掃除しやすい家をつくるには?間取りや水回りを工夫するポイントを解説
掃除にかかる時間が短縮できれば、他の家事にあてられる時間が増えるだけでなく、家族とのコミュニケーションや自分の趣味を充実させる事にもつながります。
掃除のしやすい家を実現するには、間取りや設備、素材選びが重要です。
本記事では、掃除しやすい家づくりのポイントを解説します。これから家を建てる方も、今の住まいを見直したい方も、ぜひ参考にしてください。
記事の目次
掃除しやすい家とは

掃除しやすい家とは、ただ汚れにくい家ではなく、汚れても短時間で元の状態に戻せる工夫がされている住まいの事です。
掃除しやすい家を実現するには、片づけやすさも重要なポイントです。物が定位置に収まりやすい家は、床や棚の上に物が散らかりにくく、掃除をおこないやすくなります。
掃除前の片づけ時間が短縮されるだけでも、体感的な負担は大きく軽減されます。家づくりは、掃除のしやすさと散らかりにくさの両方を兼ね備えた住まいを意識しましょう。
掃除の手間がかからない家の特徴
以下は、掃除の手間がかからない家の共通点です。
- 床に物が出にくい収納計画がされている
- レールや段差など埃がたまりやすい部分が少ない
- 水回りが集約されている
- 汚れに強い内装材や撥水性の高い設備を採用している
また、視線が抜ける開放的な空間を採用すれば、汚れや散らかりに気付きやすく、早めに対処できます。
小さな汚れや散らかりの段階で掃除をできれば、掃除の頻度は増えても、1回あたりの負担は軽くなるでしょう。
日々の小さな掃除がしやすい設計にすることこそ、掃除の手間がかからない家を実現するためのポイントです。
メンテナンスのしやすい家との違い
メンテナンスのしやすい家とは一般的に、家の修繕や点検が容易なことを指します。
一方で掃除しやすい家とは、日々の掃除の負担を減らせる家のこと。共通する部分もありますが、工夫すべきポイントが異なるケースもあります。
例えば、耐久性の高い外壁配管の配置・設置方法などが工夫された家はメンテナンスがしやすいでしょう。一方で、それらは日々の掃除にはあまり関係しない事が多いです。
ただし、先述のとおり、素材の選び方などは掃除のしやすい家とメンテナンスのしやすい家で共通する点も多いため、長期的な維持管理のしやすさと日常的な掃除のしやすさを同時に考えると、より快適な住まいになるでしょう。
【間取りのポイント】掃除しやすい家づくり

掃除しやすい家づくりの土台となるポイントが、間取りの計画です。
間取りはあとから大きく変更できないため、設計段階で掃除のしやすさをどこまで考えられるかが重要になります。
家事動線が複雑だと移動が増え、掃除の負担も大きくなります。回遊性があり、部屋同士がスムーズにつながる設計を考え、短時間で家全体を整えられるようにしましょう。
家具配置や生活動線を具体的にシミュレーションし、掃除の流れを意識しながら設計をおこなうことが大切です。
では、掃除しやすい家を設計する際の間取りのポイントを解説します。
回遊動線で掃除効率を上げる
回遊動線とは、家の中を行き止まりなく回れる間取りのことです。
キッチンから洗面室、リビングへと回れる設計であれば、掃除機を持って何度も引き返す必要がありません。そのため短時間で効率よく掃除できるでしょう。
また、人の流れがスムーズだと物の滞留も起きにくく、自然と散らかりにくい環境が整います。
掃除は動きやすさと密接に関係しているため、日常の動きが整えば、掃除も自然と効率化されるでしょう。
水回りをまとめて家事負担を減らす
キッチン、洗面所、浴室、トイレなどの水回りを一カ所に集約すると、掃除の手間は大きく軽減します。汚れやすい場所が近くにあれば、まとめて掃除ができるため効率的です。
また、配管が集中することで点検やメンテナンスもしやすくなります。湿気対策として換気計画を整えれば、カビの発生も抑制できるでしょう。
新築で掃除が楽になる間取りを目指すなら、水回りの配置は優先的に検討したいポイントです。
凹凸の少ないシンプルな間取りにする
装飾的なニッチや段差のある天井などの複雑な形状は魅力的ですが、掃除のしやすさという視点では手間が増える可能性があります。
掃除しやすい家を目指すなら、できるだけ直線的でシンプルな空間構成が理想です。
シンプルな間取りにすることで、家具の配置も整えやすく、ロボット掃除機の走行効率も高まります。収納を造作する場合も、奥行きや高さを統一すると掃除が簡単になるでしょう。
デザインと実用性のバランスを取りながら、本当に必要な要素だけを残すことが大切です。
段差をなくしてバリアフリーにする
室内の段差はつまずき防止だけではなく、掃除のしやすさにも影響します。
段差があるとゴミがたまりやすく、掃除機やモップの動きも制限されます。バリアフリー設計にすれば床面が連続し、短時間で掃除できる環境が整うでしょう。
また、将来のライフステージの変化にも対応できる点もメリットです。段差の有無を細かく確認して、掃除と安全性の両面から設計しましょう。
【設備・仕様編】掃除しやすい家づくり

家づくりは、設備や仕様の選び方次第で掃除の負担が大きく変わります。
特に水回り設備は毎日使う場所だからこそ、汚れにくさと手入れのしやすさが重要です。
表面加工や形状によっても水垢やカビの付き方が異なります。初期費用はかかりますが、汚れを分解する加工や自動洗浄機能を備えた製品を導入すると、掃除の負担軽減につながるでしょう。
ここでは、掃除しやすい家を設計する際に導入したい設備を解説します。
浴室のカウンターと鏡を工夫する
浴室は特に汚れが蓄積しやすい場所です。固定式カウンターや大きな鏡は便利ですが、裏側や縁に水垢・カビが発生しやすい傾向があります。
カウンターを設けない仕様や取り外し可能なタイプを選んだり、鏡をコンパクトにしたりすれば掃除面積を減らせるでしょう。また、防汚加工や曇り止め加工もおすすめ。また、湿気を早く排出するために、換気乾燥機の活用も有効です。
レールレス扉と吊り戸を取り入れる
引き戸の下部レールには埃やゴミがたまりやすく、掃除の手間がかかります。
レールレス扉や上吊り式の建具を取り入れることで、床面に溝がないため、モップや掃除機をそのまま通せます。埃が溜まりやすいクローゼットも、扉を吊り戸にすることで、収納内部の掃除も容易になるでしょう。
また、掃除がしやすいだけではなく、開閉が軽くスムーズになるため、バリアフリー性が高まる点もメリットです。小さなストレスを減らす積み重ねが、快適な住まいにつながります。
断熱性能の高い窓を採用する
窓の断熱性能が低いと結露が発生しやすくなり、カビや汚れの原因になります。
高断熱のサッシや複層ガラスを採用すれば、室内外の温度差を抑えられて結露が減り、掃除の回数も少なくなるでしょう。
さらに、気密性が高まることで外部からの埃の侵入が抑制されやすくなります。掃除しやすい家を実現するには、窓の性能にも目を向けることが大切です。
コンセント配置と掃除機の動線を工夫する
掃除機を使うたびに延長コードを出すと、手間がかかってしまいます。
各部屋の適切な位置にコンセントを設けることで、スムーズに掃除ができるでしょう。特に廊下や階段付近に設置すると便利です。
また、ロボット掃除機を使う場合は、充電ステーションの場所も事前に確保しましょう。壁面収納の中やパントリー内にも電源を設けると、充電式家電の管理がしやすくなります。
掃除しやすいリビングをつくるコツ

リビングは家族が長時間過ごす空間のため、散らかりやすい場所です。
掃除しやすいリビングを目指すには、床面を広く確保し、家具の脚や配置の工夫を意識しましょう。また、家族が自然と片づけやすい仕組みを作ることも重要です。使った物を戻しやすい収納があれば、散らかりにくくなります。
以下では、掃除しやすいリビングをつくるコツを紹介します。
フロート家具で床掃除を簡単に
壁に固定するフロートタイプの家具は、床との間に空間が生まれます。
テレビボードや洗面台を浮かせる設計にすれば、隙間に掃除機やロボット掃除機が入りやすくなり、掃除の効率化につながります。
加えて、ソファやテーブルも脚付きタイプを選ぶと効果的です。床との接地面が少ないほど、埃がたまりにくくなるため、家具選びも掃除計画の一部といえるでしょう。
埃がたまりにくい照明を採用する
照明器具の形状によっては、上部やカバー内部に埃がたまりやすくなります。
特に凹凸が多いデザインや装飾性の高いシェードは、見た目は華やかでも掃除の手間が増える傾向があります。したがって、フラットで拭き取りやすい形状を選ぶことが重要です。
また、間接照明を採用する場合は、光源が隠れる奥行き部分に埃がたまらないよう、手が届く構造にしましょう。高所に設置する照明ほど掃除の頻度が下がるため、脚立を使わずにメンテナンスできる高さや位置を検討すると安心です。
ロボット掃除機を活用する
ロボット掃除機を活用するためには、段差の少ない間取りと十分な通路幅の確保が必要です。
家具の脚の高さをそろえ、機器が入り込めるスペースをあらかじめ想定すれば、掃除の効率が大きく向上するでしょう。
また、床に物を置かないための収納設計も重要です。設計段階からロボット掃除機の使用を前提にすると、掃除しやすい家づくりが現実的になります。
掃除のしやすさは収納計画で決まる

掃除の手間がかからない家づくりは、収納計画から始まります。
収納が不足していると、物があふれて掃除の妨げになるため、適切な収納量を確保し、使う場所の近くに配置することが基本です。
また、収納内部も棚板を可動式にするなど、掃除しやすさを意識しましょう。家族構成やライフスタイルに合わせて計画すれば、散らかりにくい環境が整います。家づくりをおこなう際に意識したい収納のポイントを解説します。
扉なし収納を設計する
あえて扉を設けない収納スペースを設計すれば、開閉の手間がなく通気性も確保できます。
見せる収納と隠す収納をバランスよく配置することで、生活感を抑えつつ出し入れがスムーズになります。使用頻度の高い物は手前に、季節用品は奥に配置するなど、動線を意識した設計をおこなうと有効です。
また、扉のレールが不要になるため床面に溝ができず、埃がたまりにくい点もメリットです。棚板の取り外しやすさや内部の拭き取りやすさまで確認しましょう。
ロボット掃除機の基地を作る
ロボット掃除機の充電スペースをあらかじめ設けておくと、日常的に使いやすくなります。
例えば、階段下や収納の一角など、デッドスペースを活用すれば空間を有効に使えます。内部にコンセントを設置し配線を隠すことで、空間をすっきりした印象に整えられるでしょう。
ただし、基地の位置が悪いと使用頻度が下がり、設備が活かされないことも。出入り口の幅や高さを機種に合わせて確保しておくことが大切です。
土間収納やパントリーを活用する
玄関の土間収納やキッチン横のパントリーは、モノの一括管理ができる便利な空間です。
外から持ち込む荷物を玄関で整理できれば、室内に汚れを持ち込みにくくなります。また、食品や日用品をまとめて収納すれば、リビングやダイニングが散らかりにくいでしょう。
収納内部に換気口を設ければ湿気対策にもなり、カビの発生を防ぎやすくなります。整理整頓しやすい環境が整えば、掃除の手間は自然と減っていきます。
掃除の負担を減らすには素材選びが大切

日々の掃除の負担を軽減するためには、素材選びが大切です。
傷が付きにくく汚れが染み込みにくい素材を選べば、軽い拭き掃除だけで清潔な状態を保ちやすくなります。さらに、メーカーごとの機能性や保証内容も確認しておくと安心です。
また、素材選びは先述したメンテナンスがしやすい家との共通点の一つ。初期費用だけで判断せず、長期的な維持管理コストを含めて比較しましょう。日々の掃除のみでなくメンテナンスの負担を軽減するための素材選びのポイントを解説します。
汚れに強い内装材の選び方
内装材とは、住宅の建物内部の壁や床、天井に使用される材料の総称です。
毎日目にして触れる部分だからこそ、汚れにくさと掃除のしやすさがポイントとなります。
| 場所 | 掃除の負担を 減らせる素材の例 |
特徴 |
|---|---|---|
| 壁 | ビニールクロス | 水拭きが可能 価格が比較的安価 |
| 壁 | 珪藻土・塗り壁 | 調湿効果あり 質感が豊か |
| 床 | シートフローリング | 傷・水に強い |
| 床 | 無垢フローリング | 自然素材の風合い |
また、ショールームで実物に触れ、実際にどのように掃除するのかを確認することも重要です。
掃除方法まで具体的にイメージできる素材を選ぶことが、長く快適に暮らせる住まいにつながるでしょう。
キッチンや水回りの素材の選び方
キッチンや洗面所、浴室などの水回りは、家の中でも特に汚れが発生しやすい場所です。
水垢や油汚れ、洗剤カスなどが日常的に付着するため、素材の性能が掃除のしやすさを大きく左右します。掃除しやすい家づくりでは、水や油への強さや継ぎ目の少なさを重視すると、日々の手入れがしやすくなるでしょう。
| 場所 | 素材例 | 特徴 |
|---|---|---|
| キッチン天板 | ステンレス | 耐久性・耐熱性が高い |
| キッチン天板 | 人工大理石 | デザイン性が高い |
| 洗面ボウル | 陶器一体型 | 継ぎ目が少ない |
| 浴室の壁 | 樹脂パネル | 水拭きしやすい |
ショールームでは、実際に水をかけた時の弾き方や、指紋の残りやすさを確認しましょう。
日々の掃除を想定して素材を選ぶことが、掃除の手間がかからない家への近道です。
入居後の掃除を楽にするための対策

設計段階での工夫だけでなく、入居後の対策次第でも掃除の負担を減らせます。
入居のタイミングで汚れをためにくい仕組みを整えることが、汚れの蓄積を防ぐポイントです。掃除しやすい家を維持するには、予防の視点を持つことを意識しましょう。入居後の掃除を楽にするための対策を紹介します。
水回りの汚れを防ぐ入居後の対策
水回りは、家の中でも特に汚れが蓄積しやすい場所です。
ポイントは汚れを落とすことよりも汚れの発生を防ぐことです。入居直後のきれいな状態で予防をすることで、その後の掃除の負担が変わります。
| 場所 | 主な対策 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| キッチン シンク |
撥水コーティング | 水垢の付着を防ぎ、拭き掃除が簡単になる |
| 換気扇 | フィルター設置 | 油汚れの内部侵入を防ぎ、分解清掃の回数を減らせる |
| 排水口 | ネットの装着 | ぬめりや詰まりを予防し、掃除の時間を短縮できる |
| 浴室 | 使用後の水切り・ 換気 |
カビの発生抑制、黒ずみを防止し、掃除の時間を短縮できる |
小さな手間を積み重ねることで大きな差が生まれます。
掃除の手間がかからない家を維持するには、汚れをためない習慣づくりが重要です。適切な対策を講じたうえで、こまめに簡易的な掃除をおこない、頑固な汚れになるのを防ぎましょう。
トイレの汚れを防ぐ入居後の対策
トイレは汚れが繁殖しやすい場所の一つです。
特に便器と床の隙間には、知らないうちに汚れが入り込みます。時間が経つほど除去が難しくなるため、早い段階での予防が重要です。
| 対象箇所 | 主な対策 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| トイレの隙間 | 隙間テープ | 尿はねや埃の侵入防止 |
| トイレの床 | 保護シート | 床材への汚れ・傷の防止 |
掃除しやすい家を長く維持するためには、日常の小さな工夫が効果を発揮します。予防と定期的な見直しを習慣にしましょう。
家具や家電まわりの埃を防ぐ入居後の対策
家具や家電の周辺は、空気の流れによって埃が集まりやすい場所です。
特に冷蔵庫や洗濯機の下、テレビ裏、デスク周辺は見落とされることも。掃除しにくい構造のまま放置すると、埃が層になって機器の故障リスクも高まるため注意しましょう。
| 場所 | 主な対策 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 冷蔵庫・ 洗濯機下 |
防塵カバー | 手の届かない部分への 埃の侵入防止 |
| エアコン | フィルター清掃 | 室内の埃を低減 空気の質を向上 |
| テレビ裏・ デスク周辺 |
ケーブルボックス | 配線の埃の付着防止 掃除効率の向上 |
| 家具と壁の隙間 | 隙間の縮小・ キャスター活用 |
掃除しにくい場所の削減 |
掃除しやすい家を保つには、目に見えない部分への対策も欠かせません。小さな対策の積み重ねが、快適な住環境を支えるでしょう。
床の汚れを防ぐ入居後の対策
部屋の床の汚れを防ぐことができれば、日々の掃除の手間を省けるでしょう。
| 場所 | 主な対策 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| フローリング全体 | コーティング施工 | 水拭き・空拭きで 汚れ除去が可能になる |
| 家具の脚 | フェルトの貼り付け | 床への傷の防止、 埃の舞い上がり軽減 |
床がきれいに保たれていると、家全体も清潔な印象につながりやすいため、対策をすればより過ごしやすい住環境が実現します。
まとめ
掃除しやすい家づくりは、特別な設備だけに頼るものではありません。
間取りの工夫や収納計画、素材選びなどの基本を意識して計画すれば、入居後の家事負担は大きく変わります。暮らし始めてからも汚れをためない意識を持ち続ければ、住まいの快適さは長く維持できるでしょう。
これから家を建てる方も、今の住まいを見直したい方も、できる部分から取り入れてください。
日々の小さな負担を減らすことが、快適な住まいへの第一歩です。
注文住宅を建てる

執筆者
民辻 伸也
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ















