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20代の住宅ローンは40年がおすすめ?メリットやデメリットを解説

20代で40年の住宅ローンを組むメリット・デメリットを解説します
20代で住宅ローンを検討している人のなかには「20代には40年の住宅ローンが人気って本当?」「20代でも住宅ローンは組めるの?」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。 住宅ローンといえば返済期間35年のものをイメージする人が多いかもしれませんが、近年は返済期間40年の住宅ローンを取り扱う金融機関も増えています。

40年住宅ローンは毎月の返済負担を抑えられるため、20代におすすめできるプランといえるでしょう。 本記事では20代の住宅ローン事情や、40年の住宅ローンを組むメリット・デメリットを紹介します。20代で住宅ローンを組むことに不安を感じている人はぜひ最後までご覧ください。

20代で住宅ローンを組むことは可能?

20代の住宅ローン借り入れには多くのメリットがあります
20代の住宅ローン借り入れには多くのメリットがあります

20代で住宅ローンを組むことができるのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。
まずは20代の住宅ローン事情や、20代で住宅ローンを組むメリット・デメリットをみていきましょう。

20代の住宅ローン利用者は全体の約9%

住宅金融支援機構の住宅ローン利用者調査(2022年4月調査)によると、2021年10月から2022年3月までに住宅ローンの借り入れをした20代は全体の9.1%でした。
住宅ローンを借り入れる割合がもっとも大きいのは30代(54.7%)であり、次に大きいのは40代(28.5%)です。
基本的に住宅ローンを取り扱う金融機関や住宅金融支援機構では、18歳以上であれば住宅ローンの申し込みができますが、実際に利用を検討し始めるのは20代からでしょう。ただし20代は収入が安定していないことも多く、30~40代と比べると住宅ローンを借り入れる割合は少ないのが現状です。
20代で住宅ローンを借り入れる場合は、返済計画を入念に立てることが大切です。

20代で住宅ローンを組むメリット・デメリット

20代で住宅ローンを組むメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット ・返済額を抑えられる
・定年前にローンを完済できるので老後資金を用意しやすい
デメリット ・将来の不確定要素が多く返済計画を立てにくい

住宅金融支援機構や金融機関では、住宅ローンの完済年齢を80歳未満に設定する必要があります。そのため20代で住宅ローンを組む場合は、30~40代よりも返済期間の選択肢が多くなります。返済期間を長くすれば毎月の返済額を抑えられるため、余裕のある生活を送りながら返済を続けられるでしょう。
また、早いうちから借り入れていれば定年前の完済も可能なので、老後資金を用意しやすいのもメリットです。
ただし、20代は仕事や子育てなど将来のライフイベントに関する不確定要素が多く、返済計画を立てるのが難しい可能性があります。住宅を取得すると引越しが難しくなるため、転居をともなう異動や転職の可能性がある場合は注意が必要です。

20代で40年の住宅ローンを組むメリット

40年の住宅ローンには20代にどのようなメリットがあるのでしょうか
40年の住宅ローンは20代にどのようなメリットがあるのでしょうか

20代で40年の住宅ローンを借り入れると、以下のようなメリットがあります。

  • 月々の返済額を抑えられる
  • 借入額を大きくできる
  • 返済ペースの調整が可能
  • 団体信用生命保険に長期間加入できる

これらのメリットを詳しくみていきましょう。

月々の返済額を抑えられる

20代で40年の住宅ローンを組むと、毎月の返済負担を減らせるメリットがあります。
返済期間が長い分、返済額を抑えられるので、家計に余裕を持たせやすいでしょう。毎月の返済額を減らせれば、子どもの教育資金や家のリフォーム代、老後の貯蓄にお金を回せるようになります。
返済期間が短いと毎月の返済額が大きくなり、家計を圧迫して生活が苦しくなるリスクがありますが、20代で40年の住宅ローンを組めば、比較的余裕のある生活を送れるでしょう。

借入額を大きくできる

40年の住宅ローンのように返済期間が長いプランであれば、より高額のローンを組める可能性があります。返済期間が長ければ、その分返済比率を下げられます。
返済比率とは、「年収に占める年間返済額の割合」のことです。返済比率が低いと総借入額を大きくしても審査に通りやすくなるので、住宅の購入予算を上げられるでしょう。

返済ペースの調整が可能

20代で40年の住宅ローンを組むと、返済ペースに融通が利くようになるのもメリットです。
住宅ローンの返済期間は途中で延長できませんが、繰り上げ返済することは可能です。初めに40年と長期間でローンを組んでおき、将来的に収入に余裕ができたら繰り上げ返済をして早めに完済するなど、収入状況によって柔軟に返済できるでしょう。

団体信用生命保険に長期間加入できる

40年の住宅ローンを組めば、団体信用生命保険の保障期間も返済期間と同じ40年になります。
団体信用生命保険とは、返済期間中に契約者が死亡や病気で返済が難しくなった場合に、保険金や支払いの免除が受けられるものです。
長期間団体信用生命保険の保障を持てるので、返済途中で万が一のことがあっても家族に迷惑をかける可能性が少なくなるでしょう。

20代で40年の住宅ローンを組むデメリット

40年の住宅ローンにはデメリットもあるので注意しましょう
40年の住宅ローンにはデメリットもあるので注意しましょう

20代で40年の住宅ローンを組む場合は、メリットだけでなく、デメリットも把握しておく必要があります。
デメリットは主に以下のようなものが挙げられます。

  • 利息の支払い分が大きくなる
  • 金利が高くなる
  • 取り扱っている金融機関が少ない
  • 返済期間が長い

ここからは20代で40年の住宅ローンを組むデメリットをみていきましょう。

利息の支払い分が大きくなる

40年の住宅ローンを組むことで、利息の支払い分が大きくなることを理解しておきましょう。
返済期間が長いほど金利部分が大きくなるため、借入金額に対する総返済金額が増えることになります。40年の住宅ローンは月々の返済額を少なくできますが、長い目で見ると返済額が膨らむというデメリットがあります。

金利が高くなる

40年などの返済期間の長い住宅ローンは、返済期間の短いプランよりも金利が高くなる傾向があります。
借り入れする金融機関によって異なる可能性はありますが、一般的に住宅ローンは返済期間が短くなるほど低金利になります。
例えば、住宅金融支援機構のフラット20、フラット35、フラット50の借入金利は以下のとおりです。

  金利の範囲 もっとも多い金利
フラット20 年1.330%~年2.660% 年1.330%
フラット35 年1.760%~年3.090% 年1.760%
フラット50 年2.170%~年2.640% 年2.170%

※2023年6月時点での借入金利(融資率:9割以下)

借入期間が20年以下のフラット20がもっとも金利が低く、借入期間36年超のフラット50の金利が高くなっています。
40年の住宅ローンを組むか検討している人は、金利についても考慮しておきましょう。

取り扱っている金融機関が少ない

40年の住宅ローンは35年以下のプランと比較すると、取り扱っている金融機関が少ないのが現状です。住宅ローンは借り入れる金融機関によって手数料や金利が異なるため、選択肢が多いほうが比較しやすいですが、限られたなかで自分に合うものを選ばなければなりません。

返済期間が長い

40年の住宅ローンは返済期間が長く、契約時の年齢によっては定年退職後まで返済が続くケースもあるでしょう。定年退職後は年金生活となり収入が減少するため、返済に追われて生活が苦しくなるかもしれません。20代で40年の住宅ローンを借り入れる場合は、完済時の年齢を考慮して返済計画を立てる必要があります。

20代で40年の住宅ローンを組むときの注意点

20代で40年の住宅ローンを組むときは注意点を押さえましょう
20代で40年の住宅ローンを組むときは注意点を押さえましょう

20代で40年の住宅ローンを組むと、毎月の返済額を抑えられる、住宅の購入予算を上げられるなどさまざまなメリットがあります。
一方で、金利負担が増える、取り扱う金融機関が少ないといったデメリットもあるため、後悔しないためにも借り入れる際は注意が必要です。
ここからは20代で40年の住宅ローンを組むときに押さえるべき注意点を紹介します。これから住宅ローンの借り入れを検討している人は参考にしてください。

長期的なライフプランを立てておく

20代で40年の住宅ローンを組む場合は、事前に長期的なライフプランを立てておくことが大切です。
20代の時点は将来の不確定要素が多く、無計画に住宅ローンを組むと将来的に返済が苦しくなってしまうリスクが高くなります。
転職や転勤の可能性、出産、子どもの進学タイミングなど、可能な限り今後のライフイベントを予想したうえで住宅ローンを検討しましょう。

物件購入以外にかかる出費も考慮する

住宅ローンを組むときは物件の購入以外にかかる出費も考慮する必要があります。
物件購入後は固定資産税や修繕積立金など別で費用がかかるため、その分も考慮して借入額を決めることが大切です。このような費用を見落としていると、住宅ローン返済分以外の出費で家計が圧迫される可能性があります。

繰り上げ返済を検討する

20代で40年の住宅ローンを組む場合は、繰り上げ返済も視野に入れておきましょう。
返済期間が長い分、将来さまざまな理由で働けなくなり返済が滞るリスクも高まります。団体信用生命保険が適用できない病気やケガで収入が減少した場合は、保険金に頼ることも難しいでしょう。
また、完済が定年退職後になる場合は、収入が減少して返済が苦しくなる可能性もあります。
将来的に返済に苦しまないためにも、収入に余裕が出たタイミングで繰り上げ返済をおこない、早めに完済することをおすすめします。

【返済期間別】住宅ローン返済額のシミュレーション

返済期間によって返済額はどのくらい変わるのでしょうか
返済期間によって返済額はどのくらい変わるのでしょうか

返済期間によって実際の返済額はどのくらい変わるのか気になる人も多いでしょう。
返済期間別の住宅ローン返済額シミュレーションは以下のとおりです。

<前提条件>
借入時年齢:28歳
借入額:3,000万円
返済方法:元利均等返済

※融資手数料・保証料は考慮せず計算
※金利は新機構団信付きの【フラット35】等の借入金利水準(2023年6月)のもっとも多い金利で計算

  金利 毎月
返済額
総返済額
20年住宅ローン 年1.330% 14万2,430円 3,418万3,066円
35年住宅ローン 年1.760% 9万5,723円 4,020万3,847円
40年住宅ローン 年2.170% 9万3,553円 4,490万5,643円

返済期間が長いと毎月返済額は抑えられますが、金利も高くなり総返済額に大きく影響することがわかります。
住宅ローンを組む場合は毎月の返済額だけでなく、総返済額にも着目して借入金額や返済期間を決めるとよいでしょう。

まとめ

本記事では20代の住宅ローン事情や、40年の住宅ローンを組むメリット・デメリットを紹介しました。
40年の住宅ローンは毎月の返済額を抑えられるため、返済比率を下げて借入金額を大きくできるのがメリットです。しかし、総返済額が大きくなる、比較的金利が高いなどのデメリットもあるため、借り入れるときは入念に検討する必要があります。
また、20代で40年の住宅ローンを組むときは、長期的なライフプランを考慮して無理のない返済計画を立てることが大切です。40年の住宅ローンのメリット・デメリットを正しく理解して、自分に合った返済期間を選びましょう。

長谷川賢努

執筆者

長谷川賢努

AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士

大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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