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住宅ローンの在籍確認とは?おこなわれるタイミングや内容について解説

住宅ローンにおける在籍確認のタイミングや内容を解説します
住宅ローンを組む際、金融機関から勤務先に在籍確認の電話がかかってくることがあります。「いつかかってくる?」「出られなかった場合は審査に落ちる?」など、今回は在籍確認に関するよくある疑問を解消していきます。
事前に対策をしておけば、安心して電話を待つことができます。この記事を参考に、対策をしておきましょう。

住宅ローンにおける在籍確認とは

住宅ローンにおける在籍確認には2つの目的があります
住宅ローンにおける在籍確認には2つの目的があります

在籍確認とは、金融機関が住宅ローンの申込者が申告した勤務先に電話をかけるなどして、本当にその勤務先に在籍しているかを確認する手続きです。例えば、auじぶん銀行のホームページには「ご登録いただいた勤務先にご在勤の確認ため、auじぶん銀行住宅ローンセンターよりお電話する場合があります。」と明記されています。

在籍確認の目的

在籍確認の目的は2つあります。それは「申込者が申告した勤務先が実在しているか」「申告した勤務先に勤めているか」を確認するためです。

住宅ローンを申し込む際には、源泉徴収票を提出します。しかし、源泉徴収票は年に一度しか発行されないため、ローンを申し込んだ時点でその会社に勤めているかの証明にはなりません。源泉徴収票が発行されて、ローンを申し込むまでの間に、転職をしている可能性もあります。
また申込者が申告した勤務先が実在しているか、現在もその勤務先に勤めているか確認する場合にも、在籍確認がおこなわれます。

在籍確認のタイミングと回数

住宅ローンの在籍確認は、本審査の際におこなわれるのが一般的です。例えば、三井住友信託銀行のホームページには、次のように明記されています。
「売買契約後、正式なお申し込みを承ります。ご勤務先あてに確認のお電話をさせていただく場合があります。審査結果については、当社よりご回答いたします。」

タイミングは、金融機関が在籍確認をする目的によっても異なります。嘘の申告をしていないかを確認するために在籍確認をおこなう金融機関であれば、早めにおこない、あとの審査が無駄にならないようにするでしょう。在籍確認は念のためにおこなう金融機関であれば、審査の結果が出る直前におこなわれると考えられます。

回数は、申込者の属性によって変わる場合も。会社員であれば1回、自営業の場合は事前審査と本審査の2回かかってくる場合があるようです。

住宅ローンの在籍確認の内容

在籍確認で確認される内容は次のとおりです。

  • 住宅ローンの申込者の名前
  • 住所
  • 生年月日

内容としては難しいものではないため、構える必要はありません。また、申し込んだ本人が電話に出なかったとしても「ただいま席を外しております」「お休みをいただいております」といった内容で、申告した勤務先に在籍していることがわかるため、在籍確認は完了とする金融機関もあります。なかには勤務先での業務内容や購入予定の物件から勤務先までの通勤時間を尋ねる金融機関もあるようです。しかし、書類がないと答えられないといった難しい内容ではないため、心配する必要はないでしょう。

住宅ローンにおける在籍確認の際の注意点

在籍確認をスムーズに完了させるために気をつけるべきことがあります
在籍確認をスムーズに完了させるために気をつけるべきことがあります

住宅ローンにおける在籍確認で、注意すべき点が5つあります。

  • 事前に勤務先に在籍確認がある旨を伝えておく
  • 自分が電話に出られる番号を金融機関に伝えておく
  • 社内での取次が難しい場合は金融機関に相談する
  • 本人が不在でも在籍確認が完了するか確認する
  • 住宅ローンの審査が終了するまでにかかる期間を確認する

それぞれ一つずつ見ていきましょう。

事前に勤務先に在籍確認がある旨を伝えておく

勤務先に在籍確認がある旨を伝えておきましょう。在籍確認の電話が取次されやすくなり、スムーズに確認が完了します。

また、住宅ローンを申し込んだ金融機関が、勤務先においてメインで取引をしている金融機関と違う場合には、個人名で電話してもらうようにするのも一つの方法です。勤務先とやりとりしている金融機関との関係に影響を与えかねない場合、電話のかけ方を配慮してもらえないか相談しておきましょう。

なかには、住宅ローンを組んだことを知られたくない方もいるかもしれません。しかし、住宅ローン控除の手続きでいずれはわかることです。無理に隠そうとせず、正直に伝えたほうがスムーズに進みます。

自分が電話に出られる番号を金融機関に伝えておく

自分が直接出られる番号を金融機関に伝えることで、在籍確認の電話に出られる可能性が高まり、スムーズに確認が完了します。金融機関が部署や所属先の電話番号にかけた場合、個人情報の観点から取次がされない可能性があります。自分が出られる番号を伝えておくことで、そういった可能性がなくなり、問題なく在籍確認が済むでしょう。

社内での取次が難しい場合は金融機関に相談する

勤務先が個人情報の取り扱いに厳しい場合、社内で在籍確認の電話を取り次いでもらえない可能性があります。その場合は、金融機関に相談しましょう。在籍確認は電話でなくても、給与証明や雇用証明書を勤務先に発行してもらうことで確認できる場合があります。

また、勤務先に電話をしなくても、健康保険証の健康保険組合宛てに電話することで、在籍確認も可能です。健康保険証の「資格取得年月日」は勤務先の入社日にあたります。今も資格を保有しているのか確認することで、在籍の確認が可能です。

本人が不在でも在籍確認が完了するか確認する

申込者本人がいなくても在籍確認が完了するのか、金融機関に確認しておきましょう。本人が不在でも「外に出ております」「席を外しております」などで在籍確認を完了とする金融機関もありますが、本人でないと不可とする金融機関もあります。特に営業で外に出ることが多い場合、なかなか本人がいるタイミングで電話がかかってくることは難しいでしょう。

時間指定は難しくても「午前中」や「午後」など、電話をかけてもらう時間帯を指定しておくのも一つの方法です。

審査が終了するまでにかかる期間を確認する

金融機関に、住宅ローンの審査が終了するまでにかかる期間を確認しておきましょう。一般的に、本審査にかかる期間は1週間程度、長くて2〜3週間とされています。在籍確認の電話がいつかかってくるのか、もしくは確認の電話が終わったのになかなか審査の結果が出ないという状況になると、不安になるかもしれません。金融機関によって審査の期間が異なるため、あらかじめどれくらいかかるか確認しておくことで、目安がわかり、落ち着いて過ごすことができます。

在籍確認が必要なケース・不要なケース

在籍確認が必要なケースと不要なケースを解説します
在籍確認が必要なケースと不要なケースを解説します

住宅ローンに申し込んだからといって、必ず在籍確認がおこなわれるわけではありません。ここでは、どういった場合に在籍確認が必要・不要となる可能性があるのかをご紹介します。

在籍確認が必要なケース

まず、在籍確認が必要となるケースを見てみましょう。

申込者が印刷した源泉徴収票を提出したと考えられる場合

最近、源泉徴収票をインターネット上で確認できる企業も増えています。自分でダウンロードし、印刷したと考えられる場合や、書類に印鑑がない場合、在籍確認がおこなわれる可能性があります。

連帯保証人になっている場合

夫婦の収入を合算し、それぞれが連帯保証人となって住宅ローンを組もうとしている場合、在籍確認がおこなわれる場合があります。最近は、収入証明書や源泉徴収票を偽造する悪質なケースもあり、金融機関も慎重になっているようです。

在籍確認が不要なケース

在籍確認が不要なケースは以下のとおりです。

電話以外の在籍確認ができる場合

金融機関にもよりますが、電話での在籍確認は最終手段とするところもあります。電話以外でも、健康保険証などで確認できれば、電話がかかってくることはありません。例えば、株式会社ヤマダファイナンスサービスでは、電話以外で確認できれば電話での在籍確認はおこなわないとしています。

また、住宅ローンを申し込んでいる金融機関の口座を持っている場合、その口座へ給与振り込みがされている期間などから、申告した勤務先に勤めていることが確認できます。この場合も、在籍確認はおこなわれる可能性は低いです。

住宅ローンの在籍確認に関するよくある質問

住宅ローンの在籍確認についてよくある質問をまとめました。

在籍確認がない時もある?

在籍確認の方法は勤務先への電話だけではありません。例えば、住宅ローンを申し込んだ金融機関に口座があり、給与が振り込まれている場合、支払い先や振り込み期間などで在籍確認ができるため、勤務先に電話がかかってこない場合もあります。
また、健康保険組合に電話をかけておこなわれる場合もあり、この時も勤務先に電話がかかってくることはありません。

在籍確認がおこなわれるタイミングはいつ?

一般的に、本審査の時におこなわれます。金融機関が在籍確認をおこなう目的によって、審査が始まってすぐなのか、最終段階でおこなわれるのかが変わります。例えば、申込者が申告した内容に虚偽がないかを知りたい場合は、審査が始まってすぐにおこなわれる可能性があります。

在籍確認の電話に出られなかったら審査に落ちる?

住宅ローンを申し込んだ本人が出られなくても「席を外しております」「お休みいただいています」などで、在籍確認を完了とする金融機関もあります。

事前に勤務先に伝えておいたほうがいい?

事前に勤務先に在籍確認の電話があることを伝えておくとスムーズでしょう。在籍確認の電話をかける際、金融機関名でなく、個人名でお願いすることも可能です。勤務先でメインに取引している金融機関でない場合は、個人名でお願いしておくと角が立たないでしょう。

まとめ

住宅ローンにおける在籍確認は、申込者が申告した勤務先が実在するか、勤務しているかを確認するためにおこなわれます。内容としては、名前や電話番号、住所の確認など、簡単なものであることがほとんどです。
最近は個人情報の問題もあり、社内で取次がされない場合もあります。あらかじめ勤務先に伝えておく、本人が出られる電話番号を金融機関に伝えておくなど、できるだけ対策をしておくとスムーズでしょう。

民辻伸也

執筆者

民辻伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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