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住宅ローンは何歳から契約できる?利用年齢の平均データを紹介

住宅ローンを借りられる年齢は金融機関によって異なります
将来、住宅の購入を検討しているものの、住宅ローンは何歳から契約できるのか、また何歳から契約するべきかわからない方もいるのではないでしょうか。
結論から申し上げると、申込時年齢は金融機関によって異なり、何歳から契約するかは契約者の現在の収入などの勤続条件によっても変わるため、断言はできません。今回は、住宅ローンの契約年齢を考えるうえで参考になる「何歳から何歳まで契約できるか」に関する基準と、利用年齢の平均データを紹介します。

住宅ローンは何歳から契約できる?

住宅ローンは何歳から契約できるかを判断するには申込時年齢を確認します

住宅ローンは何歳から契約できるかは金融機関によって異なります。住宅ローンを借りられる年齢を知るために参考になるポイントを紹介します。

申込時年齢を確認する

住宅ローンを何歳から契約できるか判断するには、申込時年齢を確認しましょう。申込時年齢の下限が何歳から契約できるかを判断する基準になります。住宅ローンの申込時年齢の下限は、多くの金融機関において現在の成年年齢に合わせるのが一般的です。

一方で、申込時年齢の上限を設定している金融機関もあり、その場合は70歳を基準にすることが多くなっています。ただし、何歳まで契約できるかについては、住宅ローンの借入期間にも依存することから、完済時年齢から考えることを推奨します。

18歳から契約できる場合もある

かつては成年年齢が20歳であったため、住宅ローンの申込時年齢の下限は20歳を基準とするのが一般的でした。しかし、2022年4月以降、成年年齢が18歳に引き下げられたため、住宅ローンの申込時年齢も成年年齢の引き下げにともない、18歳を基準とすることが一般的になっています。よって、住宅ローンは18歳から契約できる場合もあります。

住宅ローンの利用年齢の実態

住宅ローンの利用年齢は30歳代がもっとも高くなっています

住宅ローンを利用している年齢層の実態は、住宅金融支援機構フラット35の『 2022年度 フラット35利用者調査(PDF)』からわかります。2022年度の利用実態について、内容を下記にまとめました。

年齢 割合
30歳未満 11.9%
30歳代 34.2%
40歳代 27.4%
50歳代 15.6%
60歳以上 10.9%

30歳代がもっとも高い割合にあることから、住宅ローンの中心的な利用者層は30歳代であることがわかります。30歳未満と30歳代の割合が最も多いことから、若年層で住宅ローンを利用している人が多く存在する結果となりました。

住宅ローンの利用年齢の平均

利用年齢の平均は過去10年間で増加傾向にあります

住宅ローンの利用年齢の実態を踏まえたうえで、利用年齢の平均に関するデータをフラット35の『2022年度 フラット35利用者調査(PDF)』を参考に2つ紹介します。

過去10年間における住宅ローン利用者の平均年齢の推移

2012年度から2022年度の過去10年間における住宅ローン利用者の平均年齢の推移を以下の表にまとめました。

年度 平均年齢
2012年度 38.9歳
2013年度 39.6歳
2014年度 40.4歳
2015年度 39.8歳
2016年度 39.8歳
2017年度 40.0歳
2018年度 40.1歳
2019年度 40.2歳
2020年度 40.3歳
2021年度 41.5歳
2022年度 42.8歳

2011年度まで平均年齢は30歳代でしたが、2017年度以降は40歳代が平均となり、2022年度はもっとも平均年齢が高くなりました。住宅ローンの利用年齢の平均は過去10年間で上昇傾向にあり、利用者の中心となる30歳代の利用者層が減少傾向にあります。一方で、40歳代以上の利用者層の割合は増加しています。

建物の種類ごとの住宅ローン利用者の平均年齢の比較

次に、2021年度と2022年度における建物の種類ごとの住宅ローン利用者の平均年齢の比較を見ていきましょう。

建物 平均年齢(2021年度) 平均年齢(2022年度)
マンション 44.0歳 45.7歳
中古マンション 44.1歳 45.2歳
建売住宅 40.5歳 41.7歳
土地付注文住宅 38.5歳 39.6歳
注文住宅 45.1歳 46.2歳
中古戸建 43.3歳 44.3歳

すべての建物において30歳代の割合は減少傾向にあり、平均年齢は高くなっています。一方で、土地付注文住宅に関して、こちらも平均年齢は上昇しているものの、唯一平均年齢が30歳代と他の建物と比較して低くなりました。

住宅ローンは何歳まで契約できる?

住宅ローンは何歳まで契約できるかは借入期間と完済時年齢から判断します

住宅ローンを何歳から契約するべきかを考えるにあたって、何歳まで契約できるかについても考えておいたほうがいいでしょう。申込時年齢の上限で判断する以外に契約時に参考になるポイントを紹介します。

完済時年齢から計算する

多くの金融機関では、申込時年齢の上限の他に完済時年齢を設定しています。完済時年齢は、住宅ローンの借入期間から想定される返済を終える年齢です。

例えば、申込時年齢の上限を70歳、完済時年齢を80歳に設定している金融機関で住宅ローンを契約すると仮定します。返済期間を10年に定める場合は、70歳で申し込んでも80歳で完済できるため問題はありません。一方で、住宅ローンの返済期間が10年を超える場合は、完済する年齢が80歳を超えるため契約できません。

仮に35年の長期に渡る借入期間を設定する場合は、80歳までに完済するためには45歳から契約する必要があります。そのため、住宅ローンの借入期間と完済時年齢から、住宅ローンを何歳まで契約できるかがわかります。

完済時年齢は金融機関によって異なる

完済時年齢は金融機関によって異なりますが、多くの金融機関で設定されています。75歳~80歳に設定されている金融機関が一般的ですが、85歳に設定されている金融機関もあります。長期の借入期間で住宅ローンを契約する場合は、完済時年齢が高いほうが借りやすいといえるでしょう。

住宅ローンを契約する年齢に関する注意点

住宅ローンを契約する年齢によって注意するべきポイントは異なります

住宅ローンを契約する年齢に関する注意点は3つあります。

  • 申込時年齢を満たしていても借りられない可能性がある
  • 借入期間が長いほど完済時年齢に気をつける
  • 加齢による健康状態の悪化で契約が不利になる場合がある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

申込時年齢を満たしていても借りられない可能性がある

申込時年齢は審査を受けるための条件であり、条件を満たしていることを理由に契約を確約するものではありません。例えば、成年年齢の引き下げで18歳から住宅ローンを契約したい場合でも、安定した収入や勤務条件を満たしていなければ、借り入れを断られるケースや、希望した条件の借り入れができないケースも考えられます。申込時年齢を満たしていても、審査の結果によっては必ずしも契約できない場合があることを理解しておきましょう。

借入期間が長いほど完済時年齢に気をつける

多くの金融機関で完済時年齢を設定していることから、借入期間が長いほど完済時年齢に気をつける必要があります。10年ほどであれば、申込時年齢の上限を満たしていれば契約しやすくなりますが、20年以上、30年以上と借入期間が増加するほど、完済時年齢による実質的な申込時年齢の上限は引き下げられることになります。

住宅の購入金額や返済計画の都合により、借入期間を長くする場合は完済時年齢の高い金融機関を選ぶなどの対策が必要になることもあるでしょう。

加齢による健康状態の悪化で契約が不利になる場合がある

何歳まで契約できるかを考えるうえで、重要になるのは団体信用生命保険(団信)への加入が挙げられます。団体信用生命保険は、住宅ローンの返済中に契約者に万が一のことが発生した場合に、保険会社が契約者に代わって住宅ローンの残高をすべて返済する保険です。多くの金融機関で住宅ローンの契約者に団体信用生命保険の加入を義務付けています。

しかし、団体信用生命保険の加入には条件があり、主に健康状態で所定の条件を満たさなくてはなりません。加齢による健康状態の悪化により、団信に加入できない場合は住宅ローンの契約で不利になる場合があり、団信に加入できないことを理由に借り入れを断られる可能性も考えられます。基本的には、加齢が進むほど健康上のリスクは高くなるため、健康状態によっては住宅ローンを契約できる年齢に影響を及ぼす危険性があります。

年齢に合わせた住宅ローンを契約するポイント

頭金の用意や親子リレーローンなどを活用すれば住宅ローンを契約できる場合があります

上述した注意点を踏まえたうえで、年齢に合わせた住宅ローンを契約するポイントを3つ紹介します。

  • 頭金を多く用意して住宅ローンを契約する
  • 親子リレーローンやペアローンを利用する
  • 団体信用生命保険の加入義務のない住宅ローンを利用する

それぞれ詳しく解説します。

頭金を多く用意して住宅ローンを契約する

30歳未満や30歳代の方は、収入や勤務条件によって住宅ローンを契約しても希望した条件で借り入れができない場合もあることでしょう。希望した条件で借り入れができない場合は、住宅ローンの頭金を多く支払って、できる限り借入金額を減らして契約する方法が考えられます。

今すぐに住宅ローンで家の購入ができない状態にあっても、日々の貯蓄で頭金に回せる資金を増やし、住宅ローンを契約できるようにしましょう。返済額を減らせるほど、契約時に毎月の返済の負担は少なくなり、支払う利息が減少するなどのメリットもあります。

親子リレーローンやペアローンを利用する

50歳以上の方で現在の年齢では住宅ローンを契約できない場合、親子リレーローンを利用する選択肢があります。親子リレーローンでは親と子または孫でひとつの住宅ローンを契約します。若い子どもや孫の年齢を基準に借入期間を設定できるため、完済時年齢の条件も緩和される仕組みです。

住宅の購入の目的が子や孫に家を残したい方や、子や孫の住宅購入を支援したい方におすすめの契約方法といえるでしょう。親子リレーローンの他には親子や夫婦などで利用できるペアローンもあり、こちらは親と子がそれぞれ住宅ローンを契約する方法です。親と子の収入を合算して借り入れ条件を決められるため、希望した借入金額で住宅ローンを契約しやすくなります。夫婦でもペアローンを利用できるため、共働きの家庭でもペアローンを利用する選択肢が考えられます。

団体信用生命保険の加入義務のない住宅ローンを利用する

フラット35など一部の住宅ローンでは、団体信用生命保険の加入義務のない住宅ローンも存在します。健康状態によって保険に加入できない場合は、加入義務のない住宅ローンを探しましょう。ただし、団体信用生命保険に加入せず、住宅ローンの返済をおこなうと、万が一のことがあった際、保証が心もとないため、ご自身で生命保険に加入するなどの対策をおこなうといいでしょう。

まとめ

住宅ローンは、現在の成年年齢を基準に申込時年齢を設定している金融機関では18歳から契約可能です。実際のデータから住宅ローンを利用する年齢層を調べると、30歳代の利用者が一番多いことがわかりました。また、何歳まで契約できるかは、完済時年齢と想定される住宅ローンの借入期間をもとに計算します。契約の注意点やポイントも理解して、ご自身にとって適切な年齢と方法で住宅ローンの契約を検討しましょう。

長谷川賢努

執筆者

長谷川賢努

AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士

大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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