンションの住宅ローンの返済状況を記録している書類です。売却時にはローンの一括返済、抵当権の抹消が必要になります。住宅ローンの残債と抵当権が残っている場合は、契約・引き渡しで提示が求められるため、必ず用意しなければならない書類です。

どちらも住宅ローンを契約している金融機関から送付されているため、あらためて用意する必要はありません。ただし、紛失している場合は金融機関に相談して、再発行を依頼しましょう。

売買契約書・重要事項説明書

売買契約書と重要事項説明書は、売却するマンションの購入価格や契約条件、物件の権利関係・制限事項などが記載されています。不動産会社・買主に物件の状況を説明し、理解してもらうために必要な書類です。確定申告時にも物件の取得費を把握し、税金の計算をおこなうための根拠書類にもなるため、契約・引き渡し後も大切に保管するようにしましょう。

マンション購入時に受け取った原本や控えを保管していれば、用意の必要はありません。見つからない場合は、マンションの購入を仲介した不動産会社に連絡します。保存期間が過ぎていてコピーをもらえなかった場合は、新たに売却の仲介を依頼する不動産会社に売買契約書・重要事項説明書がないことを伝えて相談するようにしましょう。

間取り図

間取り図は、マンションの部屋の構造や設備配置を示す基本資料です。売却活動では不動産会社の広告作成や、内見案内に使用されます。売買契約書・重要事項説明書と同様にマンションの購入時に不動産会社から受け取っているため、手元にあればあらためて用意する必要はありません。紛失して当時の図面が残っていない場合は、事前に不動産会社に相談しましょう。

購入時のパンフレット

マンション購入時のパンフレットも、構造・設備仕様・共用部分の説明などがまとめられているため、不動産会社や買主に物件の内容を説明する参考資料として役立ちます。マンションの構造や部屋の間取り図などもマンションに関する細かい情報が載っているので、購入時のパンフレットが残っていた場合はあわせて用意しましょう。

リフォーム履歴の確認書類

リフォーム履歴の確認書類は、過去の工事内容を証明する書類であり、見積書・請求書・保証書などが該当します。売却時には告知書として買主にリフォームの履歴を共有するため、リフォーム工事をおこなった場合は必須になる書類です。リフォーム会社から受け取った書類を不動産会社・買主にまとめて提示できるようにしましょう。

管理費・修繕積立金の確認書類

管理費・修繕積立金の確認書類は、買主に毎月の管理費・修繕積立金の支払額や、管理組合の運営状況を説明して引き継ぐための書類です。管理組合、または管理組合が委託する管理会社から送付されるため、紛失などがあった場合は発行元に相談するようにしましょう。

耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書

耐震診断報告書やアスベスト使用調査報告書は、建物の安全性やアスベストの使用状況を示す書類です。過去に診断・調査が実施されている場合は、買主への実施状況の告知が義務付けられています。

該当する診断・調査が実施されているなら、マンションの管理組合から報告書が配布されていることが多いです。万が一、実施された事実があっても配布されていない場合は、媒介契約をしている不動産会社に相談しましょう。

管理規約・使用細則・長期修繕計画書・総会議事録

管理規約・使用細則・長期修繕計画書・総会議事録は、マンション管理組合の運営方針、生活ルール、修繕計画、決議内容を確認できる書類です。書類の種類が多いですが、すべて買主が購入するマンションの状況を把握するために必要となります。入居時に配布されることが一般的ですが、書類が手元にない場合は管理組合から取り寄せましょう。

設備取扱説明書・保証書

設備取扱説明書や保証書は、エアコン・給湯器、換気設備・水回り設備などの使い方や保証内容を示す書類です。買主が設備の状態を把握するために必要となります。マンションの購入時や設備の設置時に受け取ることが一般的です。

銀行通帳・キャッシュカード

銀行通帳やキャッシュカードは、売買代金を受け取る振込先口座の確認に使用されます。また引き渡し時には、当日に金融機関で決済の手続きを進めるため、口座情報が確認できる書類が必要です。引き渡し日当日には、マンションの売却代金を受け取る口座の銀行通帳・キャッシュカードを用意しておきましょう。

遺産分割協議書

遺産分割協議書は、相続でマンションを取得した場合に、相続人全員の遺産の分割状況を記録する書類です。遺産分割のためにマンションを売却する場合は、被相続人から相続人への名義変更が求められます。

名義変更は相続登記により手続きできますが、相続登記には遺産分割協議書の用意が必要です。遺産分割中のマンションの売却では、遺産分割協議書の作成が必須であるため、必ず用意しておきましょう。

マンション売却の確定申告に必要な書類

マンション売却の確定申告に必要な書類を紹介します
マンション売却の確定申告に必要な書類を紹介します

次に、マンション売却の引き渡しを終えたあとに求められる確定申告に必要な書類を紹介します。

確定申告書(第一表・第二表)

確定申告書は、マンションの売却で発生した譲渡所得の申告に使用する基本書類です。所得・控除・税額などを記載する中心的な申告書であり、全体の内容をまとめる第一表と、詳細や根拠を記載する第二表に分かれます。

国税庁のホームページからダウンロードできるほか、税務署の窓口でも入手できます。また、e-Taxを利用して確定申告をおこなう場合は、電子申告になるため、紙の書類を用意する必要はありません。

譲渡所得の内訳書

譲渡所得の内訳書は、マンションの売却で生じた利益や損失を計算するために必要な書類で、譲渡所得の計算に必要になる売却価格・取得費・譲渡費用などの内訳を整理するために使用します。電子申告をしない場合は、確定申告書と同様に国税庁のホームページからダウンロード可能です。

売却内容を証明する契約書・領収書

売却内容を証明する書類として、売買契約書と仲介手数料・司法書士報酬など売却に必要な費用を支払ったことを証明できる領収書が必須です。。譲渡所得の内訳書を作成し、正確な譲渡所得を計算するためには、売却に関わる契約書・領収書の適切な保管が欠かせません。

契約書・領収書の申告時の提出は不要ですが、税務署から提出を求められた場合は提示する必要があるため、保存が義務付けられています。紛失した場合は、発行元に再発行を依頼する対処方法があります。しかし、すべての書類を再入手できるとは限らないため、最初から整理して保管しておきましましょう。

また、マンション購入時の売買契約書が見つからず、取得費がわからない場合は、売却価格の5%を取得費とする概算取得費を利用できます。概算取得費は実際の取得費よりも大幅に低くなるため、支払う税金が増加することも。譲渡費用として計上できる領収書を一つなくすたびに支払う税金が割高になるため、確定申告時には売却に関連する契約書・領収書をすべて集められるようにしましょう。

各種特例に必要な書類

居住用財産3,000万円控除などの各種節税制度の特例を利用する場合、条件を証明するための追加書類が必要です。例えば、居住用財産3,000万円控除であれば、売却時に住民票に記載されていた住所と売却したマンションの所在地が異なる場合、戸籍附票の写しの提出が求められます。利用する特例によって添付する追加書類は変わるため、必要書類を事前に確認し、不足がないように整理しておきましょう。

マンション売却時スムーズに必要書類を提示するためのポイント

マンション売却をスムーズに進めるために必要書類に関するポイントを紹介します
マンション売却をスムーズに進めるために必要書類に関するポイントを紹介します

マンション売却時には数多くの書類が必要になります。自治体や不動産会社で発行できるものもあれば、自分で保管しているものも。ここでは、マンション売却を滞りなく進めるために、必要書類を揃える際のポイントを解説します。

毎日少しずつ準備する

マンションの売却で必要となる書類は、枚数が多く種類も幅広いため、すべてを一気に揃えようとすると負担が大きくなります。そのため、書類の準備は毎日少しずつ進めることで着実に用意できます。書類をリストにまとめて、用意できた書類と集められていない書類を整理するようにしましょう。

必要書類は自宅に保管されている書類もあるため、必ずしも手続きをして発行するものではなく、手間がかかるとは限りません。売却を決意したら早めに準備を始めることで、無理なく必要書類を集められるでしょう。

確定申告の書類は売却活動中に意識して確保する

マンションの売却後、翌年の確定申告をする際に、多くの書類が必要になります。売却活動の段階から、確定申告で必要となる書類を意識して確保しておくことが大切です。売買契約書・領収書など、譲渡所得の計算に必要な書類は売却活動中に用意しなければなりません。

翌年の確定申告が近づいてから自宅を探し始めるよりも、売却活動中に必要な書類を整理したほうが手間もかからないでしょう。確定申告に向けて、売却活動から必要書類の準備を意識するようにしましょう。

書類の用意で困ったら不動産会社・税務署に相談する

書類が見つからない、必要な書類がわからない場合は、売却活動中は不動産会社に、確定申告では税務署や税理士に相談するようにしましょう。さまざまな事情から書類の用意が難しい状態であっても、専門家に相談すれば、どのように対処するべきかを教えてくれます。

書類の不備がトラブルになるケースは、直前まで書類が不足していることに気付かなかったことで、売却の手続き自体が滞ることです。事前に余裕をもって対処できる期間があるなら、書類の不備に対してはほぼ対応できます。そのため、書類の用意でわからないことや不安なことがあれば、早めに専門家に相談しましょう。

まとめ

マンションの売却では、契約から引き渡し、さらに確定申告までに必要となる書類が多いため、早めの準備が求められます。すでに受け取っており、自宅に保管されている書類も多いため、売却を決めた段階から少しずつ整理を始めましょう。新たに発行が必要な書類や、紛失している書類を事前に把握して、早めに対応すれば、必要なタイミングに必要な書類を確保できるようになります。

長谷川 賢努

執筆者

長谷川 賢努

AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士

大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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