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住宅ローン審査で通りやすい人の傾向を解説!審査を厳しくしている要因は意外な点

住宅ローンの審査に通りやすい人の傾向を解説します
住宅ローンの審査に通りやすい人にはどのような傾向があるのでしょうか。また、自分ではそれほど問題と思っていなかった点が、住宅ローンの審査に通らない要因になることもあります。

そこで本記事では、住宅ローンの審査に通りやすい人の傾向を解説します。また、審査に通らない要因や通りやすくする方法もあわせて解説するため、住宅購入を検討している人はぜひ参考にしてください。

住宅ローンの審査に通りやすい人の傾向は?

住宅ローンの審査に通りやすい人はどのような人でしょうか
住宅ローンの審査に通りやすい人はどのような人でしょうか

住宅ローンの審査では、各金融機関の独自条件もありますが、おおむね傾向が決まっています。以下のような条件を満たす人は、住宅ローン審査に通りやすい人です。

申込内容や提出書類に不備がない

当然ですが、事前審査で提出した書類内容と本審査の書類内容が異なるなどの不備がないのは重要です。不備がなければ、不足情報や誤った情報を修正する必要がないので、住宅ローン審査は迅速に進みます。また、不備のない申込内容と提出書類は、借り手の信頼性を高めます。金融機関は信頼性のある借り手に対して審査を通過させ、返済能力を高く評価します。不備がないことは審査の進行を円滑にするとともに、借り手にとって有利に働きます。

信用情報に傷がない

信用情報に傷がないのは、住宅ローン審査でとても重要なポイントです。信用情報に問題がないのは、金融機関にとってリスクが低いことを意味します。信頼性の高い借り手と判断されると、審査自体が迅速に進むだけでなく、金利が優遇されたりと好条件な住宅ローン融資を受けられる可能性もあります。条件のよい住宅ローンを組めば、返済負担が軽減され、返済額の家計に占める割合も低く抑えられます。信用情報に傷がなく、金融機関からよい印象を持ってもらえるのは審査を有利にすすめるのに重要です。

年齢が若い

住宅ローンは申し込み年齢や完済予定の年齢が若いほど、審査に通りやすくなります。年齢が若いと、昇進などで今後収入が上がるのを期待できるためです。また、病気などで収入が途絶える心配も、中高年に比べて低くなります。年齢が若いと、住宅ローン審査で今後の伸びしろを評価してもらえ有利に働きます。

年収が高い

年収が高ければ、通常、支出や借り入れに対する余裕があります。支払い能力が高ければ信用度が高くなり、住宅ローンの審査で有利に働く可能性が高まります。また、頭金も多く用意できれば、ローンの借入額を低くできます。結果、金融機関からすると貸し倒れのリスクが低減されるため、審査に通りやすくなります。

返済負担率が低い

返済負担率が低い場合も、住宅ローン審査に通りやすくなります。返済負担率とは、個人や家庭の収入に対する借入額の比率を示します。例えば、年収500万円の人が年間で100万円の住宅ローン返済をしているとします。すると返済負担率は20%になります。返済負担率は20%以下が無理なく返済できる目安になります。反対に、返済負担率が30%を超えてくると年収にもよりますが、住宅ローン審査に通りにくくなります。できる限り返済負担率を低くするのが審査通過のポイントです。

安定した職種で勤続年数が長い

収入が安定した職業についていて、勤続年数も長い場合は、審査によい影響を与えます。例えば、医師の場合、医療分野は常に需要があるため、職業的な安定性が高いです。また、医師は長期間にわたる教育とトレーニングを経て職業に就くため、勤続年数が長い傾向にあります。

また、公務員は政府や地方自治体で働くため、職業的な安定性が高いです。公務員は給与や福利厚生が安定しており、勤続年数も長くなる傾向があります。有名な大企業に勤めている人も、職業の評価が有利に働く場合があります。紹介したような職業の場合、住宅ローン審査で信頼性が高く、返済能力があると判断されやすいです。

健康状態がよい

健康状態が良好であれば、仕事を継続し安定した収入を維持できる可能性が高まります。収入が一定で安定しているのは、住宅ローンの返済能力を判断する時によい影響を与えます。また、健康であれば医療費や医療関連の負担が少なくて済みます。医療費に充てる資金が少なく済めば、住宅ローンの返済に充てる資金を確保でき、返済能力が向上します。健康だと経済的に安定し、住宅ローンの返済能力を向上させるので、住宅ローンの審査に通りやすくなります。

住宅ローンの審査に通りにくい原因は?

住宅ローン審査に通りにくい人の要因は何でしょうか
住宅ローン審査に通りにくい人の要因は何でしょうか

住宅ローンの審査に通りやすい人がいる一方で、通りにくい人も存在します。審査に通りにくい要因のなかには、自分としては大きな問題ではないように思うものもあります。住宅ローンの審査を厳しくする要因は以下のような項目です。

収入や立場が不安定な職業

収入や立場が不安定な職業に従事している場合、住宅ローンの審査で返済能力に対する不安が高まり、審査に通りにくくなる場合があります。

例えば、個人事業主、フリーター、派遣社員、アルバイト・パート、無職など、収入が不安定な職業だと、月々の収入が一定しないことを一因に審査が通りにくくなる場合があります。収入の不確実性を理由に、返済能力を疑問視する場合があります。

また、雇用の不安定性が高く、離職率が増加している業種も敬遠される場合があります。
例えば介護職員や美容師、歩合制の営業職などです。

自営業者や会社経営者でも、融資を受けられない場合があります。節税のために経費を積極的に使って事業の利益を低く抑えている場合は、借り手の返済能力に懸念をもたれます。

信用情報に傷がある

信用情報に傷があると、住宅ローンの審査で不利になります。金額が高額でなくても、悪意がなくても、カードローンの延滞が続いたりする場合には、信用情報に傷がついてしまう可能性が高まります。

例えば、住所変更の申請を忘れてしまい、督促状が届かず未払いが解消できなかった場合、悪意はなくても信用情報には履歴が残ってしまいます。また、クレジットカードの支払いを定期的にせず、カード会社から督促が来てから支払う行為が数回続いてしまった場合などにも信用情報に傷がついてしまいます。

うっかりやってしまった行為で、自分としては大きな事態ではないと思っていても、意外なところで審査には影響を与える場合があります。

フルローンに近い融資額

フルローンに近い融資額を希望する場合、住宅ローンの審査に通りにくくなります。融資額が高いと、月々の返済負担も大きくなります。審査では借り手の返済能力を評価する際、月々の支払いが収入に対して負担が大きくならないかを検討します。フルローンに近い融資額では、返済負担が非常に高くなるため、返済能力を懸念される要因になります。

また、フルローンに近い融資額を希望する時、頭金を入れることができないと、自己資金が不足しているとみられやすくなります。自己資金が不足していると、借り手の財政的な安定性に疑念を持たれます。

結果として、信用度が低くなってしまい、高額融資の審査で不利に働く可能性があります。

住宅ローンの審査に通りやすくなるには

住宅ローンの審査に通りやすくなることはできるのでしょうか
住宅ローンの審査に通りやすくなることはできるのでしょうか

住宅ローンの審査で通りにくかった人が、審査に通りやすくなるには、審査で不利に働いたと考えられる条件を改善するなどいくつかの方法があります。この章では、住宅ローンの審査に通りやすくするための方法を紹介します。

借入希望額を減らす

借入希望額を減らすと、住宅ローンの審査に通りやすくなります。まず、借入希望額を減らすと、月々の返済額が低くなります。審査で借り手の返済能力を評価する際、月々の支払いが収入に対して適切かを確認します。借入希望額を減らすことで、返済負担が軽減され、返済能力が高まります。

また、借入希望額を減らすと、自己資金の比率が向上します。自己資金は住宅ローンの頭金や諸費用(手数料、税金など)に充てられます。自己資金の比率が高いほど、金融機関は借り手の財政的な安定性を高く評価し、審査に有利に働きます。

さらに、借入希望額を減らすと、鑑定評価額に近づき、不動産担保の価値と借入額の整合性が取れます。借入希望額を減らせば、審査に通りやすくなる効果が期待できます。

他のローンを減らす

他のローンを減らせば、月々の返済負担が軽くなります。住宅ローンの審査で重視されるのは、借り手の返済能力です。他のローンの返済負担が大きい場合、住宅ローンの月々の支払いを追加できる余裕が減少し、審査に不利に働いてしまいます。

また、他のローンが減れば、借り手の債務比率が改善されます。住宅ローン審査では、債務比率が一定の基準を超えないことが求められます。他のローンを減らせば、基準を満たしやすくなり審査が有利に進行します。すると結果的に、信用スコアの向上につながります。信用スコアは過去の信用履歴や債務の状況に影響を受けます。他のローンの残高を減らせば信用スコアが向上し、金融機関に対する信用度が高まるので、住宅ローン審査に有利に働きます。

頭金を増やす

頭金を増やすと、住宅ローンの審査に通りやすくなります。

頭金を支払うと住宅ローンの融資額が減るため、借り手の債務比率が改善されます。住宅ローン審査では、借り手の収入に対する債務の割合が重要な要素になります。頭金を支払うことで、債務比率が低くなり、審査に有利に働きます。

また、融資額が少なくなると機関の融資リスクが低くなります。金融機関は融資リスクを最小限に抑えたいと考えるため、低い融資額のほうが審査がスムーズに進行しやすくなります。

勤続年数や年収が増えてから審査を受ける

住宅ローン審査では、勤続年数が長く、年収も高いほうが審査に通りやすく、有利な条件で融資を受けられます。そのため、転職したばかりで勤続年数が短かったり、年収が上がっていない場合には、数年たってあらためて住宅ローン審査に挑戦すると審査に通りやすくなる可能性があります。

借り手が若い頃から一貫して同じ会社で勤務し、毎年の昇給によって年収が増加している事実は、安定性と返済能力を示す強力な証拠になります。審査に有利に働く状況になるまで待つのも一つの方法です。

フラット35を利用する

フラット35は、通常の金融機関とは異なり、住宅金融支援機構と提携した特別な住宅ローンです。フラット35の審査基準では、住宅の品質が審査項目で重要になります。低酸素住宅や長期優良住宅など、地球環境に配慮した住宅の場合、住宅ローン審査に有利に働きます。フラット35の住宅ローン審査では、年収や勤続年数、職業の種類を問いません。そのため、通常のローン審査で通過しにくい状況下では、住宅ローンの選択肢として利用する価値があります。

この記事のまとめ

住宅ローン審査に通りやすい条件は?

住宅ローンの審査では、申込内容や提出書類に不備がないことが前提で、健康で年齢が若く、安定した職種で勤続年数が長く年収が高いなどに当てはまると審査に通りやすい傾向があります。また、信用情報に傷がないことも、審査に通りやすい条件です。

住宅ローン審査に通りにくい人の特徴は?

自営業や個人事業主、フリーターに派遣社員など、収入や立場が不安定な職業とみられると審査に通りにくくなります。また、クレジットカードの延滞など信用情報に傷がある場合も、審査に通りにくくなる原因となります。さらに、フルローンに近い融資額だと審査に通りにくくなるため注意が必要です。

住宅ローン審査に通りやすくするコツは?

住宅ローンの審査に通りやすくなるには、借入希望額を減らしたり、頭金を増やすのが効果的です。さらに、他で借りているローンがあれば整理したり、勤続年数が短ければ数年待って年収も増やしてから審査を受けると効果的です。また、年収や勤続年数に関する審査が比較的優しいフラット35を検討するなども対策になります。

本記事では、住宅ローン審査に通りやすい人の傾向を解説しました。また、住宅ローン審査が通らない要因も解説しました。さらに、住宅ローン審査に通りにくい人が、通りやすくする方法もあわせて解説しました。なかには、自分の努力で改善できるものもあります。住宅ローン審査に万全の体制で臨むためにも、ぜひ参考にしてみてください。

長谷川賢努

執筆者

長谷川賢努

AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士

大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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