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家族の身を守る防災グッズ27選!災害時、子どもや高齢者に必要なものは?

記事の目次

「防災グッズ」は必要?家族全員の身を守るための考え方

万が一の際に活躍してくれる「防災グッズ」。しかし、中には防災グッズの必要性について、これまであまり具体的に考えたことがない方もいるかもしれません。特に、ひとりで自分の身を守ることが難しい小さいお子さんや要介護者のいるご家庭では、より一層防災について考え、災害に備えておく必要があります。
まずは、防災グッズが不可欠になる状況について確認しておきましょう。

災害時、どんな環境になる?

大きな災害が発生して自宅での生活が困難になった場合、避難所などにに移動して数日間暮らさなくてはなりません。避難所は自治体によって定められている役所や学校、体育館の一部を利用することが多く、生活用品が豊富にそろっているわけではありません。また、仮に用意があっても避難人数に対して不足する可能性もあります。そこで、避難所でも3日間は暮らせるようにすることが、防災グッズを用意する際に参考にすべき目安といえるでしょう。

家族の身を守るために、防災意識を高めよう

一緒に暮らしている家族がいる場合は特に、防災グッズを準備しておくことが必要です。例えば幼い子どもや高齢者は、特別な日用品がないと安全かつ快適に過ごせません。災害発生後、慣れない環境や切迫した状況下でも健康を損なわないための防災グッズを用意することが重要になります。

家族で準備する防災グッズ、本当に必要なものリスト

防災グッズを準備する際には、それらの優先順位を知っておきましょう。以下に、防災グッズの必需品をまとめました。

まずは防災グッズの基本セットについて知ろう

  • リュック
  • 飲料水
  • 食料品
    ◦栄養補助食品
    ◦レトルト食品・フリーズドライ食品
    ◦缶詰
    ◦お菓子類
  • 貴重品
    ◦現金
    ◦通帳・キャッシュカード・印鑑
    ◦身分証明書
  • 照明(懐中電灯、ライト)
  • 情報収集グッズ
    ◦モバイルバッテリー
    ◦ラジオ
    ◦乾電池
  • 衣類
    ◦下着
    ◦着替え
    ◦軍手
    ◦雨具
  • タオル
  • 防寒グッズ
    ◦ブランケット
    ◦使い捨てカイロ
  • 衛生用品
    ◦携帯トイレ
    ◦ティッシュ類
    ◦マスク
    ◦ポリ袋
  • 救急用品
    ◦絆創膏
    ◦消毒液
    ◦常備薬
  • 個人で必要なもの
    ◦眼鏡、コンタクトレンズ
    ◦生理用品
  • 身だしなみグッズ
    ◦歯ブラシ・歯磨き粉
    ◦シャンプー
    ◦化粧品類
  • あると便利なもの
    ◦食品用ラップフィルム
    ◦紙皿・紙コップ・割り箸
    ◦寝袋(シュラフ)
    ◦文房具

防災グッズの基本セットについて、詳しくは『防災グッズ37選!必要なものを準備して災害に備えよう【一人暮らし】』で紹介していますので、あわせてご覧ください。
ここからは、家族構成ごとにあると便利な防災グッズを挙げていきます。

赤ちゃんがいるご家庭で準備する防災グッズ

食事からトイレ、睡眠に至るまで、赤ちゃんには細かなケアが求められます。以下、赤ちゃんがいる家庭に必要な防災グッズです。

離乳食、おやつ

避難所では、離乳食が用意されているとは限りません。そのため、十分な量の離乳食を防災グッズに含めておきましょう。赤ちゃんは空腹を我慢できないので、おやつもあるのが理想的です。

ミルク

授乳期の子どもにはミルクも必要です。母乳をあげている家庭でも、避難所で人目を避けて授乳させるのは大変です。そのため、避難中は一時的に粉ミルクにするのがおすすめです。

授乳ケープ

母乳をあげなければならない状況でも、授乳ケープがあると周囲の目を気にせずに済みます。授乳ケープとは、お母さんの胸元を隠すための布です。どうしても母乳をあげなくてはいけない場合に備え、用意しておくと安心でしょう。

哺乳瓶

できれば哺乳瓶は、いつも使っているものと同じタイプを用意しておきましょう。避難所での生活はいつもとは違う環境下になるので、安心感を与えてあげるためにもなるべく使い慣れたものを用意しましょう。

おむつ

少なくとも3日分のおむつは確保しておきたいところです。別途おむつ用のシートがあれば、赤ちゃんに負担をかけずおむつを交換してあげられます。

おしりふき

忘れがちなアイテムがおしりふき。赤ちゃんを清潔に保つためには欠かせません。おしりふきがあると、ちょっとした汚れやよだれもすぐにふき取ってあげられるので便利なアイテムです。

おくるみ

おくるみは、単に赤ちゃんが心地いいだけのグッズではありません。いざという時は授乳ケープ代わりにも使えるので、お母さんにとっても利便性の高いアイテムです。

着替え

赤ちゃんは周囲の環境気温や衛生状況、ばい菌、感染症などの周囲の環境の影響を受けやすいため、常に清潔さを保ってあげなくてはなりません。そのため赤ちゃんの着替えは、多少かさばってしまうかもしれませんが、赤ちゃんの健康を保つためにもできる限り多く用意しておきましょう。

母子手帳

避難先で赤ちゃんが病気になったり、怪我をしたりすることもあります。そうでなくても、避難生活が長引けば健康チェックは必須です。避難する際には、母子手帳を忘れずに持っていきましょう。非常時でもすぐに持ち出せるように、普段から使用頻度の高い貴重品と一緒に保管しておくことや万が一忘れてしまった場合のためにコピーをしておくことやスマホで撮影しておくなど工夫しておきましょう。

小さなお子さんがいる家庭で準備する防災グッズ

赤ちゃんではなくても、まだ幼い子どもがいる家庭ではストレス解消グッズを用意しておくのがおすすめ。また、子どもの日常生活をできるだけ守ってあげられるよう、以下のような防災グッズを備えておきましょう。

子どもが好きなおやつ

育ち盛りの子どもは、非常食だけだと物足りないかもしれません。また、好物や甘いものを食べるとストレス解消にもなります。子どもが少しでもリラックスできるよう、おやつを用意してあげましょう。

子ども用マスク

コロナウイルス対策に欠かせないのがマスクです。サイズの大きいマスクをつけていると、感染予防の効果が十分に発揮されない可能性があります。お子さんの顔のサイズに合った、子ども向けのマスクも準備しておいてください。

おもちゃ

荷物になりかねないおもちゃは、防災グッズとして後回しにしてしまいがち。しかし、おもちゃは子どもの不安な心に寄り添ってくれます。思うように遊べない中、おもちゃが子どもを慰めてくれるでしょう。

ノート、筆記用具

ノートや筆記用具があれば、家族間で伝言メモとして活用したり、避難所内の人へのメッセージを残すこともできます。それだけに留まらず、子どもにとっては自由帳になるので、お絵描きや「〇×ゲーム」、「絵しりとり」などのゲームを楽しむこともできます。避難所生活の貴重な暇つぶしアイテムですので、あると心強いです。

要介護者がいるご家庭で準備する防災グッズ

避難所では、要介護者のケアが問題となることがあります。大前提として、避難所には十分な物資がないため、必要なものは本人たちでそろえなくてはなりません。以下、介護に役立つ防災グッズを取り上げました。

介護用食品

歯が悪かったり胃腸が不調だったりすると、避難所で配られるような通常の食事が難しい場合があります。そこで、念のため介護用の食品を防災グッズに含めておくことが大切です。

おむつ

介護用のおむつも必需品です。避難所ではトイレまでの距離が遠い可能性もあります。また、大勢の人が数少ないトイレに集まるので、待たされることもありえるでしょう。おむつがあると、要介護者の生活はかなり楽になるはずです。

おしりふき

おしりふきも不可欠です。本来の用途だけではなく、入浴ができない際には体を拭くためにも使用できます。デリケートな肌にも使える成分でできているので、赤ちゃんから高齢者まで幅広く使用できるお役立ちアイテムです。

医薬品

要介護者が普段から飲んでいる医薬品も、防災グッズに入れておきましょう。避難所生活はどれほどの長さになるか予想できません。命にかかわる部分でもあるので、必需品だといえます。

医療機器

介護の状況によっては医療機器も必要です。呼吸器や血圧計、体温計など、持ち運べる医療機器を入れておいてもいいでしょう。

おくすり手帳

高齢者や要介護者は、飲んでいる薬の種類と量は常に把握しておかなくてはなりません。避難所で体調を崩したとしても、おくすり手帳があれば対応してもらいやすくなります。

女性がいる家庭で準備する防災グッズ

家庭に女性がいる場合、防災グッズも見直さなくてはなりません。女性独自の生活習慣や日常のケア、悩みがあるので、避難所で不自由のないよう準備をしておきましょう。以下、女性向け防災グッズの例を挙げていきます。

生理用ナプキン

避難所では生理用ナプキンが十分に確保されるとは限りません。そのため、できるだけ自分で用意しておくのが無難です。

スキンケア用品

避難所にあるのは最低限の物資のみになりやすく、スキンケアや美容品はどうしても不足してしまいます。必要であれば防災グッズに含めておきましょう。

リップクリーム、ハンドクリーム

乾燥肌の女性は、口元や手の荒れが気になることもあるでしょう。リップクリームやハンドクリームを防災グッズに入れておくと、避難所でも不自由を感じにくくなります。

ヘアゴム

髪の長い女性にとって、ヘアゴムは必需品です。普通に生活するときだけでなく、睡眠や食事の際にもヘアゴムは役立ちます。身なりを清潔に保つためにも欠かせません。ヘアゴムはいざというときに忘れやすいので、あらかじめ防災グッズに含めておきましょう。

カップ付きキャミソール

避難所に持ち込む下着は、カップ付きのキャミソールがおすすめです。避難所で洗濯する量を減らせることに加え、カップ付きキャミソールは肌が透けにくく、夏場は上にシャツを羽織れば普段着としても使えます。また、避難所は不特定多数の人が出入りする場所なので、下着の盗難被害が発生することもあるようです。女性の下着だと一目でわかるような色やデザインのものは避けて、洗濯したあとはなるべく周囲の目につかないように干しましょう。

ペットがいるご家庭で準備する防災グッズ

災害時に非難するのは人間だけではありません。ペットがいるなら、ペットフードも一緒に持ち歩きましょう。寝床にするためのタオル類も必要です。犬や猫にはトイレ用の砂があり、持ち運べるようなら防災グッズに含めておきたいところです。そのほか、病気のペットを飼っているなら予備の薬も必要です。

ペットのいるご家庭は、以下の記事も参考にご覧ください。

あると便利なもの

必需品とまでいえなくても、あると便利な防災グッズがあります。以下に、一例を挙げています。

ポータブル電源

避難所では、自由に電源を使えるわけではありませんので、ポータブル電源があると非常に便利です。携帯電話の充電やノートパソコンへの接続、ポータブルテレビの使用時などに気軽に使用できます。持ち運びがしやすい大容量タイプを選ぶのがおすすめです。

マルチツール

はさみやナイフなどのさまざまなツールがひとつになったマルチツールは、キャンプなどで重宝される定番グッズです。避難所生活では非常食を開封したりメモを裁断したりとツールが必要となるケースが多いので、マルチツールをひとつ持っていると便利です。

アロマ

避難所で生活することになった場合、いかにストレスを緩和するかが大切です。自分が落ち着ける香りのアロマを持っていってもいいでしょう。ただし、避難所には不特定多数の方がいますので匂いが強めものは避けたほうが無難かもしれません。

防災グッズQ&A

いざ防災グッズの準備を始めると、次から次に疑問が出てくるのではないでしょうか。ここからは、代表的な疑問についてお答えします。

Q.準備した防災グッズは家のどこに置く?

防災グッズの置き場所として理想なのは、「玄関の近く」です。防災グッズはいざというとき、簡単に持ち出せなくてはなりません。取りに行くだけで時間がかかるような場所に置いていると、避難の際に時間を浪費してしまいます。

靴箱のなかや上に置いたり、スペースが足りないときは近くの部屋の入り口付近に置いたりしましょう。避けたいのは押し入れや物置、2階以上にある部屋です。
また、居住の中心になっているキッチンやリビング、寝室などのスペースに置くのも一つの方法です。日常生活の邪魔にならないよう工夫して、住まい環境に適した置き場所を見つけましょう。

Q.ローリングストックとは? 

日常生活に必要な物資を、少しずつ多めに備蓄していく習慣が「ローリングストック」です。ローリングストックは、自宅で待機しなくてはならない状況への対策となります。万が一、避難どころか外出すらできない状況に陥ったとき、ローリングストックをしていればある程度は不自由なく暮らせるでしょう。

基本的には日用品や食料を少し多めに買っておくだけなので、実践しやすい防災の心がけです。そのかわり、賞味期限や消費期限切れを起こさないよう、期限が近づいたらおいしく食べて次のストックを買うのがコツとなります。

Q.防災グッズを揃えるのがめんどくさいときは?

「災害時に必要なものが何か分からない」、「そろえるのが手間」という場合には、一通りの防災グッズがそろった「防災セット」を購入しましょう。とりあえず防災セットがあれば、必要最小限の日用品は確保できます。そのうえで、薬や生理用品、赤ちゃんのグッズなど、ないと絶対に困るものを追加で準備しておくのがおすすめです。

避難経路、避難場所を確認しておこう

もしも災害が起こったときに備え、避難所の場所やルートは事前に調べておきましょう。その際に重要なポイントを解説します。

避難経路、避難場所の確認方法

国土交通省のハザードマップポータルサイトや自治体の防災情報マップなどを確認すれば、地域の避難所が分かります。そのうえで、休日などに家族で実際に避難経路を歩いてみると良いでしょう。どれくらいの時間、どのような経路で行くのかが分かっていれば、いざというときも冷静に移動しやすくなります。

避難する際の服装

避難する時間に余裕がある際には、なるべく動きやすい服装に着替えるのが理想です。ジャージやスウェット、作業着などで避難するようにしましょう。安全面を考えれば、ヘルメットも欲しいところです。これらの服装も、防災グッズと一緒に保管しておきます。

家族同士の安否確認について考えよう

災害時に家族と離れ離れになった場合、171災害ダイヤルに問い合わせれば身内の無事を確認できます。LINEや電話は便利な連絡手段ではあるものの、災害時に機能するとは限りません。「待ち合わせ場所」「近隣の掲示板」などを決めておき、スマホやパソコンを失っても連絡できるよう、あらかじめ手段を決めておきましょう。

まとめ

日本は地震や台風、津波などの災害が起こりやすい国です。これらの災害はいつ訪れるか分かりません。実際、これまでに自然災害で大きな被害が出たケースを多くの方々が目の当たりにしていると思います。それだけに、日ごろから家族と一緒に災害について話し合い、防災グッズを準備しておくことは重要です。避難場所やルートも頭に入れておき、すぐに避難できるよう心がけましょう。この機会に、防災について家族と一緒に考えてみてはいかがですか?

執筆者

小倉ひろ

京都府在住。フリーライター、イベンター。地元で文化事業の運営をしてきた経験から、地方行政に興味を持つ。まちおこし、一次産業についての記事を数多く執筆。近年では愛猫との生活を経て、ペット関係の文章も手掛けている。

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