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住宅ローンにおける事前審査の日数はどれくらい?短くするためのポイントは?

住宅ローンにおける事前審査の日数や審査をスムーズに進めるためのコツを解説します
住宅ローンを契約するためには、事前審査を受ける必要があります。どれくらいの日数がかかるのかは金融機関によっても異なります。「これから申請するから事前に知っておきたい」「審査をスムーズに進めるためのコツを知りたい」という方に向けて、住宅ローン審査の流れや審査をスムーズに進めるためのコツをご紹介します。

住宅ローン審査の流れ

住宅ローンの審査は事前審査と本審査の2回おこなわれます
住宅ローンの審査は事前審査と本審査の2回おこなわれます

まずは、住宅ローン審査の流れを把握しておきましょう。大きく3段階に分かれます。

  • STEP 1事前審査
  • STEP 2本審査
  • STEP 3契約

住宅ローンの返済は長期間に渡るものです。金融機関が返済能力や信用度を見極めるため、「事前審査」と「本審査」の2回審査を受けることになります。

ここからは、住宅ローンの審査についてより詳しくみていきましょう。

事前審査

購入したい物件が決まったら、まず事前審査を受けます。事前審査では、申込者の収入や資産、物件価格などの情報をもとに、金融機関が返済能力や信用度を判断します。

必要な書類は金融機関によって異なりますが、下記のとおりです。

  • 本人確認書類
    (運転免許証・パスポートなど)
  • 源泉徴収票
  • 物件情報がわかるもの
    (チラシ・パンフレットなど)

また、なかには書類が不要な金融機関もあります。事前に必要な書類について確認しておきましょう。

本審査

事前審査が通過したら、売買契約後に本審査を受けます。住宅ローンを正式に申し込むことでおこなわれる審査で、事前審査よりも細かな項目まで確認されます。具体的には、申込者の返済能力や物件の担保価値が評価されることになります。評価項目が増えるため、必要書類もそれに応じて増えます。

例えば、住民票や売買契約書、重要事項説明書など、家族や購入物件のことが詳しくわかる書類の提出が求められます。取得に時間を要する書類もあるため、事前に金融機関に確認しておくと安心です。

契約

本審査が通過したら、晴れて住宅ローンの契約となります。契約書には借入金額や金利、返済期間、返済方法などが明記され、双方が合意を示すために署名をします。同時に担保の設定もおこなわれるでしょう。
また、物件が引き渡されるのと同時に融資が実行されます。

住宅ローンの審査期間はどれくらいかかる?

金融機関によって住宅ローンの審査期間は異なります
金融機関によって住宅ローンの審査期間は異なります

住宅ローンの審査では、申込者の返済能力を中心に審査されます。審査にはどれくらい日数がかかるものなのでしょうか。また、事前審査と本審査で日数に違いはあるのでしょうか。

住宅ローンの事前審査にかかる日数は、一般的に3日程度、長くて1週間とされています。一方、本審査にかかる日数は、一般的に1週間程度、長くて2〜3週間とされています。ただし、金融機関によっても異なるため、あくまで目安と考えましょう。今はインターネット上での取引が中心となるネット銀行も増えていますが、金融機関によって、審査期間の傾向があるのかをみていきます。

メガバンクの傾向

まずはメガバンクの審査に要する日数の傾向から見ていきましょう。大規模な金融機関であることから、審査に一定の時間がかかることがあります。

例えば、メガバンクでは、保証会社と一緒に審査をおこなうのが一般的です。なぜなら、保証会社は申込者が住宅ローンの返済を滞納した場合に保証をおこなうからです。また、金融機関によっては、本店と支店の二重で審査をする場合もあります。

さらに、メガバンクでは平日の来店時のみ手続きを可能とするため、事前審査から本審査完了まで1カ月〜1カ月半ほど余裕を見ておきましょう。

しかし、最近はオンラインによる書類提出やAIを活用した事前審査をおこなう金融機関も増えています。このような比較的時間がかからない方法での審査に対応しているか、事前に確認してみましょう。

ネット銀行の傾向

ネット銀行の傾向として、審査期間が短い点が挙げられます。事前審査では即日回答、本審査で最短は3〜4日程度とするネット銀行もあります。メガバンクと比較すると、審査に必要な日数がかなり短くなっています。

しかし、対面でないため、審査が厳しかったり、書類に不備があっても気付かなかったりなどのデメリットも。また、必要書類は郵送とする金融機関もあるため、メガバンクと大差ないケースもあります。

フラット35

フラット35は、本審査が最短3日と短くなっています。なぜなら、金利が全期間固定のため、変動金利と比べて、申込者の返済能力を判断しやすいからです。しかし、フラット35では独自に住宅の技術基準を設けており、質の高い物件でないと審査に受かりにくい現状があります。

参考:住宅金融支援機構

このように、金融機関によって審査にかかる日数の傾向はあります。しかし、あくまで目安であり、一人ひとりの申し込み状況によって異なることを覚えておきましょう。

住宅ローンの審査が長引く理由

住宅ローンの審査が長引く理由は6つあります
住宅ローンの審査が長引く理由は6つあります

一般的な住宅ローンの審査期間を解説しましたが、審査が長引き、なかなか回答が得られないこともあります。なぜ審査が長引くのか、本章ではよくある理由を6つ解説します。

  • 借入希望額が収入に対して大きい
  • 完済時の年齢が高い
  • 個人信用情報に問題がある
  • 書類に不備がある
  • 申込者の状況が事前審査から変化している
  • 申し込みが集中する時期に申請している

ここから一つずつ詳しくみていきましょう。

借入希望額が収入に対して大きい

まず、借入希望額が収入に対して大きいからという理由があります。借入額が大きい場合、金融機関はきちんと返済できるか、申込者の経済状況をより慎重に評価します。借入額が大きければ大きいほど、金融機関は貸し倒れのリスクを最小限に抑えるために、追加の情報や確認をおこないます。
審査をスムーズに進めるために、無理のない返済計画を立てられているか、今一度確認しましょう。

完済時の年齢が高い

2つ目は、申込者の完済時における年齢が高い場合です。もし完済時の年齢が定年後だった場合、安定した収入がない状態で返済しなければなりません。安定して返済できるのか、金融機関は慎重に判断するため、審査期間が長引くことになります。繰上げ返済を利用して返済期間を短縮したり、自己資金を増やしたり、できるだけ早く完済できるよう返済計画を立てましょう。

個人信用情報に問題がある

3つ目は、個人信用情報に問題があるからです。個人信用情報とは、クレジットカードの取引履歴やローンの契約状況などが記録されたもので、返済能力や信用度の判断材料として利用されます。もし、申込者に遅延や未払いの履歴がある場合、金融機関は返済能力や信用度に懸念を抱きます。そこで金融機関は、追加の情報を要求したり、詳細な調査をしたりするため、審査が長引くことになります。

ご自身の信用情報は個人信用情報機関から取り寄せて確認できます。しかし、2週間ほど時間がかかることを覚えておきましょう。

書類に不備がある

4つ目は、書類に不備がある場合です。金融機関は書類をもとに返済能力を判断します。もし、必要な書類を提出していなかったり、提出した書類に間違いがあったりと、書類に不備があった時には、追加の書類提出や訂正を求められるため、審査期間がのびることになります。

金融機関に書類を提出する際には、間違いがないか、必要なものは全部揃っているかを確認するようにしましょう。

申込者の状況が事前審査から変化している

5つ目は、申込者の状況が事前審査から変わっている場合です。事前審査の時から変わっていると、はじめから審査をやり直すことになるため、通常よりも時間がかかる可能性があります。

例えば、次のような変化があると、審査が長引く可能性が高いです。

  • 転職した
  • 病気やケガで働けなくなり収入が減った
  • 子どもが生まれた
  • 新規にローンを契約した

病気やケガ、出産など、どうしようもできないものはしかたありません。しかし、転職や新規ローンの契約など、自身でタイミングをコントロールできるものは、審査が終わるまで控えるようにしたほうがいいでしょう。

申し込みが集中する時期に申請している

6つ目は、申し込みが集中する時期に申請している場合です。一般的に、1月〜3月は住宅ローンの申し込みが集中しやすいとされています。一人ひとり確実に審査をするため、審査期間が長引きやすくなります。

審査期間が長引くと、特に事前審査の段階では結果を待っている間に他の人に物件を購入されてしまう恐れがあります。購入したい物件が決まったら、なるべく早く契約までスムーズに進めることが大切です。

住宅ローン審査をスムーズに進めるためのコツ

住宅ローンの審査をスムーズに進めるためのコツが3つあります
住宅ローンの審査をスムーズに進めるためのコツが3つあります

住宅ローンの審査を少しでもスムーズに進めるために、できることがあります。本章では、具体的なコツを3つご紹介します。

  • 早めに事前審査をする
  • 書類の準備を早めにする
  • 審査対策をする

具体的に一つずつ確認していきましょう。

早めに事前審査をする

住宅ローンの審査をスムーズに進めるためのコツの一つは、事前審査を早めにおこなうことです。金融機関によって事前審査の期間は異なりますが、早めにしておくことで、もし審査が長引いたとしても、スケジュールに余裕ができます。

先述したように、審査に申し込めば、必ず契約できるわけではありません。結果待ちの間に他の人に購入されてしまう可能性もあります。審査をスムーズに進めるためにも、購入したい物件があったら、早めに事前審査を受けましょう。

なお、物件を決める前でも住宅ローンの事前審査をおこなうことが可能な金融機関もあります。
Web上で借りたい金額や自分の属性などの情報を入力すると、借りられる可能性が高い住宅ローンを比較・提案してくれ、そのまま事前審査までおこなうことができるサービス「モゲチェック」を活用するのも便利です。以下からチェックしてみてくださいね。

書類の準備を早めにする

二つ目のコツは、書類の準備を早めにしておくことです。申込書類に不備があると、審査に時間がかかる可能性があります。あらかじめ金融機関に必要書類を確認しておき、事前に準備しておきましょう。特に、源泉徴収票は会社を通じて発行するため、早めにもらっておきましょう。

審査対策をする

審査対策をしておくことも、住宅ローンの審査をスムーズに進めるコツの一つです。金融機関は申込者の返済能力を審査する際に、書類や信用情報を参考にします。そのため、書類を正確に記入し、信用情報を良好に保つことが重要です。

具体的にできることとして、次のことが挙げられます。

  • 書類でわからないところがあれば、事前に確認しておく
  • 住宅ローン以外の借り入れを早めに返済する
  • 転職は契約が締結してからおこなう
  • 無理のない返済計画になっているか確認する

住宅ローンは返済期間が長期間になります。そのため、無理のない返済計画を立てることがとても大切です。審査を受ける前に、収入に見合った借入額になっているか、よく確認しましょう。

まとめ

今回は、住宅ローンの事前審査や本審査にかかる日数を解説しました。メガバンクやネット銀行によって傾向はあるものの、金融機関によって異なります。また、申込者の属性や返済計画によっても変わってくるものです。今回お伝えしたのは、あくまで目安でしかありません。しかし、審査をスムーズに進めるためのポイントもあります。ご紹介したコツを参考に、できることは事前にしたうえで、審査を受けるようにしましょう。

民辻伸也

執筆者

民辻伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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