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家庭でできる災害対策をしよう!地震や台風への備えまとめ

災害はいつ起きてもおかしくない

地震や津波、台風、集中豪雨、土砂災害、火山災害、火災など、私たちのまわりには生活を脅かすさまざまな危険があります。例えば東日本大震災での津波、あるいは静岡県熱海市での大規模な土石流災害は記憶に新しいところでしょう。また、これから起きるとされている直下型地震や南海トラフ地震でも、同等またはそれ以上の被害が起きてもおかしくありません。日本は地震や台風が起こりやすい地域であり、小規模なものも含めれば、かなりの頻度で自然災害が発生しています。

日頃から災害対策を講じておけば、被害を少なくすることができます。自分や大切な家族の命を守るためにも、家庭でできる災害対策を知っておきましょう。この記事では、災害対策のポイントをまとめました。

リスクを正しく把握する

災害に正しく対応するためには、リスクを想定しておくことが重要です。「何が」「どこで」「どのように危険か」を知っておけば、具体的な対策を立てられるでしょう。

家族で話し合う機会を設けよう

有事の際に落ち着いて行動するためには、普段から災害について家族で話し合っておくことが大切です。しかし、実際にそのような機会を設けている家庭は少ないかもしれません。避難経路や避難場所、防災グッズの保管場所、緊急時の連絡先などを話し合っておけば、いざというときもパニックにならず行動できるでしょう。

生活を想定して災害をシミュレーションしよう

家族によって生活リズムは異なります。それぞれの生活を想定しながら、災害時の行動をシミュレーションすることも肝心です。

たとえば、フルタイムで仕事している人と日中のみパートで働いている人とでは、職場で災害が発生したときの対応も変わってきます。学校に通っている子どもや、家にいる高齢者とどのように合流するのか、また、すぐ合流することが難しければそれぞれどのように自分の身を守るかなど、あらかじめシミュレーションしておきましょう。不安な点について解消方法を事前に検討しておけば、いざ災害が起きてもスムーズに動けます。

ハザードマップを確認しよう

まずは、自分が住んでいる場所でどういった災害リスクがあるかを知っておきましょう。そのために役立つのがハザードマップです。

ハザードマップとは

ハザードマップとは、自然災害の発生率や発生した場合の被害状況を地図によって表したものです。

ハザードマップはどこで見られる?

ハザードマップは自治体の窓口で受け取れるほか、ホームページや国土交通省のハザードマップポータルサイト、あるいは住宅購入時の重要事項説明書などに載っています。

▼参考:ハザードマップポータルサイト

ハザードマップでわかること

ハザードマップでわかるのが、被害の想定範囲です。洪水や浸水、土砂災害、地震、火山や津波など、さまざまな自然災害について、ハザードマップは予測される被害範囲を表しています。ハザードマップを見れば、自分の住んでいる地域にどのような災害の危険があり、どの規模の被害が起こるか把握できるでしょう。

さらにハザードマップは、安全な地域も示しています。実際に多くの避難場所は、ハザードマップにおける危険の少ない地域に設置されています。

そのほか、災害によっては避難経路の状況を確認できます。たとえば、津波や洪水が起こると、浸水によって一部の避難経路はふさがってしまいます。そのようなとき、どの経路なら安全に使用できるのかをハザードマップから知ることができます。

家の中の危険な場所と安全な場所を確認しよう

家の中でも、危険な場所と安全な場所は分かれています。たとえば台所や書斎、寝室などは、棚があったりものが多く、災害時に落下したり棚そのものが転倒したりする恐れがあり、危険な場所である可能性があります。
また、寝室で眠っている間に災害が起こると無防備になってしまいます。こうした場所では、家具の固定や避難経路の確保といった事前の対応が必要です。

逆に、物が少なくてスペースが十分にある部屋は安全度が高いといえます。もし自宅で閉じ込められてしまったときはそういった部屋が避難場所になります。また、高齢の方や子どもなどの部屋はあらかじめ物を少なくしておくと災害時の安全を確保しやすくなります。

長期的な断水や停電、食糧不足を想定しよう

大災害では自宅に閉じ込められ、ライフラインが絶たれてしまう可能性も考えなくてはなりません。水道管が破損して水が出なくなったり、停電してしまうこともあるでしょう。こうした状況でも生活ができるよう、非常食や飲料水は備蓄しておきたいところです。小型の充電器やバッテリーなどを防災グッズに含めておくと災害時に便利です。

近所づきあいを見直す

災害時は、助けてくれる人が1人でも多いと生活や避難が楽になります。たとえば、高齢の方や子どもを家に残したまま被災したとしたら、近所の人に協力を仰ぐ必要があります。しかし、普段からの関係性が薄いとそうもいきません。避難所で道具を借りたりしたいときも、ある程度の関係性がないと難しい可能性があります。もしご近所づきあいが希薄であれば、災害時を見据えて改善しておくとよいかもしれません。

災害に備える

実際に大災害が起きたとき、まったく用意がないと生活に支障をきたしかねません。念には念を入れて、以下のような備えを忘れないでおきましょう。

避難経路、避難場所を確認しておこう

いざというとき、避難場所がわからないと焦ってしまいます。事前に避難場所と避難経路を確認しておくことで、有事のときも落ち着いて行動できるでしょう。自分の住んでいる自治体のホームページなどを確認し、避難所の場所を把握しておくことが大切です。できれば、避難場所までの経路を自分と家族で実際に歩いてみてください。そうすれば、「障害物が多い」「子どもには歩きづらい」といった、細かい点も見えてきます。

より安全な家具の配置を考えよう

もし寝ている間に地震が起きて、家具が倒れてきたらどうなるでしょうか。考えただけでも恐ろしいですよね。キッチンの吊戸棚から食器が落ちてくる心配はないか、テレビは倒れないようにしっかり固定されているかなど、落下や転倒のリスクがある場所はチェックが必要です。家具の配置を考えてしっかり固定することは、家庭での災害対策の基本。地震が起きたときに家具が倒壊しないよう工夫しましょう。家族が寝たり団らんしたりする場所の近くに、大きな家具を置かないことも大切です。

飲料、食料の備蓄をしよう 

緊急時に、飲料と食料の確保は死活問題です。ここからは、飲料や食料を備蓄するための方法について解説します。

ローリングストック法とは?

備えて、消費し、買い足す 「ローリングストック法」

災害に備えて飲料や食料をストックする方法としては、「ローリングストック法」が有名です。ローリングストック法では、普段から飲料や食料を多めに買っておきます。使わない分は災害などの緊急時のために備蓄しておく方法です。ストック分の賞味期限が近付いてきたら、新たに同じものを買い備蓄分から消費していきます。これを繰り返せば、常に家庭内で一定量の飲料や食料を備蓄できる仕組みです。

防災グッズ(非常持ち出し袋)を準備しよう

非常時に備え、「持ち出し袋」を用意する家庭も増えてきました。持ち出し袋とは、防災グッズをひとまとめにして、すぐ取り出せる状態にしているカバンのことです。持ち出し袋があれば、災害から避難しなければならないとき、貴重品と持ち出し袋を手にしてすぐに行動ができます。あるいは家の中に閉じ込められても、持ち出し袋の中のグッズが役に立つでしょう。

持ち出し袋にはリュックサックがおすすめ。なぜなら避難中、両手を空けたまま行動できるからです。持ち出し袋には飲料や食料のほか、懐中電灯やバッテリー、衣類やタオル、ウェットティッシュなどの生活用品も入れておきましょう。そのほか、家族の構成や事情によって防災グッズの中身は変わります。たとえば小さな子どもがいれば、おもちゃなども入れておくとよいでしょう。おやつもストレス解消になります。持病のある家族がいるなら常備薬も必須です。防災グッズの詳細は、以下の記事も参考にしてみてください。

災害時の連絡方法を確認しておこう

地震などの災害発生時には音声通話が集中し、電話がつながりにくくなります。東日本大震災発生の直後も、携帯電話事業者によっては平常時の50~60倍以上の通話が一時的に集中するなど、長時間にわたり電話が非常につながりにくい状態となりました。災害時は離れ離れとなった家族の安否を一刻も早く知りたいですし、避難先も確認しなければなりません。災害時に家族とどのようにして連絡をし合うか、あらかじめ相談し決めておきましょう。

災害用伝言ダイヤル「171」とは 

大規模な災害が起こったとき、伝言板の役割を果たすダイヤルが「171」です。171は基本的に、どのような種類の電話でも利用できます。利用者はあらかじめキーとなる電話番号を決めたうえでダイヤルにかけ、メッセージを残します。そのキーを知っている人がダイヤルにかければ、メッセージが残っているかどうかを確認できるシステムです。
家族の誰かが携帯電話を失ったとしても、固定電話や電話ボックスが残っていれば171を利用できます。そこで安否を確かめることが可能です。いざというときのために、171用のキーとなる電話番号を決めておくことが大切です。

安否確認に役立つサービスやアプリ

災害時に役立つサービスやアプリもあります。たとえば171以外にも、携帯キャリアユーザーに向けた伝言ダイヤルが設けられています。アプリを使って自身の安否を登録し、ほかのアプリユーザーに見てもらうことが可能です。携帯電話が使える状態なら、これらのサービスやアプリは手軽に利用できます。家族に合ったものを選んで使ってみましょう。

まとめ

災害時の備えは、すぐに取り組めることがたくさんあります。ローリングストック法や災害時の伝言アプリの導入などは、今すぐにでも始められる方法です。日頃から家庭でできる災害対策をおこない、自分と家族の命を守りましょう。そのほか、防災備蓄設備ありのマンションを選ぶとより安心感が増します。物件選びから安全性に配慮し、災害対策がなされているところを探してみてはいかがでしょうか。

執筆者

小倉 ひろ

京都府在住。フリーライター、イベンター。地元で文化事業の運営をしてきた経験から、地方行政に興味を持つ。まちおこし、一次産業についての記事を数多く執筆。近年では愛猫との生活を経て、ペット関係の文章も手掛けている。

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