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マンションの台風対策は何が必要?自分でできる対策と緊急時の備えまで徹底解説

マンションの台風対策は何が必要?自分でできる対策と緊急時の備えまで徹底解説!
マンションやアパートに住んでいる場合、台風に備えて対策をする必要はあるのでしょうか。一戸建てより安全とは思っていても、近年の異常気象によって、マンションでも台風による被害を受けることがあります。そのため、マンションの台風対策は必要です。
そこで、この記事ではマンションの台風の対策方法を場所ごとに解説します。安心してマンションで生活するために、ぜひ台風に備えてください。

記事の目次

マンションで台風対策は必要?

マンションは災害に強いとされていますが、実は台風対策をする必要があります。なぜなら、マンションには雨戸がなく、高層階のベランダからモノが落ちてしまうと危険だからです。そこで、マンションでおこなったほうがよい台風対策について解説します。

マンションの台風対策はしている?していない?【アンケート調査】

マンションの台風対策はしている?していない?【アンケート調査】

さて、「台風対策はすべき」と説明しましたが、実際に台風対策をしている人はどれくらいいるのでしょうか?マンションに住んでいる人を対象にアンケートを実施しましたので、結果を見てみましょう。

マンションの台風対策はしている?

マンションの台風対策はしている?
回答サンプル数:433

マンションの台風対策をしている方は約7割でした。残りの3割は、具体的な対策方法がわからない方やしていない方です。

どのような台風対策をしている?

マンションの台風対策をしている人は、どのような対策をしているのでしょうか?アンケートの回答を、以下でランキング化しました。

順位 対策内容 票数
ベランダのモノを片付ける 247
窓にテープやフィルム、
段ボールを貼る
34
水を溜めておく 33
ベランダのモノを固定する 25
飲料水や食料を備蓄しておく 18

回答サンプル数:433(複数回答可)

1位の「ベランダのモノを片付ける」と回答した方が、圧倒的に多い結果となりました。強風によってベランダに置いているモノが飛ばされないよう、片付けたり固定したりする対策は効果的です。その他、断水した場合のために「水を溜めておく」ことや、「飲料水や食料の備蓄」をおこなっている方がいます。
この結果を踏まえて、具体的な台風対策についてご紹介します。

マンションの窓の台風対策

マンションの窓の台風対策

マンションには雨戸やシャッターがないため、大雨や強風から窓を守る対策が必要です。しかし、マンションに使われている窓の強度は高く、強風で割れることは滅多にありません。そのため、主に強風による飛来物で窓が破損することを防ぐための対策をおこないます。

飛散防止フィルムを貼る

窓に飛来物がぶつかって割れると、割れたガラスが室内に入ってとても危険です。飛散防止フィルムをあらかじめ窓に貼っておけば、万が一窓が割れた時にも飛び散りません。飛散防止フィルムはホームセンターなどで売られていて、遮熱・断熱やUVカット機能などが付いたタイプもあります。台風の時だけでなく、普段から貼っておいて損はありません。
ただし、賃貸物件の場合は窓ガラスに飛散防止フィルムを貼っていいのか否か、管理会社や大家さんに確認してから貼りましょう。

段ボールを内側に貼る

飛散防止フィルムを貼ってはならない、貼るのが難しそうで他の方法がよいという場合には、窓の内側にダンボールを貼ることもおすすめです。窓ガラスが割れた場合でも、段ボールによってガラスの飛散が防げます。
窓の外側にダンボールを貼ることで雨戸の代わりにするという方法もありますが、おすすめしません。台風の強風によってダンボールが飛ばされてしまうことが多く、周囲の家や車にぶつかって被害を出してしまうことがあるからです。段ボールはあくまでもガラスの飛散防止のために、窓の内側に貼るようにしてください。

養生テープを貼る

養生テープとは、貼ったあとが残らずにきれいに剥がせるガムテープです。賃貸物件でも窓を汚すことがなく貼ることができます。ホームセンターや100均で販売されていて、ガムテープと同じ文具コーナーに置いてあることが多いでしょう。養生テープを窓に漢字の米の形に貼ると、窓の強度を上げることができるといわれていますが、テープのない場所にモノが当たれば、その部分は割れてしまいます。窓ガラスすべてに隙間なく貼るといいでしょう。

カーテンを閉める

窓に台風対策ができるアイテムが何もない時にできる一番簡単な方法は、カーテンを閉めることです。万が一窓が割れた場合でも、ガラスが室内に散らばるのをカーテンが防いでくれます。

網戸に異変がないか確認し、固定する

マンションには雨戸やシャッターがないため、網戸が一番強風や大雨にさらされることになります。網戸が強風で落ちてしまうと危険です。台風が来る前に、がたつきや外れやすい状態ではないか確認しましょう。網戸ががたつく場合、レールに汚れやゴミが付いていることがあるため、掃除をすると直ることが多いです。本体のゆがみなど自力で直せない場合は、専門会社へ依頼しましょう。
また、網戸には外れないように、外れ止めというストッパーが付いていることもあります。外れ止めがある場合は設置をしておくと、強風によって網戸が外れることを防げます。

マンションのベランダ・バルコニーの台風対策

マンションのベランダ・バルコニーの台風対策

次に、マンションのベランダやバルコニーの台風対策について4つのポイントをご紹介します。

ベランダのモノを片付ける

ベランダに置いてあるモノは、飛ばされてしまうと危険です。サンダルやアウトドア用品などの小物類は、家の中に入れましょう。植木鉢やプランターも倒れたり飛ばされたりしてしまうことがあるため、室内に入れておくと安心です。小さいモノほど飛びやすく、自分の家の窓や隣の家とのパーテーションなどを破損させてしまうため注意してください。

物干し竿を片付ける

物干し竿は飛ばされてしまうと、周囲の家や通行人に当たる可能性がありとても危険です。取り外して床に置いておくか、室内で保管しましょう。その他に、ハンガーや洗濯バサミなどの小物も部屋の中にしまいます。

排水溝・溝を掃除する

ベランダやバルコニーは土や泥だけでなく、周りから飛んできたゴミや落ち葉などで汚れています。汚れやゴミがベランダの排水溝に詰まっていると、台風の大雨がうまく排水されません。下の階への漏水や室内への雨水の侵入につながりますので、ベランダ全体や排水溝を掃除して、雨水がスムーズに流れるようにしておきましょう。

室外機を固定する

室外機は20~50kgもの重さがありますが、台風の強風によって動いてしまい窓にぶつかったり、転倒して室外機が故障したりすることもあります。室外機が少し動いてしまっただけでも、配管が外れてエアコンの故障の原因になります。そのため、室外機をワイヤーで固定したり、金具でベランダの壁や床と固定したりしておきましょう。

マンションの駐車場・駐輪場の台風対策

マンションの駐車場・駐輪場の台風対策

台風対策は家の中だけでなく、駐車場や駐輪場にも必要です。ここで、大切な3つのポイントをご紹介します。ただし、台風が近づいて強風域に入っている時におこなうと危険ですので、台風が近づく前に対策をしましょう。

車を移動させる

台風による大雨で駐車場が冠水した場合、車が被害を受けてしまうことがあります。土地が低い場所にある駐車場や地下駐車場は浸水の可能性が高いため、あらかじめ車を移動させておくとよいでしょう。飛来物や倒木の心配もありますので、一時的な避難先として屋内駐車場や立体駐車場がおすすめです。

機械式駐車場は要注意

マンションの駐車場のなかには機械式駐車場も多く、高い場所に停めていれば安心と考える方も多いでしょう。しかし、台風によって機械式駐車場自体が故障してしまった場合、長時間車を使うことができません。車を使う頻度が高い方や台風通過後すぐに車を使いたい方は、あらかじめ車を移動させておいたほうがよいかもしれません。

自転車・バイクはしっかり固定する

駐輪場に停めている自転車やバイクも、強風によって転倒したり飛ばされたりしないように固定をしましょう。駐輪場のポールなどに自転車やバイクをチェーンで固定します。雨除けとしてカバーを付ける場合は、風で飛ばされないように自転車やバイクにしっかりと固定しておきましょう。

強風域に入ったらするべき対策

ここからは、実際に自宅のマンションやアパートが台風の強風域に入った時の対策をご紹介します。

エアコンは使用しない

強風が吹く状態になったら、エアコンの使用は控えましょう。風が室外機のファン部分に当たることで負荷がかかり、モーターが故障してしまう可能性があります。ただし、閉め切った室内でエアコンなしのまま生活していると、熱中症になってしまうかもしれません。そのため、保冷剤や扇風機などを使用したり、風が弱まったらエアコンを付けたりするなどの対策をしましょう。

給気口を閉め、24時間換気システムを停止する

室内の空気を入れ替える給気口や換気扇は雨や風が吹き込んでしまうため、使わずに閉めておきましょう。特に換気扇は羽に負荷がかかり故障の原因となるので、台風が近づいてきた時は換気扇を使わずに準備できる食事を用意しておくと安心です。また、普段はつけっぱなしにしている24時間換気システムも、台風の強風域に入った時だけOFFにしましょう。ただし、24時間換気システムを台風通過後に再開することを忘れないようにしてください。

窓枠や玄関ドアからの浸水をタオルで防ぐ

窓枠や玄関ドアには小さな隙間があり、そこから雨風が室内に侵入することがあります。雨水が入り込んできた時は、その隙間にタオルを詰めておきましょう。浸水した状態を放置しておくと、カビの原因となるため、タオルで吸い取り切れなくなったら交換するなど定期的に確認しましょう。

台風や災害などの緊急事態に備えるには

台風や災害などの緊急事態に備えるには

台風をはじめとした災害に備えるために、日ごろから注意しておくとよいポイントを4つご紹介します。

ハザードマップを確認する

ハザードマップとは、ある災害が発生した時に、危険な地域や避難場所などを地図にまとめたものです。洪水・地震・津波・土砂災害などの災害ごとに、国や地方自治体によって作られています。ハザードマップで自宅の位置を確認し、どのような災害の時にどのくらいのリスクがあるのかを調査しておきましょう。万が一の時に、家族で集合する避難場所も決めておくと安心です。

非常用持ち出し袋を準備する

非常用持ち出し袋とは、災害が起きた時に自宅から避難所まで行く際に持つ、荷物をまとめた袋のことです。災害が起きて避難が必要になった時に慌てて準備するのではなく、あらかじめ必要な荷物を詰めておき、すぐに避難できるようにしておきましょう。避難する時に必要な懐中電灯やカッパだけでなく、水・食料・常備薬など必要なアイテムを入れてください。

食料・飲料水をストックしておく

大きな災害が起きた時はスーパーやコンビニから食料がなくなり、家にある食べ物だけで過ごす可能性があります。最低でも3日分、できれば1週間分の食料や飲料水を備えておくことが推奨されています。賞味期限の長い非常食を準備するだけでなく、日ごろからローリングストック法を意識しておくことがおすすめです。
ローリングストック法とは、日ごろから自宅で利用している食品や生活用品を少し多めに備えておき、古いものから順に消費していく方法です。食料品や飲料水だけでなく、赤ちゃんのためのミルクやおむつ、女性のための生理用品も、同じように多めに購入しておくと万が一の時に焦らずに済みます。

ペットボトルや風呂に水を溜める

断水中の生活用水を確保するために、あらかじめお風呂の浴槽やペットボトルなどに水を溜めておくこともおすすめです。ただし、浴槽に貯めた水は飲料水として利用はできませんので注意しましょう。また、地震による断水の場合、トイレを流す時にお風呂の水を流すことは危険です。万が一配管に異常があると、下の階にトイレの汚水が漏水する可能性があります。

マンションが台風被害を受けたらどうする?

マンションが台風によって被害を受けた時の対処方法をご紹介します。

共用部分の被害は管理組合の保険が適用される

マンションは101号室など所有者が管理している住戸スペースの専有部分と、それ以外の共用部分に分けられます。エレベーターやエントランスホールなどの共用部分に被害が出た場合は、マンションの管理組合で加入している保険から修理費が出ます。ただし、修理には管理組合の決定が必要です。また、台風で被害の出やすい網戸も共用部分とされていることが多く、管理会社に問い合わせて修理を依頼することができます。

被害状況を確認する

マンションの専有部分に被害が出た場合は、被害を受けた状況を写真で記録しておきましょう。加入している火災保険によって、補償を受ける時に必要となります。火災保険による台風被害の補償については次の章でご紹介します。

保険の内容を確認する

台風被害による火災保険の補償は、以下の3種類に分けられます。

  • 1. 風災補償:台風、旋風、⻯巻、暴風などで被害を受けた時
  • 2. 水災補償:台風、暴風雨、豪雨などによる洪水・融雪洪水・高潮・土砂崩れ・落石などで被害を受けた時
  • 3. 落雷補償:落雷で被害を受けた時

火災保険の補償範囲は建物と家財があり、契約している補償範囲を確認しましょう。

この記事のまとめ

マンションに住んでいる時に台風が来た場合の対策方法や、万が一に被害を受けてしまった時の対処について次にまとめました。

マンションの台風対策でできることは?

マンションの台風対策は、大きく分けて3つあります。1つ目は窓で、飛来物が飛んで窓ガラスが割れた時に室内にガラスの破片が飛び散らないようにしましょう。2つ目はベランダで、モノを片付けておきます。そして、3つ目は車や自転車で、台風が来る前に安全な場所に移動したり、固定して倒れたりしないように対策をしてください。

緊急時に備えて何をしておくべき?

台風が来て避難が必要になった場合にどこに避難すればいいのか、あらかじめハザードマップで確認しておきます。非常用持ち出し袋を準備しておき、万が一の時はすぐに避難できるようにしましょう。また、断水や買い物ができなくなった時に備えて、食料や水の備蓄をしておくと安心です。

マンションは災害に強い建物ですが、雨戸やシャッターがないため対策をする必要があります。近年は災害による被害が拡大する傾向にありますので、事前準備や保険の加入などをおこない備えておきましょう。

執筆者

古泉葵

2020年からフリーランスのWebライターとして活動。ライフスタイルやグルメなど幅広い分野の記事を執筆。理系大卒のため、ロジカルな文章の作成が得意。

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