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【完全版】家庭でできる停電対策は?突然の停電に備えよう

停電に備えて事前に家庭で対策をしましょう
地震や台風をはじめ、自然災害にともなって発生することが多い停電は、いつ起こるのか予測ができません。また、ブラックアウトと呼ばれる大規模停電につながることもあり、復旧までにかなりの時間を要するケースも。停電でも慌てず対処するには、しっかりとした事前の準備をしておく必要があります。そこで今回は、急な停電に備えた家庭での対策方法について解説します。

停電が起きた時の影響は?

停電が起きると、照明や家電が使えなくなるのはもちろん、断水や火災を引き起こす可能性も
停電が起きると、照明や家電が使えなくなるのはもちろん、断水や火災を引き起こす可能性も

停電とは、さまざまな原因により、電力所からの送電がおこなわれなくなる状態を指します。例えば地震や事故で電柱が倒れたり、台風の飛来物がぶつかったりすると、電線が切れて物理的に電気を流せなくなります。また電力の需要と供給のバランスが崩れることで、発電所がうまく稼働できなくなり、停電が起きるケースも。特に近年は真夏の酷暑などにより、電気の需要量が増えすぎてしまい、それが停電を引き起こす危険性も問題視されています。なお停電が発生してしまうと、家庭では次のような影響が出る可能性があり、いざという時の備えが欠かせません。

  • 電化製品が使えなくなる
  • 家電が故障する可能性がある
  • 断水が起こる可能性がある
  • コンセントから着火する場合がある

当然ながら停電してしまえば、家中の電気が使えなくなってしまい、仮に夜間なら照明も消えて真っ暗になってしまいます。また突然電気がシャットダウンされたり、停電復旧時の過電流が起きたりすることで、家電製品が故障するケースも。さらに通電時の過電流は、コンセントに熱を発生させて火が付くケースもあり要注意です。なお停電によって、集合住宅などにおける貯水タンクや浄水場の稼働が停まってしまうと、水の供給ができなくなり断水する危険性もあります。

家庭でできる停電対策は?

停電の際に有効な対策はどのようなことでしょうか。あらかじめ準備しておきたい停電対策について、以下から具体的にご紹介します。

対策グッズを購入・用意する

もしもの時に備えて防災グッズを用意しておきましょう
もしもの時に備えて防災グッズを用意しておきましょう

停電に限らず、さまざまな災害に対応する対策として、やはり防災グッズを用意しておくのは基本です。停電をはじめとした災害時には、通常と同じように生活するのは難しくなります。そこで万が一に備えて、いつでも使える防災グッズを準備しておきましょう。以下の記事でも、必要な防災グッズに関して詳しくご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

【チェックリスト】備えておくべき対策グッズ

では以下からは、停電に向けて特に準備しておきたいアイテムをピックアップしてご紹介。次のチェックリストを参考に、突然の停電にも備えておきましょう。

懐中電灯
LEDランタン
家中の明かりが使えなくなるので、在宅避難の場合、懐中電灯やランタンは1部屋につき1つはあると便利です。ちなみに水を入れたペットボトルと懐中電灯を使って、簡易式のランタンをつくる方法もあります。

なお懐中電灯やランタンは、乾電池式や手動充電式にしておくと、電池切れの心配も少なくなるでしょう。

参考:警視庁「ペットボトルで簡単ランタン
ラジオ 情報収集のためにも、ポータブル式のラジオを用意します。こちらも懐中電灯やランタンと同様に、乾電池式や手動充電式にしましょう。
食料 IHや電気ポットなどの家電製品が使えなくなるため、なるべく調理しなくても食べられる保存食がベスト。缶詰・乾パン・栄養補助食品(栄養ゼリー・プロテインバー)などを用意しておきましょう。
飲料水 1人1日の水分摂取量の目安は、約3リットルといわれています。なお停電時の在宅避難は、大体1週間を基準に考えて、1人あたり21リットルは準備しておきます。
カセットコンロ
ガスボンベ
調理や冬場の暖房として、カセットコンロとガスボンベも用意しておきます。カセットコンロがあればお湯も沸かせるため、インスタントラーメン・乾麺・レトルト食品などの保存食も食べられます。
なおガスボンベも1週間分のストックとして、9本程度はあると無難。なおガス利用時は、一酸化炭素中毒の危険性があるので、必ず換気しながら使います。
紙皿
紙コップ
紙皿や紙コップも、1週間1日×3食分は少なくとも用意しておきます。1人あたり21個を目安に準備しておくとよいでしょう。
ウェット
ティッシュ
衛生面のためにも、1人100枚程度は用意しておくと、水が使えなくても清潔に保てます。
特に大規模停電時は、スーパーやドラッグストアなどの店舗も営業が停止する可能性があります。急な体調不良に対応するためにも、鎮痛剤や頓服薬の他、もし持病がある場合には予備を準備しておきましょう。
ボディシート 断水してしまうと当然お湯も出なくなるので、シャワーやお風呂も使えなくなります。汗を拭いて清潔に保つためにも、簡単に体を拭けるボディシートがあると便利です。
乾電池 懐中電灯やラジオ用として、それぞれに使う乾電池を用意しておきます。10~20本のセットになったものを2~3個準備しておきましょう。
モバイル
バッテリー
情報収集や連絡手段として、携帯端末の電源がなくならないように準備しておきましょう。停電していても充電できるように、乾電池式のものを用意しておきます。
防寒グッズ 停電すると暖房も使えないため、冬場には、ポータブルストーブや使い捨てカイロなどがあると寒さ対策ができます。また新聞紙にも保温効果があるので、ストックしておくと便利です。
熱中症対策
グッズ
暑さ対策として、ポータブル扇風機や冷却グッズを用意しておきます。また脱水対策用に、飲料水とあわせて経口補水液などもあるとよいでしょう。

停電時を想定してモノを配置する

停電になると家の照明は使えなくなるので、部屋の様子も見えづらくなって危険です。ケガや事故を防ぐためにも、次のような点に気を付けながら、家具の配置を考えておくと安全でしょう。

段差や障害物に蓄光テープを貼る

家の中でも、体をぶつけたり転倒したりする危険がある場所は、周りの光を集めて発光する蓄光テープを貼って目印をしておくのがおすすめ。地域一帯で停電している時には、夜になると屋外からの明かりも入ってこなくなるため、思った以上に室内も暗く危険です。二次災害的な事故を防ぐためにも、明かりの確保にも注意しましょう。

リビングや寝室などに懐中電灯を置く

あらかじめ懐中電灯を置いておく場所を決めておくと安心です
あらかじめ懐中電灯を置いておく場所を決めておくと安心です

急な停電でもすぐに対処できるように、人が集まりやすい場所に懐中電灯を保管しておくのがベストです。すぐ手元にあったほうが安心なので、サイドボードやローボードなどのわかりやすく取り出しやすいところに用意しておくとよいでしょう。

コンセント周りはなるべく空けておく

先ほども出てきたように、コンセントは通電時に着火する可能性があります。停電になった際、家電によってはプラグを抜く必要があるので、見落とし防止のためにも家具などで隠れないようにしておきましょう。

停電時に役立つ設備を検討する

最近では発電所からではなく、自宅で電気をつくって蓄えておくシステムも出てきています。停電をともなう幅広い災害にも対応できるので、次のような電源装置があることも覚えておくとよいでしょう。

自家発電機を導入する

手動式発電機

手動式発電機は、装置に付いているハンドルを回して電気をつくる装置です。一般的にはハンディタイプのものが多く、小型式なら数千円程度で購入できます。なおハンディタイプの場合あまり大きな電力は出せないものの、スマートフォンなどの充電には使えるので、準備しておくと安心です。

太陽光発電
太陽光発電は電気代が節約できるだけでなく、停電時にも電気を使うことができます
太陽光発電は電気代が節約できるだけでなく、停電時にも電気を使うことができます

太陽光発電は、太陽光パネルを自宅の屋根などに設置し、太陽光を集めて電力にする装置です。停電時以外にも、普段の生活の電気代節約や売電などもできるのがメリット。もちろん停電した際にも、日中なら太陽光発電から電気を供給できます。ただし天候や時間帯によって、発電量が左右される点に注意しましょう。なお「不動産情報サイト アットホーム」では、太陽光発電システム付きの物件検索も可能ですので、これから住まいをお探しの場合にはぜひ活用してみてください。

ポータブルタイプの蓄電池は手軽に導入でき、場所を選ばず使用可能です
ポータブルタイプの蓄電池は手軽に導入でき、場所を選ばず使用可能です

蓄電池は、事前に電気を貯めておける装置です。電力会社と契約して電気を蓄えておける据え置きタイプや、自宅のコンセントから充電できるポータブルタイプ、前述の太陽光発電の電力を使える蓄電池システムもあります。ポータブルタイプなら、持ち運びができるのでアウトドアにも活用することが可能。最近では、電気自動車やハイブリッド車を使って蓄電池として利用する方法もあります。

断水対策をおこなう

飲料水に加えて、洗い物やトイレなどに使用する生活用水も、普段からポリタンクなどに貯めて置いておくとよいでしょう。例えばお風呂の残り湯もすぐに流してしまうのではなく、次に使うまで貯水しておくなどの方法もあります。また給水方法によっては、停電後すぐに断水するのではなく、しばらくの間は水が使えるケースも。停電に気付いたあと、まず水が出るようなら、水道やお風呂で貯水するとよいでしょう。

またなるべく水を使わなくてもいいように、使い捨ての非常用トイレも準備しておくと安心です。災害時には、各自治体で給水所を設けて応急給水をする場合もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。

停電に備えてやるべき電化製品対策

停電の影響を特に受けやすい家電として、冷蔵庫とデスクトップパソコンが挙げられます。冷蔵庫は稼働し続けることで、食品類などの維持・保管ができます。またデスクトップパソコンは精密機器のため、普段から取り扱いには気を付けておかないと、すぐに故障してしまう可能性も。以下より、それぞれの具体的な対策を見ていきましょう。

冷蔵庫の停電対策

冷蔵庫では、次のような使い方を心がけておくと、停電時の対策にもつながります。

冷蔵室に食品を詰め過ぎない

仮に停電して冷蔵庫の電源が切れたとしても、しばらくは保冷機能効果が続きます。ただし冷蔵室に詰め込み過ぎていると、冷却効率が悪く、あまり保冷が効かなくなってしまうので要注意。また冷蔵室が満杯になっていると、停電対策にも向かないうえに、電気代も高くなりやすい一面があります。
冷蔵室には容量の7割程度を目安に食品類を保管し、普段からなるべくすっきり整理して、冷蔵庫内に冷気が回りやすいようにしておきましょう。

冷凍室は隙間なく詰める

冷凍庫は保冷効果を高めるために、隙間なく食品類を詰めておきます。ごはんや飲料を冷凍保存しておくと、もしもの時にも安心です
冷凍庫は保冷効果を高めるために、隙間なく食品類を詰めておきます。ごはんや飲料を冷凍保存しておくと、もしもの時にも安心です

冷蔵室とは反対に、冷凍室には隙間なくしっかりと食品類を入れておくのがベストです。冷凍品は本体から冷気が出るので、より高い保冷効果が見込めます。いざという時の冷蔵庫内の保冷剤代わりにもなるため、冷凍の保管品も多めに置いておくとよいでしょう。

ごはんや飲料は冷凍保存する

白米や飲料を冷凍保存しておけば、前述の冷凍食品類と同じく、停電時の保冷剤の代用にもできます。冷凍室内にできるだけ多くのものを保管することにつながるうえに、災害時の食料品を確保する意味でも効果的です。

デスクトップパソコンの停電対策

デスクトップパソコンは精密機器のため、急な強制終了は動作不良やデータ消失などの不具合を引き起こす危険があります。停電によって強引にシャットダウンされると故障してしまう可能性もあり、以下のような点に配慮しましょう。

使わない時はパソコンの電源を切る

停電による強制終了を防ぐためにも、しばらくパソコンから離れる場合には、電源を切っておくようにしましょう。あまり長時間のスリープや休止状態はパソコンに大負荷をかけてしまいますし、何時間も使用しないのであれば、一度電源はオフにしておきます。

電源ケーブルをコンセントから抜く

復旧時に火災を防ぐためにも、コンセントから電源ケーブルを抜いておきましょう
復旧時に火災を防ぐためにも、コンセントから電源ケーブルを抜いておきましょう

もし停電が起きた場合には、通電時の過電流による故障を防ぐために、電源ケーブルはコンセントから抜いておきましょう。復旧する前に、周辺機器も含めて、まずはそれぞれのプラグを抜いて故障対策をします。

使用中はこまめに作業中のファイルを保存する

場合によっては、パソコンを操作している最中に停電が起きるケースも考えられるでしょう。仮にパソコン使用中に強制終了されてしまうと、データが保存されないまま電源が切れてしまう可能性も。特に重要な作業をしている場合には、その都度こまめに保存しておきます。

データのバックアップを取っておく

もし停電でパソコンに不具合が起きてしまった場合、そのまま本体が操作できなくなったり、保存されていたはずのデータが消えたりする可能性も少なくありません。そうした際の対策として、USBやHDDにデータのバックアップをしておきましょう。本体だけにデータを保管しておくと、パソコンが使えなくなった時に取り出せなくなってしまうため、外部にもバックアップを取っておくと安全です。

UPS(無停電電源装置)を導入する

直接本体をコンセントにつなぐのではなく、UPS(無停電電源装置)と呼ばれる電力供給装置を使うことで、停電対策ができます。UPSには蓄電や電圧調整などの機能があり、停電してもパソコンが使えたり通電時の故障を防いだりも可能なので、導入を検討してみるとよいでしょう。

停電が起きたらどうする?

停電が起きた時、どのような行動をすべきでしょうか
停電が起きた時、どのような行動をすべきでしょうか

仮に停電が起きてしまった場合には、次のように応急処置をして、復旧まで待つようにしましょう。

  • STEP 1停電の範囲を確認する
  • STEP 2コンセントから家電の電源プラグを抜く
  • STEP 3携帯・スマートフォンを省エネモードにする
  • STEP 4太陽光発電・蓄電池を利用する準備をする
  • STEP 5避難する際はブレーカーを落とす

まず停電になったら、今後の行動を考えるためにも、停電の範囲を確認して現状を把握しましょう。もし停電中、自宅待機する場合には火災防止のため、起動時の消費電力が大きい家電類の電源プラグは抜いておきます。なおエアコンや冷蔵庫はさほど影響がないため、プラグはそのままでも問題ありません。また、電源確保のためにスマートフォンなどの情報収集ツールは、できるだけ長く使えるよう省電力モードに切り替えましょう。もし太陽光発電や蓄電池があるなら、家の電源として使えるように用意します。
避難の必要がある場合には、火事による二次災害が起きないように、ブレーカーを落としてから自宅を離れるようにしましょう。

まとめ

近年、自然災害の増加や電力ひっ迫などのリスクが高まっており、いつ停電が起きてもおかしくありません。場合によっては広範囲で何日も停電が続く可能性もあり、防災グッズの用意をはじめ、あらかじめ停電対策をして備えておくことが大切です。ぜひ本記事を参考に、停電になっても落ち着いて安全確保ができるように、万が一に向けて対応できる準備をしておきましょう。

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。
広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。
愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引越しを繰り返す好奇心旺盛人。

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